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恋愛編
12話・姉妹の再会の為魔女で居ます。
リュイは夢から現実の世界へと意識を向け重い瞼を開ける瞬間、過去と重ね不安を抱きながら恐る恐る瞼をうごかし、
(お願い!ハリス様、消えないで!)
祈るように瞼を開けた。
*
リュイは瞼を開ければ、ハリスの腕の中にいた。
「ハリス様?」
腕にリュイを抱えたハリスは茂みから覗く視線の先には密集するテントが見え、ハリスはちらりとリュイを見た。
「目が覚めたなら、下ろすぞ?敵のアジトだ…慎重に行く。」
リュイはピョンっとハリスの腕から飛び降り、ハリスたちと外の様子を茂みから伺っていた。
「歌が聞こえない。」
リュイは先ほどまで聞こえていた子守唄が聞こえないことを不思議に思うと、ハリスは茂みの先を指差した。
「…声の主はその先にいる。」
リュイはハリスの肩にのぼり茂みの先を覗けば密集したテントと外には槍を持つ武装した男がたっていた。
「歌の主は反乱軍の家族のようだ赤ん坊をあやしていた。」
「家族?」
ハリスは言いにくそうに呟いた。
「子猫ちゃんと同じ種族だよ」
「そうですか。」
リュイは動揺し言葉をなくした。
(あの唄はいったい誰が?お母様は生きてるの?それとも逃げのびた仲間??)
「リュイ、任務中だ。警戒心をもて。」
ハリスの言葉に、リュイは冷静さを取り戻した。
「作戦、実行。B班は向かい側へ回れ、定位置まできたら合図し作戦道りに動け、我々A班はそれに合わせて正面から突入。」
ハリスは後ろに控える隊に向けて声を潜めて号令を出せば、耳を澄まして静かに言葉をまっていた隊員のB班は風のようにその場から消え、作戦の実行に移った。
しばらくすると、B班の空砲音が2発した後騒ぎがおき、テントにいた反乱軍が飛び出して来た。
A班も動き、本格的に戦いがはじまり、リュイは捕まっているものはいないかテントを見て回ると、そこには赤ん坊を抱いて不安そうにする少女がテントの隅に隠れていた。
「にゃあ。」
リュイは一歩二歩と自然を装い少女に近づき、間近までくるとちょこんとお座りをして少女を見つめた。
「あなたは何者?」
少女は赤ん坊を大事そうに抱き締め震える声で呟いた。
(お母様に似ている。年齢からすると…母のお中にいた…産まれるはずだった妹?まさか?)
「私は魔女のリュイ。猫は仮の姿、今本当の姿を見せますね。」
「えっ?」
猫リュイの姿が金色に光りに包まれ、その光は大きくなり、そこに人の姿が現れた。
パチンと、音と共にワンピースを身につけた人間リュイは白銀の長い髪に金色の瞳、その耳は尖って、『エルフ』と呼ばれる魔女リュイとして少女の前に現れ、目線を合わせるようにしゃがみこんだ。
少女は目を丸くして涙した。
「母様から聞いてます…お姉様に白い猫になる魔法をかけて、応戦しようとした母様達に、父様が逃げるように言われて…隠していた姉様を探したら、行方不明になったと。」
赤ん坊を抱き締める少女を包み込むようにリュイは二人を抱き締めた。
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