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第5章 仮初めの恋人
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茉莉花の大学生活は順調に始まった。
高塔家の次期当主として大きな責務を担う彼女には他の学生と同じように遊び暮らす余裕は無い。母の希望に従い経済学部に進学し、平日は大学で、休日は高塔財閥の本社でその業務内容を学習することになった。
それでもわずかな時間を見つけて新たに知り合った友人達と交友を深めた。男子も女子も資産家の子女が多く、似たような境遇を共感し合い、将来を親たちに決定されている束縛感を吐露しあうことで彼女は安堵した。
法学部に通う彬智は、同じ学部に友人も増え、徐々に快活さを取り戻した。
茉莉花は共通の講義を受けたり、カフェテリアで昼食を共にしたり、時間が合えば必ず一緒に彬智と過ごした。彼が夢見ていた英梨花との大学生活を、自分が代役となって出来るだけ実現するように……
昼休み、約束したカフェテリアの入口で華やかな女の子三人に囲まれている背の高いスラリとした彬智の姿を見つけた茉莉花は、何事かと訝しみながら近づいた。女の子の一人は彬智と同じ法学部で、近隣の財閥のご令嬢だ。他の子も顔を見て覚えがある学内でも話題の女子ばかり。彼女たちは彬智に強請るように食い下がっている。
「吉良くん、私たちと一緒にご飯食べようよ。」
「たまにはいいでしょ?付き合ってくれても。」
「いや、俺は他の人と約束があるから。」
にこやかながらも頑として首を縦に振らない彬智に女の子は見るからに苛立っていた。自分の願いは叶えられるのが当たり前なのだろう。有無を言わさぬように彬智を取り囲む彼女たちに、茉莉花は呆れた。
「お待たせ、アキ。」
茉莉花ははっきりと大きな声で声をかけ、わざとらしく彬智の腕を掴んで見せた。女の子たちは途端に不機嫌を顔を表し茉莉花を睨みつける。そんな女の子たちにうんざりした彬智は、先ほどまでの優しげな態度をすっかり消し去り毅然として見下ろした。
「悪いけど、俺はこの人と約束しているんだ。いい加減にしてくれないか。」
「その子、ただの幼馴染みでしょ?いつも一緒にいるんだから、他の女子とも交流を持った方が吉良くんのためよ!」
「私はアキの幼馴染みですけど、先約があるのは私なの。」
なおも食い下がる女の子たちに茉莉花はニコリと笑い掛け、失礼しますと彬智の手を掴み、ギャーギャーと喚き散らす彼女たちを置き去りにしてカフェテリアに逃げ込んだ。
「アキ先輩、大変でしたね~!つか綺麗どころの女子に迫られてばっかりじゃないですか~!」
呑気な声が背後から聞こえた。ムッとして振り返ると、茉莉花と同じ経済学部に進学した同級生の安住晃輔がニヤニヤと笑っている。
「晃輔!そばにいたならアキを助けてやってよ!」
「ヤダよ。アイツら我儘で有名だもん。俺なんかひとひねりだぜ?」
クククと笑う晃輔の背中ををドンと叩くと、彼は「ひゃー!」とわざとらしい叫び声を上げ痛がる振りをした。
三人で日替わり定食を注文し、丸いテーブルに収まった。
途端に彬智は肘を付き頭を抱えた。
「面倒くさいな……さっきの女みたいにしつこく食い下がる子が増えてきて……」
「アキ先輩は目立ちますからね。いっそ誰かと付き合えばうるさく言われなくて済むんじゃないですか?」
「俺は誰とも付き合う気はないよ……一生独りでいるつもりだ。」
彬智の瞳に凛とした光が宿った。晃輔は茉莉花と目を合わせ、彼女の気配をうかがった。これ以上断言されてはかなわないと茉莉花は話題を逸らす。
「そうだ、美織は元気?卒業してから全然逢っていないわ。」
「元気だよ!短大は授業がきついってボヤいてる。マリにも逢いたがっていたよ。」
「今度お茶しようって伝えて!」
「分かった。だけどマリは忙しいだろ?お母さんに付き合わされてばかりで……」
「うん、今のうちから会社と繋がりのある実業家と知り合いなさいって、お食事会やパーティーに良く連れていかれるの……」
「もしかして、お見合いなんじゃない?」
晃輔に指摘され、茉莉花は唖然とした。
「まさか……言われてみれば年の近い男性ばっかりだわ……でも、お母さんはそんなことは一言も……」
「マリはニブイから!」
ケラケラと笑い転げる晃輔を情けない気持ちで茉莉花は眺めた。そんな馬鹿な!でもあの母ならやりかねない……はぁとため息を吐きチラリと横を向くと、彬智が頬杖を付き茉莉花を平然と眺めていた。
「マリもお年頃だもんな……そう言えば、彼氏は作らないの?」
「彼氏だなんて……!私も一生独身でいたいくらいよ……でもきっと、好きでもない相手と結婚させられるんだろうな……」
「いいじゃん、お母さんの言う通りにしなくて!マリは好きな相手と付き合えば?例えば……」
「晃輔!調子に乗らないで~!」
茉莉花は慌てて立ち上がり、ニヤニヤ笑う晃輔の口を塞いだ。
「マリ、キョウとは連絡しているの?」
「キョウ?ぜ、全然よ!だって勉強が忙しいって、春休みも帰って来なかったじゃない……」
いきなり彬智に切り出され、茉莉花は狼狽えた。
東京の大学に進学した恭弥は、母の命令で大企業の経営セミナーに次々参加させられ、着々と高塔財閥の中枢を担う準備を進めていた。
「でもさ、ずいぶん前に、キョウに告白されていなかった?マリは誰のものにもなるなって……」
「……っ!」
茉莉花は唖然として彬智を眺めた。あろうことかほんわかと微笑みを浮かべている。前にそんな話をされた、それを彬智が聞いていたなんて……
「マリ!いつの間にキョウ先輩とそんな仲に!?」
「違うわよ!付き合おうなんて言われてないもん!」
「でもキョウ先輩は高校の頃からマリに絶対気があったよー!」
無責任な笑顔を浮かべ晃輔がからかうので、茉莉花は思わず頭を抱えた。
「いいんじゃない?キョウは藍咲さまの一押しだろう?もしかしたら、将来は……」
彬智は相変わらずふわふわと他人事のように笑っている。
「そんな……勝手なことを言わないで!」
その場にいると涙を零してしまいそうだ。茉莉花は半分も手を付けていない定食を残したままカフェテリアを飛び出した。
「待って、マリ!」
振り返ると青い顔した彬智が追い駆けてきた。
「ごめん、怒った?」
「……アキは、私とキョウが付き合えばいいと思っているの?」
そう尋ねると、彬智は美しい顔を強張らせた。
「キョウは親友だ。友達思いで優しくて精力的でリーダーシップもあって……男が惚れる男だよ。高塔の当主になるマリにはうってつけなんじゃないか?」
「高塔、の当主、だから、とか、そんなこと、関係なく、私とキョウが……」
突然零れた涙は留まることを知らなかった。彬智は慌てたようにオロオロしている。
……馬鹿だ、私……こんなことで泣くなんて……
ふわりと花の香りがした。彬智の匂い……石鹸の香り……
ギュッと閉じ込められた胸の中で、茉莉花は涙を止めた。
「ごめん、マリを泣かせるつもりじゃなかった……マリは、優しいから……きっとお母さんの意見に従うんだと思っていた……」
「私だって、恋、したいよ……普通の、女の子、みたいに、恋、したい、よ!」
すると彬智はまたギュッと力を込めて茉莉花を胸に縫い込んだ。泣いた勢いでしゃくり上げ、茉莉花は慌てて彬智にしがみついた。
「大丈夫、マリは恋していいんだよ。俺も応援している。」
そんなことを言われたら余計に泣けてくる……無邪気な彬智の微笑みを見て更なる涙が溢れた。
こんなに近くにいるのに、私には決して手の届かない人……
仮初でもいい、彬智の恋人になりたい。だけどその気持ちは決して悟られてはならない。
茉莉花はギュッとシャツを掴み、彬智の胸に額を擦り付けた。
高塔家の次期当主として大きな責務を担う彼女には他の学生と同じように遊び暮らす余裕は無い。母の希望に従い経済学部に進学し、平日は大学で、休日は高塔財閥の本社でその業務内容を学習することになった。
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法学部に通う彬智は、同じ学部に友人も増え、徐々に快活さを取り戻した。
茉莉花は共通の講義を受けたり、カフェテリアで昼食を共にしたり、時間が合えば必ず一緒に彬智と過ごした。彼が夢見ていた英梨花との大学生活を、自分が代役となって出来るだけ実現するように……
昼休み、約束したカフェテリアの入口で華やかな女の子三人に囲まれている背の高いスラリとした彬智の姿を見つけた茉莉花は、何事かと訝しみながら近づいた。女の子の一人は彬智と同じ法学部で、近隣の財閥のご令嬢だ。他の子も顔を見て覚えがある学内でも話題の女子ばかり。彼女たちは彬智に強請るように食い下がっている。
「吉良くん、私たちと一緒にご飯食べようよ。」
「たまにはいいでしょ?付き合ってくれても。」
「いや、俺は他の人と約束があるから。」
にこやかながらも頑として首を縦に振らない彬智に女の子は見るからに苛立っていた。自分の願いは叶えられるのが当たり前なのだろう。有無を言わさぬように彬智を取り囲む彼女たちに、茉莉花は呆れた。
「お待たせ、アキ。」
茉莉花ははっきりと大きな声で声をかけ、わざとらしく彬智の腕を掴んで見せた。女の子たちは途端に不機嫌を顔を表し茉莉花を睨みつける。そんな女の子たちにうんざりした彬智は、先ほどまでの優しげな態度をすっかり消し去り毅然として見下ろした。
「悪いけど、俺はこの人と約束しているんだ。いい加減にしてくれないか。」
「その子、ただの幼馴染みでしょ?いつも一緒にいるんだから、他の女子とも交流を持った方が吉良くんのためよ!」
「私はアキの幼馴染みですけど、先約があるのは私なの。」
なおも食い下がる女の子たちに茉莉花はニコリと笑い掛け、失礼しますと彬智の手を掴み、ギャーギャーと喚き散らす彼女たちを置き去りにしてカフェテリアに逃げ込んだ。
「アキ先輩、大変でしたね~!つか綺麗どころの女子に迫られてばっかりじゃないですか~!」
呑気な声が背後から聞こえた。ムッとして振り返ると、茉莉花と同じ経済学部に進学した同級生の安住晃輔がニヤニヤと笑っている。
「晃輔!そばにいたならアキを助けてやってよ!」
「ヤダよ。アイツら我儘で有名だもん。俺なんかひとひねりだぜ?」
クククと笑う晃輔の背中ををドンと叩くと、彼は「ひゃー!」とわざとらしい叫び声を上げ痛がる振りをした。
三人で日替わり定食を注文し、丸いテーブルに収まった。
途端に彬智は肘を付き頭を抱えた。
「面倒くさいな……さっきの女みたいにしつこく食い下がる子が増えてきて……」
「アキ先輩は目立ちますからね。いっそ誰かと付き合えばうるさく言われなくて済むんじゃないですか?」
「俺は誰とも付き合う気はないよ……一生独りでいるつもりだ。」
彬智の瞳に凛とした光が宿った。晃輔は茉莉花と目を合わせ、彼女の気配をうかがった。これ以上断言されてはかなわないと茉莉花は話題を逸らす。
「そうだ、美織は元気?卒業してから全然逢っていないわ。」
「元気だよ!短大は授業がきついってボヤいてる。マリにも逢いたがっていたよ。」
「今度お茶しようって伝えて!」
「分かった。だけどマリは忙しいだろ?お母さんに付き合わされてばかりで……」
「うん、今のうちから会社と繋がりのある実業家と知り合いなさいって、お食事会やパーティーに良く連れていかれるの……」
「もしかして、お見合いなんじゃない?」
晃輔に指摘され、茉莉花は唖然とした。
「まさか……言われてみれば年の近い男性ばっかりだわ……でも、お母さんはそんなことは一言も……」
「マリはニブイから!」
ケラケラと笑い転げる晃輔を情けない気持ちで茉莉花は眺めた。そんな馬鹿な!でもあの母ならやりかねない……はぁとため息を吐きチラリと横を向くと、彬智が頬杖を付き茉莉花を平然と眺めていた。
「マリもお年頃だもんな……そう言えば、彼氏は作らないの?」
「彼氏だなんて……!私も一生独身でいたいくらいよ……でもきっと、好きでもない相手と結婚させられるんだろうな……」
「いいじゃん、お母さんの言う通りにしなくて!マリは好きな相手と付き合えば?例えば……」
「晃輔!調子に乗らないで~!」
茉莉花は慌てて立ち上がり、ニヤニヤ笑う晃輔の口を塞いだ。
「マリ、キョウとは連絡しているの?」
「キョウ?ぜ、全然よ!だって勉強が忙しいって、春休みも帰って来なかったじゃない……」
いきなり彬智に切り出され、茉莉花は狼狽えた。
東京の大学に進学した恭弥は、母の命令で大企業の経営セミナーに次々参加させられ、着々と高塔財閥の中枢を担う準備を進めていた。
「でもさ、ずいぶん前に、キョウに告白されていなかった?マリは誰のものにもなるなって……」
「……っ!」
茉莉花は唖然として彬智を眺めた。あろうことかほんわかと微笑みを浮かべている。前にそんな話をされた、それを彬智が聞いていたなんて……
「マリ!いつの間にキョウ先輩とそんな仲に!?」
「違うわよ!付き合おうなんて言われてないもん!」
「でもキョウ先輩は高校の頃からマリに絶対気があったよー!」
無責任な笑顔を浮かべ晃輔がからかうので、茉莉花は思わず頭を抱えた。
「いいんじゃない?キョウは藍咲さまの一押しだろう?もしかしたら、将来は……」
彬智は相変わらずふわふわと他人事のように笑っている。
「そんな……勝手なことを言わないで!」
その場にいると涙を零してしまいそうだ。茉莉花は半分も手を付けていない定食を残したままカフェテリアを飛び出した。
「待って、マリ!」
振り返ると青い顔した彬智が追い駆けてきた。
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「……アキは、私とキョウが付き合えばいいと思っているの?」
そう尋ねると、彬智は美しい顔を強張らせた。
「キョウは親友だ。友達思いで優しくて精力的でリーダーシップもあって……男が惚れる男だよ。高塔の当主になるマリにはうってつけなんじゃないか?」
「高塔、の当主、だから、とか、そんなこと、関係なく、私とキョウが……」
突然零れた涙は留まることを知らなかった。彬智は慌てたようにオロオロしている。
……馬鹿だ、私……こんなことで泣くなんて……
ふわりと花の香りがした。彬智の匂い……石鹸の香り……
ギュッと閉じ込められた胸の中で、茉莉花は涙を止めた。
「ごめん、マリを泣かせるつもりじゃなかった……マリは、優しいから……きっとお母さんの意見に従うんだと思っていた……」
「私だって、恋、したいよ……普通の、女の子、みたいに、恋、したい、よ!」
すると彬智はまたギュッと力を込めて茉莉花を胸に縫い込んだ。泣いた勢いでしゃくり上げ、茉莉花は慌てて彬智にしがみついた。
「大丈夫、マリは恋していいんだよ。俺も応援している。」
そんなことを言われたら余計に泣けてくる……無邪気な彬智の微笑みを見て更なる涙が溢れた。
こんなに近くにいるのに、私には決して手の届かない人……
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