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第九十二話『結婚式』〇
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アストロアスという名を掲げ、村は新たに生まれ変わった。
魔物の素材市場は連日大盛況であり、噂は瞬く間に広がった。あちこちから商人が買いつけに現れ、商会そのものの参入の打診もあった。人手が増えたことで復興も急速に進んだ。
結婚式の準備を進めていた時、村人から祭りの提案が出た。女神様への感謝と魔物災害の撃退祝いと村の発展のための祈り、それらすべてをまとめて祝おうという旨の内容だった。
「祭りだ祭りだ! 女神様におらたちの感謝を届けるべよ!」
「そうだ! 人も増えたし過去一番のお祭りにすっぞ!」
「おう! 他所から来た客も混ぜて最大に祝ってやろうぜ!」
祭りの名は満場一致で『女神降臨祭』に決まった。
午前に若者を集めて成人の儀を行い、午後に俺とルルニアの結婚式を執り行う。夜には死した町の人たちのための慰霊をし、その後は踊りに酒盛りをして明るく明日を迎える。
「…………よし、準備はこんなものか」
女神降臨祭の当日、俺は村長の屋敷で白の礼服を身に纏っていた。午前中に行われた成人の儀はつつがなく進行され、結婚式の開始までは一時間を切っていた。
控室で緊張しながら過ごしていると扉がノックされた。
扉の先にいたのは紺色のドレスを着たニーチャだった。
「お兄さん、こっち。ルルニア呼んでる」
「……呼んでる? どこでだ?」
「控室、今すぐ来て欲しいって言ってた」
新郎と新婦は式の瞬間まで婚礼の装いを相手に見せない、という取り決めがある。個人的にもその決まりに準じる気でいたが、ニーチャは「大変だから」と言って服の裾を引いた。
「分かった。行けばいいんだな?」
ニーチャに連れられてルルニアの控室に向かった。着こなし等の問題なら他の人の手を借りるはずであり、俺が必要な状況が思いつかない。体調不良で薬が欲しくなったのかと考えた。
扉の前でニーチャは手を離し、「後は若いお二人で」と言った。
どこでそんな言葉を学んだのだと疑問を浮かべ、扉をノックした。
「はい、どちら様ですか」
聞き慣れたルルニアの声だが、今日は妙に緊張した。声に苦しさはなく、『大変』とやらは俺を呼び出すための方便だと分かった。
「じゃあ、入るぞ」
どうぞ、の声で扉の取っ手を掴んだ。室内に入ると風が爽やかに吹き抜け、窓から差す陽光で目がくらんだ。視力の回復を待って見たのは、純白のドレスに身を包んだルルニアだった。
「────女神」
そうとしか言いようがない美貌である。ドレスの生地は全体的に薄く、所どころ細かい刺繡がある。上半身は背中と二の腕が露出しているが、下半身は長いスカートで隠されていた。
「…………それ、あなたに言われると距離を感じて微妙ですね」
その割には満更でもなさそうな顔だ。
「よく似合ってる。桃色の髪と白い肌に純白のドレスが映えるな」
「えぇ、私もそう思います」
「でも式が始まるまで見ちゃいけない取り決めじゃなかったか?」
「分かった上でお呼びしましたので」
肘に届く長い手袋をはめた腕で前髪をかき上げ、ルルニアは言った。
「他の誰よりも先に、あなたに見て欲しかったんです。正確に言えば着付けを手伝ってくれたミーレさんが一番ですが、そこは良しとします」
嬉しいことを言い、ルルニアはスカートの両端を摘まんで持ち上げた。清廉な立ち姿に声を失っていると、思っていた以上に裾が持ち上がった。
「……え、な、ななっ、ちょっと待て!」
赤面する俺の目に映ったのは、ルルニアの足と股だ。丈の長い白の靴下の末端は細いベルトで止められており、それがいやらしい。俺の慌てようを見てルルニアはクスクスと喉を鳴らした。
「どうしました? この程度、毎晩触れておられますよね?」
「い、衣装が違う! 結婚式は清廉で高潔で……えっと、エッチな雰囲気とは別なんだ! だからそういう事をするのは……!」
「ですがこの日この瞬間の私を好きにできるのは一度きりですよ。ここを逃してしまえば、あなたは一生後悔すると思いますが」
否定できないのが悔しかった。
そそり立ちそうになる陰茎を静め、スカートを下ろすように注意した。ルルニアは無視して机の上に座り、足を大きく開いて挑発してきた。
徐々に勃起を抑えきれなくなり、俺は前かがみになった。ルルニアは待ってましたとばかりに微笑し、まくったスカートの中に手を入れた。
「────では、とっても我慢強いグレイゼルに朗報です」
下着を横にズラし、ワレメを指で開いて言った。
「実はこのドレス、ロアが用意した特注品なんです」
「え」
「当初は村で保管されているドレスを借りる予定でしたね。ですがそれではエッチができないと思って聞いてみたんです。そしたら」
ロアが秒速でウェディングドレスの手配をしてくれた。購入するわけではないが、好きに汚してくれて構わないとお墨つきを得たらしい。
「今日の式、神父役はロアですよね?」
「そう……だな」
「神の代弁者が良しとしているのに、しきたりを優先するんですか? エッチをしないことこそが神への冒涜と、そうは思いませんか?」
退路が次から次へと潰され、決断を迫られた。
ルルニアはワレメを指で開き、膣口を見せた。
中の濡れ具合は良く、舐めて挿れて出したくなる。崖際の理性で踏みとどまると、ルルニアは肩紐を外して乳首を出した。そこでプツンと何かが切れる感覚があり、俺は無心でスカートに顔を突っ込んだ。
「あん♡」
わざとらしい嬌声を耳に入れ、ふくらはぎと太ももを舐めて股を目指した。刺繡を透かして差し込む陽光を木漏れ日とするなら、開かれたワレメは野に咲き誇る一輪の花だ。何を言っているのだ俺は。
「はふっ、あぁむ、ちゅぷ……れる」
興奮のまま膣口にしゃぶりつき、溢れる愛液を味わった。
入口をひとしきり舌でなぞり、並行して尻を揉みしだいた。
「……ふっ、あ……はう……んっ。あん、んんっ。ん……んぅ」
村長の屋敷にいるからか、ルルニアは声を抑えていた。そんな姿を見せられたら大きくあえぐ姿が見たくなってしまう。だから包皮を剥いてクリトリスを攻めてみた。
「っ!? ん、んぃ……!!? きゅふ……ん……ふぃぅん!!?」
「れる、みちゅ……あぇ、ちゅくちゃぷ……んぐっ」
「噛む……やっ!? 外聞こえ……ひぃん、ひゃ!? んんっ!?」
先端を舌で右へ左へと弾き、根元をほじるように舐めて甘噛みをする。
必死に口を手で覆う様を堪能していると、もう一つの穴に意識が向いた。
狙いをつけたのはルルニアの尿道だ。これまでの性行為で意識を向けた記憶がなく、試しにと入念に舐めてみた。するとルルニアは腰をビクビクッと跳ねさせた。
「そこ、は……エッチな穴じゃ……んっ!? あうっ!??」
尿道は細く小さく、舌の先すら入らない。膣口と同じかそれ以上に反応が良く、時間を掛けてみると中から液が漏れてきた。俺はそこで尿道を強めに吸ってみた。
「ひゃぁっ!?? も、ダメ……もれ、んぃぃうっ!!?」
絶頂して愛液を噴出させ、さらに放尿した。口の中が温かな液体に満たされ、それをゴクゴクゴクと飲み込む。ルルニアは俺の顔を股から離そうとするが、それではドレスが汚れてしまう。
「た、ただ飲みたいだけでしょう!?」
何故だろうか、心を読まれてしまった。
「ふぅ、思ったより多かったな」
「……それは言わないで下さい。……恥ずかしいです」
「恥じらうルルニアは最高に可愛いな」
うんうん頷いているとルルニアは机から降りた。控室の入口に歩き出すのを見て、ウェディングエッチは終わりかと思った。だが尻尾でスカートをたくし上げ、扉に手をついて尻を突き出した。
「…………舐めて終わり、なんて寂しいことは言いませんよね?」
耳の先を赤くして瞳を潤ませ、床に愛液を滴り落とす。
陰茎はもう準備万端で、やることは一つしかなかった。
「だが今ここで出したら式の最中はずっと……」
「お腹の中に精子があることになりますね」
「膣からこぼれて太ももを伝ったら」
「最高に淫らですね」
「……確かに」
「でしょう?」
スカートの丈は長く、外からでは中の状態が分からない。垂れる量が多いとバレる危険があるため、この場での射精は一回限りにすると決めた。
扉の前では激しく盛れないため、ゆっくりと挿入して引き抜いた。
竿と壁が擦れる度にルルニアは息を震わせ、背中に汗を浮かべた。
「ふぅ……ぃ♡ あ…………んぅぅ♡♡ ぃうぃん……っ♡♡」
「はぁ……はぁ……はぁ……うぐ、はぁぐ」
「あぅ!? くぅ……ひゃぅ♡♡ らめ……ん、あぁぅん♡♡」
水音が外に響かない程度に抽挿の速度を上げる。もう少しで互いに絶頂できると思っていると、唐突に扉からコンコンコンと音がした。
「ルルちゃん、いる?」
扉越しに声を掛けてきたのはミーレだ。ルルニアが吐息混じりの返事をすると、控室にいるはずの俺がどこかへ消えてしまったことを説明した。
「ニーチャちゃんにも聞いてみたんだけど、分からないって言われちゃったのよ。式のことで話したいことがあったんだけど」
「それは……ふっ。大変……です、ね」
「あれ? 声が苦しそうだけど、どうしたの?」
「気のせ、です。あの人……たぶん外、で」
「え、外に? 祭りの準備で怪我人が出たとかかな? 礼服に着替えてまで仕事しなくていいのに、世話が焼けるんだから」
会話中なので抽挿を止めると、ルルニアが尻を前後に動かした。
声が漏れたら一発でバレるため、今度は俺が口を手で抑えた。
「急いで探して来るけど、ルルニアさんはここにいてね」
「はい、分かり……ました♡」
「二人のブーケ、絶対に私が取ってみせるから!」
元気に言い放ち、ミーレは去った。すでにルルニアの顔は絶頂のお預けでトロトロになっており、俺は腰を振る速度を一気に上げた。
「んんんっ♡♡♡!!? あ、らめ、いうぅっ♡♡♡!!?」
お預けを喰らっていた影響か、射精一回で多めに精子が出てきた。
ルルニアは腰と背中を痙攣させ、真っ赤な見返り顔を見せてくれた。
叶うならもっと楽しみたかったが、今日の本命はこれではない。名残惜しさを感じながら膣口から陰茎を抜き、ドレスの乱れを直してやった。
「そろそろ時間か」
「えぇ、ではまた」
俺たちは控室で別れ、粛々と祝いの時を待った。
式場は村の広場に設けられ、多数の見物客に迎えられた。祝福の喝采に包まれながら神父を務めるロアの前に立ち、ルルニアの登場を待った。
黄色い歓声と共に現れたのはルルニアとエスコート役のミーレだ。二人は赤い絨毯の上を一定の歩幅で進み、俺の前で立ち止まった。
(……あぁ、ようやくここまで来たんだな)
俺から手を差し出すと、ルルニアも手を差し出した。
今度は俺がエスコートをし、二人揃ってロアの前に立った。
新郎から新婦へ、新婦から新郎へ、結婚指輪の交換が行われた。
「────では、新郎新婦は誓いの言葉をお願いします」
穏やかな声で促され、俺とルルニアは式場の見物客を向いた。
手と手を繋いだまま結婚指輪を見せると、盛大な拍手が起きた。
「ルルニア」
「グレイゼル」
短く名を呼び合い、俺たちは誓いを述べた。
「……俺たちの出会いは決して運命的ではありませんでした。喧嘩こそしませんでしたが、互いの心には越えがたい隔たりがあったと思います。それを乗り越えてここに至りました」
俺は二日と経たずに恋に堕ちたが、ルルニアはもう少し掛かったと思う。捕食者と被食者の関係が変わったのは、たぶん魔物の襲撃があった夜からだ。
「……グレイゼルを、夫を愛して私は変われました。色んな人と出会って交友の輪を広げ、関り合いの大切さを知りました。そしてずっと欲しかった自分の居場所を得たんです」
ルルニアの言葉に応じる声があった。俺たちに手を振っていたのは、恐らく酒場の常連客たちだ。号泣しながらルルニアの晴れ姿を称えていた。
「ここから俺は良き夫として妻を愛します。艱難辛苦を二人で共有し、どんな壁も力を合わせて乗り越えます。二人三脚でどこまでも歩いて行きます」
「これから私は良き妻として夫を支えます。傍にいて愛を深め合って、皆が羨むような夫婦になってみせます。それをどうか末永くお見届け下さい」
病める時も健やかなる時もと、ロアが言う。妻を愛し夫を愛すかと問われ、俺たちはそれに「誓います」と答えた。キスを求められて頭のベールをどかすと、表情がちょっとだけ色っぽいことに気がついた。
「……さっきしたばかりだからか」
「……ですね。余韻がまだちょっと」
「……俺たちらしいと言えばらしいな」
こんなに大勢の人が見ているのに、スカートの中身がどうなっているのか知るのは俺だけ。正式に夫婦となって初の思い出と秘密がもうできてしまった。
「愛してる、ルルニア。俺はお前を何があっても離さない」
「愛しています、あなた。私たちの想いは永遠に不滅です」
唇と唇を重ねると、ここ一番の歓声が巻き起こった。ルルニアの顔には嬉し涙があり、溢れる想いのままお姫様抱っこをした。式場の全員にこれが俺の嫁だと見せつけ、ブーケを投げてもらった。
「────これはあたしが、って、あれ?」
ミーレの近くに落ちる軌道だったが、突風が吹いた。ブーケは横へ横へと移動し、ガーブランドに肩車されているニーチャの手に収まった。
「おー……、こっち来た。綺麗」
いっぱいに詰まった赤い薔薇を見つめ、スンと鼻を鳴らす。
会場は笑いと悔しさの渦に包まれ、俺とルルニアも笑った。
そんなこんなで結婚式は終わりを迎え、ルルニアはミハエルという苗字を得た。誰もが羨むおしどり夫婦として、女神の国の門出を盛大に飾ってみせた。
魔物の素材市場は連日大盛況であり、噂は瞬く間に広がった。あちこちから商人が買いつけに現れ、商会そのものの参入の打診もあった。人手が増えたことで復興も急速に進んだ。
結婚式の準備を進めていた時、村人から祭りの提案が出た。女神様への感謝と魔物災害の撃退祝いと村の発展のための祈り、それらすべてをまとめて祝おうという旨の内容だった。
「祭りだ祭りだ! 女神様におらたちの感謝を届けるべよ!」
「そうだ! 人も増えたし過去一番のお祭りにすっぞ!」
「おう! 他所から来た客も混ぜて最大に祝ってやろうぜ!」
祭りの名は満場一致で『女神降臨祭』に決まった。
午前に若者を集めて成人の儀を行い、午後に俺とルルニアの結婚式を執り行う。夜には死した町の人たちのための慰霊をし、その後は踊りに酒盛りをして明るく明日を迎える。
「…………よし、準備はこんなものか」
女神降臨祭の当日、俺は村長の屋敷で白の礼服を身に纏っていた。午前中に行われた成人の儀はつつがなく進行され、結婚式の開始までは一時間を切っていた。
控室で緊張しながら過ごしていると扉がノックされた。
扉の先にいたのは紺色のドレスを着たニーチャだった。
「お兄さん、こっち。ルルニア呼んでる」
「……呼んでる? どこでだ?」
「控室、今すぐ来て欲しいって言ってた」
新郎と新婦は式の瞬間まで婚礼の装いを相手に見せない、という取り決めがある。個人的にもその決まりに準じる気でいたが、ニーチャは「大変だから」と言って服の裾を引いた。
「分かった。行けばいいんだな?」
ニーチャに連れられてルルニアの控室に向かった。着こなし等の問題なら他の人の手を借りるはずであり、俺が必要な状況が思いつかない。体調不良で薬が欲しくなったのかと考えた。
扉の前でニーチャは手を離し、「後は若いお二人で」と言った。
どこでそんな言葉を学んだのだと疑問を浮かべ、扉をノックした。
「はい、どちら様ですか」
聞き慣れたルルニアの声だが、今日は妙に緊張した。声に苦しさはなく、『大変』とやらは俺を呼び出すための方便だと分かった。
「じゃあ、入るぞ」
どうぞ、の声で扉の取っ手を掴んだ。室内に入ると風が爽やかに吹き抜け、窓から差す陽光で目がくらんだ。視力の回復を待って見たのは、純白のドレスに身を包んだルルニアだった。
「────女神」
そうとしか言いようがない美貌である。ドレスの生地は全体的に薄く、所どころ細かい刺繡がある。上半身は背中と二の腕が露出しているが、下半身は長いスカートで隠されていた。
「…………それ、あなたに言われると距離を感じて微妙ですね」
その割には満更でもなさそうな顔だ。
「よく似合ってる。桃色の髪と白い肌に純白のドレスが映えるな」
「えぇ、私もそう思います」
「でも式が始まるまで見ちゃいけない取り決めじゃなかったか?」
「分かった上でお呼びしましたので」
肘に届く長い手袋をはめた腕で前髪をかき上げ、ルルニアは言った。
「他の誰よりも先に、あなたに見て欲しかったんです。正確に言えば着付けを手伝ってくれたミーレさんが一番ですが、そこは良しとします」
嬉しいことを言い、ルルニアはスカートの両端を摘まんで持ち上げた。清廉な立ち姿に声を失っていると、思っていた以上に裾が持ち上がった。
「……え、な、ななっ、ちょっと待て!」
赤面する俺の目に映ったのは、ルルニアの足と股だ。丈の長い白の靴下の末端は細いベルトで止められており、それがいやらしい。俺の慌てようを見てルルニアはクスクスと喉を鳴らした。
「どうしました? この程度、毎晩触れておられますよね?」
「い、衣装が違う! 結婚式は清廉で高潔で……えっと、エッチな雰囲気とは別なんだ! だからそういう事をするのは……!」
「ですがこの日この瞬間の私を好きにできるのは一度きりですよ。ここを逃してしまえば、あなたは一生後悔すると思いますが」
否定できないのが悔しかった。
そそり立ちそうになる陰茎を静め、スカートを下ろすように注意した。ルルニアは無視して机の上に座り、足を大きく開いて挑発してきた。
徐々に勃起を抑えきれなくなり、俺は前かがみになった。ルルニアは待ってましたとばかりに微笑し、まくったスカートの中に手を入れた。
「────では、とっても我慢強いグレイゼルに朗報です」
下着を横にズラし、ワレメを指で開いて言った。
「実はこのドレス、ロアが用意した特注品なんです」
「え」
「当初は村で保管されているドレスを借りる予定でしたね。ですがそれではエッチができないと思って聞いてみたんです。そしたら」
ロアが秒速でウェディングドレスの手配をしてくれた。購入するわけではないが、好きに汚してくれて構わないとお墨つきを得たらしい。
「今日の式、神父役はロアですよね?」
「そう……だな」
「神の代弁者が良しとしているのに、しきたりを優先するんですか? エッチをしないことこそが神への冒涜と、そうは思いませんか?」
退路が次から次へと潰され、決断を迫られた。
ルルニアはワレメを指で開き、膣口を見せた。
中の濡れ具合は良く、舐めて挿れて出したくなる。崖際の理性で踏みとどまると、ルルニアは肩紐を外して乳首を出した。そこでプツンと何かが切れる感覚があり、俺は無心でスカートに顔を突っ込んだ。
「あん♡」
わざとらしい嬌声を耳に入れ、ふくらはぎと太ももを舐めて股を目指した。刺繡を透かして差し込む陽光を木漏れ日とするなら、開かれたワレメは野に咲き誇る一輪の花だ。何を言っているのだ俺は。
「はふっ、あぁむ、ちゅぷ……れる」
興奮のまま膣口にしゃぶりつき、溢れる愛液を味わった。
入口をひとしきり舌でなぞり、並行して尻を揉みしだいた。
「……ふっ、あ……はう……んっ。あん、んんっ。ん……んぅ」
村長の屋敷にいるからか、ルルニアは声を抑えていた。そんな姿を見せられたら大きくあえぐ姿が見たくなってしまう。だから包皮を剥いてクリトリスを攻めてみた。
「っ!? ん、んぃ……!!? きゅふ……ん……ふぃぅん!!?」
「れる、みちゅ……あぇ、ちゅくちゃぷ……んぐっ」
「噛む……やっ!? 外聞こえ……ひぃん、ひゃ!? んんっ!?」
先端を舌で右へ左へと弾き、根元をほじるように舐めて甘噛みをする。
必死に口を手で覆う様を堪能していると、もう一つの穴に意識が向いた。
狙いをつけたのはルルニアの尿道だ。これまでの性行為で意識を向けた記憶がなく、試しにと入念に舐めてみた。するとルルニアは腰をビクビクッと跳ねさせた。
「そこ、は……エッチな穴じゃ……んっ!? あうっ!??」
尿道は細く小さく、舌の先すら入らない。膣口と同じかそれ以上に反応が良く、時間を掛けてみると中から液が漏れてきた。俺はそこで尿道を強めに吸ってみた。
「ひゃぁっ!?? も、ダメ……もれ、んぃぃうっ!!?」
絶頂して愛液を噴出させ、さらに放尿した。口の中が温かな液体に満たされ、それをゴクゴクゴクと飲み込む。ルルニアは俺の顔を股から離そうとするが、それではドレスが汚れてしまう。
「た、ただ飲みたいだけでしょう!?」
何故だろうか、心を読まれてしまった。
「ふぅ、思ったより多かったな」
「……それは言わないで下さい。……恥ずかしいです」
「恥じらうルルニアは最高に可愛いな」
うんうん頷いているとルルニアは机から降りた。控室の入口に歩き出すのを見て、ウェディングエッチは終わりかと思った。だが尻尾でスカートをたくし上げ、扉に手をついて尻を突き出した。
「…………舐めて終わり、なんて寂しいことは言いませんよね?」
耳の先を赤くして瞳を潤ませ、床に愛液を滴り落とす。
陰茎はもう準備万端で、やることは一つしかなかった。
「だが今ここで出したら式の最中はずっと……」
「お腹の中に精子があることになりますね」
「膣からこぼれて太ももを伝ったら」
「最高に淫らですね」
「……確かに」
「でしょう?」
スカートの丈は長く、外からでは中の状態が分からない。垂れる量が多いとバレる危険があるため、この場での射精は一回限りにすると決めた。
扉の前では激しく盛れないため、ゆっくりと挿入して引き抜いた。
竿と壁が擦れる度にルルニアは息を震わせ、背中に汗を浮かべた。
「ふぅ……ぃ♡ あ…………んぅぅ♡♡ ぃうぃん……っ♡♡」
「はぁ……はぁ……はぁ……うぐ、はぁぐ」
「あぅ!? くぅ……ひゃぅ♡♡ らめ……ん、あぁぅん♡♡」
水音が外に響かない程度に抽挿の速度を上げる。もう少しで互いに絶頂できると思っていると、唐突に扉からコンコンコンと音がした。
「ルルちゃん、いる?」
扉越しに声を掛けてきたのはミーレだ。ルルニアが吐息混じりの返事をすると、控室にいるはずの俺がどこかへ消えてしまったことを説明した。
「ニーチャちゃんにも聞いてみたんだけど、分からないって言われちゃったのよ。式のことで話したいことがあったんだけど」
「それは……ふっ。大変……です、ね」
「あれ? 声が苦しそうだけど、どうしたの?」
「気のせ、です。あの人……たぶん外、で」
「え、外に? 祭りの準備で怪我人が出たとかかな? 礼服に着替えてまで仕事しなくていいのに、世話が焼けるんだから」
会話中なので抽挿を止めると、ルルニアが尻を前後に動かした。
声が漏れたら一発でバレるため、今度は俺が口を手で抑えた。
「急いで探して来るけど、ルルニアさんはここにいてね」
「はい、分かり……ました♡」
「二人のブーケ、絶対に私が取ってみせるから!」
元気に言い放ち、ミーレは去った。すでにルルニアの顔は絶頂のお預けでトロトロになっており、俺は腰を振る速度を一気に上げた。
「んんんっ♡♡♡!!? あ、らめ、いうぅっ♡♡♡!!?」
お預けを喰らっていた影響か、射精一回で多めに精子が出てきた。
ルルニアは腰と背中を痙攣させ、真っ赤な見返り顔を見せてくれた。
叶うならもっと楽しみたかったが、今日の本命はこれではない。名残惜しさを感じながら膣口から陰茎を抜き、ドレスの乱れを直してやった。
「そろそろ時間か」
「えぇ、ではまた」
俺たちは控室で別れ、粛々と祝いの時を待った。
式場は村の広場に設けられ、多数の見物客に迎えられた。祝福の喝采に包まれながら神父を務めるロアの前に立ち、ルルニアの登場を待った。
黄色い歓声と共に現れたのはルルニアとエスコート役のミーレだ。二人は赤い絨毯の上を一定の歩幅で進み、俺の前で立ち止まった。
(……あぁ、ようやくここまで来たんだな)
俺から手を差し出すと、ルルニアも手を差し出した。
今度は俺がエスコートをし、二人揃ってロアの前に立った。
新郎から新婦へ、新婦から新郎へ、結婚指輪の交換が行われた。
「────では、新郎新婦は誓いの言葉をお願いします」
穏やかな声で促され、俺とルルニアは式場の見物客を向いた。
手と手を繋いだまま結婚指輪を見せると、盛大な拍手が起きた。
「ルルニア」
「グレイゼル」
短く名を呼び合い、俺たちは誓いを述べた。
「……俺たちの出会いは決して運命的ではありませんでした。喧嘩こそしませんでしたが、互いの心には越えがたい隔たりがあったと思います。それを乗り越えてここに至りました」
俺は二日と経たずに恋に堕ちたが、ルルニアはもう少し掛かったと思う。捕食者と被食者の関係が変わったのは、たぶん魔物の襲撃があった夜からだ。
「……グレイゼルを、夫を愛して私は変われました。色んな人と出会って交友の輪を広げ、関り合いの大切さを知りました。そしてずっと欲しかった自分の居場所を得たんです」
ルルニアの言葉に応じる声があった。俺たちに手を振っていたのは、恐らく酒場の常連客たちだ。号泣しながらルルニアの晴れ姿を称えていた。
「ここから俺は良き夫として妻を愛します。艱難辛苦を二人で共有し、どんな壁も力を合わせて乗り越えます。二人三脚でどこまでも歩いて行きます」
「これから私は良き妻として夫を支えます。傍にいて愛を深め合って、皆が羨むような夫婦になってみせます。それをどうか末永くお見届け下さい」
病める時も健やかなる時もと、ロアが言う。妻を愛し夫を愛すかと問われ、俺たちはそれに「誓います」と答えた。キスを求められて頭のベールをどかすと、表情がちょっとだけ色っぽいことに気がついた。
「……さっきしたばかりだからか」
「……ですね。余韻がまだちょっと」
「……俺たちらしいと言えばらしいな」
こんなに大勢の人が見ているのに、スカートの中身がどうなっているのか知るのは俺だけ。正式に夫婦となって初の思い出と秘密がもうできてしまった。
「愛してる、ルルニア。俺はお前を何があっても離さない」
「愛しています、あなた。私たちの想いは永遠に不滅です」
唇と唇を重ねると、ここ一番の歓声が巻き起こった。ルルニアの顔には嬉し涙があり、溢れる想いのままお姫様抱っこをした。式場の全員にこれが俺の嫁だと見せつけ、ブーケを投げてもらった。
「────これはあたしが、って、あれ?」
ミーレの近くに落ちる軌道だったが、突風が吹いた。ブーケは横へ横へと移動し、ガーブランドに肩車されているニーチャの手に収まった。
「おー……、こっち来た。綺麗」
いっぱいに詰まった赤い薔薇を見つめ、スンと鼻を鳴らす。
会場は笑いと悔しさの渦に包まれ、俺とルルニアも笑った。
そんなこんなで結婚式は終わりを迎え、ルルニアはミハエルという苗字を得た。誰もが羨むおしどり夫婦として、女神の国の門出を盛大に飾ってみせた。
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