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恋愛編
10話・討伐隊の一員なので猫で居ます。
《遥か昔の子守唄》
二人の関係は仕事の相棒。遠征に出た討伐隊の一行はとある山に潜む反乱軍の取り締まりにあたっていた。反乱軍はもとは国の兵士の集まり。国への不満から同じ思いのものを集めて軍を作り、国への抗議のために出来た軍。だが、それはいつからか侵略するために活動する軍に変わってしまっていたのだった。
*
リュイはハリスの足元をうろちょろと、隠れているかもしれない敵がいないか確認しながらハリスについて歩いていた。
「リュイ、気配はするか?」
「今のところ大丈夫です。」
背後から討伐隊の副隊長が二人の会話に割ってはいった。
「敵はこの先に逃げ込んだと聞いています!」
リュイとの会話は途絶え、リュイはハリスに抱っこを要求し、肩に乗ると巻き付きようにして体が落ちない体制にして顔はキョロキョロと辺りを見回していた。
「この先だな?」
「はい、見た者がいますので、そのはずです。」
すると、リュイは懐かしい歌を微かにだが耳にした。
*
(あれは…魔王様に救われる前の事。私がまだ魔法で猫になる前の記憶だ。私は小さな子で銀色の長い髪の女性にだかれて、間近で動く女性の唇に目を向けていた。口から発する言葉にはメロディーがあって…私はいつもその歌を聞いて眠りについていた。)
リュイはとても動揺し、小さく呟いていた。
「何故ここで聞こえるの?」
「どうした?子猫ちゃん」
「幼い頃に耳にした子守唄が聞こえるんです。あちらから。」
リュイが目を向ける方角は、今進む先。
((反乱軍と唄になにか繋がりがあるのだろうか。))
リュイとハリスは同じことを考えながら歩みを早め先に進んだ。
進めば進むほど、その唄はリュイだけでなく、ハリスと討伐隊の隊員達の耳にも届き始めた。
声はすぐそこまでする。
リュイは人間の臭いを感じとり、隊員達も気配を感じとり、慎重にゆっくりと先に進む。
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