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46.精密さこそ詠唱の命!(ノアの意見)
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俺がみせた魔法を真似すればいいだけなのに、エミリア嬢は無理だって言い張る。
「ノアさまは軽くいいますけど……! 大気を圧縮? 急速冷却? そんなの、ノアさまじゃなきゃムリでしょう!
本当にエミリア嬢は、「できない」って主張するときは強気だな! でも、俺の見立てだとできるんだよ。だいたいこの方法には、基本的に高度な魔法も大量の魔力も必要ない。ただ、魔法を制御してあやつるための感覚はいる。エミリア嬢は、たぶん魔法全般への感覚は普通だけど、物を細工する感性は優れてるからさ。宝飾品を作成するための魔法なら、細かくあやつれると思うんだ。
「やれ。反論は認めん」
「横暴……っ」
そういうわけで、まずは熱を正確な温度で発生させる魔法を教えようとした。でも、きっと俺の説明が下手すぎるせいで、言ってることがエミリア嬢にほとんど伝わらない。みかねたアルバートがときどき口をはさんでくれたけど、それでも彼女は魔法を構築できなかった。
「これだけいっても、まだ最初の魔法一つ発動させられないとはな。ええい、まだるっこしい、きさまの魔法紋を開け!」
「どういう意味です?」
「そのままの意味だ!」
エミリア嬢の魔力に俺の魔力を同調させて、俺が主導して魔法を使わせる。そうやって体でおぼえさせる訓練がある。魔法の理論があやふやだった大昔にやってた方法で、現在はあんまりされてない。相手に自分を明け渡すことになるから信頼関係がいるし、一対一だから効率が悪いんだ。
魔法を修得する時間が充分にあるなら、俺だってこんな方法は選ばない。でも理論を教えて基礎から始めてたら、エミリア嬢が一連の魔法を使えるようになるまで半年以上かかりそうだ。それに、なんとなく、彼女は体感するほうがおぼえがよさそうにみえるんだよね。
「きさまに俺の魔力を流して、魔法の使い方を体験させる。いいか、この俺が直接魔法を教えてやるといってるんだ。これは、きさまの人生において空前絶後の幸運だということを理解しろ!」
「魔法紋を開くには、どうすればいいんですか」
「鍵をよこせ」
本当は俺はエミリア嬢の保護鍵を知ってるけどね。でも、さっき勝手に接続したってバレたら犯罪者になってしまうから、本人から教えてもらわなきゃならないわけだ。
「保護鍵……ですか」
「俺が悪用するとでも思うのか。きさまは、俺に悪用されるほど重要な器か? うぬぼれるな! 魔法を修得したら、すぐに鍵を変えればいいだけの話だ」
――魔法紋の保護鍵は、人に教えてはいけません。
それは魔法紋を刻まれるときに必ず注意されることだ。うかつに他人に鍵を教えて、破滅した人間の話はいくらでもある。だからエミリア嬢の躊躇は正しい。でも、ここは教えてもらわないと話が進まないのだ。
結局、エミリア嬢は俺にこっそり鍵を耳打ちしてくれた。そのあいだ、ほかの面子は少し離れたところで聞かないようにしてくれた。
エミリア嬢の腕を出させて、手のひらで魔法紋にふれて解除する。彼女の魔力に俺の魔力を同調させる。さっきみたいに魔力に溶けてる魔術式を解析するわけじゃないから、意識ごと投入する必要はない。俺の魔力で彼女の魔力をあやつって、魔法として発現させればいいだけだ。
まず、魔力をなじませて、と。よし、こんなもんかな。
「いいか、これはきさまにとって一秒が黄金でさえ買えない貴重な体験だということを心に刻め」
「は、はいっ」
「俺なら銅をあやつるのと同時に液体窒素を作るが、たかが箒ごときに多くを望むような愚行はしない。だから先に液体窒素を作成する」
エミリア嬢の大気魔法はレベル二だ。総魔力量は、宝飾品作りに魔法を使い続けてたからだろう、平均より多い。でも練習だから何度もやるだろうし、圧縮に魔力を食いすぎるとあとの魔法が使えなくなりそうだ。配分を考えないといけないな。
彼女の魔力を使いきってしまわないように、練習のあいだは俺の魔力も使って消費量を抑えるようにしよう。
エミリア嬢の体を通して、二人分の魔力を動かす。魔法を発動させようとしたら、魔法紋のところでつっかえた。
「そうか、きさまの体が魔法を使うには詠唱が必要か。まったく面倒なことだ。おいバカスズメ、左手を挙げろ」
「箒スズメか、バカスズメか、箒か、どれかひとつにしてほしい……」
「なにか言ったか?」
「いいえっ」
エミリア嬢の魔法紋は一般的なやつだから、設定されてる魔術式を必要な効果が得られるように組み合わせればいい。
「大気魔法、上限魔力三〇〇エム、左の手のひらに大気を収集し二〇〇気圧に加圧。大気量および持続時間は魔力量に比例。発動」
「は、はえっ? なんですかそれ、そんな詠唱使ったことないです。それに、時間を指定、じゃなくて?」
普通は、魔法の威力を重視するからね。その場合は、たとえば風の強さやどれくらい長くもたせたいかを指定する。だけど今回は、使用する魔力量で限界値を設定した。
「きさまの魔力量が貧相だからだ。工程ごとに量を決めて割り振らなければ、スズメ程度の魔力なぞすぐに枯渇する」
あとで作業に必要な液体窒素の量がわかれば、今度は詠唱するときにその量を基準にすればいい。そうすれば、それに見合った魔力量が消費される。指定する値は、相対的な方が流動性があってあとから変更しやすいからな。
エミリア嬢の体内から、三〇〇エムの魔力が魔法紋に流れる。そのうち八割が俺の魔力だ。大気魔法が働いて、魔力量の分だけ空気を集めて圧縮していく。それが終わったら、次の詠唱で冷却して液体窒素にした。このまま放置したらすぐ気化するから、断熱魔法でくるんでおこう。
「次に銅を融かす。火魔法、一一〇〇度……」
「温度も指定するんですね」
「きさまの魔法は無駄ばかりだといっただろう。『わたしにできるかぎりの高温』? そんな曖昧な指示だから、いったんきさまができる最高温度に達したあと下げるという効率の悪いことになるんだ!」
「下げるって、わたし、下げてます!?」
「その金属に最適な融点を、体がおぼえてるんだろう。高温にしすぎて沸点に達しないように、適度な温度に調整していた。なんて非効率な使い方だ、まったくもって美しくない!」
エミリア嬢には悪いけど、これは俺の本音だ。最小限の魔力で最大限の効果を上げるのって、美しいじゃないか!
「火魔法、一一〇〇度、範囲は左右の手首から指先。発動」
この作業は一番大切な部分だし、どれくらい時間がかかるかわからないから、魔力量も時間も指定しなかった。
エミリア嬢の手が、さっきみたいに銅をすくって、するすると冠の一部を作っていく。あー、銅全体に髪の毛よりも細い魔力が張りめぐらされてるや。エミリア嬢が意識せずに魔法紋から引き出してる、定型の魔法として作用する前の魔力だ。これをできるのが、彼女の宝飾師としての才能なのかもしれないな。
「かたちができたら、さっき作った液体窒素をまとわせる。あらかじめ詠唱をしておくから、冷却したいときに『発動』を唱えろ」
冷やす瞬間が大事だろうから、先に詠唱をすませる。五秒に一回くらい「待機」を入れて、いつでも魔法が使えるようにしておく。
まるで踊るように動いてたエミリア嬢の指が止まった。同時に彼女が詠唱した。
「発動」
その瞬間、銅線を液体窒素が覆った。気化した部分はすぐさま液体に入れ替えられる。
充分に冷えた銅線が、彼女の手の中に残った。
指先が、何度もなめらかなかたちをたどる。分厚いレンズ越しに、厳しい目が思ったとおりの形状になっているかを確かめる。
「で……できた……。これ、です。これが作りたかったんです!」
二〇シーエムくらいの長さの数本の金属線がからみあって、優雅な曲線を生み出している。冠の一部になるんだろう。波といくつかの泡は、いまにも動きだしそうだ。
「まだ、不充分で。もっと、試作して。土台を工夫して、宝石の配置も考えなおして。だけどこれなら、これなら……」
「できるのね、エミリア!」
感極まったように、オードリー嬢がエミリア嬢の手に手を重ねる。
エミリア嬢は、彼女をみつめて力強く頭を振った。
なぜか、横に。
「できません!」
「なんでだよっ!」
「ノアさまは軽くいいますけど……! 大気を圧縮? 急速冷却? そんなの、ノアさまじゃなきゃムリでしょう!
本当にエミリア嬢は、「できない」って主張するときは強気だな! でも、俺の見立てだとできるんだよ。だいたいこの方法には、基本的に高度な魔法も大量の魔力も必要ない。ただ、魔法を制御してあやつるための感覚はいる。エミリア嬢は、たぶん魔法全般への感覚は普通だけど、物を細工する感性は優れてるからさ。宝飾品を作成するための魔法なら、細かくあやつれると思うんだ。
「やれ。反論は認めん」
「横暴……っ」
そういうわけで、まずは熱を正確な温度で発生させる魔法を教えようとした。でも、きっと俺の説明が下手すぎるせいで、言ってることがエミリア嬢にほとんど伝わらない。みかねたアルバートがときどき口をはさんでくれたけど、それでも彼女は魔法を構築できなかった。
「これだけいっても、まだ最初の魔法一つ発動させられないとはな。ええい、まだるっこしい、きさまの魔法紋を開け!」
「どういう意味です?」
「そのままの意味だ!」
エミリア嬢の魔力に俺の魔力を同調させて、俺が主導して魔法を使わせる。そうやって体でおぼえさせる訓練がある。魔法の理論があやふやだった大昔にやってた方法で、現在はあんまりされてない。相手に自分を明け渡すことになるから信頼関係がいるし、一対一だから効率が悪いんだ。
魔法を修得する時間が充分にあるなら、俺だってこんな方法は選ばない。でも理論を教えて基礎から始めてたら、エミリア嬢が一連の魔法を使えるようになるまで半年以上かかりそうだ。それに、なんとなく、彼女は体感するほうがおぼえがよさそうにみえるんだよね。
「きさまに俺の魔力を流して、魔法の使い方を体験させる。いいか、この俺が直接魔法を教えてやるといってるんだ。これは、きさまの人生において空前絶後の幸運だということを理解しろ!」
「魔法紋を開くには、どうすればいいんですか」
「鍵をよこせ」
本当は俺はエミリア嬢の保護鍵を知ってるけどね。でも、さっき勝手に接続したってバレたら犯罪者になってしまうから、本人から教えてもらわなきゃならないわけだ。
「保護鍵……ですか」
「俺が悪用するとでも思うのか。きさまは、俺に悪用されるほど重要な器か? うぬぼれるな! 魔法を修得したら、すぐに鍵を変えればいいだけの話だ」
――魔法紋の保護鍵は、人に教えてはいけません。
それは魔法紋を刻まれるときに必ず注意されることだ。うかつに他人に鍵を教えて、破滅した人間の話はいくらでもある。だからエミリア嬢の躊躇は正しい。でも、ここは教えてもらわないと話が進まないのだ。
結局、エミリア嬢は俺にこっそり鍵を耳打ちしてくれた。そのあいだ、ほかの面子は少し離れたところで聞かないようにしてくれた。
エミリア嬢の腕を出させて、手のひらで魔法紋にふれて解除する。彼女の魔力に俺の魔力を同調させる。さっきみたいに魔力に溶けてる魔術式を解析するわけじゃないから、意識ごと投入する必要はない。俺の魔力で彼女の魔力をあやつって、魔法として発現させればいいだけだ。
まず、魔力をなじませて、と。よし、こんなもんかな。
「いいか、これはきさまにとって一秒が黄金でさえ買えない貴重な体験だということを心に刻め」
「は、はいっ」
「俺なら銅をあやつるのと同時に液体窒素を作るが、たかが箒ごときに多くを望むような愚行はしない。だから先に液体窒素を作成する」
エミリア嬢の大気魔法はレベル二だ。総魔力量は、宝飾品作りに魔法を使い続けてたからだろう、平均より多い。でも練習だから何度もやるだろうし、圧縮に魔力を食いすぎるとあとの魔法が使えなくなりそうだ。配分を考えないといけないな。
彼女の魔力を使いきってしまわないように、練習のあいだは俺の魔力も使って消費量を抑えるようにしよう。
エミリア嬢の体を通して、二人分の魔力を動かす。魔法を発動させようとしたら、魔法紋のところでつっかえた。
「そうか、きさまの体が魔法を使うには詠唱が必要か。まったく面倒なことだ。おいバカスズメ、左手を挙げろ」
「箒スズメか、バカスズメか、箒か、どれかひとつにしてほしい……」
「なにか言ったか?」
「いいえっ」
エミリア嬢の魔法紋は一般的なやつだから、設定されてる魔術式を必要な効果が得られるように組み合わせればいい。
「大気魔法、上限魔力三〇〇エム、左の手のひらに大気を収集し二〇〇気圧に加圧。大気量および持続時間は魔力量に比例。発動」
「は、はえっ? なんですかそれ、そんな詠唱使ったことないです。それに、時間を指定、じゃなくて?」
普通は、魔法の威力を重視するからね。その場合は、たとえば風の強さやどれくらい長くもたせたいかを指定する。だけど今回は、使用する魔力量で限界値を設定した。
「きさまの魔力量が貧相だからだ。工程ごとに量を決めて割り振らなければ、スズメ程度の魔力なぞすぐに枯渇する」
あとで作業に必要な液体窒素の量がわかれば、今度は詠唱するときにその量を基準にすればいい。そうすれば、それに見合った魔力量が消費される。指定する値は、相対的な方が流動性があってあとから変更しやすいからな。
エミリア嬢の体内から、三〇〇エムの魔力が魔法紋に流れる。そのうち八割が俺の魔力だ。大気魔法が働いて、魔力量の分だけ空気を集めて圧縮していく。それが終わったら、次の詠唱で冷却して液体窒素にした。このまま放置したらすぐ気化するから、断熱魔法でくるんでおこう。
「次に銅を融かす。火魔法、一一〇〇度……」
「温度も指定するんですね」
「きさまの魔法は無駄ばかりだといっただろう。『わたしにできるかぎりの高温』? そんな曖昧な指示だから、いったんきさまができる最高温度に達したあと下げるという効率の悪いことになるんだ!」
「下げるって、わたし、下げてます!?」
「その金属に最適な融点を、体がおぼえてるんだろう。高温にしすぎて沸点に達しないように、適度な温度に調整していた。なんて非効率な使い方だ、まったくもって美しくない!」
エミリア嬢には悪いけど、これは俺の本音だ。最小限の魔力で最大限の効果を上げるのって、美しいじゃないか!
「火魔法、一一〇〇度、範囲は左右の手首から指先。発動」
この作業は一番大切な部分だし、どれくらい時間がかかるかわからないから、魔力量も時間も指定しなかった。
エミリア嬢の手が、さっきみたいに銅をすくって、するすると冠の一部を作っていく。あー、銅全体に髪の毛よりも細い魔力が張りめぐらされてるや。エミリア嬢が意識せずに魔法紋から引き出してる、定型の魔法として作用する前の魔力だ。これをできるのが、彼女の宝飾師としての才能なのかもしれないな。
「かたちができたら、さっき作った液体窒素をまとわせる。あらかじめ詠唱をしておくから、冷却したいときに『発動』を唱えろ」
冷やす瞬間が大事だろうから、先に詠唱をすませる。五秒に一回くらい「待機」を入れて、いつでも魔法が使えるようにしておく。
まるで踊るように動いてたエミリア嬢の指が止まった。同時に彼女が詠唱した。
「発動」
その瞬間、銅線を液体窒素が覆った。気化した部分はすぐさま液体に入れ替えられる。
充分に冷えた銅線が、彼女の手の中に残った。
指先が、何度もなめらかなかたちをたどる。分厚いレンズ越しに、厳しい目が思ったとおりの形状になっているかを確かめる。
「で……できた……。これ、です。これが作りたかったんです!」
二〇シーエムくらいの長さの数本の金属線がからみあって、優雅な曲線を生み出している。冠の一部になるんだろう。波といくつかの泡は、いまにも動きだしそうだ。
「まだ、不充分で。もっと、試作して。土台を工夫して、宝石の配置も考えなおして。だけどこれなら、これなら……」
「できるのね、エミリア!」
感極まったように、オードリー嬢がエミリア嬢の手に手を重ねる。
エミリア嬢は、彼女をみつめて力強く頭を振った。
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