日ノ本の神、異世界へ

とっと

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その頃・・・

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美しい木々が生え、清廉な空気が場を満たす

ここは天界。
神が住まう場。





「アレイドーク」
「おぉこれはジェネシス様。この儂になにか御用で?」
「お前、異世界の人間を使い勇者召喚を行ったそうだな」


アレイドーク神
アーガランドで崇拝される神、白い髪と髭を蓄えた彼は仙人のような容姿である。

その神が、目の前に現れた青年に礼をもって敬意を表す。

ジェネシス神。彼は白髪に碧眼の華奢な男だが、放つ威圧はアレイドークさえも震え上がらせる。


「そ、それは・・・しかし我ら神に逆らう魔族を討つためには必要なことです・・・!」
「その結果がこれとは・・・お前は事の重大さがわかっているのか?」
「はひ・・・?」


ジェネシスはアレイドークを睨みつけ


「お前は異世界の神を召喚し、しかもその者を死の地インフィへと送り込んだ。その結果が我が世界の歴史上、類を見ない災害を生み出したのだ」
「はっ・・・異世界の・・・神ですと・・!?」


アレイドークはあまりの事実に目を白黒させる。
―――・・・己は能力のある者を選別したつもりだ・・・
―――・・・・そういえば、人間かどうかは確かめて・・・いなかったような・・・


サッと、アレイドークの顔が一瞬のうちに青ざめる。


「た、直ちにその異世界の神を保護してまいります!!!」
「バカか、我ら神は地上に降臨できない。お前が介入し召喚した勇者たちに異世界の神を保護させよ」
「了解いたしましたぁぁああああ!!!」




「よりにもよって、災厄の神を召喚するとはな」










「おのれぇ・・・なぜ儂が叱責されねばならぬ・・・!こうなったら多少痛めつけた上でジェネシス神に引き渡す、そうだ、そうしよう」














アーがランド王国、王城の王の間
茶髪に染めた髪そしてピアス・・・日本では不良と呼ばれていた加賀屋久彦は此度の勇者召喚にて召喚された異世界人である。


久彦は今回の出来事に辟易していた。

―――なんでこんなめんどくさいことに・・・

めんどくさがりな彼は遠目に見える神子である少女ファシスタをにらみつける。
ファシスタはそれに気づくが不気味なほど整った笑顔を貼り付けたまま29人の勇者の資格を持った人間たちに神託を告げる


「神からのお告げです。『この世界に迷い込んだ汝らの世界の神を捕らえよ。なお抵抗するなら力を持って捕縛せよ』・・・とのことです。」


「神?」「俺らの世界の神って・・・」「スサノオノミコトとかかな?」「それはないわー」ざわざわとざわつく人々。


久彦は「神様同士のいざこざは神様同士で解決しろよな」と毒をつく
すると、隣りに座っていたいかにも真面目そうな学生が立ち上がり

「お任せください神子様!この大田太一!必ずしもその神を捕縛してみせます!」
「わたしもわたしも!その代わり捕まえたら報酬もたんまりちょうだい!」

「あ、私喜多あかりっていうのよろしく!」という男女二人。まわりの人間も「神子様の頼みなら・・・」と乗り気である。



久彦のスキルは耐性。
能力としては弱い気もするが、この能力があるからこそ自分は『自分だけが』あの神子の能力の影響を受けていないのだと自負している。

あの神子に会ってからというもの、反抗的な態度をとっていた奴らが一気に神子派へとなり言いなりになっているのだ。


「・・・」


だが、あのファシスタという女に歯向かう力も根性も己にはない。


「・・・帰りてぇ・・・」

久彦は切実にそう願った。




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