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第一章:生贄
10.来訪者①
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—————————side Amane————————
◆◆◆
こ、これは……どういう状況?
「ハッハハハハ! あー無理無理無理!めっちゃ無理だね。『生贄なんか要らねえ』っつったって、百年後にゃあいつら死んでんだから覚えてる訳ねぇだろ。お前阿保だろ!」
「しかし…」
「あのな、俺が何回生贄断ったと思うよ? この俺がどんな断り方しても駄目なんだから、お前の気まぐれで一度断ったって百年後にまた新しい生贄寄越すに決まってんじゃねぇか!」
「おい声が大きい。アマネが起きる……。っと、すまない、起こしてしまったかアマネ」
夜が明けて陽が差し込む小屋の中、まだ少しポツポツと小雨が窓を打つ音とともに楽しげな声が聞こえてきて目を覚ますと、背の高いフェンリスと、もう一人背の高い短髪茶髪のヤンチャ系の男の人が胡座をかいて、ちょっと狭そうにしながら言い合いをしていた。
「お、おはよフェンリス……」
「おはよう。体調はどうだ?」
「うん、良くなった」
私の背を支えてくれたフェンリスに返事をしきらないうちに、茶髪の大きな男の人(?)がぐいっと顔を寄せて大きな声で挨拶をしてきた。
「おお、御目覚めか! 雨乞い少年!」
「あまごい、しょ、しょうねん……?」
「トト、デカい声を出すな。アマネは病み上がりだ」
「ん~~~?」
トトと呼ばれた人(?)は、じろ、じろ、と私の全身を舐め回すように見る。フェンリスは私をくいっとその腕の中に気持ちばかり引き寄せた。
「おい、いい加減に」
「おいおいおい、ホンットに半神に成ってるじゃねえか。はっはははは!! フェンリス、お前マジか! ッハ~めっちゃウケる!」
「え……」
「も~天界じゃお前の話で持ちきりだぜフェンリス。生贄儀式のはずが祭壇で神婚儀礼ぶちかましたって」
「や、やはりあなたも神様だったのですね……! 生贄の件は、すみません。あの状況で私が生贄になると、人間の方達は雨を神の、めぐ、み、だと……え? しんこん、儀礼?」
「………はぁ…」
フェンリスを見上げると、バツが悪そうに片手で顔を覆いため息を吐いていた。
「え?」
「何だ、キミ知らないのか。教えてやろう! 神婚儀礼ってのはだな、神がよめ「分かったから、黙れトト! 俺から話す」
フェンリスがトトさんという方の頭をガシッと掴み私から遠ざける。そして私の肩に上着を掛け、床に正座をした。
「アマネ、半神の件について、俺はまだお前に話していないことがある」
「そうなの?」
「お前に私の血を飲ませ、限りなく神に近い存在である半神にしたと言ったな」
「……うん」
「神が血を分け与え半神にできるのは、その生涯でただひとつの生命のみだ。つまり、半神にできるのは、己の伴侶にする者のみという、慣わしがある……」
「は、伴侶!?」
「だがアマネが望まぬことはしない! 昨日は俺と共にこの土地や人間の未来を考えると言ってくれたが、一夜明けて気持ちも落ち着いただろう。もう一度ゆっくり考えろ。お前の望む答えをもう一度、時間をかけてしっかりと考えてくれ。もし元の世界に戻りたいなら俺はこの身を捧げて力になる。人間に戻りたいならその術を探そう」
「いやムリやて」
「!」
平謝りしながら私に説いてくるフェンリスに、トトさんが鋭いツッコミを入れた。トトさんの言葉が意外だったのか、フェンリスは何故だと言いたげに振り返った。
するとトトさんは、人差し指で自身のこめかみをトントン指しながら言った。
「お前なぁ、昨日祭壇の上で自分が何言ったか覚えてねぇのか?」
「俺が?」
「あー、『汝らから授かった此のアマネという少年、ありがたく【貰い受ける】。【我が】半神として土地神の【側に仕え】、【共に】大地を守ることを【約束する】』、つってたな確か」
トトさんは所々を強調し、昨日のフェンリスの祭壇での言葉をなぞる。フェンリスの顔には段々と陰と冷や汗が生じてきた。
「しかもお前なあ、半神にした人間をそう易々と人間に戻せてたまるか。今までそんな神いないだろ? 何の先駆け目指してんだよ。
それに人間の立場になってみろ、アイツらだってホイホイ半神にしされたり人に戻されたりされちゃたまったもんじゃねぇよ」
論破をかまされるフェンリスはグサグサと攻撃が刺さっているのか、陰の落ちた顔が、さらに青ざめ始めた。
「あと言っとくけど元の世界に戻るとか無理だからな? 方法は無ぇわけじゃねぇと思うけど、仮に戻れるとしても最短で次の日暈の日だぜ? 何年後?ってハナシ。戻ったとして、アマネ君の世界でも同じ時間進んでんだぜ?」
「あ、あの…そ、そろそろ良いんじゃ……フェンリス、石になっちゃう」
正座をしたまま下を向き、自分の行いに絶望しているのかガチっと固まって思考停止モードになっているフェンリスがちょっとかわいそうだった。
トトさんに精神攻撃の中止を求めると、彼は先ほどのように高らかに笑い出した。
「ハッハハハハッ!! おいおいおい、絶望する方とフォローする方が逆だろ! なんだお前ら! 愉快か!」
胡座をかいて床を叩きながら涙が出るほど笑っているトトさん。確かにこのシチュエーションは私が絶望するべきなのだろうけど、不思議なことに運命を受け入れている自分がいた。
「アマネ、俺は何も考えず猛進してしまったようだ。本当に、何と言ったら良いのか……」
フェンリスの頭に垂れた耳の幻覚が見えた。そんなのずるいって。何だって許せてしまう。
そもそも私はこの状況をなにも嘆いてはいない。それをわかってほしかった。
「大丈夫だよ。長い間閉じ込められて生きてきて、早く死んでしまいたくて、全てを諦めて、そんな中であなたと出会えた。……まぁ、元の世界に戻りたいかと聞かれたら、『戻りたくない』とは言えない。だから昨日フェンリスが元の世界に戻るお手伝いをするって言ってくれた時は正直少し悩んだんだ。でも、トトさん」
「ん?」
「戻るのは、無理なんですよね」
「無理だな。可能性があるとしても次の日暈。君の世界の家族や友人が百年後も元気なら、考えてもいいんじゃねえか?」
膝を立ててぶっきらぼうに言うトトさんに、フェンリスが「おい、言い方があるだろう」と怒るのを制止する。
「それなら、もう迷わない。
塔に閉じ込められている時、絶望の淵にいた。だけどフェンリスが希望になってくれた。だから恩返しさせてほしい。あなたの側で一緒に悩みたい」
「アマネ…何故そこまで」
「……わからない…けど、塔の中で寄り添ってくれたフェンリスと一緒なら何が起きても大丈夫って、そう思うの。それに、私がこんなことを言うのは非常に烏滸がましいのだけど…あなたを助けたいって思ってしまった」
「アマネ…」
「祭壇で人間にお祈りされている時、とても辛そうだったよ。あなたは優しすぎて、このまま人間が苦しみ続ける未来を想像して、泣きたいのに泣けないみたいに私には見えた。だからたまらなくなって…胸が、ぎゅってなって……気がついたら涙が流れてた」
「そうか……俺の代わりに泣いてくれたんだな」
フェンリスの大きくて分厚い手が私の頬を包み、親指で瞼を往復した。心地よくて目を細め微睡んでいると、トトさんが持ち前の大きな声で私たちに叫んだ。
「あのさ、お二人さん? 俺のこと見えてる!? 俺忘れられてない? 何良い感じの雰囲気出しちゃってんの」
「悪い、忘れていた」
「あ"んだとゴルァ」
「す、すみませんトトさん。……あと、その…フェンリス?」
「どうした?」
「伴侶の、件については、まだ、その…あの、えっと……」
もごもごと言葉にならない声が口の中で絡まって、くすぐったいような面映いような気持ちちになり、視線が定まらずフェンリスから目を逸らす。彼は私の心を読んで、不安を解くように低く優しく呟いた。
「そのことは考えなくて良い。戸惑わせてしまったな。アマネが望まぬようにはしないから、もう忘れてくれ」
「うん、ありがと……」
彼の心遣いは嬉しいけれど、安心とともにどこか胸がきゅっとしまるような捉えどころのない気持ちが生まれた。
胸に手を当ててみても、この気持ちの正体は分からなかった。
「おいコラ。お前らだけで完結してんじゃねぇよ」
横からぶすくれたトトさんの声が聞こえて、私たちは現実に引き戻された。
「人間様の界隈じゃ、昨日のアレはもう土地神が嫁を迎え入れた『喜びの雨』『嫁入りの雨』ってことで盛り上がってんぞ? アマネ君、今キミ人間に何て言われてるか知ってっか?」
「わ、私? 何か、言われているのですか?」
「アマネ様、アマネ様、って、み~んな君のこと崇め奉ってるぜ。いやぁ~~ヒニクだねぇ、神に祈るばかりじゃ人間は駄目になると思って一生懸命考えたのにねぇ~? まさか自分が崇められるなんてねぇ~? それも酷い目に遭わされた村人に。つか、マジでこの雨ヤバいな。雨乞いの異術なんてアマネ君ほぼ神じゃん! あ、もう神だったわ! ハッハハハハッ!」
なんだろう、すごく……周りに居なかったタイプだ。
「トト。あまりにも行儀が悪い。アマネが困惑しているだろう。自ら名乗らぬうちに好き勝手なことを言うな」
フェンリスは額に青筋を浮かべながら言った。
「あ"? あー…まぁ、そうだな。アマネ君。改めて自己紹介だ。俺はトト。コイツの前に土地神やってた叡智の神だ。ヨロシク」
「っ!あ、あなたが、叡智の……」
「あ、アマネ君今もしかして失礼なこと考えた?」
「い、いえそんな! すみません……」
ちょっとお調子者タイプなのに意外だなとは思ったけど…! でも学校でもヤンチャな子が学年トップだったりするから、神様の世界でもそういう学校の七不思議みたいなのがあるのかな。
◆◆◆
こ、これは……どういう状況?
「ハッハハハハ! あー無理無理無理!めっちゃ無理だね。『生贄なんか要らねえ』っつったって、百年後にゃあいつら死んでんだから覚えてる訳ねぇだろ。お前阿保だろ!」
「しかし…」
「あのな、俺が何回生贄断ったと思うよ? この俺がどんな断り方しても駄目なんだから、お前の気まぐれで一度断ったって百年後にまた新しい生贄寄越すに決まってんじゃねぇか!」
「おい声が大きい。アマネが起きる……。っと、すまない、起こしてしまったかアマネ」
夜が明けて陽が差し込む小屋の中、まだ少しポツポツと小雨が窓を打つ音とともに楽しげな声が聞こえてきて目を覚ますと、背の高いフェンリスと、もう一人背の高い短髪茶髪のヤンチャ系の男の人が胡座をかいて、ちょっと狭そうにしながら言い合いをしていた。
「お、おはよフェンリス……」
「おはよう。体調はどうだ?」
「うん、良くなった」
私の背を支えてくれたフェンリスに返事をしきらないうちに、茶髪の大きな男の人(?)がぐいっと顔を寄せて大きな声で挨拶をしてきた。
「おお、御目覚めか! 雨乞い少年!」
「あまごい、しょ、しょうねん……?」
「トト、デカい声を出すな。アマネは病み上がりだ」
「ん~~~?」
トトと呼ばれた人(?)は、じろ、じろ、と私の全身を舐め回すように見る。フェンリスは私をくいっとその腕の中に気持ちばかり引き寄せた。
「おい、いい加減に」
「おいおいおい、ホンットに半神に成ってるじゃねえか。はっはははは!! フェンリス、お前マジか! ッハ~めっちゃウケる!」
「え……」
「も~天界じゃお前の話で持ちきりだぜフェンリス。生贄儀式のはずが祭壇で神婚儀礼ぶちかましたって」
「や、やはりあなたも神様だったのですね……! 生贄の件は、すみません。あの状況で私が生贄になると、人間の方達は雨を神の、めぐ、み、だと……え? しんこん、儀礼?」
「………はぁ…」
フェンリスを見上げると、バツが悪そうに片手で顔を覆いため息を吐いていた。
「え?」
「何だ、キミ知らないのか。教えてやろう! 神婚儀礼ってのはだな、神がよめ「分かったから、黙れトト! 俺から話す」
フェンリスがトトさんという方の頭をガシッと掴み私から遠ざける。そして私の肩に上着を掛け、床に正座をした。
「アマネ、半神の件について、俺はまだお前に話していないことがある」
「そうなの?」
「お前に私の血を飲ませ、限りなく神に近い存在である半神にしたと言ったな」
「……うん」
「神が血を分け与え半神にできるのは、その生涯でただひとつの生命のみだ。つまり、半神にできるのは、己の伴侶にする者のみという、慣わしがある……」
「は、伴侶!?」
「だがアマネが望まぬことはしない! 昨日は俺と共にこの土地や人間の未来を考えると言ってくれたが、一夜明けて気持ちも落ち着いただろう。もう一度ゆっくり考えろ。お前の望む答えをもう一度、時間をかけてしっかりと考えてくれ。もし元の世界に戻りたいなら俺はこの身を捧げて力になる。人間に戻りたいならその術を探そう」
「いやムリやて」
「!」
平謝りしながら私に説いてくるフェンリスに、トトさんが鋭いツッコミを入れた。トトさんの言葉が意外だったのか、フェンリスは何故だと言いたげに振り返った。
するとトトさんは、人差し指で自身のこめかみをトントン指しながら言った。
「お前なぁ、昨日祭壇の上で自分が何言ったか覚えてねぇのか?」
「俺が?」
「あー、『汝らから授かった此のアマネという少年、ありがたく【貰い受ける】。【我が】半神として土地神の【側に仕え】、【共に】大地を守ることを【約束する】』、つってたな確か」
トトさんは所々を強調し、昨日のフェンリスの祭壇での言葉をなぞる。フェンリスの顔には段々と陰と冷や汗が生じてきた。
「しかもお前なあ、半神にした人間をそう易々と人間に戻せてたまるか。今までそんな神いないだろ? 何の先駆け目指してんだよ。
それに人間の立場になってみろ、アイツらだってホイホイ半神にしされたり人に戻されたりされちゃたまったもんじゃねぇよ」
論破をかまされるフェンリスはグサグサと攻撃が刺さっているのか、陰の落ちた顔が、さらに青ざめ始めた。
「あと言っとくけど元の世界に戻るとか無理だからな? 方法は無ぇわけじゃねぇと思うけど、仮に戻れるとしても最短で次の日暈の日だぜ? 何年後?ってハナシ。戻ったとして、アマネ君の世界でも同じ時間進んでんだぜ?」
「あ、あの…そ、そろそろ良いんじゃ……フェンリス、石になっちゃう」
正座をしたまま下を向き、自分の行いに絶望しているのかガチっと固まって思考停止モードになっているフェンリスがちょっとかわいそうだった。
トトさんに精神攻撃の中止を求めると、彼は先ほどのように高らかに笑い出した。
「ハッハハハハッ!! おいおいおい、絶望する方とフォローする方が逆だろ! なんだお前ら! 愉快か!」
胡座をかいて床を叩きながら涙が出るほど笑っているトトさん。確かにこのシチュエーションは私が絶望するべきなのだろうけど、不思議なことに運命を受け入れている自分がいた。
「アマネ、俺は何も考えず猛進してしまったようだ。本当に、何と言ったら良いのか……」
フェンリスの頭に垂れた耳の幻覚が見えた。そんなのずるいって。何だって許せてしまう。
そもそも私はこの状況をなにも嘆いてはいない。それをわかってほしかった。
「大丈夫だよ。長い間閉じ込められて生きてきて、早く死んでしまいたくて、全てを諦めて、そんな中であなたと出会えた。……まぁ、元の世界に戻りたいかと聞かれたら、『戻りたくない』とは言えない。だから昨日フェンリスが元の世界に戻るお手伝いをするって言ってくれた時は正直少し悩んだんだ。でも、トトさん」
「ん?」
「戻るのは、無理なんですよね」
「無理だな。可能性があるとしても次の日暈。君の世界の家族や友人が百年後も元気なら、考えてもいいんじゃねえか?」
膝を立ててぶっきらぼうに言うトトさんに、フェンリスが「おい、言い方があるだろう」と怒るのを制止する。
「それなら、もう迷わない。
塔に閉じ込められている時、絶望の淵にいた。だけどフェンリスが希望になってくれた。だから恩返しさせてほしい。あなたの側で一緒に悩みたい」
「アマネ…何故そこまで」
「……わからない…けど、塔の中で寄り添ってくれたフェンリスと一緒なら何が起きても大丈夫って、そう思うの。それに、私がこんなことを言うのは非常に烏滸がましいのだけど…あなたを助けたいって思ってしまった」
「アマネ…」
「祭壇で人間にお祈りされている時、とても辛そうだったよ。あなたは優しすぎて、このまま人間が苦しみ続ける未来を想像して、泣きたいのに泣けないみたいに私には見えた。だからたまらなくなって…胸が、ぎゅってなって……気がついたら涙が流れてた」
「そうか……俺の代わりに泣いてくれたんだな」
フェンリスの大きくて分厚い手が私の頬を包み、親指で瞼を往復した。心地よくて目を細め微睡んでいると、トトさんが持ち前の大きな声で私たちに叫んだ。
「あのさ、お二人さん? 俺のこと見えてる!? 俺忘れられてない? 何良い感じの雰囲気出しちゃってんの」
「悪い、忘れていた」
「あ"んだとゴルァ」
「す、すみませんトトさん。……あと、その…フェンリス?」
「どうした?」
「伴侶の、件については、まだ、その…あの、えっと……」
もごもごと言葉にならない声が口の中で絡まって、くすぐったいような面映いような気持ちちになり、視線が定まらずフェンリスから目を逸らす。彼は私の心を読んで、不安を解くように低く優しく呟いた。
「そのことは考えなくて良い。戸惑わせてしまったな。アマネが望まぬようにはしないから、もう忘れてくれ」
「うん、ありがと……」
彼の心遣いは嬉しいけれど、安心とともにどこか胸がきゅっとしまるような捉えどころのない気持ちが生まれた。
胸に手を当ててみても、この気持ちの正体は分からなかった。
「おいコラ。お前らだけで完結してんじゃねぇよ」
横からぶすくれたトトさんの声が聞こえて、私たちは現実に引き戻された。
「人間様の界隈じゃ、昨日のアレはもう土地神が嫁を迎え入れた『喜びの雨』『嫁入りの雨』ってことで盛り上がってんぞ? アマネ君、今キミ人間に何て言われてるか知ってっか?」
「わ、私? 何か、言われているのですか?」
「アマネ様、アマネ様、って、み~んな君のこと崇め奉ってるぜ。いやぁ~~ヒニクだねぇ、神に祈るばかりじゃ人間は駄目になると思って一生懸命考えたのにねぇ~? まさか自分が崇められるなんてねぇ~? それも酷い目に遭わされた村人に。つか、マジでこの雨ヤバいな。雨乞いの異術なんてアマネ君ほぼ神じゃん! あ、もう神だったわ! ハッハハハハッ!」
なんだろう、すごく……周りに居なかったタイプだ。
「トト。あまりにも行儀が悪い。アマネが困惑しているだろう。自ら名乗らぬうちに好き勝手なことを言うな」
フェンリスは額に青筋を浮かべながら言った。
「あ"? あー…まぁ、そうだな。アマネ君。改めて自己紹介だ。俺はトト。コイツの前に土地神やってた叡智の神だ。ヨロシク」
「っ!あ、あなたが、叡智の……」
「あ、アマネ君今もしかして失礼なこと考えた?」
「い、いえそんな! すみません……」
ちょっとお調子者タイプなのに意外だなとは思ったけど…! でも学校でもヤンチャな子が学年トップだったりするから、神様の世界でもそういう学校の七不思議みたいなのがあるのかな。
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