15 / 181
第1章 洞窟出現編
15話 魔獣
しおりを挟む
洞窟の近くの救護用テントに着いた。
周りには、多くの兵士が待機しており、見るからに私たちは場違いな感じがあった。
テントの中に荷物を下ろした時である。
洞窟の方から獣の叫び声がここまで聞こえたのだ。
外に出ると、岩山にできた洞窟の周りをシウン大将率いる精鋭部隊が囲んでいた。
近くまで行ってみたかったが、カクに止められたのだ。
「ここにいた方がいいよ。向こうに行っても、自分たちにできる事はないよ、舞!」
引き止められたが、どうしても見ておきたかったのだ。
魔獣という存在があるなら、どんなものなのかと。
「やっぱり近くまで行ってみるよ。
気になるから。
カクはここにいていいよ。」
「わかったよ。
一緒に行くから。
まって・・・危ないから、少しだけだよ・・・」
カクを置いて行こうとしたら、一人でそこにいるのが不安だったのか、ブツブツ言いながらカクも一緒に洞窟の方に向かったのである。
洞窟に近づくにつれて、獣の声が大きく響いた。
それと同時に炎のような赤い光が洞窟から噴き出るのが見えたのだ。
囲んでいたシウン大将達を心配したが、問題はないようだった。
彼らの手にしている盾は風の鉱石から出来ており、炎を逆に追いやる力があるようだ。
また、反対の手に持っている剣は火の鉱石から出来ており、剣としてだけでなく、火炎放射器のような効果があったのだ。
そして、また獣の声が響いたと思ったら、洞窟の中から巨大なライオンを思わせる魔獣が出てきたのである。
恐ろしい牙と爪を備えており、頭には宝石のような光る石が見えたのである。
それはまるで炎のような赤い色をしていたのだ。
「すごい・・・」
私はその迫力に圧倒されたのと、ひるむ事なく対応している精鋭部隊の凄さを目の当たりにしたのだ。
彼らが剣を一振りすると、流れるように炎の波が魔獣を捕らえるのだ。
魔獣は火を吹く特性を持っているようだが、熱の耐性があるわけではなく、炎に囲まれるとダメージを受けるようだった。
しかし、魔獣も火を吹くだけでなく、額の赤い石が光ったと思ったら、半径10メートルくらいの範囲に、地盤が少し沈下するくらいの衝撃波を放ったのである。
それにより、一部の精鋭部隊が吹き飛ばされたのだ。
すぐに立ち上がったのを見て、大きな怪我はしてないのだなと、ホッとしたのだ。
隣のカクを見ると、予想通り青ざめた顔をして固まっていた。
「やっぱり、カクは戻りなよ。」
「・・・はは、大丈夫だよ・・・。
舞は戻る?」
カクの言う事は放っておいて、私は洞窟の方に目を移した。
戦況ははじめ、こちらの方が有利に思われたが、魔獣が洞窟から出た事で、自由に動けるようになり、ほぼ互角に思えたのである。
しかしその時である。
シウン大将が囮となり、ある場所に魔獣を引き寄せはじめたのだ。
はじめは何をしてるかわからなかったが、そこには大きな魔法陣が形成されていたのだ。
そこに呼び寄せると、魔獣はその範囲から動けなくなった。
その隙に、シウン大将が黒いボールのような物を出して、魔獣にぶつけたのである。
すると、その黒いボールは破裂し、その一帯を黒い煙のようなもので充満した。
しかし、すぐに魔法陣の中心に魔獣を包み込むように黒い煙は集まり、煙は消滅したのだ。
もちろん、魔獣とともに。
何処かで見た光景。
私の時は光だったけど、あれは黒い煙。闇の鉱石の力に違いない。
きっと何処かに転移させたのだろうと想像できたのである。
その後、洞窟の中を捜索すると、行方不明者が見つかったのだ。
怪我はしていたが、命に関わる状態では無かった。
そしてその先には、また見えない壁が出現しており、先に進む事はできなかったのだ。
行方不明だった警備隊の話によると、獣の声で中に入ったのだが、途中で人影が見えたとたん、何者かに攻撃を受けて、意識を失ったようだ。
そして、今、兵士に助けられて、目覚めたと言う。
つまり、魔獣の事を含めて、記憶が無いというのだ。
そこには人影を見たとの事から、魔人の介入があった可能性が高いのであった。
周りには、多くの兵士が待機しており、見るからに私たちは場違いな感じがあった。
テントの中に荷物を下ろした時である。
洞窟の方から獣の叫び声がここまで聞こえたのだ。
外に出ると、岩山にできた洞窟の周りをシウン大将率いる精鋭部隊が囲んでいた。
近くまで行ってみたかったが、カクに止められたのだ。
「ここにいた方がいいよ。向こうに行っても、自分たちにできる事はないよ、舞!」
引き止められたが、どうしても見ておきたかったのだ。
魔獣という存在があるなら、どんなものなのかと。
「やっぱり近くまで行ってみるよ。
気になるから。
カクはここにいていいよ。」
「わかったよ。
一緒に行くから。
まって・・・危ないから、少しだけだよ・・・」
カクを置いて行こうとしたら、一人でそこにいるのが不安だったのか、ブツブツ言いながらカクも一緒に洞窟の方に向かったのである。
洞窟に近づくにつれて、獣の声が大きく響いた。
それと同時に炎のような赤い光が洞窟から噴き出るのが見えたのだ。
囲んでいたシウン大将達を心配したが、問題はないようだった。
彼らの手にしている盾は風の鉱石から出来ており、炎を逆に追いやる力があるようだ。
また、反対の手に持っている剣は火の鉱石から出来ており、剣としてだけでなく、火炎放射器のような効果があったのだ。
そして、また獣の声が響いたと思ったら、洞窟の中から巨大なライオンを思わせる魔獣が出てきたのである。
恐ろしい牙と爪を備えており、頭には宝石のような光る石が見えたのである。
それはまるで炎のような赤い色をしていたのだ。
「すごい・・・」
私はその迫力に圧倒されたのと、ひるむ事なく対応している精鋭部隊の凄さを目の当たりにしたのだ。
彼らが剣を一振りすると、流れるように炎の波が魔獣を捕らえるのだ。
魔獣は火を吹く特性を持っているようだが、熱の耐性があるわけではなく、炎に囲まれるとダメージを受けるようだった。
しかし、魔獣も火を吹くだけでなく、額の赤い石が光ったと思ったら、半径10メートルくらいの範囲に、地盤が少し沈下するくらいの衝撃波を放ったのである。
それにより、一部の精鋭部隊が吹き飛ばされたのだ。
すぐに立ち上がったのを見て、大きな怪我はしてないのだなと、ホッとしたのだ。
隣のカクを見ると、予想通り青ざめた顔をして固まっていた。
「やっぱり、カクは戻りなよ。」
「・・・はは、大丈夫だよ・・・。
舞は戻る?」
カクの言う事は放っておいて、私は洞窟の方に目を移した。
戦況ははじめ、こちらの方が有利に思われたが、魔獣が洞窟から出た事で、自由に動けるようになり、ほぼ互角に思えたのである。
しかしその時である。
シウン大将が囮となり、ある場所に魔獣を引き寄せはじめたのだ。
はじめは何をしてるかわからなかったが、そこには大きな魔法陣が形成されていたのだ。
そこに呼び寄せると、魔獣はその範囲から動けなくなった。
その隙に、シウン大将が黒いボールのような物を出して、魔獣にぶつけたのである。
すると、その黒いボールは破裂し、その一帯を黒い煙のようなもので充満した。
しかし、すぐに魔法陣の中心に魔獣を包み込むように黒い煙は集まり、煙は消滅したのだ。
もちろん、魔獣とともに。
何処かで見た光景。
私の時は光だったけど、あれは黒い煙。闇の鉱石の力に違いない。
きっと何処かに転移させたのだろうと想像できたのである。
その後、洞窟の中を捜索すると、行方不明者が見つかったのだ。
怪我はしていたが、命に関わる状態では無かった。
そしてその先には、また見えない壁が出現しており、先に進む事はできなかったのだ。
行方不明だった警備隊の話によると、獣の声で中に入ったのだが、途中で人影が見えたとたん、何者かに攻撃を受けて、意識を失ったようだ。
そして、今、兵士に助けられて、目覚めたと言う。
つまり、魔獣の事を含めて、記憶が無いというのだ。
そこには人影を見たとの事から、魔人の介入があった可能性が高いのであった。
11
あなたにおすすめの小説
大根令嬢の雑学無双、王弟殿下を添えて。~ 前世を思い出したので、許婚をほったらかして人助けしまくります!!
古森真朝
恋愛
気弱な伯爵令嬢のカレンは、自分勝手な婚約者レナートに振り回されていた。耐え続けていたある日、舞踏会で何者かに突き飛ばされ、階段から落ちてしまう。
その傷が元で儚く……なるかと思いきや。衝撃で前世を思い出したカレンは一転、かの『ド根性大根』みたいな超・ポジティブ人間になっていた。
『モラハラ婚約者の思惑なんぞ知るか!! 今度こそ好きなことやって、目いっぱい幸せに長生きするんだから!!!』
昔ひたすら読書に耽って身に着けた『雑学』を武器に、うっかり採れ過ぎた作物や、開墾しようとすると不幸に見舞われる土地、不治の病にかかった王族、等々の問題をどんどん解決。
領地の内外で心強い友人が出来たり、いつの間にかものすごく有名になっていたり、何かと協力してくれる王弟ヴィクトルから好意を寄せられたり(注:気付いてない)する中、温かい家族と共に仕事に励んでいく。
一方、前世から因縁のある人々もまた、こちらに転生していて――
能力値カンストで異世界転生したので…のんびり生きちゃダメですか?
火産霊神
ファンタジー
私の異世界転生、思ってたのとちょっと違う…?
24歳OLの立花由芽は、ある日異世界転生し「ユメ」という名前の16歳の魔女として生きることに。その世界は魔王の脅威に怯え…ているわけでもなく、レベルアップは…能力値がカンストしているのでする必要もなく、能力を持て余した彼女はスローライフをおくることに。そう決めた矢先から何やらイベントが発生し…!?
おばさん冒険者、職場復帰する
神田柊子
ファンタジー
アリス(43)は『完全防御の魔女』と呼ばれたA級冒険者。
子育て(子どもの修行)のために母子ふたりで旅をしていたけれど、子どもが父親の元で暮らすことになった。
ひとりになったアリスは、拠点にしていた街に五年ぶりに帰ってくる。
さっそくギルドに顔を出すと昔馴染みのギルドマスターから、ギルド職員のリーナを弟子にしてほしいと頼まれる……。
生活力は低め、戦闘力は高めなアリスおばさんの冒険譚。
-----
剣と魔法の西洋風異世界。転移・転生なし。三人称。
一話ごとで一区切りの、連作短編。
リーナ視点が主です。
-----
また続けるかもしれませんが、一旦完結です。
※小説家になろう様にも掲載中。
転生令嬢の食いしん坊万罪!
ねこたま本店
ファンタジー
訳も分からないまま命を落とし、訳の分からない神様の手によって、別の世界の公爵令嬢・プリムローズとして転生した、美味しい物好きな元ヤンアラサー女は、自分に無関心なバカ父が後妻に迎えた、典型的なシンデレラ系継母と、我が儘で性格の悪い妹にイビられたり、事故物件王太子の中継ぎ婚約者にされたりつつも、しぶとく図太く生きていた。
そんなある日、プリムローズは王侯貴族の子女が6~10歳の間に受ける『スキル鑑定の儀』の際、邪悪とされる大罪系スキルの所有者であると判定されてしまう。
プリムローズはその日のうちに、同じ判定を受けた唯一の友人、美少女と見まごうばかりの気弱な第二王子・リトス共々捕えられた挙句、国境近くの山中に捨てられてしまうのだった。
しかし、中身が元ヤンアラサー女の図太い少女は諦めない。
プリムローズは時に気弱な友の手を引き、時に引いたその手を勢い余ってブン回しながらも、邪悪と断じられたスキルを駆使して生き残りを図っていく。
これは、図太くて口の悪い、ちょっと(?)食いしん坊な転生令嬢が、自分なりの幸せを自分の力で掴み取るまでの物語。
こちらの作品は、2023年12月28日から、カクヨム様でも掲載を開始しました。
今後、カクヨム様掲載用にほんのちょっとだけ内容を手直しし、1話ごとの文章量を増やす事でトータルの話数を減らした改訂版を、1日に2回のペースで投稿していく予定です。多量の加筆修正はしておりませんが、もしよろしければ、カクヨム版の方もご笑覧下さい。
※作者が適当にでっち上げた、完全ご都合主義的世界です。細かいツッコミはご遠慮頂ければ幸いです。もし、目に余るような誤字脱字を発見された際には、コメント欄などで優しく教えてやって下さい。
※検討の結果、「ざまぁ要素あり」タグを追加しました。
巻添え召喚されたので、引きこもりスローライフを希望します!
あきづきみなと
ファンタジー
階段から女の子が降ってきた!?
資料を抱えて歩いていた紗江は、階段から飛び下りてきた転校生に巻き込まれて転倒する。気がついたらその彼女と二人、全く知らない場所にいた。
そしてその場にいた人達は、聖女を召喚したのだという。
どちらが『聖女』なのか、と問われる前に転校生の少女が声をあげる。
「私、ガンバる!」
だったら私は帰してもらえない?ダメ?
聖女の扱いを他所に、巻き込まれた紗江が『食』を元に自分の居場所を見つける話。
スローライフまでは到達しなかったよ……。
緩いざまああり。
注意
いわゆる『キラキラネーム』への苦言というか、マイナス感情の描写があります。気にされる方には申し訳ありませんが、作中人物の説明には必要と考えました。
[完結] 邪魔をするなら潰すわよ?
シマ
ファンタジー
私はギルドが運営する治療院で働く治療師の一人、名前はルーシー。
クエストで大怪我したハンター達の治療に毎日、忙しい。そんなある日、騎士の格好をした一人の男が運び込まれた。
貴族のお偉いさんを魔物から護った騎士団の団長さんらしいけど、その場に置いていかれたの?でも、この傷は魔物にヤられたモノじゃないわよ?
魔法のある世界で亡くなった両親の代わりに兄妹を育てるルーシー。彼女は兄妹と静かに暮らしたいけど何やら回りが放ってくれない。
ルーシーが気になる団長さんに振り回されたり振り回したり。
私の生活を邪魔をするなら潰すわよ?
1月5日 誤字脱字修正 54話
★━戦闘シーンや猟奇的発言あり
流血シーンあり。
魔法・魔物あり。
ざぁま薄め。
恋愛要素あり。
ヒロインですが、舞台にも上がれなかったので田舎暮らしをします
未羊
ファンタジー
レイチェル・ウィルソンは公爵令嬢
十二歳の時に王都にある魔法学園の入学試験を受けたものの、なんと不合格になってしまう
好きなヒロインとの交流を進める恋愛ゲームのヒロインの一人なのに、なんとその舞台に上がれることもできずに退場となってしまったのだ
傷つきはしたものの、公爵の治める領地へと移り住むことになったことをきっかけに、レイチェルは前世の夢を叶えることを計画する
今日もレイチェルは、公爵領の片隅で畑を耕したり、お店をしたりと気ままに暮らすのだった
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる