転生少女は自由に生きるっ！

2 新たなセカイ

「エミ様！エミ様！」

私を呼ぶメイドの声が聞こえる。

「んん？」

まだ眠い。このままベッドの中にいたい。

「ご朝食の準備が整いましたよ！」

「え！もうそんな時間？！」

私は急いでベッドから飛び起きた。

えみが転生してから5年が経った。この世界での名前はエミリア・ミア・シュトワール。
親しい人からはエミと呼ばれている。
おそらく、あの若干ムカつく神が地球の時と呼び名が変わらないようにしてくれたのだろう。
今までずっと「えみ」と呼ばれ慣れていたので、そこには感謝してる。
まだ小さいから、家のことで分かることといえば、シュトワール家は地位が高いということぐらいだ。

私は、起きてから身支度を整え家族が集まる食卓へと向かった。
そこには、32歳にしては美人さんなメアリお母様と、お母様の2つ上でなかなかイケメンなウィルお父様、そして私の8歳上でお父様似のエル兄さまがいる。
エル兄さまは、この前立ち話をしていたメイドの話をたまたま聞いたところ、貴族の通う学校の中等科3年でこの家の跡継ぎとして周りからとても期待されているし、優しいし、なかなか強いらしくて、しかもイケメンさんなので友達も多いし、モテモテなんだそうだ。
自分で言うのもなんだが、みんな私のことをとてもかわがってくれる。
エル兄さまは時間が空くといつも私と遊んでくれるし、お父様もお母様もとても優しくしてくれる。
というか、お父様に至っては家の外に私が出るときは必ず護衛をつけるくらい、の過保護っぷりだ(苦笑)
メイドの人も護衛をしている人も媚びを売るような笑みを浮かべている人は見たことがない。
前の世界では、一人っ子だったし親も共働きだったので、こうやって構ってもらえるのは、すごい嬉しい。

今日は私の5歳の誕生日だ。この辺りでは、貴族などの娘や息子は5歳になると世間に向けてお披露目をするらしい。
なので、今日は我が家の部屋の中で一番広い部屋を使ってお披露目パーティーを開催するのだ。
事前に貴族の5歳の娘として覚えておかなければならない、最低限の礼儀作法のことはお母様に習った。
礼儀作法といっても、まだまだ子供なので、会った方にはちゃんと礼をするとかそんな感じだ。
大きくなると、礼儀作法の勉強はもっと厳しくなるらしい・・・。

もう少しで私のお披露目パーティーが始まる。