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第5章 闇の遺跡編
168話 指輪に宿し者たち
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ブラックは気付くと、高い場所から舞やジルコンを見下ろしていた。
はじめ何が起こったかわからなかったが、この状況を理解するまでにそれほど時間はかからなかった。
私の実体が消滅し、核だけの状態になった事に他ならなかった。
舞の叫び声が、核である私の魂にも響いて来て、心がとても痛かったのだ。
舞が無事だったのは本当に良かったのだが、もう舞に触れる事が出来なくなった事が心残りであるのだ。
どうしてこんな事になってしまったのだろう・・・
私はそのまま呆然と眺めていると、急に辺りが白い空間に変わったのだ。
その空間は森の精霊の作る空間と似ているような気がした。
すると、核だけの存在であった自分に変化が起きたのだ。
私は自分の手のひらを確認できると、顔や身体を触り今までと同じ実体を維持する事が出来ていることに気付いた。
その時である。
「やあ、ブラック。
やっと会えたね。」
振り向くと、ニヤリとしながら椅子に座って足を組んでいる者がいたのだ。
見た目は私と変わらない男性を思わせる姿であったが、その気配から全く違う存在である事はすぐにわかったのだ。
そこは何も無い白い空間で、椅子と声をかけて来た者だけがいる、とても不思議に感じる場所であった。
「・・・あなたは一体何者ですか?」
私が警戒して話すと、その者は足を組み直し話し出したのだ。
「ずっと近くにいたのに分からないなんて、悲しいね。」
そう言って椅子から立ち上がり、私の前に歩いて来たのだ。
その時、自分の右手にある指輪が光ったのだ。
もしかして・・・
「そうだよ、その指輪が僕だと思っていいよ。
最近はずっと一緒だっただろう。
それに以前、僕に願ったよね。
ちゃんとした契約は無いけど、あんな風に願われちゃったらどうにかしてあげたくなったんだよねー。
だから、僕の気まぐれで今ここに呼んだんだよ。」
その者は私に近づき、耳元で囁くように話したのだ。
「では、また舞のそばに戻る事ができるのですか?」
確かに私はあの時願ったのだ。
そうであれば・・・
「まあまあ、焦らないで。
今ね、あの人間の舞という可愛らしい子がね、頑張っているよ。
森の主の力を使って、過去を変えようとしている。
でも簡単には行かないようだよ。
ちょっと様子を見てみようよ。
・・・実はあの子の持っている指輪は僕の分身とも言える者が宿っているんだ。
その者が彼女を助けてくれるなら、上手く行くかもしれないね。
ただね、僕と違って偏屈だから、簡単には手助けしないかもなー。
彼女の頑張り次第だね。
彼女がどれだけブラックに会いたいかにかかっているかな。
あとね・・・あいつは命を大事にしない奴は大嫌いなんだよね。
あ、僕は命をかけたブラックを素晴らしいと思っているよ。
でも、あいつは僕と正反対なんだよ。
彼女が奴に気に入られるといいんだけどねー」
私の指輪に宿し者は、嬉しそうに話したのだ。
しかし、正直私はわからなかった。
舞がどれだけ私を思ってくれているか、聞いた事もなかったからだ。
だから、舞の頑張り次第と言われても、自信なんて全く無かったのだ。
それに、舞の指輪に宿っている者の話を聞いて、とても厄介に感じたのだ。
舞の事だから馬鹿な真似はしないと思うが、不安でならなかった。
下を見下ろすと、白い空間の中ではあるが舞達の状況を見る事が出来た。
そこで精霊が舞に話していた様に、私の核は破壊されていないわけで、いずれは復活するのだ。
舞が大変な目にあう必要は無いのかもしれない。
舞には自分の住む世界があり、ここの出来事や私に振り回される事は無いのだ。
「ブラック、舞を見て。
うまく行かなくて、過去を繰り返そうとしているよ。
しかし戻っては、ブラックを助けられないで消滅する姿を何回も見る気持ちはどんな感じだろうね。
僕なら耐えられないな・・・
自分さえいなければ、ブラックは助かると思っちゃいそうだよね。
でもそうしたら未来は変わり、ブラックは生きる事は出来るけど、二人がもう会う事は出来ないね。
そんな選択をしたら、僕の分身も助けてくれないだろうしね。
さあ、舞はどうするだろうね。
まあ、僕たちは見てるしかないんだけどね。」
面白そうに話している事に、私は苛立ちを感じたのだ。
「あなたが今の舞を助ける事は出来ないのですか?」
「ああ、それは無理だね。
それはもう一人の分身の役目だよ。
もし過去を変えられなくても、あいつが認めた時は僕達は手を貸すつもりだよ。
契約はなくても、お互いが会いたいと思うのであれば、願いを叶えて引き寄せてあげるよ。」
指輪を持つ者を引き寄せる約束の指輪と言われていたのだが、言い伝えとはだいぶ違っていたようだ。
どうもこの指輪に宿し者達の意思が関係しているのであれば、彼らを味方にしなければいけないという事なのだろう。
今の私には見守ることしか出来なかったのだ。
はじめ何が起こったかわからなかったが、この状況を理解するまでにそれほど時間はかからなかった。
私の実体が消滅し、核だけの状態になった事に他ならなかった。
舞の叫び声が、核である私の魂にも響いて来て、心がとても痛かったのだ。
舞が無事だったのは本当に良かったのだが、もう舞に触れる事が出来なくなった事が心残りであるのだ。
どうしてこんな事になってしまったのだろう・・・
私はそのまま呆然と眺めていると、急に辺りが白い空間に変わったのだ。
その空間は森の精霊の作る空間と似ているような気がした。
すると、核だけの存在であった自分に変化が起きたのだ。
私は自分の手のひらを確認できると、顔や身体を触り今までと同じ実体を維持する事が出来ていることに気付いた。
その時である。
「やあ、ブラック。
やっと会えたね。」
振り向くと、ニヤリとしながら椅子に座って足を組んでいる者がいたのだ。
見た目は私と変わらない男性を思わせる姿であったが、その気配から全く違う存在である事はすぐにわかったのだ。
そこは何も無い白い空間で、椅子と声をかけて来た者だけがいる、とても不思議に感じる場所であった。
「・・・あなたは一体何者ですか?」
私が警戒して話すと、その者は足を組み直し話し出したのだ。
「ずっと近くにいたのに分からないなんて、悲しいね。」
そう言って椅子から立ち上がり、私の前に歩いて来たのだ。
その時、自分の右手にある指輪が光ったのだ。
もしかして・・・
「そうだよ、その指輪が僕だと思っていいよ。
最近はずっと一緒だっただろう。
それに以前、僕に願ったよね。
ちゃんとした契約は無いけど、あんな風に願われちゃったらどうにかしてあげたくなったんだよねー。
だから、僕の気まぐれで今ここに呼んだんだよ。」
その者は私に近づき、耳元で囁くように話したのだ。
「では、また舞のそばに戻る事ができるのですか?」
確かに私はあの時願ったのだ。
そうであれば・・・
「まあまあ、焦らないで。
今ね、あの人間の舞という可愛らしい子がね、頑張っているよ。
森の主の力を使って、過去を変えようとしている。
でも簡単には行かないようだよ。
ちょっと様子を見てみようよ。
・・・実はあの子の持っている指輪は僕の分身とも言える者が宿っているんだ。
その者が彼女を助けてくれるなら、上手く行くかもしれないね。
ただね、僕と違って偏屈だから、簡単には手助けしないかもなー。
彼女の頑張り次第だね。
彼女がどれだけブラックに会いたいかにかかっているかな。
あとね・・・あいつは命を大事にしない奴は大嫌いなんだよね。
あ、僕は命をかけたブラックを素晴らしいと思っているよ。
でも、あいつは僕と正反対なんだよ。
彼女が奴に気に入られるといいんだけどねー」
私の指輪に宿し者は、嬉しそうに話したのだ。
しかし、正直私はわからなかった。
舞がどれだけ私を思ってくれているか、聞いた事もなかったからだ。
だから、舞の頑張り次第と言われても、自信なんて全く無かったのだ。
それに、舞の指輪に宿っている者の話を聞いて、とても厄介に感じたのだ。
舞の事だから馬鹿な真似はしないと思うが、不安でならなかった。
下を見下ろすと、白い空間の中ではあるが舞達の状況を見る事が出来た。
そこで精霊が舞に話していた様に、私の核は破壊されていないわけで、いずれは復活するのだ。
舞が大変な目にあう必要は無いのかもしれない。
舞には自分の住む世界があり、ここの出来事や私に振り回される事は無いのだ。
「ブラック、舞を見て。
うまく行かなくて、過去を繰り返そうとしているよ。
しかし戻っては、ブラックを助けられないで消滅する姿を何回も見る気持ちはどんな感じだろうね。
僕なら耐えられないな・・・
自分さえいなければ、ブラックは助かると思っちゃいそうだよね。
でもそうしたら未来は変わり、ブラックは生きる事は出来るけど、二人がもう会う事は出来ないね。
そんな選択をしたら、僕の分身も助けてくれないだろうしね。
さあ、舞はどうするだろうね。
まあ、僕たちは見てるしかないんだけどね。」
面白そうに話している事に、私は苛立ちを感じたのだ。
「あなたが今の舞を助ける事は出来ないのですか?」
「ああ、それは無理だね。
それはもう一人の分身の役目だよ。
もし過去を変えられなくても、あいつが認めた時は僕達は手を貸すつもりだよ。
契約はなくても、お互いが会いたいと思うのであれば、願いを叶えて引き寄せてあげるよ。」
指輪を持つ者を引き寄せる約束の指輪と言われていたのだが、言い伝えとはだいぶ違っていたようだ。
どうもこの指輪に宿し者達の意思が関係しているのであれば、彼らを味方にしなければいけないという事なのだろう。
今の私には見守ることしか出来なかったのだ。
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