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恩返し編
4話・色々と怖くて猫で居ます。
翌日、討伐隊長の借りている寮の一室の窓は開け放たれ、風がソヨソヨと吹き込み、カーテンが揺れていた。室内には、留守番をしているはずの白猫の姿はなかった。
※ ※ ※ ※ ※
《討伐隊長を探しに向かう魔女》
リュイは白猫のまま、部屋を飛び出し、拾われた頃を思いだして恩人が歩いただろう道を駆けていっ
た。
リュイはこう見えても魔女。恩人の討伐隊長の痕跡は容易く見つけることができた。討伐隊が応援に向かうこの日、討伐隊の訓練所を出る荷馬車に複数の隊の兵士が荷に紛れて乗り込むのを見つけ、こっそりとそこへと乗り込んだ。
リュイは討伐隊の隊長のことを思い出していた。
※
毎日同じベッドで眠り、一緒に起きる。恩人の名はハリス・ギヤス。ブロンドの長い髪を束ね、モスグリーンの色をした屈強な青年。
『子猫ちゃん、君はどうして池にいたのかな?可愛いね。』
ハリスはごつごつした手を伸ばし白猫の額の模様を優しく撫でた。
『子猫ちゃんはお腹が気持ちいいのかい?』
『うにゃ~』
白猫は仰向けになりお腹を見せるようにうねうねしながら、お腹を撫でるハリスの指を小さな前足で器用にキャッチし、ペロペロなめた。
『子猫ちゃんにプレゼントだよ、似合ってる。』
白猫の首に赤いリボンを結び、白猫はごつごつとしたその手にすりより甘えるように何度も鳴いた。
『ああ、なんて可愛いんだ。よしよし。』
白猫はハリスの膝に丸くなり、ハリスはブラシで白猫をしゅっしゅっと優しく毛を解かしていき、白猫は気持ち良さそうにうたた寝をした。
だらけたくなるほどハリスの愛情を受け、白猫は現実の問題を考えることを放棄した。
※
白猫は、討伐隊長との生活を思い出しながら瞼を開けると現実へと意識を向けた。荷馬車の端、張られたシートの隙間から顔をだし、外の景色に眼を向け、魔王の配下の気配を探した。
(魔女になるのはやはり危険だな、この姿で何とか頑張って見るか。)
白猫は討伐隊長に早く会いたくていつまでもハリスのことばかり考えていた。
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