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最終章 帰る場所
37何も変わらない
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「う……ん……」
ゴロリと寝返りを打って、うすく目を開く。
見慣れた白い枕に布団。枕の上には自分の金色の髪の毛が散らばっている。
なんだか頭がぼんやりした。
何をしていたんだっただろうかと、気だるい体を動かしてメルティアは状況を確認する。
仕切りのカーテンはぴっちりと閉じているし、服はパジャマだしで、どうやら普通に寝ていたらしい。
「……メルティア様?」
そっと、ベッドのカーテンが引かれた。
小さく開いた隙間からうかがうように顔を出したのはジークだった。
メルティアと目が合うと、ジークは表情をゆるめて深く長い息を吐いた。
「ジーク……?」
「よかった……目が覚めたんですね。三日も眠っていらしたんですよ」
「え?」
メルティアはそうなのだろうかと眉間に皺を寄せて思考を働かせる。
なんだか記憶がおぼろげだった。
そもそも体がだるくて上手く頭が働かないのだ。
うんうん考えていると、ジークがベッドの端に腰かけて、そのままメルティアの額に大きな手を伸ばす。
「ジーク?!」
「やはり熱はないようですね。医者にも見てもらいましたが、原因がわからないと」
「え、そ、そうだったの?」
「どこか痛むところは?」
「うーん。体が重いかな?」
「雨に当たったから風邪だろうと医者は言っていましたが……。しばらく安静になさってくださいね」
ジークが立ち上がって、ベッドの端にある小さなテーブルから水差しを取ってグラスに水を注ぐ。
「飲めますか?」
「う、うん……」
グラスを受け取るときに、手が触れた。
メルティアは反射的に手を引っ込めて、やがて気まずい沈黙が流れる。
「あ、ご、ごめんね」
「いえ……」
改めて水を受け取りながら、メルティアはようやく記憶を思い出していた。
ジークに告白をして、振られた。
あなたの気持ちには応えられないと、ハッキリ言われたのだ。
「あ、あの。ジーク」
「はい」
「昨日はごめんね」
「昨日?」
ジークが首をかしげたから、気まずさに視線を彷徨わせながら小さな声でつぶやく。
「あ、えっと、告白……」
「あぁ……」
ジークが視線を横に流す。
あまりこの話はしたくないようだ。
「あの、ごめんね。ちゃんと忘れるから……」
「……」
「だから、そのっ」
メルティアはぎこちなく笑ってジークを見る。
「今まで通り、わたしの騎士でいてくれる?」
その言葉を聞いたジークが、ホッとしたように表情をゆるめた。
「ええ。もちろんです。メルティア様」
了承の言葉。
嬉しいはずなのに、今は悲しかった。
鼻の奥がツーンとして、メルティアは涙がやってこないよう眉間に力を入れた。
メルティアの恋は終わったのだ。
ちゃんと主人と従者にならなければ。
幼なじみのジークとは、さよならをしなければ。
「それで、お聞きしたいことがあるのですが」
「え? な、なに?」
ジークが迷うそぶりをして、重々しく口を開く。
「あれは、妖精の仕業ですか?」
「え?」
「チーの」
「チーくん?」
メルティアはジークが何を言いたいのかわからなかった。
混乱しているメルティアに、ジークはさらに言葉を続ける。
「いなくなったでしょう。突然。消えるように」
じっと、刺すような目だった。嘘を見抜こうとするかのように視線をそらさない。
メルティアは何のことかと記憶を探って、突然花畑にいたことを思い出す。
そして、ずっと黙ってサイドテーブルの上に座っていたチーを横目に見る。
チーは何も答えず、ただ険しい顔をしていた。
「あ、えっと……違う、と、思うけど……どうだろう」
そういえばあのとき、チーはなんと言っていただろうか。
『力を使ったのは、自分の意思かい?』
「……どう言う意味だろう」
「メルティア様?」
「ううんっ、なんでもないの」
それから、体調が万全に戻るまでジークが付きっきりで看病をしてくれた。
どうにも気まずいのだが、他にメルティアの世話をしてくれる人がいないのだから仕方がない。
ジークはメルティアの告白なんてすっかり忘れてしまったかのようにいつも通りだ。
ドキドキする様子もないし、意識しているようにも見えない。
どうやら、メルティアは本当に眼中になかったらしい。
こうも意識されないと落ち込む隙さえない。
だって、何も変わっていないのだ。
告白する前と、何も。
体調も戻ってきて、ジークも自分の部屋に戻った夜。
メルティアはベッドの上でゴロゴロ転がりながらチーに話しかけた。
「ねぇ、これからどうしたらいいと思う?」
「……」
「チーくん最近ずっと怖い顔してる。どうしたの?」
「いつもと違うから嫌な予感がする」
「……どういうこと?」
チーはメルティアの問いには答えず、少し出かけてくると言ってどこかへと飛び立ってしまった。
いつも愚痴を聞いてくれていたチーにも置き去りにされて、メルティアはふくれた。
「もう、いじわる!」
ぎゅうっと枕を抱きしめてメルティアはため息をつく。
ジークが今までの関係を望んでいるのは態度でわかった。
でもメルティアは今までのようにはいられないのだ。
だって、メルティアは振られてしまった。
ということは、ジークはメルティアではない誰かと結婚する。
想像するだけで苦しいのに、現実になって近くにいられる自信がなかった。
「お父様に言って無理やり結婚してもらおうかな」
言ってみたけど、実行する勇気はない。
振ったのになぜ? と、今度こそ嫌われてしまうような気がした。
「やっぱり、チーくんと二人で暮らすのがいいかな……」
どこか、遠くへ。
誰もいない場所に行って、静かに暮らす。
それが誰にも迷惑をかけなくていい気がした。
「……ジークのばか。約束したのに」
きゅっと枕を抱きしめる。
どれだけ心の中で罵っても、好きという気持ちは消えてくれなくて、なんだか虚しくなってくる。
そばにいられるだけで十分だという気持ちと、でも誰かの隣にいるジークを見たくないという気持ちがお互いに戦って、結局決着がつかなかった。
そばにいられるだけで幸せ。
そう思えたら、何か違ったのだろうか。
メルティアは欲を持ちすぎたのだろうか。
どれだけ自問自答しても、答えはでなかった。
あるのはただ、ジークに振られたという事実だけだった。
ゴロリと寝返りを打って、うすく目を開く。
見慣れた白い枕に布団。枕の上には自分の金色の髪の毛が散らばっている。
なんだか頭がぼんやりした。
何をしていたんだっただろうかと、気だるい体を動かしてメルティアは状況を確認する。
仕切りのカーテンはぴっちりと閉じているし、服はパジャマだしで、どうやら普通に寝ていたらしい。
「……メルティア様?」
そっと、ベッドのカーテンが引かれた。
小さく開いた隙間からうかがうように顔を出したのはジークだった。
メルティアと目が合うと、ジークは表情をゆるめて深く長い息を吐いた。
「ジーク……?」
「よかった……目が覚めたんですね。三日も眠っていらしたんですよ」
「え?」
メルティアはそうなのだろうかと眉間に皺を寄せて思考を働かせる。
なんだか記憶がおぼろげだった。
そもそも体がだるくて上手く頭が働かないのだ。
うんうん考えていると、ジークがベッドの端に腰かけて、そのままメルティアの額に大きな手を伸ばす。
「ジーク?!」
「やはり熱はないようですね。医者にも見てもらいましたが、原因がわからないと」
「え、そ、そうだったの?」
「どこか痛むところは?」
「うーん。体が重いかな?」
「雨に当たったから風邪だろうと医者は言っていましたが……。しばらく安静になさってくださいね」
ジークが立ち上がって、ベッドの端にある小さなテーブルから水差しを取ってグラスに水を注ぐ。
「飲めますか?」
「う、うん……」
グラスを受け取るときに、手が触れた。
メルティアは反射的に手を引っ込めて、やがて気まずい沈黙が流れる。
「あ、ご、ごめんね」
「いえ……」
改めて水を受け取りながら、メルティアはようやく記憶を思い出していた。
ジークに告白をして、振られた。
あなたの気持ちには応えられないと、ハッキリ言われたのだ。
「あ、あの。ジーク」
「はい」
「昨日はごめんね」
「昨日?」
ジークが首をかしげたから、気まずさに視線を彷徨わせながら小さな声でつぶやく。
「あ、えっと、告白……」
「あぁ……」
ジークが視線を横に流す。
あまりこの話はしたくないようだ。
「あの、ごめんね。ちゃんと忘れるから……」
「……」
「だから、そのっ」
メルティアはぎこちなく笑ってジークを見る。
「今まで通り、わたしの騎士でいてくれる?」
その言葉を聞いたジークが、ホッとしたように表情をゆるめた。
「ええ。もちろんです。メルティア様」
了承の言葉。
嬉しいはずなのに、今は悲しかった。
鼻の奥がツーンとして、メルティアは涙がやってこないよう眉間に力を入れた。
メルティアの恋は終わったのだ。
ちゃんと主人と従者にならなければ。
幼なじみのジークとは、さよならをしなければ。
「それで、お聞きしたいことがあるのですが」
「え? な、なに?」
ジークが迷うそぶりをして、重々しく口を開く。
「あれは、妖精の仕業ですか?」
「え?」
「チーの」
「チーくん?」
メルティアはジークが何を言いたいのかわからなかった。
混乱しているメルティアに、ジークはさらに言葉を続ける。
「いなくなったでしょう。突然。消えるように」
じっと、刺すような目だった。嘘を見抜こうとするかのように視線をそらさない。
メルティアは何のことかと記憶を探って、突然花畑にいたことを思い出す。
そして、ずっと黙ってサイドテーブルの上に座っていたチーを横目に見る。
チーは何も答えず、ただ険しい顔をしていた。
「あ、えっと……違う、と、思うけど……どうだろう」
そういえばあのとき、チーはなんと言っていただろうか。
『力を使ったのは、自分の意思かい?』
「……どう言う意味だろう」
「メルティア様?」
「ううんっ、なんでもないの」
それから、体調が万全に戻るまでジークが付きっきりで看病をしてくれた。
どうにも気まずいのだが、他にメルティアの世話をしてくれる人がいないのだから仕方がない。
ジークはメルティアの告白なんてすっかり忘れてしまったかのようにいつも通りだ。
ドキドキする様子もないし、意識しているようにも見えない。
どうやら、メルティアは本当に眼中になかったらしい。
こうも意識されないと落ち込む隙さえない。
だって、何も変わっていないのだ。
告白する前と、何も。
体調も戻ってきて、ジークも自分の部屋に戻った夜。
メルティアはベッドの上でゴロゴロ転がりながらチーに話しかけた。
「ねぇ、これからどうしたらいいと思う?」
「……」
「チーくん最近ずっと怖い顔してる。どうしたの?」
「いつもと違うから嫌な予感がする」
「……どういうこと?」
チーはメルティアの問いには答えず、少し出かけてくると言ってどこかへと飛び立ってしまった。
いつも愚痴を聞いてくれていたチーにも置き去りにされて、メルティアはふくれた。
「もう、いじわる!」
ぎゅうっと枕を抱きしめてメルティアはため息をつく。
ジークが今までの関係を望んでいるのは態度でわかった。
でもメルティアは今までのようにはいられないのだ。
だって、メルティアは振られてしまった。
ということは、ジークはメルティアではない誰かと結婚する。
想像するだけで苦しいのに、現実になって近くにいられる自信がなかった。
「お父様に言って無理やり結婚してもらおうかな」
言ってみたけど、実行する勇気はない。
振ったのになぜ? と、今度こそ嫌われてしまうような気がした。
「やっぱり、チーくんと二人で暮らすのがいいかな……」
どこか、遠くへ。
誰もいない場所に行って、静かに暮らす。
それが誰にも迷惑をかけなくていい気がした。
「……ジークのばか。約束したのに」
きゅっと枕を抱きしめる。
どれだけ心の中で罵っても、好きという気持ちは消えてくれなくて、なんだか虚しくなってくる。
そばにいられるだけで十分だという気持ちと、でも誰かの隣にいるジークを見たくないという気持ちがお互いに戦って、結局決着がつかなかった。
そばにいられるだけで幸せ。
そう思えたら、何か違ったのだろうか。
メルティアは欲を持ちすぎたのだろうか。
どれだけ自問自答しても、答えはでなかった。
あるのはただ、ジークに振られたという事実だけだった。
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