93 / 170
第九十三話『移ろう景色1』〇
しおりを挟む
チチチという小鳥のさえずりで目を覚ました。部屋の中は薄い暗闇に包まれており、シーツ越しに感じる外気は肌寒い。だいぶ早めに起きてしまったと、私を抱いているグレイゼルの腕の中で考えた。
「…………もうすっかり秋ですね」
私たちの結婚式から一ヵ月と少しの時が経過した。季節は夏から秋へと移ろい、山の木々は少しずつ赤みを帯び始めている。私に合わせて就寝時は裸だったグレイゼルも、今は肌着を身に着けようになった。
「……っと、これは出られそうにありません」
気温の低さのせいだろうか、いつもより強めに抱き着かれていた。
声を掛ければ起きるだろうが、朝はゆっくり休んでいて欲しかった。
なので身長を二十ばかり小さくし、幼女体型で腕の拘束を抜けた。シーツを潜り進んでベッドの下から出ようとするが、途中で止まった。意識が向いたのはグレイゼルの股間、朝勃ちしたおちんちんだった。
パンツは苦しさを訴えるように高く張られ、持ち上がっている。
試しに亀頭の辺りを優しく撫でてみると、ピクッと竿が跳ねた。
「ふふふ、たまには遊んでみましょうか」
私はグレイゼルを起こさぬよう、慎重にパンツの中のおちんちんを外に出した。竿を片手で包むように持ち、裏筋に触れるようなキスをした。
「しー、ですよ。グレイゼルが起きちゃいますから」
ささやくように言うと固さが増してきた。まるでおちんちんそのものに意思があり、私に触れられるのを心待ちにしていたようだ。そう思うと可愛くてたまらなく、亀頭のカリ首を舌で舐めてあげた。
「れぇる、ふ……ぁむ、んちゅ……ぇちゅ」
カリ首の後は亀頭を口に含み、唇と舌先で刺激してあげる。一気に咥え込むとさすがに起こしてしまうため、じっくり時間を掛けて喉奥に挿れていった。
シーツに埋もれているのでグレイゼルの状態が分からず、それが緊張を高めた。音を抑えて咥えたおちんちんを上下させていると、唐突に身体がビクリと跳ねた。
「────んひゅ!? ふぅみゅ……」
「…………んぁっ、ルルニ……ア……」
声の高まりを静め、十秒ほど様子を伺った。今にもシーツが跳ね除けられるのではないかと思うが、幸いにも目は覚まさなかった。
一度おちんちんを引き抜こうとすると、その動作で射精が起きた。寝ているからか量はさほど多くなく、鈴口からトロトロと白い液体が漏れた。
「はぷ、あむ……ぁむ、おいひ、ん……ちゅ」
前髪をかき上げ、一滴も残さずに精子を舐め取る。鈴口の匂いを嗅ぐと奥に残っている気配があったため、もう一度亀頭を咥えて中身を吸った。飲み終わりにはケプッと息が漏れた。
「二回目をしたいですが、それはまたの機会ですね」
小さくなってしまったおちんちんにキスをし、柔らかな金玉に触れた。そっと持ち上げた先にあるのは、私たちが初めて会った夜に刻んだ刻印だ。
位置は金玉と肛門の中ごろにあり、本人目線では絶対に見えない。弱っていた時期に刻んだものなため、今のグレイゼル相手では効果がない代物だ。
「上書きすれば性欲の増強などに使えますが、これは証として残したいんですよね。私とグレイゼルの出発点はこれ何だって、ずっと思い返せます」
刻印の線を指でなぞり、おちんちんをパンツにしまってベッドから出た。耳元でごちそうさまとささやき、シーツの乱れを直した。その後は化粧台に座り、引き出しから櫛を取って髪をすいた。
「ふーふ、ふーん、ふふふっ」
使い始めてそれなりに経つのに、自然と笑みがこぼれる。左手にある指輪と合わせると嬉しさ五倍増しであり、何時間でも眺めていられた。
髪を整えた後は一階に下り、朝食の準備を始めた。原木のハムを薄く切って皿に並べ、別の器に卵を割って手早くかき混ぜた。定番の豆のスープを作りながらサラダ用の野菜を千切っていると、一足先にニーチャが降りてきた。
「うー……、おはよう」
眠気で頭が揺れており、転びかけながらテーブルにたどり着いた。天板に突っ伏して二度寝してしまいそうだっため、眠気覚ましにお茶を用意した。
「ニーチャ、飲み終えたらお皿の準備をお願いしますね」
「やるー……」
「それと今日は私も食べますので、三人分並べて下さい」
「分かったー……、ん?」
ニーチャは薄くなった目を見開き、私をジッと見た。
「ルルニア、ごはん食べる? 珍しい」
当然の疑問だ。ニーチャと違い、私は人間の食事の味がほぼ分からない。この家に住むようになってだいぶ経つが、食べた回数は片手で数えられるほどだ。
(……夏の終わりぐらいから妙な空腹感があるんですよね。最初は気のせいかと思っていましたが、精気をいくら吸っても解消されませんし)
まるで精気以外の栄養を摂り込めと、身体が訴えてきているようだ。
「お兄さんに言わなくて、いいの?」
「いいんです。空腹を感じると言っても大したものではありませんし、少し経てば治ると思います。いらぬ心配は掛けさせたくないですから」
グレイゼルの起床前に食べる必要があっため、先に自分の分だけ用意した。豆のスープを口に含むが、思った通りの薄味だった。やはり美味しくないが、何故かスプーンを動かす手が止まらなかった。
「……全部、食べちゃいましたね」
「うん。早かった」
「……空腹は収まりました、けど」
もう少し食べてもいいと、お腹がおかわりを求めていた。ゴクリと喉が鳴るが、栄養にならない物の過剰摂は良くないため、今はやめておいた。
「────おはよう。ルルニア、ニーチャ」
何とかグレイゼルが起きてくる前に皿を片付けられた。いつも通りに二人の食事を見守り、家事をしつつ往診に出かける後姿を見送った。
ーーーーーーーーーー
お久しぶりです。ここから三章となります。
十月は毎日投稿できそうですが、十一月は予定が多すぎて数回ほど休みをもらうかもしれません。なるべく毎日投稿を心掛けますので、今後もよろしくお願いします。
「…………もうすっかり秋ですね」
私たちの結婚式から一ヵ月と少しの時が経過した。季節は夏から秋へと移ろい、山の木々は少しずつ赤みを帯び始めている。私に合わせて就寝時は裸だったグレイゼルも、今は肌着を身に着けようになった。
「……っと、これは出られそうにありません」
気温の低さのせいだろうか、いつもより強めに抱き着かれていた。
声を掛ければ起きるだろうが、朝はゆっくり休んでいて欲しかった。
なので身長を二十ばかり小さくし、幼女体型で腕の拘束を抜けた。シーツを潜り進んでベッドの下から出ようとするが、途中で止まった。意識が向いたのはグレイゼルの股間、朝勃ちしたおちんちんだった。
パンツは苦しさを訴えるように高く張られ、持ち上がっている。
試しに亀頭の辺りを優しく撫でてみると、ピクッと竿が跳ねた。
「ふふふ、たまには遊んでみましょうか」
私はグレイゼルを起こさぬよう、慎重にパンツの中のおちんちんを外に出した。竿を片手で包むように持ち、裏筋に触れるようなキスをした。
「しー、ですよ。グレイゼルが起きちゃいますから」
ささやくように言うと固さが増してきた。まるでおちんちんそのものに意思があり、私に触れられるのを心待ちにしていたようだ。そう思うと可愛くてたまらなく、亀頭のカリ首を舌で舐めてあげた。
「れぇる、ふ……ぁむ、んちゅ……ぇちゅ」
カリ首の後は亀頭を口に含み、唇と舌先で刺激してあげる。一気に咥え込むとさすがに起こしてしまうため、じっくり時間を掛けて喉奥に挿れていった。
シーツに埋もれているのでグレイゼルの状態が分からず、それが緊張を高めた。音を抑えて咥えたおちんちんを上下させていると、唐突に身体がビクリと跳ねた。
「────んひゅ!? ふぅみゅ……」
「…………んぁっ、ルルニ……ア……」
声の高まりを静め、十秒ほど様子を伺った。今にもシーツが跳ね除けられるのではないかと思うが、幸いにも目は覚まさなかった。
一度おちんちんを引き抜こうとすると、その動作で射精が起きた。寝ているからか量はさほど多くなく、鈴口からトロトロと白い液体が漏れた。
「はぷ、あむ……ぁむ、おいひ、ん……ちゅ」
前髪をかき上げ、一滴も残さずに精子を舐め取る。鈴口の匂いを嗅ぐと奥に残っている気配があったため、もう一度亀頭を咥えて中身を吸った。飲み終わりにはケプッと息が漏れた。
「二回目をしたいですが、それはまたの機会ですね」
小さくなってしまったおちんちんにキスをし、柔らかな金玉に触れた。そっと持ち上げた先にあるのは、私たちが初めて会った夜に刻んだ刻印だ。
位置は金玉と肛門の中ごろにあり、本人目線では絶対に見えない。弱っていた時期に刻んだものなため、今のグレイゼル相手では効果がない代物だ。
「上書きすれば性欲の増強などに使えますが、これは証として残したいんですよね。私とグレイゼルの出発点はこれ何だって、ずっと思い返せます」
刻印の線を指でなぞり、おちんちんをパンツにしまってベッドから出た。耳元でごちそうさまとささやき、シーツの乱れを直した。その後は化粧台に座り、引き出しから櫛を取って髪をすいた。
「ふーふ、ふーん、ふふふっ」
使い始めてそれなりに経つのに、自然と笑みがこぼれる。左手にある指輪と合わせると嬉しさ五倍増しであり、何時間でも眺めていられた。
髪を整えた後は一階に下り、朝食の準備を始めた。原木のハムを薄く切って皿に並べ、別の器に卵を割って手早くかき混ぜた。定番の豆のスープを作りながらサラダ用の野菜を千切っていると、一足先にニーチャが降りてきた。
「うー……、おはよう」
眠気で頭が揺れており、転びかけながらテーブルにたどり着いた。天板に突っ伏して二度寝してしまいそうだっため、眠気覚ましにお茶を用意した。
「ニーチャ、飲み終えたらお皿の準備をお願いしますね」
「やるー……」
「それと今日は私も食べますので、三人分並べて下さい」
「分かったー……、ん?」
ニーチャは薄くなった目を見開き、私をジッと見た。
「ルルニア、ごはん食べる? 珍しい」
当然の疑問だ。ニーチャと違い、私は人間の食事の味がほぼ分からない。この家に住むようになってだいぶ経つが、食べた回数は片手で数えられるほどだ。
(……夏の終わりぐらいから妙な空腹感があるんですよね。最初は気のせいかと思っていましたが、精気をいくら吸っても解消されませんし)
まるで精気以外の栄養を摂り込めと、身体が訴えてきているようだ。
「お兄さんに言わなくて、いいの?」
「いいんです。空腹を感じると言っても大したものではありませんし、少し経てば治ると思います。いらぬ心配は掛けさせたくないですから」
グレイゼルの起床前に食べる必要があっため、先に自分の分だけ用意した。豆のスープを口に含むが、思った通りの薄味だった。やはり美味しくないが、何故かスプーンを動かす手が止まらなかった。
「……全部、食べちゃいましたね」
「うん。早かった」
「……空腹は収まりました、けど」
もう少し食べてもいいと、お腹がおかわりを求めていた。ゴクリと喉が鳴るが、栄養にならない物の過剰摂は良くないため、今はやめておいた。
「────おはよう。ルルニア、ニーチャ」
何とかグレイゼルが起きてくる前に皿を片付けられた。いつも通りに二人の食事を見守り、家事をしつつ往診に出かける後姿を見送った。
ーーーーーーーーーー
お久しぶりです。ここから三章となります。
十月は毎日投稿できそうですが、十一月は予定が多すぎて数回ほど休みをもらうかもしれません。なるべく毎日投稿を心掛けますので、今後もよろしくお願いします。
0
あなたにおすすめの小説
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です
朝陽七彩
恋愛
私は。
「夕鶴、こっちにおいで」
現役の高校生だけど。
「ずっと夕鶴とこうしていたい」
担任の先生と。
「夕鶴を誰にも渡したくない」
付き合っています。
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
神城夕鶴(かみしろ ゆづる)
軽音楽部の絶対的エース
飛鷹隼理(ひだか しゅんり)
アイドル的存在の超イケメン先生
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
彼の名前は飛鷹隼理くん。
隼理くんは。
「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」
そう言って……。
「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」
そして隼理くんは……。
……‼
しゅっ……隼理くん……っ。
そんなことをされたら……。
隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。
……だけど……。
え……。
誰……?
誰なの……?
その人はいったい誰なの、隼理くん。
ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。
その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。
でも。
でも訊けない。
隼理くんに直接訊くことなんて。
私にはできない。
私は。
私は、これから先、一体どうすればいいの……?
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
【完結】異世界に転移しましたら、四人の夫に溺愛されることになりました(笑)
かのん
恋愛
気が付けば、喧騒など全く聞こえない、鳥のさえずりが穏やかに聞こえる森にいました。
わぁ、こんな静かなところ初めて~なんて、のんびりしていたら、目の前に麗しの美形達が現れて・・・
これは、女性が少ない世界に転移した二十九歳独身女性が、あれよあれよという間に精霊の愛し子として囲われ、いつのまにか四人の男性と結婚し、あれよあれよという間に溺愛される物語。
あっさりめのお話です。それでもよろしければどうぞ!
本日だけ、二話更新。毎日朝10時に更新します。
完結しておりますので、安心してお読みください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる