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恋愛編
15話・母を探して、少しの間魔女で居ます。
町の外れに塔は立ち、人が出入りするのを目にしたハリスはその一人の町の婦人に声をかけた。
「あのぉ、この塔にはどういった用で?」
「ああ、私は探し物がどこにあるか聞いてきたの。あなたも相談者かしら?妖精さんにお願いするなら手ぶらはダメよ?食べ物か、宝石…それと交換条件で引き受けてくれるはずよ?」
婦人は手をふり立ち去り、ハリスは肩にのるリュイに目を向け、身に付けているものをチェックし、困り顔で呟いた。
「すまない、猫用のおやつしかない。」
「………。」
リュイは未だ自分を普通の猫だと思っているかもしれないと…少しあきれモードで言葉をなくした。
「怒るなよ、大丈夫だ。本当はある。」
ハリスはそういってズボンのポケットに手をいれ若草色の袋を開けキラキラと青く輝く宝石をリュイにだけ見せると、袋を閉じポケットにしまった。
「それ、どうしたんですか?」
「これくらい買える収入はあるんだよ。」
リュイはたちまち喜び、ハリスの首に顔に頬をすり寄せた。
「ありがとうございます。」
「よせ、人間の声で囁かれると…ドキドキする。」
リュイはふと、わずかにでも自分を人間だと意識していることに少し嬉しくおもった。
*
リュイは魔女へと姿をかえ、塔の妖精と向かい合ってハリスとならんで席に着いた。
「ようこそ。占いの館へ。僕はパルク、さて、いい宝石もいただいたし、引き受けましょう。何をみてほしいんですか?願ってください。」
リュイは半信半疑ななか、ハリスに背中をポンポンとさすられ、促されるように目をつむり母のことを思った。
塔の部屋にいたのは緑色の髪と尖った耳。ウサギを思わせる鼻と口のその妖精はテーブルに置かれた水晶に息を吹き掛ける。緑色の星粒が舞い水晶に吸い込まれると願っているものが写し出された。
リュイと同じ容姿の少し年を重ねた女性が行動を共にする同族の女性と山を越えた先の町に来ている光景だった。
「フムフム。北の山に入ったみたい。早く行った方がいいよ?」
「妖精さんありがとう!」
「感謝する!リュイ、急ごう。」
ハリスはリュイの手を引き塔をあとにした。
「ハリス様、宿は?」
「今山に入ったなら、山で野営するはず。簡単なものなら持って来ているから、食料買い足して山に向かおう。」
ハリスはその足で町で買い物をし、二人は町を出て北へと向かう。
二人は手を繋ぎ先を急いだ。
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