世界最強双子物語

プロローグ

2

　男達が後ろに下がり、怪我人は銀のローブを着た者に治療を受けているのをチラッと見た後、金のローブを着た者は最上位魔獣を見る。

　「騎士ーー！何してるの！！
　さっさと討伐しちゃいなさいよ！」

　金のローブを着た者がジッと魔獣を見ていると後ろから銀のローブを着た者らしき声が聞こえ、金のローブを着た者は小さく笑うと魔獣に向かっていった。


　いつの間にか金のローブを着た者の手には刀身が赤い刀があった。
　魔獣は咆哮を上げ、向かってきた敵に攻撃をしようと手を振り上げる。


　だが、その手は易々と躱され、逆に傷を付けられた痛みに声を上げ、そして傷付けられた怒りで冷静さをなくし、ブレスや尻尾、様々な手で攻撃をする。

　その全部を躱していたが急に金のローブを着た者は戦いに飽きたかのように自分よりデカイ魔獣を易々と飛び越え、武器に炎を纏わせ首を落とした。
　魔獣は声も上げずそのままゆっくりと横に倒れ、息絶えた。


　「す、すげぇ……………」
　「さすが、黒炎の騎士様…………」

　あ然としている男達をチラッと見た後、銀のローブを着た者が戦いが終わり、近くに来た金のローブを着た者の元に歩いていった。

　「お疲れ様」
　「姫もお疲れ様」

　２人がお互いを労っていると助けられた男たちが我に返り、２人の元に行き頭を下げた。

　「「「助けて頂き、ありがとうございます！！！」」」
　「あー、うん。間に合って良かったよ。
　それじゃ、俺たちは報告があるから君たちは気をつけて帰ってね」

　金のローブの方が男たちに返事をし、銀のローブの方は倒した魔獣を回収していた。


　２人は男たちの返事を聞かずに転移してしまった。



　その様子に呆気に取られた男たちが我に返って自分達が倒した魔獣を回収するのには少し時間が掛かった。