四つ葉の白猫は討伐隊長の愛に溺れぎみ

yu-kie

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恋愛編

11話・猫になる前の過去を回想して居ます。






 
 リュイは近づく子守唄に、脳への痛みを感じ…猫になるきっかけを思いだしかけていた。

(私を抱いていたあの人は…あともう少しであの頃の記憶が…)

「痛い!ふくぅ!」

 そしてリュイは気を失い、ハリスの肩から落ち、ハリスは慌ててその腕に抱き止めた。

 そしてリュイは過去の記憶が蘇り始めた。

     *

《悲しい記憶》

「可愛い私の娘。」
「お母様、リュイは今日、魔法をお勉強しました!」

  どこかの屋敷の広い庭には手入れされた木々や、花壇があり、吹き抜けの小屋がある。そこには木材で作られたベンチがあり、リュイの母はそこに座り読書をしていた。

 幼い5歳の少女はふわりとしたワンピースドレスを身に付け、白いタイツのしたには黒い革靴を履いて、芝生を駆け抜け母親のもとへとやって来た。

リュイは身重の母の胸に抱きつく。一旦離れ、ベンチの空いてるスペースに手をかけると母の隣にちょこんと座りそのままコテンとと母の膝に耳を寄せるように横になり、足を伸ばして仰向けになった。

 手を伸ばせばリュイを見下ろす母の顔があり、金色の瞳を細め笑顔を向けている。紅葉のように小さなリュイの手は母の頬にそっと触れた。

「あなたはもうすぐお姉さんになるのに、仕方がない子ね。」

 母は、囁くように子守唄を歌い始めた。同じフレーズを何度も繰り返す歌にリュイはうとうとと、眠り始めた。

 *

 リュイが目覚めた時、ベンチにはリュイだけが残されていた。小屋から屋敷の方を見れば屋敷から来た使用人と話をする母がいた。

「お母様?」
「私たちの村は魔法で見えなくしているのだけど…困った事が起きたわね。」
「奥様、旦那様は兵を連れて侵略者と戦っています。」

リュイの母は難しい顔をした後、使用人たちに指示を出した。

「敵は盗賊、私たちはエルフの国を出たはぐれもの、これ以上は隠れられそうにないわね、最後まで戦いましょう。リュイあなたは逃げなさい。一族の血を絶やさないためにも逃げるのよ!」

「嫌です!お母様!」

 リュイは逃げるように駆け出し、屋敷の騒がしいほうへと様子を見に行けば、剣を交える父親と兵士の姿が目に入り立ち尽くした。

「ああわあ~!!」

怖くて言葉にならない声で唸り続けた。

 駆けつけた使用人と母親の姿を間近にリュイは母の足元にしがみついた。

「ひっく、えっぐ。」

 母はリュイを抱き締め、側にいた魔法使いに目配せすると、魔法使いはリュイの手を取り聞き取れない言語の呪文を唱えた。

 「やあー!!」

 体は軋みだし、小さく縮まり、白い毛に覆われリュイは意識を手放した。


 次に目覚めた時、そこは檻の中。

 ショックで記憶をなくしたリュイは自分の名だけは覚えており、リュイは新たな人生を歩み始めたのだった。


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