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恩返し編
5話・ 恩返しがしたくて猫で居ます。
討伐隊をのせた馬車が止まったのは、とある領地の境界線。監視の兵士と合流し、荷馬車から部隊の兵達は続々と降りて行き、司令塔へと向かうなか、白猫は姿を現し、彼らのあとをおったのだった。
※ ※ ※ ※ ※
討伐隊の司令室、そこでは隊長ハリスがテーブルを囲み地図を見ながら作戦会議中だった。
(良かった、ハリス様はお元気そう、でも片方の腕が包帯巻いてる。)
白猫は部屋に集まる何人かの脚をすり抜け、会議の中心にいるハリスの足元にすりよった。
「えっ。子猫ちゃん、ここまで来たのか?」
「にやぁ~お~。」
(恩人様!心配しましたよ!)
「今は会議をしているからね、お利口にしているんだよ?」
「にゃ~ん。」
(はい。お利口にしてます!)
白猫はハリスの足元から離れることなくその場に丸くなりうとうとと、眠りながら、会議の終わりを待つのだった。
※
会議あと、皆討伐に向かう準備にとりかかり、ハリスはようやく白猫を抱きしめていた。
「子猫ちゃん、僕らはこれから任務に向かうから、彼女に相手をしてもらうんだよ?」
白猫にスリスリと頬を寄せるハリスが向ける視線の先には、ハリスが不在の寮に白猫の面倒をみに来た少女に似た人物がいて、白猫のリュイは眼を丸くしてハリスと少女を交互に見返すと、ハリスはくすりと笑っていた。
ハリスは白猫の反応に察したのか説明をした。
「子猫ちゃん、この子は討伐隊に所属している魔法使い。留守番していた子猫ちゃんの面倒をみてくれた女の子がいたろ?その妹だよ。」
「うにゃ~?」
(へ~そっくり。)
「はじめまして。テス・リベルです。私は医療班だから、司令塔に待機してるの。よろしくね?」
「ふぅ~!!」
(お世話なんて結構です!)
白猫は威嚇しテスから距離をとり背後を見せないようにみがまえていた。
ハリスは迎えに来た兵達とその場を去りテスに託して本日の調査に向かい、白猫は切ない声をだして見送り、再びテスを警戒して睨みあったまま考えていた。
(打ち解けた振りをして餌をねだろう)
白猫は、テスにすりより餌をねだるようにしつこく鳴いた。
「もーお腹すいたの?待ってて。」
「にゃっ。」
(よぉし。)
白猫は部屋に誰もいなくなったすきに飛び出していった。
(悪いな人間の娘。私はハリス様に恩返しに行くんだ。)
白猫のリュイは心の中で、餌をとりにいったテスに向けて呟き、司令塔から姿を消した。
向かうのは、ハリス達討伐隊への合流。敵を見定めどうにか恩返しをと考えながら、白猫は魔法を使い速度をあげ、木々の枝をぴょんぴょんと渡り、時々木の上から辺りを見回し討伐隊を探して、徐々に距離を縮めていった。
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