自己犠牲者と混ざる世界

二職三名人

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8-2 :何度繰り返しても歩みは止めない

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 アンナ・レインが3度通り過ぎた筈の日々の中に居る天月博人に関する記憶を思い出して、ループに気が付いた。
 脳内でまとめていた状況の認識を改め、今後をどう動けばいいのかを考えながらアンナ・レインと対話する。

「どうしてこんなことになって居るんだろうね……」
「俺もよくわからない」

 アンナ・レインは状況に心当たりはないそうだ。

「そっかぁ、君もよくわからないんだ。2回目も3回目もポーレットお姉さまやミランダお姉さまと違ってデイヴィだけ全然違う動きをしてたから。先にこの状況に気が付いて、何か知ってるかもって思ったけど……うん、仕方がないよね!」
「あ、あはは……役立たずだね俺」

「ううん、私は役に立つ役に立たないは気にしないよ。状況がよくわからなすぎるから仕方ないと思うしね。むしろそこに私が加わって2人で協力して、なんかよくわからない急に生えた未知の壁を乗り越えるなんて言う、姉と弟、2人の絆が試されそうな私にはうれしい展開がーなんて期待しちゃったりなんてして。
 …………あー言ってたら辛くなってきちゃった。家族の絆とか仲の良さが先に進むとか言っちゃってね。馬鹿みたい。君はもう、私の弟分じゃないのに」

 アンナ・レインのその言葉に、天月博人はなんの驚きもなかった。
 天月博人の状況認識が間違っていたが為に通り過ぎるはずだった過去の行動から、気がつける要素はいくつもあったからだ。だが、参考までに「いつから気がついていました?」と尋ねてみる。

「3回目の昨日、突然いなくなった時にね。私たちの探知にも引っかからなかったから、洗脳が溶けて逃げちゃったのかなって。そう、思ったんだぁ」
「そっか」

「2つくらい……聞いていい?」
「勿論、いいよ」

「君は……いつから君に戻ったの?」
「何というか、奇遇なことに最初の今日の時かな」

 変に疑われそうだなぁとか、あの時は暫くデーヴィッド として過ごそうかと思ったが、ニコと連絡が取れたので即刻イギリスを出たっけ何て思いながら天月博人は答えた。

「ふーん……じゃあ次の質問、君は私たちの敵なの?」

 悲しそうな、何処と無く嫌そうな顔でそう尋ねながら。胸ポケットに入れた菱形ひしがたのルビーのようなものが表紙の真ん中に装飾された、メモ帳ほどの小さな本を片手で開き、もう片方の手のひらを上むきにして天月博人に向かって突き出す。すると手のひら一杯に炎、と言うよりもその緩さから火と言える熱いものを出現させる。
 きっと天月博人は現在、異能力者に能力を向けられている。一般的にわかりやすく例えるのなら、銃口を向けられているようなものなのだろう。
 だが幾つもの死を体験した天月博人にとって、死に至ると思われる攻撃は辛く苦しく慣れることのないものだけれど。自己愛というものが欠落でもしているのか、自身が苦しむ事なんてどうでも良いと、大切なものが傷つくよりは遥かに上等だと、いつしか行き着いてしまっていた彼にとっては、大切なものに向けられさえしなければ恐るにたり得ない状況であった。

「敵……ではあると思います」
「そう……思います? 何か歯切れが悪いよ」

「はい、ジブンでもそう思います。でも、ジブンにはもう貴女達を倒す事は出来ない。攻撃をしようなんて意思も湧かない。
 むしろジブンの仲間が貴女達を攻撃を仕掛けるのならきっとジブンは止めてしまう。貴女達が危険に合えば何とかして助けたく思ってしまうでしょう」

 え? 何で? と言いたげな表情のアンナ・レインが尋ねるよりも前に言葉を続ける。

 何故ならば、ほんの少しだけ、ほんのひと時だけど貴女達の家族として過ごしたデーヴィッド ・レインは確かに存在して居て、未だにここに居ると自身の胸を叩き。
 「ここに居るんだから、デーヴィッド ・レインは確かにオレなんだ。
 家族の敵になりたくないって想うのは当然だろ?」と、敵としてあるべき相手にふとしたきっかけで甘くなってしまう自身に(洗脳して家族として扱われたら簡単に懐柔されるとはカガミナイトのリーダーとして情けないな……でもなぁ、相当な仕打ちが無いとジブンの在り様的に攻撃するのすっごい躊躇うしなぁ)と自嘲じちょう混じりに笑いながらそう言った。

「君は……君って子は」

 火を握り消して震えるアンナ・レイン。どんな反応が返ってくるのだろうと身構えていると。バッと彼女は天月博人に飛びかかり、年下、と言うよりも犬や猫にするそれの様に撫でじゃくる。

「デーヴィッド は良い子だなぁ。弟にしてよかったあ!」
「わっ、ちょっやめ!」

「そう言って自分から引き剥がそうとしないのいじらしいなぁ、可愛いいなぁああ」
「熱い!? アンナ姉ちゃん熱いって!」

 アンナ・レインの中で、天月博人がデーヴィッド ・レインになった様だ。
 この可愛がりの方向性的に屋宮亜里沙と同じものを感じる。彼方は母役でこちらは姉役だが。
 それにしても、火の異能力者だからだろうか、いつ密着されてもアンナ・レインの体は熱い。

「ムフ~。お代わり」
「アンナお姉ちゃん。時間的猶予が無くなるから満足して……お代わりやめて」

「えー……なんてね。アハハ。でも残りの時間でどうするの? 私から現状打破をするものを見出そうとしたみたいだけれど、私は心当たりも何もないよ?」
「そうなんですよねぇ……今回の動きってオレが、この現象が自身を対象にしたものではないのと、誰かと長い時間過ごせば記憶が戻る事を知ったのと、アンナ姉ちゃんがよっぽどのことがない限りオレが敵対できなくなったって言う、口で言っててあれ? 知られたら危険じゃないかなと思うような事を知った事ぐらいですからね。
 かと言って次の週にやろうと思っている事を先んじてやっても一周しますから意味は薄いでしょうし」

「うーん……ねぇ次の週って何をするの?」
「え? あぁ、今週のアンナ姉ちゃんの様に、今度はミランダさんと関わってみようかと。その次の週でポーレットさんですね」

 アンナ・レインはそれを聴くと「そっかぁ、暫くはデイヴィと一緒に居られないんだぁ。寂しいなぁ」何て、呑気そうに、それでいて天月博人が何かしなければ記憶を甦らせることができない事に気がついているような発言をする。

「そうだ! お互いの昔話をしようよ昔話! もうやることが無いんだし、お互いが言えると思った範囲ならいいでしょ? どう? どう? いい時間つぶしになると思うんだぁ」

 暫くして状況の打開策は見つけようが無いし、異能の事を細かく尋ねようにも尋ね返されたら面倒だしで手詰まりになったのに気がつき始めると、アンナ・レインが昔話をしようと提案する。
 ふと与神の血族やカガミナイト関連以外で振り返って、人生のどこを切り取ってもそこまで面白いと思える人生を送っていない事に気がつき、少々暗い気持ちになる。

「あっデイヴィじゃなくて君の昔話をしてよ?」
「そんな事、釘を刺さなくてもわかってるよ。……そうだね、アレは9歳の時の夏頃かな、友人の家が持ってる山を持って居てね、オレは友人と一緒にその山に入って、山の幸を頂きに行くんだけど。
 その時、山に住む毛色が金色な、普通のニホンザルとは違う猿たちがオレと友人を吊り上げる罠に嵌めてさ、そのまま縛られて半日くらいかな? 担がれて運ばれた場所は知らない山の奥で解放されたんだ。
 すると猿達は一仕事終えたみたいにそそくさと立ち去ってね。強制的にオレと友人の大冒険が始まったんだよ───」

 自身の思い出の中から、まだ楽しめそうな話を語る。日本列島にいた頃に体験した。友人の家の当主と猿の悪ノリが生んだ9歳の自身にとって壮大すぎた大冒険の話を。



 
 天月博人が語り終わり、アンナ・レインの番が回る。
 
「よぉし、私の番だね! アレは3年前の事なんだけど───」


 私は生まれる前、外では兄弟姉妹たちが次々と生まれて行った。
 私は今か今かと生まれるのが待ち遠しかったが、漸く生まれた頃には周りの兄弟姉妹たちは私が生まれる何か月も前には生まれていた。
 その時、私には名前がなかった。他の兄弟姉妹達は名前が与えられて居て楽しみにして居たのに、私だけ与えられることはなかった。
 疑問に思って兄弟であるはずの男に尋ねてみると「お前だけ安パイな方法で生まれた。一部が駄目だった時の予備何だよ。でも全員、無事に、それでいて狙い通りの状態で生まれたから、お前は要らない子なんだ。だから名前を与えられる価値もないんだ。被験体かお手伝いさんとして使い捨てられるんだよ」と言われた。予備ってどう言うことかイマイチわからないけれど、私は要らない子らしい。
 誰にも、何も教えられることもなく言葉を聞いてはまねして覚える日々。ある日私は、怒鳴り声を聞いた。とある兄弟が小さな本に触れたら燃えて炭になったようで「何故適正じゃないんだ!」とお父様が怒って居た。お父様は怒りながらタバコというものを吸いに少し離れたので、その間に小さな本に近づく、その時の私はどうして兄弟が燃えたのか何の疑問も持たず好奇心のままに本を手に取る。
 本は、何書いてあるかはわからないけど、どう使うのかは触れた瞬時に分かった。
 でも使う前に大人の人に見つかって凄く怒られて冷たい部屋で出る事も出来ずに一人ぼっちになってしまった。 


 何をすることもままならぬ日々を無為に過ごしていると、部屋の扉を開けて私を部屋の外に連れ出してくれた人が2人いる。それが第一世代のポーレッドお姉さまと第二世代のミランダお姉さまだった。 
 何でも私はあの本の適性があるのだとか。はっきり言って何を言っているのかはよく理解できなかったけれど、その後、私は3冊目の本の適性者として価値を見出され、やっと名前を貰った。

 これが私達“3姉妹”の始まりで、だれかと一緒に居られるようになって嬉しかったのを覚えている。
 お姉さま達からは色んなことを教えてもらった。言葉の意味は遊び方、戦い方とか兎に角いろんな事を。

 何も教えられてこなかった私にはとても暖かくて、冷たい床で育った私には嬉しくて、父様に産んでもらった恩よりも私はお姉さま達に暖かく育てられた恩の方が大事で……いつか私より下の子が出来たら温かく育ててお返しに温かい気持ちにさせてもらうのが夢になった。

「こうやって私達姉妹は家族になったんだぁ。それとね、アンナって名前は2つ目の名前なんだよ! 良いでしょぉ」 
「そ、そうだね」

 天月博人は顔をひきつらせる。コレは果たしてロロ=イア的に言って良かった事なのだろうかと。アンナ・レインは上層部的な何かの指示で消されないのかと。と言うか多分アンナ姉ちゃん、年下だよね。あの世の血の繋がらない年下の兄さん2人と血を分けてもらった父さんへ、オレ、年下の姉ちゃんできたよ。ところでアンナ姉ちゃんはもしかしたら頭があんな姉ちゃんなのでは? と割と最低な日本語の親父ギャグに混乱しながら行き着いて居た。

「タダイマー」

 アンナ・レインが「そろそろミランダお姉さまが帰ってくる。ミランダお姉さまとポーレットお姉さまと一緒にいるのが終わったらまた私と一緒に居てね。
 そうしたら特別に……1つ目の名前を教えてあげるからね」と言って、天月博人が(多分、1つ目の名前はニコがスッパ抜いたやつなんだろうから知ってるようなもんなんだけどなぁ)なんて思いながら乾いた笑みで返事をしている中で、ミランダが昨日と同様に目を回した様子で帰って来た。そろそろ、今日も終わる。


「アンナ! 調子はどうなんだい?」
「あっ、うん! バッチリだよ!」

「なら良かったさね、それじゃあ今日も行くよ」
「はーい」

 そして何時もの夜遅くのお出かけにアンナ・レインとポーレット・レインが赴く。

「昨日も言ったけど。やめた方がいいよ」

 ミランダ・レインが忠告する。だけれどアンナ・レインと即刻戦闘になることはないとは思う。ポーレット・レインが仕掛けて来ても、アンナ・レインに助けを乞えば何とか収まるかもしれないと高を括って、アンナ・レインの後を追いかけていく。


 アンナ・レイン達を見送った方角に突き進んでいると。冷たい霧が発生している場所に踏み入れる。
 寒くなってきたな、アンナ姉ちゃんとポーレットさんは何処にいるのだろうと呑気に足を踏み入れ続けていると。

「やめてポーレットお姉さま!」

 とアンナ・レインの叫び声が木霊こだました、次の瞬間。
 頭上から大量の氷柱が降り注ぎ、天月博人は(ポーレットは氷かなー)何て思いながら生き絶えた。



 ハッと目がさめる。そこはレイン家の寝室で、ミランダ・レインの携帯端末を見ると、昨日の朝に戻って居た。
 死んで甦る前に、ループしたようだ。
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