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第五十六話『朝の団欒1』〇
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次の日の朝は遅めに起きた。すでにルルニアはベッドにおらず、下の階から朝食の準備をしている音が薄っすら聞こえる。
俺はベッド横に畳んであった服に着替えて自室を出た。二階の廊下を通って階段に行こうとすると、横の扉が目に入った。
「そうか、今日から三人の生活か」
昨日は夕暮れまで寝て過ごした。起床後はルルニアに夕食を作ってもらい、俺とニーチャで空き部屋の模様替えを行った。扉には俺の字で『ニーチャの部屋』と書いた板が張ってある。
ぐっすり寝ているならそれも良しと、あえてノックせずに階段を降りた。ルルニアは調理場に立っており、溶いた卵を炒っている。いつぞやのように後ろから迫るが反応は軽かった。
「おはようございます、あなた。今日はゆっくりですね」
「……死角から近寄ったつもりだったんだが」
「そう何度も不覚は取られませんよ」
驚いたルルニアの顔が見たかったので残念だ。腰を抱いて髪の匂いを吸うが、淡々と調理を進められた。段々と虚しさが湧いてきた。
「…………これが倦怠期か」
「ふふっ、面白い冗談を言いますね。したいって言うならもちろんお相手しますけど、朝食はもう少しで出来ますよ。どうされます?」
一夜明けたことで失った精気は八割方回復している。一向に余裕を崩さないルルニアを滅茶苦茶にしたくなり、服の上からルルニアの子宮の辺りを撫でた。
「もぅ、あなたもエッチになりましたね」
腹の上で指を揃えて立て、指先に闘気を纏わせた。表面をグリグリ押しながらより深い位置へと力を流し込み、直接陰部に触れずに子宮を刺激してみた。
「……っふ、これは闘気……ですね。お腹が温かく……っ、なってます」
ガーブランドが俺の身体に闘気を流し込んだ時の応用だ。指の位置を子宮から子宮口へ移動させ、そこをもっと強めに押した。すると大き目の嬌声が漏れた。
二階で寝ているニーチャを起こさぬためか、ルルニアは口を服の袖で覆って耐えている。その淑やかな仕草が陰茎に悪く、もっと強めに攻めたくなってきた。
「ん……ふぅっんぅ!? 声出ちゃいま……すぅっ!?」
「なるほど、子宮そのものより入口を押してやる方が気持ち良いのか。他に刺激し甲斐がありそうな場所は……ここ何てのはどうだ?」
人間の卵巣がある場所に指を配置し、指圧しながら闘気を流した。
「〝ん〝んっ!? 〝ぃぅん!? それやめっ〝んあ、〝うぃんっ!?」
「意外に好感触だな。なら今から親指で両側を押す。言っておくが俺は触診しているだけ、エッチな気分になっているのはルルニア側の問題だ」
そんなわけあるか、という目を向けられた。だが実際に俺はルルニアの腹にしか触れていない。筋肉痛の足や腕を揉むのと変わらぬ健全な行為だ。
「さっきの……仕返し……ですか?」
「どうだかな」
「ふふふ、悪いお顔……してますよ」
両の親指の腹を卵巣の上あたりに置き、回したり押し込んだりして下腹部を揉みまくった。一連の動作を反復する度に押し殺した嬌声が食堂全体に響き渡った。
「────〝ひっぎっ!? 〝イ〝ギ〝ま〝すっ!!?」
我慢の反動か大きなイキ声が発せられた。絶頂によってルルニアの腰がカクつき、長めのスカート丈の下から愛液の飛沫が滴って床に跡が残る。
「……はふ、はぅ……グレイ……ひぇる……」
とろけ切った顔にキスをしてやった。朝食を摂るべきか本番に行くべきか悩んでいると、食堂の入口の物陰からこっちを見ている人影に気がついた。
ニーチャの髪は相当なボサボサ具合であり、顔には眠気が残っている。ついさっきまで寝ていたが、俺たちが盛っているのに気がついて起きたようだ。
「うー……、もう終わり?」
続きはしないのか、という目を向けられた。期待の目を向けられるとそれはそれでやり辛く、朝食もあるので今回はこれでお開きとした。
ルルニアは床を綺麗にし、ニーチャに寝ぐせを直すように言った。
一人では苦戦確実な具合だったため、今回は俺が手伝うことにした。
水瓶に溜めていた水を平たい桶に移し、ニーチャを連れて裏口から外に出た。一度髪全体を濡らすように言い、家に戻って通路脇の収納棚を漁った。
「あった、これだ」
見つけたのは古ぼけた櫛だ。前の住居者が使っていたものだが捨てずに残していた。ニーチャの元に戻ると桶に頭を突っ込んでおり、豪快に顔を上げて俺の手の櫛を見た。
「これは髪を整えるための道具だ。使ってみるといい」
「ツンツンしてる。これどう使う?」
「指をこうやって構えて、髪の中に櫛の出っ張りを差し込むんだ。痛くない程度に位置を下げていけば、乱れた髪を整えることができるぞ」
ニーチャは犬みたいに頭を回し、俺が渡した布巾で髪についた水気を取った。
教えた通りに櫛で髪をとかすと、毛の並びと光沢が見違えるほど良くなった。
「これいい。もらっていいの?」
「あぁ、特に使い道も無かったしな」
「やった。じゃあいっぱい寝ぐせ直す」
離れて様子を見ていると、ルルニアが朝食の出来上がりを知らせにきた。その時の視線が一瞬ニーチャの手にある櫛で止まったのを見逃がさなかった。
(……そういえばルルニアは櫛を持ってないな。結婚の時の贈り物に適しているって聞くし、指輪とは別で用意するか。それがいいな)
先々の予定を決め、三人で食堂に戻った。
俺はベッド横に畳んであった服に着替えて自室を出た。二階の廊下を通って階段に行こうとすると、横の扉が目に入った。
「そうか、今日から三人の生活か」
昨日は夕暮れまで寝て過ごした。起床後はルルニアに夕食を作ってもらい、俺とニーチャで空き部屋の模様替えを行った。扉には俺の字で『ニーチャの部屋』と書いた板が張ってある。
ぐっすり寝ているならそれも良しと、あえてノックせずに階段を降りた。ルルニアは調理場に立っており、溶いた卵を炒っている。いつぞやのように後ろから迫るが反応は軽かった。
「おはようございます、あなた。今日はゆっくりですね」
「……死角から近寄ったつもりだったんだが」
「そう何度も不覚は取られませんよ」
驚いたルルニアの顔が見たかったので残念だ。腰を抱いて髪の匂いを吸うが、淡々と調理を進められた。段々と虚しさが湧いてきた。
「…………これが倦怠期か」
「ふふっ、面白い冗談を言いますね。したいって言うならもちろんお相手しますけど、朝食はもう少しで出来ますよ。どうされます?」
一夜明けたことで失った精気は八割方回復している。一向に余裕を崩さないルルニアを滅茶苦茶にしたくなり、服の上からルルニアの子宮の辺りを撫でた。
「もぅ、あなたもエッチになりましたね」
腹の上で指を揃えて立て、指先に闘気を纏わせた。表面をグリグリ押しながらより深い位置へと力を流し込み、直接陰部に触れずに子宮を刺激してみた。
「……っふ、これは闘気……ですね。お腹が温かく……っ、なってます」
ガーブランドが俺の身体に闘気を流し込んだ時の応用だ。指の位置を子宮から子宮口へ移動させ、そこをもっと強めに押した。すると大き目の嬌声が漏れた。
二階で寝ているニーチャを起こさぬためか、ルルニアは口を服の袖で覆って耐えている。その淑やかな仕草が陰茎に悪く、もっと強めに攻めたくなってきた。
「ん……ふぅっんぅ!? 声出ちゃいま……すぅっ!?」
「なるほど、子宮そのものより入口を押してやる方が気持ち良いのか。他に刺激し甲斐がありそうな場所は……ここ何てのはどうだ?」
人間の卵巣がある場所に指を配置し、指圧しながら闘気を流した。
「〝ん〝んっ!? 〝ぃぅん!? それやめっ〝んあ、〝うぃんっ!?」
「意外に好感触だな。なら今から親指で両側を押す。言っておくが俺は触診しているだけ、エッチな気分になっているのはルルニア側の問題だ」
そんなわけあるか、という目を向けられた。だが実際に俺はルルニアの腹にしか触れていない。筋肉痛の足や腕を揉むのと変わらぬ健全な行為だ。
「さっきの……仕返し……ですか?」
「どうだかな」
「ふふふ、悪いお顔……してますよ」
両の親指の腹を卵巣の上あたりに置き、回したり押し込んだりして下腹部を揉みまくった。一連の動作を反復する度に押し殺した嬌声が食堂全体に響き渡った。
「────〝ひっぎっ!? 〝イ〝ギ〝ま〝すっ!!?」
我慢の反動か大きなイキ声が発せられた。絶頂によってルルニアの腰がカクつき、長めのスカート丈の下から愛液の飛沫が滴って床に跡が残る。
「……はふ、はぅ……グレイ……ひぇる……」
とろけ切った顔にキスをしてやった。朝食を摂るべきか本番に行くべきか悩んでいると、食堂の入口の物陰からこっちを見ている人影に気がついた。
ニーチャの髪は相当なボサボサ具合であり、顔には眠気が残っている。ついさっきまで寝ていたが、俺たちが盛っているのに気がついて起きたようだ。
「うー……、もう終わり?」
続きはしないのか、という目を向けられた。期待の目を向けられるとそれはそれでやり辛く、朝食もあるので今回はこれでお開きとした。
ルルニアは床を綺麗にし、ニーチャに寝ぐせを直すように言った。
一人では苦戦確実な具合だったため、今回は俺が手伝うことにした。
水瓶に溜めていた水を平たい桶に移し、ニーチャを連れて裏口から外に出た。一度髪全体を濡らすように言い、家に戻って通路脇の収納棚を漁った。
「あった、これだ」
見つけたのは古ぼけた櫛だ。前の住居者が使っていたものだが捨てずに残していた。ニーチャの元に戻ると桶に頭を突っ込んでおり、豪快に顔を上げて俺の手の櫛を見た。
「これは髪を整えるための道具だ。使ってみるといい」
「ツンツンしてる。これどう使う?」
「指をこうやって構えて、髪の中に櫛の出っ張りを差し込むんだ。痛くない程度に位置を下げていけば、乱れた髪を整えることができるぞ」
ニーチャは犬みたいに頭を回し、俺が渡した布巾で髪についた水気を取った。
教えた通りに櫛で髪をとかすと、毛の並びと光沢が見違えるほど良くなった。
「これいい。もらっていいの?」
「あぁ、特に使い道も無かったしな」
「やった。じゃあいっぱい寝ぐせ直す」
離れて様子を見ていると、ルルニアが朝食の出来上がりを知らせにきた。その時の視線が一瞬ニーチャの手にある櫛で止まったのを見逃がさなかった。
(……そういえばルルニアは櫛を持ってないな。結婚の時の贈り物に適しているって聞くし、指輪とは別で用意するか。それがいいな)
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