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RUIと私②
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女子校にいればわかる女子の匂い。この至近距離でする彼女からの匂いは…バニラの香水に混じって男の子の匂いがした気がした。
体育会系の兄からするきつい汗の匂いよりはるかに薄いものだから…この距離じゃないとわからなかった匂いだ。
「遥ちゃん…私…」
「ん?」
直後ルイちゃんのスマホが鳴った。
「あ、親からだ。」
「出ていいよ?」
「ちょっと待っててね。」
「うん。」
何故かルイちゃんは私から離れて口元を隠すようにして電話に出ていた。
ルイちゃんと離れた私のそばに中学の時の同級生…鹿山塁と一緒にいた奴の友達に見つかった。
「あれ?こいつ中学の時の?塁のおもちゃじゃん。」
「はあ…嫌な奴らに会っちゃった。」
私は場所を離れたくて少し先にいるルイちゃんに手を振りながら声を掛けた。
「ルイちゃん、場所変えよ?」
私が慌てる様子に戻ってきたルイちゃんは、彼らに会った瞬間表情を変えた。
「ちっ。」
初めて見たルイちゃんの切れた表情に私は顔を青くした。
「えっ…」
「塁…噂は本当だったのか。ははは。」
「誰のこと?遥ちゃん、行こう?」
「うん。」
私はルイちゃんに強く手を引かれてその場を去った。
私の手を握る力は強くて少し痛くて女の子の力じゃない気がした。
「ルイちゃんあの子達と知り合い?」
「うん。ごめん遥ちゃん…もう少しだけ一緒に居させて。」
「うん。」
その後のルイちゃんはあまり話さなくなっていた。
別れる時には無言で手を振ってくれた。
「また連絡するね?」
「……」
ルイちゃんは手を振って笑うだけ、何も答えずに帰って行った。
帰宅してその日の夜に連絡が来た。「もう会えない」と…
体育会系の兄からするきつい汗の匂いよりはるかに薄いものだから…この距離じゃないとわからなかった匂いだ。
「遥ちゃん…私…」
「ん?」
直後ルイちゃんのスマホが鳴った。
「あ、親からだ。」
「出ていいよ?」
「ちょっと待っててね。」
「うん。」
何故かルイちゃんは私から離れて口元を隠すようにして電話に出ていた。
ルイちゃんと離れた私のそばに中学の時の同級生…鹿山塁と一緒にいた奴の友達に見つかった。
「あれ?こいつ中学の時の?塁のおもちゃじゃん。」
「はあ…嫌な奴らに会っちゃった。」
私は場所を離れたくて少し先にいるルイちゃんに手を振りながら声を掛けた。
「ルイちゃん、場所変えよ?」
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初めて見たルイちゃんの切れた表情に私は顔を青くした。
「えっ…」
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「誰のこと?遥ちゃん、行こう?」
「うん。」
私はルイちゃんに強く手を引かれてその場を去った。
私の手を握る力は強くて少し痛くて女の子の力じゃない気がした。
「ルイちゃんあの子達と知り合い?」
「うん。ごめん遥ちゃん…もう少しだけ一緒に居させて。」
「うん。」
その後のルイちゃんはあまり話さなくなっていた。
別れる時には無言で手を振ってくれた。
「また連絡するね?」
「……」
ルイちゃんは手を振って笑うだけ、何も答えずに帰って行った。
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