パンドーラーの箱

Tro

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第4話 工事中の年度末

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 歩道を歩けば、その先に『希望』がある、というその先に進む。その先へ、一歩一歩、希望に近づく。しかし、近づき過ぎたらしい。誘導員に阻止される。


「危ないですから下がってください」

 安全第一のヘルメットが希望第一になっている。そうか、お前も『希望』なのか。では、問わせてもらおう。

「何時になったら通れるんだ?」

「希望が確認されたら」

『希望』は何時も訳の分からぬことを言って俺を惑わせる。しかし何時までも迷える羊ではない。俺の本性、美しき銀狼をチラッと……いや、まだ隠しておこう。

「俺は希望を確認した」

「逃げられたクセに」

 何だと? 何故それを知っているんだ。お前はまさか『希望』なのか? いや、さっき確認したばかりだ。

 勝手に出て行った奴に逃げられたなど、世間体の悪いことを言われたくはない。いや、今更、世間体を考慮してもしょうがない。考慮すべきは、こいつのことだ。

 ということで強行突破だ。


 俺は一目散に走った、走った、走った、走った、……元に戻った。

「何時になったら通れるんだ?」

「希望が確認されたら」

「俺に希望はあるのか」

「……」

 無言のプレッシャーが俺を狂わす。


 俺は逆方向に走った、走った、走った、走った、……疲れた。


 自販機で何か飲もう。しかし、ボタンのラベルが全部『希望』と書いてある。それも売り切れだ。いや、一つだけあった。『絶望』だ。俺はそれをチョイス。飲んだら絶望した。

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