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マタイがロディの周囲の空気を連続して爆破させたのだ。逃げられないようロディの四方八方で爆発を起こす。だが、そのどれをもロディはなんなく避けて見せた。光の速さで移動するロディに、むしろマタイの方がそれを追いかけるのに躍起になっている。
ロディの身体は淡く発光していた。それはマタイの爆発による物などではなく、ロディ自身の能力によるものだった。
彼のスピードを支える光。その正体は電流。
レジが風を操れるように、マタイが物を爆破させられるように、ハルルクが氷を操れるように、ロディは雷を操れた。氷山を壊したのも、ハルルクを倒したのも電撃によるものだ。
ロディはその電流を自分の身体に流す事で直接筋肉に刺激を与え、逸脱したスピードとパワーを発揮できるのだ。
勝負は一瞬だった。
マタイの懐に飛び込んだロディが彼のみぞおちに拳をめり込ませたのだ。
一発。たったそれだけでマタイは動かなくなった。
こうなってしまえば随分と呆気ないものだと思いながらレジはマタイが白目を剥いて倒れた事を確認して、村の男たちを守っていた風の檻を解いた。けれども自由を取り戻した男たちは茫然と立ち尽くすばかりで、なかなかその場を動こうとはしなかった。状況が把握できずに戸惑っているようだ。無理もないとレジは思った。ずっと戦力外だと見下してきたロディが村の男が束になっても敵わなかったマタイを一撃で倒してしまったのだ。だが、レジまで彼らに合わせてぼんやりしている訳にもいかない。
「なぁ、誰かロープ持ってない? 今の内にこいつら縛っておきたいんだけど」
レジは他の人間同様茫然としているエルドを尻目に男たちに声をかけた。彼らはハッとしたように動き出す。
レジはマタイとハルルクを男たちに任せると、ロディの元へ行った。
「ったく、もったいぶりやがって。そんな風に戦えるなら最初からやってくれよな」
「すまない」
敵はいなくなったというのに、ロディの身体はまだ電気を帯びていた。5年ぶりに能力を発動させたから自分でもまだ思うように操れていないのだと彼は言う。けれど、力を制御できないのにはもう一つ理由があるようにレジには感じられた。
「エレナちゃん、だろ」
レジの言葉にロディは微かに目を伏せた。
「氷山の中で、エレナちゃんに会ったんだろ?」
今のロディからは、マタイやハルルク同様…………否、それ以上に強くエレナの気配を感じられた。ロディがハルルクに追われて逃げ込んだ氷山の最奥。村人たちが神の泉と称えるそこで何かがあった事は間違いない。
だが、崩れた氷山の周辺にエレナらしき人影はない。普通なら、そのことに疑問を抱いてもいいのだろうが、レジは違った。もともと、レジはこの国にエレナを探しに来たのだ。彼女の事はある程度調べがついている。彼女が今おかれている状況も、ロディよりはずっとよく把握していた。だから、例えエレナが昔とは違う姿をしていても、少しも驚いたりしない自信があった。
「隠さなくていいよ。だいだい察しはついてるから」
レジはロディの背中を押すように言った。
ロディは返答に困ったような顔をしていたが、やがて諦めたように懐から何かを取り出した。それは手の平サイズの妙な生き物だった。ピンクの毛皮で覆われたハムスターのように丸くて小さな身体。兎のように長い耳。背中にはコウモリのような黒くて艶やかな羽も生えていた。そして、その生き物はレジと眼が合うと、キュウと可愛らしい声を上げて首をこてんと傾けた。
「…………これが、エレナちゃん?」
レジの問いに、ロディは無言でうなずく。覚悟はしていたけれど、いざ現実を目の当たりにするとなんだか不思議な気分だ。レジは人差し指で恐る恐るエレナと思わしき生き物の頭を撫でてみた。小さなそれは気持ち良さそうに目を細める。
「よく見つけたな、こんなちっさいの」
「天井を壊したら出てきた」
「天井を?」
ロディは、氷山の中でハルルクに泉に突き落とされた時の話をした。
息が出来なくて、苦しくて、死ぬんじゃないかと思った時、エレナの声がしたのだそうだ。そして、彼女の声に導かれる様に天井を破壊したら、この小さな生き物が飛び出して来たという訳だ。
「なるほど、って事はこういう事かな」
ロディの話を聞き、レジはこう推察した。
5年前、ロディの暴走を止める為に彼の攻撃を真正面から受け止めたエレナは骨も残さずその場から消えてしまった。けれども、彼女は治癒の力を持ったゴッドチャイルド。ロディの力と彼女の力がどう働いてそうなったのかは不明だが、彼女は「死んだ」訳ではなかった。ただ、肉体と魂が引き裂かれてしまっただけだったのだ。その場にいたロディやレジの目には死んだように映っていたが、実際は、分裂した肉体と魂が遥か遠くに吹き飛ばされただけだった。
普通の人間であれば肉体と魂が長時間離れる、それだけで死に至るが、エレナはそうはならなかった。魂はこのフリーレン共和国の氷山の中に入りこみ、長い眠りについた。神の泉にエレナの力が宿っていたのは、時間をかけてエレナの周囲の氷が解けだし、泉に滴り落ちていたからだ。水を通じて、彼女の力が漏れ出していたのだろう。5年前にロディが泉を訪れた時それに気づけなかったのは、エレナの魂が眠りについたばかりでまだ力がしみ出す前だったせいだろう。
けれども、先ほどロディが泉に落ち、エレナの力に触れた事で彼女の魂は目を覚ました。氷の中で眠り続けていた眠り姫は、むき出しの魂ではなく、妙な生き物へと姿を変えてロディの前に現れた。それが、この羽の生えたハムスターもどきではないだろうか。
「つまり、このエレナは魂が具現化した姿であって、身体は別にあると?」
「ああ」
レジはこの5年、消えたロディを探すと共に、エレナの事についても調査していた。その過程で得た情報を元に立てた仮説がこの、エレナの肉体と魂が別れてしまったのではないかという説だ。そして、その仮説にたどり着いた理由もちゃんとある。
「《紅蓮の魔導師》を知ってるか?」
レジの問いに、ロディは頷いてみせた。
ここより遥か東の国――――レジやロディの故郷に現れた新たな脅威。魔王に匹敵する力を私欲の為に悪用しているゴッドチャイルド。その名はこの辺境の村まで届いていた。
「オレは、その《紅蓮の魔導師》の元にエレナちゃんの身体があるんだと思っている」
レジが調べたところによると、《紅蓮の魔導師》はもともとそれほど強い力は持っていなかったという。性格も内向的で目立たない存在だったそうだ。それがある時を境に急に人が変わったように凶暴になり、頭角を現し始めたのだと言う。噂では、彼の変化はある精巧な少女の人形を手に入れてからだという話もある。
もしその『人形』がエレナなのだとしたら、何故『人間』ではなく『人形』と言われているのか。その理由を考えた時、レジは思い至ったのだ。エレナの肉体には今、魂が入っていないのではないかと。方法まではわからないが、《紅蓮の魔導師》は心の臓が止まったエレナの肉体から力を得ているに違いない。
「どうだ? エレナちゃんの能力を考えれば、あり得る話だろ?」
同意を求めてくるレジに、ロディは首肯した。
「つまり、この『魂』をエレナの『肉体』まで連れて行けば」
「ああ、エレナちゃんはきっと、息を吹き返す」
ロディの瞳に光がさしていくのを、レジは嬉しく思いながら見つめた。やはり、彼の心を動かせるのはエレナしかいない。改めてそう思う。
「ロディ」
不安げな少女の声が二人の間に割って入った。村長の孫娘、アリシアだ。彼女は、黒くてつぶらな瞳で一心にロディを見つめていた。
「アリシア」
ロディも、その瞳を真正面から見つめ返した。その目には今までにはなかった決意の色が映っていた。
「レジ、エレナを頼む」
ロディは、小さな生き物の姿をしたエレナの魂をレジに預けると、アリシアを連れて人のいない方へ歩き出した。きっと、いつもならそんな二人の邪魔をしているであろうエルドも、この時ばかりは何も言わなかった。ただ黙って二人の背中を見つめている。
「じゃ、オレはその間に後片付けでも手伝って来んわ」
「…………悪いな」
頭の後ろで両手を組んで明るく笑ったレジに、ロディは申し訳なさそうに微笑んだ。
††††††††††††††††††
ロディの身体は淡く発光していた。それはマタイの爆発による物などではなく、ロディ自身の能力によるものだった。
彼のスピードを支える光。その正体は電流。
レジが風を操れるように、マタイが物を爆破させられるように、ハルルクが氷を操れるように、ロディは雷を操れた。氷山を壊したのも、ハルルクを倒したのも電撃によるものだ。
ロディはその電流を自分の身体に流す事で直接筋肉に刺激を与え、逸脱したスピードとパワーを発揮できるのだ。
勝負は一瞬だった。
マタイの懐に飛び込んだロディが彼のみぞおちに拳をめり込ませたのだ。
一発。たったそれだけでマタイは動かなくなった。
こうなってしまえば随分と呆気ないものだと思いながらレジはマタイが白目を剥いて倒れた事を確認して、村の男たちを守っていた風の檻を解いた。けれども自由を取り戻した男たちは茫然と立ち尽くすばかりで、なかなかその場を動こうとはしなかった。状況が把握できずに戸惑っているようだ。無理もないとレジは思った。ずっと戦力外だと見下してきたロディが村の男が束になっても敵わなかったマタイを一撃で倒してしまったのだ。だが、レジまで彼らに合わせてぼんやりしている訳にもいかない。
「なぁ、誰かロープ持ってない? 今の内にこいつら縛っておきたいんだけど」
レジは他の人間同様茫然としているエルドを尻目に男たちに声をかけた。彼らはハッとしたように動き出す。
レジはマタイとハルルクを男たちに任せると、ロディの元へ行った。
「ったく、もったいぶりやがって。そんな風に戦えるなら最初からやってくれよな」
「すまない」
敵はいなくなったというのに、ロディの身体はまだ電気を帯びていた。5年ぶりに能力を発動させたから自分でもまだ思うように操れていないのだと彼は言う。けれど、力を制御できないのにはもう一つ理由があるようにレジには感じられた。
「エレナちゃん、だろ」
レジの言葉にロディは微かに目を伏せた。
「氷山の中で、エレナちゃんに会ったんだろ?」
今のロディからは、マタイやハルルク同様…………否、それ以上に強くエレナの気配を感じられた。ロディがハルルクに追われて逃げ込んだ氷山の最奥。村人たちが神の泉と称えるそこで何かがあった事は間違いない。
だが、崩れた氷山の周辺にエレナらしき人影はない。普通なら、そのことに疑問を抱いてもいいのだろうが、レジは違った。もともと、レジはこの国にエレナを探しに来たのだ。彼女の事はある程度調べがついている。彼女が今おかれている状況も、ロディよりはずっとよく把握していた。だから、例えエレナが昔とは違う姿をしていても、少しも驚いたりしない自信があった。
「隠さなくていいよ。だいだい察しはついてるから」
レジはロディの背中を押すように言った。
ロディは返答に困ったような顔をしていたが、やがて諦めたように懐から何かを取り出した。それは手の平サイズの妙な生き物だった。ピンクの毛皮で覆われたハムスターのように丸くて小さな身体。兎のように長い耳。背中にはコウモリのような黒くて艶やかな羽も生えていた。そして、その生き物はレジと眼が合うと、キュウと可愛らしい声を上げて首をこてんと傾けた。
「…………これが、エレナちゃん?」
レジの問いに、ロディは無言でうなずく。覚悟はしていたけれど、いざ現実を目の当たりにするとなんだか不思議な気分だ。レジは人差し指で恐る恐るエレナと思わしき生き物の頭を撫でてみた。小さなそれは気持ち良さそうに目を細める。
「よく見つけたな、こんなちっさいの」
「天井を壊したら出てきた」
「天井を?」
ロディは、氷山の中でハルルクに泉に突き落とされた時の話をした。
息が出来なくて、苦しくて、死ぬんじゃないかと思った時、エレナの声がしたのだそうだ。そして、彼女の声に導かれる様に天井を破壊したら、この小さな生き物が飛び出して来たという訳だ。
「なるほど、って事はこういう事かな」
ロディの話を聞き、レジはこう推察した。
5年前、ロディの暴走を止める為に彼の攻撃を真正面から受け止めたエレナは骨も残さずその場から消えてしまった。けれども、彼女は治癒の力を持ったゴッドチャイルド。ロディの力と彼女の力がどう働いてそうなったのかは不明だが、彼女は「死んだ」訳ではなかった。ただ、肉体と魂が引き裂かれてしまっただけだったのだ。その場にいたロディやレジの目には死んだように映っていたが、実際は、分裂した肉体と魂が遥か遠くに吹き飛ばされただけだった。
普通の人間であれば肉体と魂が長時間離れる、それだけで死に至るが、エレナはそうはならなかった。魂はこのフリーレン共和国の氷山の中に入りこみ、長い眠りについた。神の泉にエレナの力が宿っていたのは、時間をかけてエレナの周囲の氷が解けだし、泉に滴り落ちていたからだ。水を通じて、彼女の力が漏れ出していたのだろう。5年前にロディが泉を訪れた時それに気づけなかったのは、エレナの魂が眠りについたばかりでまだ力がしみ出す前だったせいだろう。
けれども、先ほどロディが泉に落ち、エレナの力に触れた事で彼女の魂は目を覚ました。氷の中で眠り続けていた眠り姫は、むき出しの魂ではなく、妙な生き物へと姿を変えてロディの前に現れた。それが、この羽の生えたハムスターもどきではないだろうか。
「つまり、このエレナは魂が具現化した姿であって、身体は別にあると?」
「ああ」
レジはこの5年、消えたロディを探すと共に、エレナの事についても調査していた。その過程で得た情報を元に立てた仮説がこの、エレナの肉体と魂が別れてしまったのではないかという説だ。そして、その仮説にたどり着いた理由もちゃんとある。
「《紅蓮の魔導師》を知ってるか?」
レジの問いに、ロディは頷いてみせた。
ここより遥か東の国――――レジやロディの故郷に現れた新たな脅威。魔王に匹敵する力を私欲の為に悪用しているゴッドチャイルド。その名はこの辺境の村まで届いていた。
「オレは、その《紅蓮の魔導師》の元にエレナちゃんの身体があるんだと思っている」
レジが調べたところによると、《紅蓮の魔導師》はもともとそれほど強い力は持っていなかったという。性格も内向的で目立たない存在だったそうだ。それがある時を境に急に人が変わったように凶暴になり、頭角を現し始めたのだと言う。噂では、彼の変化はある精巧な少女の人形を手に入れてからだという話もある。
もしその『人形』がエレナなのだとしたら、何故『人間』ではなく『人形』と言われているのか。その理由を考えた時、レジは思い至ったのだ。エレナの肉体には今、魂が入っていないのではないかと。方法まではわからないが、《紅蓮の魔導師》は心の臓が止まったエレナの肉体から力を得ているに違いない。
「どうだ? エレナちゃんの能力を考えれば、あり得る話だろ?」
同意を求めてくるレジに、ロディは首肯した。
「つまり、この『魂』をエレナの『肉体』まで連れて行けば」
「ああ、エレナちゃんはきっと、息を吹き返す」
ロディの瞳に光がさしていくのを、レジは嬉しく思いながら見つめた。やはり、彼の心を動かせるのはエレナしかいない。改めてそう思う。
「ロディ」
不安げな少女の声が二人の間に割って入った。村長の孫娘、アリシアだ。彼女は、黒くてつぶらな瞳で一心にロディを見つめていた。
「アリシア」
ロディも、その瞳を真正面から見つめ返した。その目には今までにはなかった決意の色が映っていた。
「レジ、エレナを頼む」
ロディは、小さな生き物の姿をしたエレナの魂をレジに預けると、アリシアを連れて人のいない方へ歩き出した。きっと、いつもならそんな二人の邪魔をしているであろうエルドも、この時ばかりは何も言わなかった。ただ黙って二人の背中を見つめている。
「じゃ、オレはその間に後片付けでも手伝って来んわ」
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