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恩返し編
8話・居場所ができたので猫で居ます。
魔女のリュイはかつての仲間が去るのを見届け、背後に感じる視線に恐る恐る振り返れば、負傷した討伐隊の人間達が魔女に注目し身構えていた。
「私はお前達に害を加えるつもりはない。」
「あれはエルフ?何年か前に滅ぼされた村の!」
リュイはどこからがする声のあとに続くざわつきに、不快感を抱きながら、恩人ハリスの無事を確かめた。
「あの…」
「君は何で子猫ちゃんと同じ模様をしてるんだい?」
手当てを受けながらハリスは立ち尽くすリュイを見上げて、不思議そうに首をかしげた。
「私は猫です。あなたに救ってもらったから、かつての仲間を裏切ってでも、あなたの役にたちたかった。」
リュイは魔王との繋がりが絶たれた寂しさと、これからの不安に顔を歪めながらハリスに、何とか笑顔を向けてみた。
「君が子猫ちゃんなら、姿を戻せるのかい?」
「ええ。お望みなら。」
ハリスは両手を広げれば、リュイは金色に光を放つと白い子猫へ姿を変えぴょんぴょんピョーンと地を蹴りハリスの腕に飛び込んだ。
「ああ、本当だったんだね子猫ちゃん。本当は人間の言葉を話せたりするのかな?」
リュイはハリスの腕の中、身を委ねるように寄り添い喉をならし首を伸ばすとようやく届いたハリスの喉元に額をすりよせ、囁いた。
「はい。」
ハリスは艶のある女性の声に、思わずビクリと驚き、耳や頬が赤くなり胸がきゅっと締め付けられた。
「子猫ちゃんは美人さんだね。驚いたぁ。ありがとう。お陰で奴に食べられずにすんだ。だが、君はもう彼らのもとには戻れないんだろう?僕らに協力してくれるなら、どうだろう僕の相棒として討伐隊のメンバーに加わってほしい。」
「いいんですか?」
ハリスは再びのリュイの声に胸を弾ませ動揺しながらリュイをぎゅっと抱きしめ、腕の中にいる白猫の小さな顔に頬を寄せ呟いた。
「ああ。だけどはやく、その色っぽい声にもなれなきゃね。心臓がもたないよ。」
「…?!」
白猫のリュイは微かに頬を紅くし目を細めていつものように返事をした。
「にゃ~。」
ハリスとリュイは見つめあい笑いあった。
帰還の準備が整った討伐隊はこうして無事王都へと帰路についた。
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