太陽神のやり直し〜15回目の世界で現代JKと出会う〜

ポプラと琥珀

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15回目の出会い

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 もうすぐ電車が来る。と、腕時計で確認し、英単語帳との睨めっこを止めた。凝った首のマッサージに周囲を見渡すと、ホームで電車を待つ全ての人がスマホと睨めっこしていた。
あんなに長時間首を傾けて、疲れないのだろうか。

 その光景が面白くて、暫く観察をしていると、スマホを見ていない人を発見した。間違い探しの難しい問題を解けた様な高揚感がして、その人をじっと見つめていると、向こうもこっちの様子に気がついたらしい。とっさに視線を逸らしたが、今度は向こうから視線を感じた。

気になって一瞬だけその方向を向くと、その男がこっちに向かってきていた。

やがてベンチに座るわたしを見下ろす様な位置まで近づいた。

「初めまして」

警戒心や懐疑心が諸共崩れるような、甘く、無害そうな声で話しかけられた。声の主の顔を見ると、ヨーロッパ系の特徴を押さえた顔立ちをしているのが分かった。

 正直言って…超絶イケメンだ。
外人の童顔基準は分からないが、日本人の視点から見れば20歳そこらだろう。広告写真に写っている大学生が着そうな、カジュアルな服装を身に纏っている。髪は明るい茶髪で、同じ色をした瞳は、同性でも魅入られてしまいそうな魔性を孕んでいた。

「あ、あの…何か用すか」

「最後の友よ、ようやく見つけだぞ」

「はい?」

「聞こえなかったか? 我が友よ」

「えっと…何処かで会いました?」

脳内を辿るが、この男の記憶は一切見当たらない。第一、こんなインパクトの強いイケメンはそう簡単に忘れないと思う。

「いや、会うのはこれが初めてだ。しかし、一目見て確信した! 君こそ、私と一心同体になる者だと!」

どうしよう、頭のおかしい人みたいだ。
特に一心同体とか本気でヤバい。私が見てきたキモい言葉ランキングぶっちぎりの一位だ。

一刻も早くこの場を離脱しようと考えていた矢先、電車が来たことを告げるサイレンが鳴った。

「あっ! 電車来たので失礼しますね」

そう言って、電車待ちの列に並ぶ。やがて、続々と人が集まってくると、こちらからはあの男の姿は見えなくなった。

「マジで何だったんだ…」

生まれて初めて口説かれた。いくらイケメンとはいえ、私は変態不審者は好きになれないし、あの発言からは恐怖しか感じなかった。

「不審者情報見とくか。」

車両のドアが開くと、一斉に人が押し寄せる。肩がぶつかったり、足を踏まれたりするから、この人混みは苦手なのだが、今はこの人混みが一番安心できる存在だった。
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