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第23章 露見
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彬智と数度の逢瀬を重ねたのち、茉莉花の腹に命が宿った。その命が定着するまで、悪阻の酷い時も他人に気取られぬよう、茉莉花は平静を装いじっと耐え抜いた。
毎日顔を合わせる家政婦の涼花だけは茉莉花の異変に気づいたようだ。しかし彼女は敢えて追及せず、それとなく身体に良い食べ物を用意し、家に居る間は茉莉花が楽に休んでいられるよう心を配った。そんな涼花に感謝しつつも、茉莉花は決して真相を告げなかった。
安定期に入ると、茉莉花はすぐに東京に向かった。
待ち合わせはホテルのレストランだった。窓際に座り景色を眺めているとやがて一人の男がやって来た。
「マリ、久しぶり。全然変わらないね、相変わらず綺麗だね。」
すっかりふくよかになった晃輔が昔と変わらぬ明るい笑顔で向かい側の席に着いた。キチンと切りそろえた髪も仕立ての良い服もお洒落な彼に良く似合っていた。
「晃輔は太ったね!幸せ太り?」
「いや~そんなんじゃないよ。どっちかって言うと不摂生だな。接待で毎日飲み歩いて、休みの日はゴロゴロしているから。」
「仕事は順調?」
「うん、キョウ先輩と大貴社長のおかげだ……今、小さいけど営業所の所長を任されている。高塔財閥に比べたら売上なんか大したことは無いけれど、俺の城だと思っているよ。」
「良かった、晃輔、本当に幸せそう。」
「マリもね。」
あははと朗らかに笑う晃輔は、高校生の時に戻ったようだ。晃輔はワイン、茉莉花はオレンジジュースで再会を祝って乾杯し、創作フレンチのフルコースに舌鼓を打つ。二人はお互いの近況を話し、共通の知人の話題で笑い合った。
「ところで、今日、俺に逢いに来た理由は?」
料理を一通り食べ終えると、晃輔はすっと真面目な表情になり、改めて姿勢を正した。
その晃輔の目の前に、茉莉花は一通の書類を差し出した。
「これは、離婚届……」
「やっとお母さんから許しをもらった。ごめんなさい、今の今まで晃輔を縛り付けて。」
「いいんだ、あの家から逃げ出したのは俺だから。でも、なぜ?」
不思議そうに小首を傾げる晃輔を見つめながら、茉莉花はグッと息を飲み決心した。
「私、妊娠した……華音が子供の出来ない身体かも知れないの……それで、どうしても、高塔の血を引く子供が欲しくて……」
「相手は、どっち……いや、誰なの?」
晃輔にはきっと目星がついているのだろう。だが茉莉花は小さく首を横に振った。
「それは内緒。だけど、晃輔にお願いがある。」
「何?俺に出来ることなら何でも言って。」
人の好い笑顔を浮かべる晃輔に、茉莉花はクッと眉を寄せた。
「お願い、お腹の子の父親になって。認知するだけでいい。その他には何も要らない。」
「分かった。いずれにしろ、婚姻関係にある間は、俺が父親になるんだからね。」
「……いいの?」
「ああ、いいよ。何でもするって言っただろ?」
「ありがとう……」
また笑顔を浮かべる晃輔に向けて、茉莉花は頭を下げた。
「すまない……華音も美桜もマリ一人に押し付けて……俺が父親らしいことなんて、一つもなかったのに。」
「二人とも、とっても好い子よ。華音は真面目でしっかりしていて面倒見が良くて。美桜はお洒落が大好きで、最近反抗期に入ってちょっと手こずっているわ。」
「そう、か……」
不意に晃輔は涙を浮かべた。晃輔を見つめる茉莉花の目も潤んだ。
「美織は元気?」
「何とかね。お義父さんやお義母さんには心配ばかり掛けたけど、心も身体もずいぶん良くなった。」
「まだ若いもの、今からいくらでもやり直せる。」
「マリ……お前も幸せになれよ。」
「うん。」
ニコリと微笑んだ茉莉花の頬に涙が一筋流れた。
お腹の子供は順調に育っていった。人目を気にして華音を生んだ病院を避け、家から離れた町の病院で診察を受けていた。
重くなった身体を引きずるように家に着き、子供たちの相手をして寝かしつけ、リビングでホッと一息ついた。
鞄の中から母子手帳を取り出し、経過に目を通す。
もう少ししたらお腹の膨らみも隠しておけなくなる。晃輔に承諾してもらったが彼が腹の子の父親だと信じる者はいるまい。受診の記念にもらったエコーの写真を見ては父親を偽ることを後悔した。だが、嘘は突き通さなければ。彬智の子供であることは一生隠し通さなければ。
かたりと音がして振り向いて驚いた。彬智が顔をのぞかせていたのだ。
「アキ、お帰り、どうしたの?」
「マリの様子が気になって。」
茉莉花が慌てて駆け寄ると、彬智は彼女の手をそっと握った。テーブルに置かれた母子手帳に気づいた彬智は微笑みながら中を眺めた。
「体調はどう?前より顔色が良くなったね。」
「悪阻がやっと収まったの。華音の時よりきつかった。」
「そうか。」
吐息を漏らすと彬智は茉莉花を引き寄せた。くるりと身体を回し後ろから抱きしめる。そうして膨らみを帯びた彼女の腹を撫で回し、肩に顎を乗せた。
「アキ?」
「ここに俺の子供がいるんだな。」
愛おしむように這う彬智の手に、茉莉花は手を重ねた。頬摺りされて身体の芯が熱を持つ。抱き合った夜の記憶が蘇る。
「アキ……この子の父親役は、晃輔にお願いしてきた。」
「晃輔?なぜ?俺が父親ではダメなの?」
答えずに茉莉花はふるふると首を横に振った。
「この子は高塔家のために、私の勝手で生むの。だから、アキを巻き込みたくない。」
「バカな、俺のことなんかどうでもいいよ。」
だが茉莉花はまた首を横に振った。彬智は茉莉花をくるりと回し向かい合わせになった。
「俺はいつでも子供の父親だって言ってやる。」
「ありがとう……でも、気持ちだけでいい。」
「マリ。」
茉莉花の頬に手を当てる。小さく震える頑固な彼女を宥めるようにすりすりと撫でた。
「ここで何をしているのっ!」
怒りを帯びたその声に、茉莉花と彬智は我に返り部屋の入り口に目をやった。梢子が睨みつけていた。
「マリと話していただけだ。君には関係無い。」
「関係無くないでしょ!私はあなたの妻なのよ!こんな夜中に何をしているの!家に帰って来たんじゃないの、彬智さん!?」
「大きな声を出すな。華音たちが起きる。」
「彬智さん!」
縋りつく梢子を振り切るように歩き出した彬智は、ふと振り返り茉莉花に微笑みかけ、そのまま部屋を出て行った。梢子は茉莉花を睨みつけると彬智を追いかけていく。
くらりと眩暈を覚えた茉莉花はその場にうずくまった。
数日後。
会議の途中だと言うのに、茉莉花は藍咲に社長室へと呼び出された。ふと不安が過る……
「失礼します。」
頭を下げ、中に足を踏み入れて飛び上がりそうになった。
そこには梢子がいたからだ。
「茉莉花、あなたに聞きたいことがある。お腹に赤ん坊がいるって本当なの?」
藍咲の声は怒りに満ちていた。
「どうして?そんな出鱈目だわ。」
「嘘よ!私のお友達が隣りの街の産婦人科であなたが受診しているところを見かけたの!」
梢子が出した病院の名は確かに茉莉花が通っている病院だった。
「本当のことをおっしゃい!」
藍咲と梢子に詰め寄られ、茉莉花は決心した。
「そうです、私は妊娠しています。この子は将来の高塔家のために生まれてくるのよ。お母さんが望んだ通りにしたのよ。」
「恥知らずが!私は誰とも分からない男の子を産めとは言っていないわ!」
「……彬智さんの子、なんでしょ?」
震える声で問い質す梢子を、茉莉花は冷ややかに眺めた。
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安定期に入ると、茉莉花はすぐに東京に向かった。
待ち合わせはホテルのレストランだった。窓際に座り景色を眺めているとやがて一人の男がやって来た。
「マリ、久しぶり。全然変わらないね、相変わらず綺麗だね。」
すっかりふくよかになった晃輔が昔と変わらぬ明るい笑顔で向かい側の席に着いた。キチンと切りそろえた髪も仕立ての良い服もお洒落な彼に良く似合っていた。
「晃輔は太ったね!幸せ太り?」
「いや~そんなんじゃないよ。どっちかって言うと不摂生だな。接待で毎日飲み歩いて、休みの日はゴロゴロしているから。」
「仕事は順調?」
「うん、キョウ先輩と大貴社長のおかげだ……今、小さいけど営業所の所長を任されている。高塔財閥に比べたら売上なんか大したことは無いけれど、俺の城だと思っているよ。」
「良かった、晃輔、本当に幸せそう。」
「マリもね。」
あははと朗らかに笑う晃輔は、高校生の時に戻ったようだ。晃輔はワイン、茉莉花はオレンジジュースで再会を祝って乾杯し、創作フレンチのフルコースに舌鼓を打つ。二人はお互いの近況を話し、共通の知人の話題で笑い合った。
「ところで、今日、俺に逢いに来た理由は?」
料理を一通り食べ終えると、晃輔はすっと真面目な表情になり、改めて姿勢を正した。
その晃輔の目の前に、茉莉花は一通の書類を差し出した。
「これは、離婚届……」
「やっとお母さんから許しをもらった。ごめんなさい、今の今まで晃輔を縛り付けて。」
「いいんだ、あの家から逃げ出したのは俺だから。でも、なぜ?」
不思議そうに小首を傾げる晃輔を見つめながら、茉莉花はグッと息を飲み決心した。
「私、妊娠した……華音が子供の出来ない身体かも知れないの……それで、どうしても、高塔の血を引く子供が欲しくて……」
「相手は、どっち……いや、誰なの?」
晃輔にはきっと目星がついているのだろう。だが茉莉花は小さく首を横に振った。
「それは内緒。だけど、晃輔にお願いがある。」
「何?俺に出来ることなら何でも言って。」
人の好い笑顔を浮かべる晃輔に、茉莉花はクッと眉を寄せた。
「お願い、お腹の子の父親になって。認知するだけでいい。その他には何も要らない。」
「分かった。いずれにしろ、婚姻関係にある間は、俺が父親になるんだからね。」
「……いいの?」
「ああ、いいよ。何でもするって言っただろ?」
「ありがとう……」
また笑顔を浮かべる晃輔に向けて、茉莉花は頭を下げた。
「すまない……華音も美桜もマリ一人に押し付けて……俺が父親らしいことなんて、一つもなかったのに。」
「二人とも、とっても好い子よ。華音は真面目でしっかりしていて面倒見が良くて。美桜はお洒落が大好きで、最近反抗期に入ってちょっと手こずっているわ。」
「そう、か……」
不意に晃輔は涙を浮かべた。晃輔を見つめる茉莉花の目も潤んだ。
「美織は元気?」
「何とかね。お義父さんやお義母さんには心配ばかり掛けたけど、心も身体もずいぶん良くなった。」
「まだ若いもの、今からいくらでもやり直せる。」
「マリ……お前も幸せになれよ。」
「うん。」
ニコリと微笑んだ茉莉花の頬に涙が一筋流れた。
お腹の子供は順調に育っていった。人目を気にして華音を生んだ病院を避け、家から離れた町の病院で診察を受けていた。
重くなった身体を引きずるように家に着き、子供たちの相手をして寝かしつけ、リビングでホッと一息ついた。
鞄の中から母子手帳を取り出し、経過に目を通す。
もう少ししたらお腹の膨らみも隠しておけなくなる。晃輔に承諾してもらったが彼が腹の子の父親だと信じる者はいるまい。受診の記念にもらったエコーの写真を見ては父親を偽ることを後悔した。だが、嘘は突き通さなければ。彬智の子供であることは一生隠し通さなければ。
かたりと音がして振り向いて驚いた。彬智が顔をのぞかせていたのだ。
「アキ、お帰り、どうしたの?」
「マリの様子が気になって。」
茉莉花が慌てて駆け寄ると、彬智は彼女の手をそっと握った。テーブルに置かれた母子手帳に気づいた彬智は微笑みながら中を眺めた。
「体調はどう?前より顔色が良くなったね。」
「悪阻がやっと収まったの。華音の時よりきつかった。」
「そうか。」
吐息を漏らすと彬智は茉莉花を引き寄せた。くるりと身体を回し後ろから抱きしめる。そうして膨らみを帯びた彼女の腹を撫で回し、肩に顎を乗せた。
「アキ?」
「ここに俺の子供がいるんだな。」
愛おしむように這う彬智の手に、茉莉花は手を重ねた。頬摺りされて身体の芯が熱を持つ。抱き合った夜の記憶が蘇る。
「アキ……この子の父親役は、晃輔にお願いしてきた。」
「晃輔?なぜ?俺が父親ではダメなの?」
答えずに茉莉花はふるふると首を横に振った。
「この子は高塔家のために、私の勝手で生むの。だから、アキを巻き込みたくない。」
「バカな、俺のことなんかどうでもいいよ。」
だが茉莉花はまた首を横に振った。彬智は茉莉花をくるりと回し向かい合わせになった。
「俺はいつでも子供の父親だって言ってやる。」
「ありがとう……でも、気持ちだけでいい。」
「マリ。」
茉莉花の頬に手を当てる。小さく震える頑固な彼女を宥めるようにすりすりと撫でた。
「ここで何をしているのっ!」
怒りを帯びたその声に、茉莉花と彬智は我に返り部屋の入り口に目をやった。梢子が睨みつけていた。
「マリと話していただけだ。君には関係無い。」
「関係無くないでしょ!私はあなたの妻なのよ!こんな夜中に何をしているの!家に帰って来たんじゃないの、彬智さん!?」
「大きな声を出すな。華音たちが起きる。」
「彬智さん!」
縋りつく梢子を振り切るように歩き出した彬智は、ふと振り返り茉莉花に微笑みかけ、そのまま部屋を出て行った。梢子は茉莉花を睨みつけると彬智を追いかけていく。
くらりと眩暈を覚えた茉莉花はその場にうずくまった。
数日後。
会議の途中だと言うのに、茉莉花は藍咲に社長室へと呼び出された。ふと不安が過る……
「失礼します。」
頭を下げ、中に足を踏み入れて飛び上がりそうになった。
そこには梢子がいたからだ。
「茉莉花、あなたに聞きたいことがある。お腹に赤ん坊がいるって本当なの?」
藍咲の声は怒りに満ちていた。
「どうして?そんな出鱈目だわ。」
「嘘よ!私のお友達が隣りの街の産婦人科であなたが受診しているところを見かけたの!」
梢子が出した病院の名は確かに茉莉花が通っている病院だった。
「本当のことをおっしゃい!」
藍咲と梢子に詰め寄られ、茉莉花は決心した。
「そうです、私は妊娠しています。この子は将来の高塔家のために生まれてくるのよ。お母さんが望んだ通りにしたのよ。」
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