自己犠牲者と混ざる世界

二職三名人

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6.5-1:再開

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 五条琉衣子と再会し、天月博人が居なくなった後に楽善二治が話を通す。その後、南から東へと想いを伸ばすがその方角、半径1500キロメートル内には誰も居なかった。だが、成果はあったのだ。
 西の海の向こう側、半径1500キロメートル内に人間が、それも天月博人と縁のある五条琉衣子と繋がることが出来たのである。
 誰かと繋がったと言う事で喜び騒いで祝い、巨大化し電気を発する猪の肉を食して電気を生産して放出できるようになった者が3人いて大騒動になった宴会の翌日、瞬間移動にて空から島の形を見た中田文兵の記憶をピンキーが五条琉衣子に送り、さらに数日をかけて場所を特定。
 部屋を設けて、プレジャーボートを用いてやってきた五条琉衣子に、実際に会って存在を確認してもらい、話をすることになるのであった。

「実際に会うのは、3年くらいか。久しぶりだな博人」
「はい、お久しぶりです五条さん。またお会いできるなんて夢にも思いませんでした」

「うむ、養子とは言え同じ血族のよしみだ名前で呼ぶ事を許可しよう。
 あの夢以来会いに来んものだからその実私のことが嫌いだったりするのか? であれば他人行儀でありたいのも頷けようか」
「い、いえ。そんなことはないです。……琉衣子さん」

「くっ、ははは! 怯えるな怯えるな。
 これでは私が立場を利用して貴様を虐めているようではないか。安心するがいい、全て楽善の奴から聞いて居る。
 貴様は甦る異能を獲得し、その異能の拡大解釈が如き力で長いこと他人が用意した夢の世界に留まることが出来ないのだろう? であれば、仕方がないと思って気にすることでもない」

 久しくあった親戚の子供をいじるような様子の五条琉衣子は、部屋の外、扉が無い為に覗き見ている者たちをチラリと見て。「あんまり弄って、聞いて居る限りではこと戦いにおいてインチキ臭い大男に何かを言われても困るな。本題に入ろうか」と言って崩して居た姿勢を正す。

「世界が消滅しようとしている。これは世界各地で開いては広がる穴を監視し管理し続けてきた血族にとっては想像に難くない物だ。
 今更言われても『やっぱりそうか』としか思わんくらいだな。そしてこれを危険団体ロロ=イアと想いの海に佇む者という人を卒業した者が保証した。故に信じよう。帰り次第、血族に話を通し解決のため動くとしよう。
 では次。貴様達抵抗者の、一部の仲間が故郷に帰りたいとの話だが、喜ぶがいい。私は権力がある方だ少々手続きが面倒だがどうって事は無い。
 そして自身に得がなければ同じ日本に住む同胞に手を差し伸べないほど血も涙もないわけではないと自負している。うむ、この件は承諾した」
 
 五条瑠衣子が次々と話を進めて、レジスタンスとして求めている結果を出して行く。特に故郷に帰りたがっている仲間達が帰ることに協力してくれると聞いた時、天月博人は深く安堵した。
 
「で、だ。帰還を望む輩とは別に、ここに残りロロ=イアとやらと徹底抗戦した後、この島を起点に世界を救おうと考えている大層な者達についてだがな。気概は買うが、却下だ」
 
 安堵していた中で、否定が入り込み天月博人は気分を引き締めて「どうしてですか?」と問う。
 
「貴様らレジスタンスは第一に民間人だからだ。現状は見ず知らずの詐欺師に赤紙を無理やり渡されて闘っているような物なのだろう? 理不尽を相手によくぞ闘ってきたとたたえはするが。
 従来、我らが血族の養子である博人以外の貴様らは戦わなくても良い存在であるのだ。
 民は保護せよ、力ある者として戦から守れ。私はこう考えているが故にこれは許容できない。故に全員、私の管理する慶雲島で保護したく思っている。
 第二に、貴様ら名もまだ無いレジスタンスは、この島のロロ=イアとの戦いに勝ったとして世界を救いに島の外に進出したとしよう。
 だが貴様らは組織として世界各地にコネも何も無いだろう? 各国と連携は取れず。仮に何かを成した際にどこに伝えることもなく。仮に問題を起こせばアフターケアを行う者は貴様ら自身しかいない為に難しく、責任は誰が取るという話になれば、お金も何もなく責任が取れない貴様らに代わって日本人と言うことで日本に責任を負わされる可能性があることだ。
 この可能性のリスク回避のために、私は見過ごすことはできない」
 
 これは政治なのだろうか? そう思うほどに天月博人のこういったものに対しての知識は浅いが。元々レジスタンスのみんなは命を懸ける生活を送らなくてもよいはずの民間人なのだから。保護されて、あとは自衛隊やらそう言った方々に後を託すべきだ。そして、外へのつながりがなく組織としては軟弱であると言う五条瑠衣子の言い分は理解できた。
 だが、天月博人は後者の意見にそれは否であることを見出した。自信が養子とはいえ与神の血族と言う存在の一員であるからだ。現状は忘れられているものではあるが、顔を見られればこの事実は使えるはずだ。
 そう思い、五条瑠衣子に否を唱えようとしたところ瑠衣子が指を2本突き出し「前者は貴様ら一般の人間が断固として抗議したならば、そちらの意思を無視した行動はこちらはできんからそれで解決だ。人間、病院に担がれても断固として手術や延命治療を断れば医者が何もできないようなものだな。
 後者に至っては、まだ、現実的な方法が2つある。博人、貴様が口成から白雉島の島主と言う座をを受け継ぐか、血族としてこの島の主人となるかの2つだ」と言って助言をした。
 天月博人は少しの間をおいて、通路から見える仲間達の姿を見て「では、この島の主人になりたいです」と回答したかったが、その前に「瑠衣子さんの意見をお伺いしたいです」と。
 
「うむ、私としては口也の奴から座を受け継いで欲しいところだ。それは何故か? そう尋ねられて仕舞えばそもそもの話をする事になる。博人よ。貴様はどうして口也が貴様を養子にしたのか覚えているか?」
 
 天月博人は頷く。忘れるわけがないと言わんばかりに。だってあの日はある種、始まりの日でもあるのだから。
 
「ジブンが日本列島に居なくて、父上が跡継ぎがいないかっためその時のジブンは丁度良かったのだと記憶しています」
「っぬ。それだけか…………ふーむ、これは私が言って良い物かな。いや、どうせ知る事だ。それに従来ならばとっくに血族の全員が知っていることだからよいと判断しようか」

 五条琉衣子は水を飲み。息を吐く。あぁ、今から告げられる天月口成の何がしはきっとよくないものなのだろうと嫌でも察する事に成った。

「博人、よく聞け。口成、天月口成はな。貴様と出会う数年前から病に侵されておるのだ」

 一瞬で想像がついた最悪の内の1つがものの見事に命中した。即座に想定できたこととは言え嫌な気分になる。

「原因はおおよそ分かって居る。口成の奴が管理して居る白雉島に開いた大穴だ、口成の家の地下にある穴からわずかにガラスの蓋をすり抜けてくる空気か、それともレンズを通して光か、ともあれ得体のしれない何かが溢れてそれを浴びた口成の細胞に、ゆっくりと蠢く腫瘍しゅようを発生させた。
 成長速度から考えるに現状では生まれる寸前の赤子のような化け物を住まわせているような状況だ。この世界の事だ。ただの腫瘍であれば容易に取り除く手段はいくらでもある。
 だがそれはできない。そのゆっくりと変異し腫瘍となったのが、心臓だからな。
 悪意の塊のような物だな。変異して蠢いて肥大化し本人をひどく苦しめるくせして、通常の心臓の役割を成しているために殺しに来ているわけでもない。
 苦しみから解放するために摘出しようものならばそれはもれなく心臓を取り除き入れ替える必要があるが。肥大化した心臓の血管に合わさるように周囲の血管も相応に大きくなっているために要求されるものが増える。対象の身の時間をいくらでも撒き戻すなどの特殊な異能力者が居なければ終わっているな。
 これを数年前からだ。この苦しみに耐えながら穴に近づく事無く観測する方法を探し。自身の命尽きる時を察して孤児を養子として引き取り跡継ぎにしようかと考えていた頃に。事件が起き、貴様の存在を知った。博人は帰ることはできない、口成は時間が無い。巡りあわせだと思っただろうな」

 天月博人は息が詰まるような胸の痛みを感じる。天月口成の想いを汲みたくはあるが、それと同時にレジスタンスに、ロロ=イアに、世界の消滅に立ち向かおうとする仲間たちに寄り添えないのが同じくらいに心苦しい。

「……情に訴えかける選択は好きじゃあ、ないです」

「そんなもの好きな奴はネジ曲がってると断言してやる。それで、私が与えられる選択肢は与えた。今ここで選ぶか? それとも後日にして、私は貴様故郷に帰りたがっている仲間の……7人くらいか、それくらいの人数を連れて帰るか?」

 天月博人はうつむき、だんだんと難しい顔になって頭を考えそして「白雉島の主となった後、こちらに顔を出す事は?」と判断材料を求めた。すると五条琉衣子は特に渋る訳でもなく「週末の休日を返上するようなものだが。休日であれば問題はない。それとついでだ。適当な通信機器で連絡をするのならその辺は制限はないことも頭の片隅に置いておくといい」と差し出す。それでも少し悩んで「分かりました。ジブンは父上の後を継ぎます。ですが暫くはこちらで過ごさせてください」と答えを出すのだった。

「うむ、わかった。そう手続きしておいてやる。仲間との時間、大事にするがいい」

 こうして五条琉衣子との語り合いは終わる。五条琉衣子が数人を連れて慶雲島に帰還した後。気を沈ませている天月博人に楽善二治が歩み寄る。

「……皆と離れたくないです。ジブンが居ない間に誰かが居なくなるかもしれない。そう考えると怖くて仕方が無いんです」

 天月博人はそれを感じ取り、胸に潜めようと必死に抑え込んでいた。子供のような思いを漏らすと。楽善二治は隣に座って「博人君。約束しましょう。この世界の性質上私たちに何かある事は無いと強気な事は決して言えませんが。何があっても、私たちレジスタンスは君と共にある。たとえ離れ離れになろうと。二度と会うことが出来なくなろうと」と頼りない体を張って胸を叩き「鉄田さんの様に、此処に居ますから」と、ある種の誓いをここに成すのだった。
 


「別れは済ませたか?」
 
 プレジャーボートに乗り込んで、天月博人は島の縁に集まった仲間達を見る。別れを惜しんで泣く子供達や、心配そうな様子の大人達が移り。後ろ髪を引かれる様な胸を締め付ける思いに駆られるが、もう自分で決めた事だ。よっぽどが無い限り取りやめるつもりはない。
 
「はい。昨日十分に」

 だから、天月博人は手を振って「白雉縞から必ず力になるから! またここへ戻ってくるから」と言って離れゆくレジスタンスの仲間たちと別れた。

 五条琉衣子との河合の中で自身がこの蝉が歌う暑さを越えた先の秋に16歳を迎えることを知りつつ、ロロ=イアとおよそ3年近く闘っていたのかと口にしたことから始まって、五条琉衣子にロロ=イアとの闘いの軌跡きせきを話していく。
 そして何時の間にか、波から線路へと道が変われど揺れる乗り物に移り変わり、意識が浮いては沈んではを繰り返して微睡んで。耐え切れずにふと眠っていた。

「私が知る貴様の顔はこれほど綺麗なものではなかった。眉の上、額に在った傷は。貴様の能力の特性上消え去っているか」
『うん、お腹に在った傷も。勉強を頑張って薄っすらできていた隈も。何もかも、ヒロが頑張っていた証拠が無くなっちゃったんだよ』

「そうか……この世界は理不尽だな」
「……そうだね」

 電車の窓の凹凸おうとつに頭を引っ掛けて眠っている天月博人の姿を眺める五条琉衣子は、まともな刃物で切られていない天月博人の紙を撫でる「そんな世界だとわかる場所で、よく頑張った」と褒めた。すると天月博人はそれに反応するように、「母ちゃん」と口にしながら五条琉衣子の手を取って抱えた。

「……何だこれは」
『ヒロって寝てるとき、抱き枕を求める癖があるんだよ。言わないで上げてね本人気にしてない風だけど恥ずかしがってるから』

「なるほど……存外可愛らしい所もあるのか」
『ほんと。言わないで上げてほしいんだよ? ましてやそれで弄るのはモット止めてほしいんだよ?』

「そんなことせんわ。まったく、私を何だと……」



 自身の恥かしく思っている一面がみられているとも知らないまま、気が付けば車に乗っていた。

「気が付いたか、もう直ぐ口成の家、貴様の家が見えるぞ」

 懐かしい光景が車の窓越しに見えた。そして五条琉衣子の言う通り。ほどなくして見覚えのある家へとたどり着き。自身が知る姿よりも年老いた執事の寄野圭に驚かれながら、中へと通され、あっという間に天月口成の部屋へとたどり着く。天月博人は息を飲んで扉を開くとそこには、力なく横たわっている老人、天月口成が居た。
 天月口成は天月博人をしばらく見つめ、少し複雑そうな顔をした後。「おかえり博人。我が息子よ。大きくなったのう」と、笑って天月博人を受け入れたのだった。
「」
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