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ロディとアリシアは、ゆっくりと何もない氷の大地を二人並んで歩いた。吐く息は白い。冷たい風が肌を刺す。先ほどまでの騒ぎが嘘のように辺りは鎮まり返っていた。ただ風の吹く音だけが悲しげに響いている。
「5年前」
ぽつりと、呟くようにロディは言った。アリシアの肩がびくりと震える。彼女の顔は緊張で青くなっていた。
「俺は、死んでもいいと思っていた」
エレナを死なせてしまった事に打ちのめされ、心が、ぼろぼろになっていた。
「でも、今日までなんとかやって来れたのは、お前たちのお蔭だ」
ロディの脳裏に、この村に来てからの記憶が走馬灯のように蘇った。
「村長や、村の皆が俺の事を家族として大切にしてくれた。こんなどうしようもない俺の傍にいて、世話を焼いてくれた。だから、俺は今こうして生きていられるんだ。その事をとても感謝している」
「そんな、感謝だなんて。私は……」
アリシアの声は今にも泣き出しそうに震えていた。
「ありがとう、アリシア」
ロディが微笑んで見せると、アリシアは堪えきれなくなったように嗚咽を溢した。
ロディはそっと、右腕で彼女の頭を抱いた。アリシアの両目からはボロボロと大粒の涙が転がり落ちた。
「ロディ」
「うん」
「好き。…………ずっと、ずっと大好きでした」
「…………うん」
「初めて会った時から、好きだったの」
「……………………うん」
彼女の気持ちには気づいていた。けれど、ずっと気づかないフリをしていた。単純に自分のどこを好いてくれているのか理解できなかったし、彼女の気持ちと向き合う事から逃げていたからだ。自分でも酷い人間だと思う。卑怯でみっともない男だ。
「ごめん」
散々世話になって、彼女の気持ちに甘えて、なのにロディは何も返せない。恩を貰うだけもらって、この地を離れようとしている。
「謝らないで!」
強い拒絶の意志を持って、アリシアがロディの胸を押し返した。涙で赤く腫れた瞳で彼女はロディを睨む。そして、一度突き放したロディの胸倉を今度は力一杯引き寄せて、体勢を崩した彼の唇に、自分のそれを強く押し付けた。
「バカ! 大好き!」
アリシアは吐き捨てるようにそれだけ叫ぶと、泣きながら村の方へと走り去って行った。彼女の突拍子もない行動に、ロディはただただ唖然とする。頭の中が真っ白になって、すぐに動く事が出来なかった。
††††††††††††††††††
ロディが村に戻ると、ちょうどレジが村から叩き出されているところだった。
「二度と来るんじゃないよ! この余所者が!」
「うわっ、痛てて、何なんだよ急に」
ロディは慌ててレジに駆け寄る。
「どうしたんだ?」
「わっかんねーよ。さっきまで普通にご飯までご馳走してくれてたのに、村長の村娘が帰って来てからいきなり『出てけ』って村の奴らが怒りだしたんだよ」
「アリシアが戻ってから?」
もしや、ロディがアリシアを泣かしたから村人たちは怒っているのだろうか。
「レジはここで待ってろ。俺は村長と話をしてくるから」
しかし、ロディもまたレジと同様、村には入れてもらえなかった。
「ロディ。貴様よくも我々の大切な聖なる泉を壊してくれたな。その罪、死を持って償え!」
どうやら、彼らはロディが氷山を崩し、泉を潰してしまった事を怒っているらしい。しかし、それにしては怒り始めるタイミングが遅くはないだろうか。泉を壊した事に腹を立てているなら、ロディがマタイとハルルクを倒した直後に怒りだしても良さそうなものなのに。
「待ってくれ。泉を壊したのは悪かった。謝る。だけど話を聞いてくれ」
「問答無用!」
言い訳をするつもりはないが、これから村を出ようとしているのだ。別れの挨拶くらいさせて欲しかった。それなのに、村人たちは全く聞く耳を持ってくれない。少し前まで『家族』として受け入れてもらえていた人たちからこの様に拒絶されると、寂しいような切ないような気持ちになって胸が痛んだ。
「ほれ、お前さんの荷物だ」
どさりと重たい音を立てて、ロディの前に荷の詰まった袋が投げ出された。それをこちらに向かって投げさせたのは、村長だった。老人特有の掠れた低い声に、ロディの胸にはいろいろな感情が湧きあがって来た。言いたい事は沢山あるのに上手く言葉が出てこず、迷子の子供のような顔になってしまう。
「村長……」
「ほほ、いい顔をするようになったの。ロディ」
髪と髭で見えないけれど、ふっと村長の目が優しく細められたようにロディには思えた。
「ほら、さっさと出て行きな! この不届き者が」
「もうホント、訳わかんねぇ。行こうぜ、ロディ」
村人たちに追い立てられ、レジが荷物を持ってロディの腕を引いた。
その荷物の重さに、レジはハッとした顔になる。
「もしかして……」
だけど、ロディはそんなレジの変化に気づきもしない。それどころか、敵意を向けられている事に納得がいかず、まだその場に留まろうとした。それをレジに首根っこを掴まれて無理やり村人たちから引き離されてしまう。
「レジ、待ってくれ。俺はまだ彼らに礼も言ってないんだ」
「礼ってなんだよ。あの偽者二人組をやっつけてやったのはオレらなのに感謝するどころか『出て行け』なんて、あんな恩知らず共、義理立てしてやる必要なんてねーよ」
「お前はそうかも知れないけど、俺は」
5年間、家族として可愛がってもらった恩がある。生きる場所を与えてもらった恩がある。何も返す事はできないけれど、せめて礼の一つくらい言わせて欲しかった。
もどかしさにグッと唇を噛みしめる。その時だった。
「元気でなー! ロディ」
「身体に気を付けろよ」
「飯は残さずちゃんと食べるんだぞー」
罵倒の中にそんな声が混じっている事にロディは気が付いた。急いで顔を上げると、村人が総出でこちらに向かって手を振っている姿が見えた。村長の隣には仏頂面のアリシアや、エルドの姿もある。
「……いい奴らだな」
茫然としているロディに、レジが言った。ロディがわからないという顔をすると、レジは呆れたように、先ほど村長が寄越してくれた荷物を突き出してきた。
「中、見てみろよ」
言われるまま、ロディは戸惑いながらも袋を開いた。中にはロディの衣服だけでなく、旅に必要そうな道具が一式入れられていた。少ないながら、金もある。
「ったく、そんくらい気づけよな。5年も一緒に暮らして来たんだろ。余所者のオレにだってわかる事が何でお前にはわかんないかな」
ロディは促されるまま改めて村人たちに顔を向けた。「帰って来るんじゃねーぞ」そんな暴言を吐きながらも皆、笑っている。そこでようやくロディは、これが彼らなりの「さよなら」なのだと知った。
「お前が変に気を使わないように、ああして見送ってくれてるんだろ」
「不器用すぎるだろ」
「今のお前にはお似合いだと思うけど?」
レジの冷やかしに、ロディは返す言葉もなかった。
「ほら、せっかくだからロディも挨拶代わりに悪態の一つでも吐いてやれよ」
「そうだな……」
ロディは言葉の代わりに村人たちに向き直ると頭を下げた。深く、深く。言葉なんてなくても、この想いが伝わるように。
††††††††††††††††††
「5年前」
ぽつりと、呟くようにロディは言った。アリシアの肩がびくりと震える。彼女の顔は緊張で青くなっていた。
「俺は、死んでもいいと思っていた」
エレナを死なせてしまった事に打ちのめされ、心が、ぼろぼろになっていた。
「でも、今日までなんとかやって来れたのは、お前たちのお蔭だ」
ロディの脳裏に、この村に来てからの記憶が走馬灯のように蘇った。
「村長や、村の皆が俺の事を家族として大切にしてくれた。こんなどうしようもない俺の傍にいて、世話を焼いてくれた。だから、俺は今こうして生きていられるんだ。その事をとても感謝している」
「そんな、感謝だなんて。私は……」
アリシアの声は今にも泣き出しそうに震えていた。
「ありがとう、アリシア」
ロディが微笑んで見せると、アリシアは堪えきれなくなったように嗚咽を溢した。
ロディはそっと、右腕で彼女の頭を抱いた。アリシアの両目からはボロボロと大粒の涙が転がり落ちた。
「ロディ」
「うん」
「好き。…………ずっと、ずっと大好きでした」
「…………うん」
「初めて会った時から、好きだったの」
「……………………うん」
彼女の気持ちには気づいていた。けれど、ずっと気づかないフリをしていた。単純に自分のどこを好いてくれているのか理解できなかったし、彼女の気持ちと向き合う事から逃げていたからだ。自分でも酷い人間だと思う。卑怯でみっともない男だ。
「ごめん」
散々世話になって、彼女の気持ちに甘えて、なのにロディは何も返せない。恩を貰うだけもらって、この地を離れようとしている。
「謝らないで!」
強い拒絶の意志を持って、アリシアがロディの胸を押し返した。涙で赤く腫れた瞳で彼女はロディを睨む。そして、一度突き放したロディの胸倉を今度は力一杯引き寄せて、体勢を崩した彼の唇に、自分のそれを強く押し付けた。
「バカ! 大好き!」
アリシアは吐き捨てるようにそれだけ叫ぶと、泣きながら村の方へと走り去って行った。彼女の突拍子もない行動に、ロディはただただ唖然とする。頭の中が真っ白になって、すぐに動く事が出来なかった。
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ロディが村に戻ると、ちょうどレジが村から叩き出されているところだった。
「二度と来るんじゃないよ! この余所者が!」
「うわっ、痛てて、何なんだよ急に」
ロディは慌ててレジに駆け寄る。
「どうしたんだ?」
「わっかんねーよ。さっきまで普通にご飯までご馳走してくれてたのに、村長の村娘が帰って来てからいきなり『出てけ』って村の奴らが怒りだしたんだよ」
「アリシアが戻ってから?」
もしや、ロディがアリシアを泣かしたから村人たちは怒っているのだろうか。
「レジはここで待ってろ。俺は村長と話をしてくるから」
しかし、ロディもまたレジと同様、村には入れてもらえなかった。
「ロディ。貴様よくも我々の大切な聖なる泉を壊してくれたな。その罪、死を持って償え!」
どうやら、彼らはロディが氷山を崩し、泉を潰してしまった事を怒っているらしい。しかし、それにしては怒り始めるタイミングが遅くはないだろうか。泉を壊した事に腹を立てているなら、ロディがマタイとハルルクを倒した直後に怒りだしても良さそうなものなのに。
「待ってくれ。泉を壊したのは悪かった。謝る。だけど話を聞いてくれ」
「問答無用!」
言い訳をするつもりはないが、これから村を出ようとしているのだ。別れの挨拶くらいさせて欲しかった。それなのに、村人たちは全く聞く耳を持ってくれない。少し前まで『家族』として受け入れてもらえていた人たちからこの様に拒絶されると、寂しいような切ないような気持ちになって胸が痛んだ。
「ほれ、お前さんの荷物だ」
どさりと重たい音を立てて、ロディの前に荷の詰まった袋が投げ出された。それをこちらに向かって投げさせたのは、村長だった。老人特有の掠れた低い声に、ロディの胸にはいろいろな感情が湧きあがって来た。言いたい事は沢山あるのに上手く言葉が出てこず、迷子の子供のような顔になってしまう。
「村長……」
「ほほ、いい顔をするようになったの。ロディ」
髪と髭で見えないけれど、ふっと村長の目が優しく細められたようにロディには思えた。
「ほら、さっさと出て行きな! この不届き者が」
「もうホント、訳わかんねぇ。行こうぜ、ロディ」
村人たちに追い立てられ、レジが荷物を持ってロディの腕を引いた。
その荷物の重さに、レジはハッとした顔になる。
「もしかして……」
だけど、ロディはそんなレジの変化に気づきもしない。それどころか、敵意を向けられている事に納得がいかず、まだその場に留まろうとした。それをレジに首根っこを掴まれて無理やり村人たちから引き離されてしまう。
「レジ、待ってくれ。俺はまだ彼らに礼も言ってないんだ」
「礼ってなんだよ。あの偽者二人組をやっつけてやったのはオレらなのに感謝するどころか『出て行け』なんて、あんな恩知らず共、義理立てしてやる必要なんてねーよ」
「お前はそうかも知れないけど、俺は」
5年間、家族として可愛がってもらった恩がある。生きる場所を与えてもらった恩がある。何も返す事はできないけれど、せめて礼の一つくらい言わせて欲しかった。
もどかしさにグッと唇を噛みしめる。その時だった。
「元気でなー! ロディ」
「身体に気を付けろよ」
「飯は残さずちゃんと食べるんだぞー」
罵倒の中にそんな声が混じっている事にロディは気が付いた。急いで顔を上げると、村人が総出でこちらに向かって手を振っている姿が見えた。村長の隣には仏頂面のアリシアや、エルドの姿もある。
「……いい奴らだな」
茫然としているロディに、レジが言った。ロディがわからないという顔をすると、レジは呆れたように、先ほど村長が寄越してくれた荷物を突き出してきた。
「中、見てみろよ」
言われるまま、ロディは戸惑いながらも袋を開いた。中にはロディの衣服だけでなく、旅に必要そうな道具が一式入れられていた。少ないながら、金もある。
「ったく、そんくらい気づけよな。5年も一緒に暮らして来たんだろ。余所者のオレにだってわかる事が何でお前にはわかんないかな」
ロディは促されるまま改めて村人たちに顔を向けた。「帰って来るんじゃねーぞ」そんな暴言を吐きながらも皆、笑っている。そこでようやくロディは、これが彼らなりの「さよなら」なのだと知った。
「お前が変に気を使わないように、ああして見送ってくれてるんだろ」
「不器用すぎるだろ」
「今のお前にはお似合いだと思うけど?」
レジの冷やかしに、ロディは返す言葉もなかった。
「ほら、せっかくだからロディも挨拶代わりに悪態の一つでも吐いてやれよ」
「そうだな……」
ロディは言葉の代わりに村人たちに向き直ると頭を下げた。深く、深く。言葉なんてなくても、この想いが伝わるように。
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