197 / 976
意外な形で宝と呼ばれる物達 1
しおりを挟む
お披露目の長い昼食は日が傾きだした所で第一回目が終了となった。
この後は飯田さんのご両親と弟さんのように帰る方が半分ほど、圭斗の家にお泊りする予定の人、西野さん一家は長沢さんの家で泊まってから帰る人もいるし、高校生のバイトもたんまりともらったバイト料と飯田さんが追加した特別メニューに山に向かって吠えながら食べる様子は沢山の人の笑いを誘う結果となった。
その頃には上品なお客しか相手にしてこなかった弟さんもあまり年が離れてない高校生相手の世話にやんちゃな弟を躾けるかのように小言を言いながら給仕をする様子を飯田家のお三方は微笑ましく見守っていて、案外こう言った成長を期待していたのではと思うのだった。
お昼で粗方おなか一杯になった所で先生が第二種電気工事士の実技に向けて特別授業を開いてくれた。必須工具も用意したので初めての人には試験用工具キットで対応してもらう。山川さんの奥さんのように他に伝手がある人は今回は不参加でお願いして、まったくの初心者様の対策を集中に行うのだった。
因みに高校生チームは学校の部活の時間にやっているので復讐も兼ねてお手伝い役になってもらっている。
嬉しい事に俺の自作のテキストが役に立ってか皆さん筆記試験を突破してくれた。中には夜に英会話教室じゃないけど画面越しに受験生の如く家庭教師をした人もいる。高校にもいかずに大工一筋のヤンキー系兄ちゃんだけど、既に二度離婚して三度目の相手でやっと子供をもうける事になったと言う。少しでも子供の為にと一念発起して勉強を始めたと言うのだけど、中学の時には先生に見放されるくらいの素行は既に問題の漢字が読めないレベル。手に職があるとはいえ、資格がどれだけ重要視されるか何度も悔しい思いをかみしめていただけになりふり構わずに俺に頭を下げて家庭教師を願い出たのだった。
俺はとにかくまずどこまで出来るのかを調べて、めんどくさいけど問題用紙に全部ルビを振った物を作ると言う傑作を作り、それを基本に勉強を教えるのだった。
漢字が読めないのでは丸暗記も難しい。文字を映像として記憶する特技があれば問題がないのだろうが、彼には出来ないみたいなので平仮名と漢字を関連付けて覚えてもらうしかないと反復学習で乗り切ってもらう事になった。ありがたい事にマークシートなので漢字が書けなくても問題はないし、文字書き計算は苦手でも図面を見るのは得意なこの人はこの業界でもこの手の人は多いのでそこは頭でうんちくを覚えるよりも体で覚えてもらい、問題なく出来てしまったのはどうなのだろうかと思うが一応摺合せをして置く時間を作るのだった。
あとは練習セットで繰り返し練習をし、コツを掴ませている間にすっかりと夜になってしまっていた。勿論この人以外にも何人も真剣に取り組んでる方が居て、ここぞとばかりにテストが終わってもよくわからなかったオームの法則の勉強まで取り組む人もいた。
みんなまじめだなと、ここに残る人の為に晩御飯に取り掛かる飯田さんはニマニマと新しいキッチンで今時手に入らない一枚板のまな板で野菜を刻んでいるのをお父さんは最後まで羨ましそうな目で眺めてから去っていった。
そして明日は井上さんが中心となる茅葺屋根の素材集め。ススキ畑の刈り取りと言う大イベントが待っているのだ。目の前の段々畑の一番下の所で立ち枯れしているススキを刈り取り、束ねて今手がけている茅葺屋根の材料にと意気込んで乗り込んできた。勿論今一生懸命勉強している方も刈り取り要因で、そんな彼らの為に俺は大和さんに頼んで何年も動かしてないトラクターのメンテナンスをお願いしておいた。
「米じゃないんだから」
苦笑しながらでも、そうたいした広さのない畑だ。やれるだろうと言って準備はしてくれたので明日が天気な事を願うだけだ。
そしてなぜか波瑠さん達も泊まっていく事になった。
「古民家サイコー!!!」
そう言ったのは波瑠さんではなく多紀さん。母屋にあげた途端ぶっ壊れ気味に人のカメラを取り上げたまま撮影しまくっていた。
ふふふ、長沢さんの美技に見ほれるがよい。
襖と障子を全部張り替えてもらって約五十万の追加には笑ったけど、襖一枚一万円か?仏間は一つ格式高く手漉きの和紙で仕上げたとか、金具はすべて取り換えてくれたし長い間に湿度と雪の重さで生まれた歪みも直してくれたし、障子の桟の壊れた所を直してくれたり、割れてテープで止めていたガラスも入れ替えてくれたり、何か覚えのない飾りがついているけどそこは本職の遊び心としてありがたく愛でておきます。ありがとうございます!なんてやけっぱちになるのは仕方がないだろう。
ではなく多紀さんだ。
あなた今映画の撮影がおしてるのでは?と不安になる物の、何故かロケハンの人達が荷物を持ってやってきて打ち合わせを始めると言う光景は母屋の囲炉裏を囲んで何やら話し合いを始めて帰れとは言いにくい空気を醸し出していた。
多紀さん達には晩御飯を用意しただけで人数分の布団を部屋の片隅に置いて後はノータッチにして宿泊組は母屋の台所側と旧家の離れで雑魚寝をしてもらう。合宿場と使われていたので布団は十分にあるし、余っていた布団をいただいたりしたので十分に行き渡る数は用意できている。大工一行の皆さんはキッチンの窯オーブンの予熱と土間の長火鉢で二次会は盛り上がりに盛り上がって布団は必要がない様子だった。
そんな夜に酔いつぶれて転がるみんなを無視して飯田さんが朝ごはんを用意して帰路へ着く準備をしていた。
最後にと五右衛門風呂でさっぱりとした飯田さんは満足げな顔で俺を見て
「本当にありがとうございます。俺の為にこんな立派なキッチンを作ってもらって。しかも母屋の竈もこんなにも堪能させてもらって本当になんて言って感謝をすればいいか」
ありがとうと言う様に握手を求められて手を握り返す。
「綾人さんの葛藤は知ってました。綾人さんが寂しがり屋で、踏ん張ってここに居る事も知っていて、黙って見守ってきました」
案外顔に出やすかったんだなと自分の自己評価を改めなくてはと反省。と言うか昨日のあれが今になって恥ずかしさが押し寄せてきて顔を上げれないくらいに照れてしまった。
「だけど、一年、二年と通ううちにだんだん苦しげな顔がなくなり、最初こそ俺の方も青山に言われて通っていたのも半分ありましたが、今では既にここも俺の実家となっています。これからどれだけ包丁を握る事が出来るか判りませんが、いつか店を去る時が来た時は本気で住み付こうと思いますので、ここは絶対残してください」
「その頃まで熊に負けてなければいつでもお待ちしてます」
笑いながら何十年先の約束をする。まるでこの友情が永遠だと言わんばかりの内容はこそばゆく、おもばゆく。
何の確約もない約束なのにと思うけど、心だけでも片隅に置いてもらえればそれ以上の贅沢はないのではと思う。
「ではまた来週からはいつもの通りに来ます」
「はい。お待ちしてます。そして青山さんにもありがとうございましたとお伝えください」
「それはこちらもです」
言えばしっかりと松茸が入った籠を持って笑う姿にお昼の賄も楽しみですと無敵に笑う飯田さんはこれから帰って一休みしてまた仕事に取り掛かるバケモノ体力の持ち主だと言う事を改めて思い知るのだった。
少し朝が遅くなってまだ真っ暗な山道を遠ざかるテールランプを見送り家に戻ればそこにはタイミングを見計らったような先生がおふろセットを持って立っていた。
「シェフは帰ったのか?」
「また今夜に向けて仕込があるそうなので」
「まじめだなあ」
「そう言う先生は?」
「飯はまだだろ?なら先に酒を抜くためにお風呂に。そして明日は休みなのでのんびり皆さんに付き合うよ」
ふらりふらりとまだ眠そうにあくびを零しながら五右衛門風呂に向かう背中を見送るのだった。
この後は飯田さんのご両親と弟さんのように帰る方が半分ほど、圭斗の家にお泊りする予定の人、西野さん一家は長沢さんの家で泊まってから帰る人もいるし、高校生のバイトもたんまりともらったバイト料と飯田さんが追加した特別メニューに山に向かって吠えながら食べる様子は沢山の人の笑いを誘う結果となった。
その頃には上品なお客しか相手にしてこなかった弟さんもあまり年が離れてない高校生相手の世話にやんちゃな弟を躾けるかのように小言を言いながら給仕をする様子を飯田家のお三方は微笑ましく見守っていて、案外こう言った成長を期待していたのではと思うのだった。
お昼で粗方おなか一杯になった所で先生が第二種電気工事士の実技に向けて特別授業を開いてくれた。必須工具も用意したので初めての人には試験用工具キットで対応してもらう。山川さんの奥さんのように他に伝手がある人は今回は不参加でお願いして、まったくの初心者様の対策を集中に行うのだった。
因みに高校生チームは学校の部活の時間にやっているので復讐も兼ねてお手伝い役になってもらっている。
嬉しい事に俺の自作のテキストが役に立ってか皆さん筆記試験を突破してくれた。中には夜に英会話教室じゃないけど画面越しに受験生の如く家庭教師をした人もいる。高校にもいかずに大工一筋のヤンキー系兄ちゃんだけど、既に二度離婚して三度目の相手でやっと子供をもうける事になったと言う。少しでも子供の為にと一念発起して勉強を始めたと言うのだけど、中学の時には先生に見放されるくらいの素行は既に問題の漢字が読めないレベル。手に職があるとはいえ、資格がどれだけ重要視されるか何度も悔しい思いをかみしめていただけになりふり構わずに俺に頭を下げて家庭教師を願い出たのだった。
俺はとにかくまずどこまで出来るのかを調べて、めんどくさいけど問題用紙に全部ルビを振った物を作ると言う傑作を作り、それを基本に勉強を教えるのだった。
漢字が読めないのでは丸暗記も難しい。文字を映像として記憶する特技があれば問題がないのだろうが、彼には出来ないみたいなので平仮名と漢字を関連付けて覚えてもらうしかないと反復学習で乗り切ってもらう事になった。ありがたい事にマークシートなので漢字が書けなくても問題はないし、文字書き計算は苦手でも図面を見るのは得意なこの人はこの業界でもこの手の人は多いのでそこは頭でうんちくを覚えるよりも体で覚えてもらい、問題なく出来てしまったのはどうなのだろうかと思うが一応摺合せをして置く時間を作るのだった。
あとは練習セットで繰り返し練習をし、コツを掴ませている間にすっかりと夜になってしまっていた。勿論この人以外にも何人も真剣に取り組んでる方が居て、ここぞとばかりにテストが終わってもよくわからなかったオームの法則の勉強まで取り組む人もいた。
みんなまじめだなと、ここに残る人の為に晩御飯に取り掛かる飯田さんはニマニマと新しいキッチンで今時手に入らない一枚板のまな板で野菜を刻んでいるのをお父さんは最後まで羨ましそうな目で眺めてから去っていった。
そして明日は井上さんが中心となる茅葺屋根の素材集め。ススキ畑の刈り取りと言う大イベントが待っているのだ。目の前の段々畑の一番下の所で立ち枯れしているススキを刈り取り、束ねて今手がけている茅葺屋根の材料にと意気込んで乗り込んできた。勿論今一生懸命勉強している方も刈り取り要因で、そんな彼らの為に俺は大和さんに頼んで何年も動かしてないトラクターのメンテナンスをお願いしておいた。
「米じゃないんだから」
苦笑しながらでも、そうたいした広さのない畑だ。やれるだろうと言って準備はしてくれたので明日が天気な事を願うだけだ。
そしてなぜか波瑠さん達も泊まっていく事になった。
「古民家サイコー!!!」
そう言ったのは波瑠さんではなく多紀さん。母屋にあげた途端ぶっ壊れ気味に人のカメラを取り上げたまま撮影しまくっていた。
ふふふ、長沢さんの美技に見ほれるがよい。
襖と障子を全部張り替えてもらって約五十万の追加には笑ったけど、襖一枚一万円か?仏間は一つ格式高く手漉きの和紙で仕上げたとか、金具はすべて取り換えてくれたし長い間に湿度と雪の重さで生まれた歪みも直してくれたし、障子の桟の壊れた所を直してくれたり、割れてテープで止めていたガラスも入れ替えてくれたり、何か覚えのない飾りがついているけどそこは本職の遊び心としてありがたく愛でておきます。ありがとうございます!なんてやけっぱちになるのは仕方がないだろう。
ではなく多紀さんだ。
あなた今映画の撮影がおしてるのでは?と不安になる物の、何故かロケハンの人達が荷物を持ってやってきて打ち合わせを始めると言う光景は母屋の囲炉裏を囲んで何やら話し合いを始めて帰れとは言いにくい空気を醸し出していた。
多紀さん達には晩御飯を用意しただけで人数分の布団を部屋の片隅に置いて後はノータッチにして宿泊組は母屋の台所側と旧家の離れで雑魚寝をしてもらう。合宿場と使われていたので布団は十分にあるし、余っていた布団をいただいたりしたので十分に行き渡る数は用意できている。大工一行の皆さんはキッチンの窯オーブンの予熱と土間の長火鉢で二次会は盛り上がりに盛り上がって布団は必要がない様子だった。
そんな夜に酔いつぶれて転がるみんなを無視して飯田さんが朝ごはんを用意して帰路へ着く準備をしていた。
最後にと五右衛門風呂でさっぱりとした飯田さんは満足げな顔で俺を見て
「本当にありがとうございます。俺の為にこんな立派なキッチンを作ってもらって。しかも母屋の竈もこんなにも堪能させてもらって本当になんて言って感謝をすればいいか」
ありがとうと言う様に握手を求められて手を握り返す。
「綾人さんの葛藤は知ってました。綾人さんが寂しがり屋で、踏ん張ってここに居る事も知っていて、黙って見守ってきました」
案外顔に出やすかったんだなと自分の自己評価を改めなくてはと反省。と言うか昨日のあれが今になって恥ずかしさが押し寄せてきて顔を上げれないくらいに照れてしまった。
「だけど、一年、二年と通ううちにだんだん苦しげな顔がなくなり、最初こそ俺の方も青山に言われて通っていたのも半分ありましたが、今では既にここも俺の実家となっています。これからどれだけ包丁を握る事が出来るか判りませんが、いつか店を去る時が来た時は本気で住み付こうと思いますので、ここは絶対残してください」
「その頃まで熊に負けてなければいつでもお待ちしてます」
笑いながら何十年先の約束をする。まるでこの友情が永遠だと言わんばかりの内容はこそばゆく、おもばゆく。
何の確約もない約束なのにと思うけど、心だけでも片隅に置いてもらえればそれ以上の贅沢はないのではと思う。
「ではまた来週からはいつもの通りに来ます」
「はい。お待ちしてます。そして青山さんにもありがとうございましたとお伝えください」
「それはこちらもです」
言えばしっかりと松茸が入った籠を持って笑う姿にお昼の賄も楽しみですと無敵に笑う飯田さんはこれから帰って一休みしてまた仕事に取り掛かるバケモノ体力の持ち主だと言う事を改めて思い知るのだった。
少し朝が遅くなってまだ真っ暗な山道を遠ざかるテールランプを見送り家に戻ればそこにはタイミングを見計らったような先生がおふろセットを持って立っていた。
「シェフは帰ったのか?」
「また今夜に向けて仕込があるそうなので」
「まじめだなあ」
「そう言う先生は?」
「飯はまだだろ?なら先に酒を抜くためにお風呂に。そして明日は休みなのでのんびり皆さんに付き合うよ」
ふらりふらりとまだ眠そうにあくびを零しながら五右衛門風呂に向かう背中を見送るのだった。
256
あなたにおすすめの小説
初夜に暴言を吐いた夫は後悔し続ける──10年後の償い【完結保証】
星森 永羽
恋愛
王命により、辺境伯ロキアのもとへ嫁いだのは、金髪翠眼の美しき公爵令嬢スフィア。
だが、初夜に彼が告げたのは、愛も権限も与えないという冷酷な宣言だった。噂に踊らされ、彼女を「穢れた花嫁」と罵ったロキア。
しかし、わずか一日でスフィアは姿を消し、教会から届いたのは婚姻無効と慰謝料請求の書状──。
王と公爵の怒りを買ったロキアは、爵位も領地も名誉も奪われ、ただの補佐官として生きることに。
そして十年後、運命のいたずらか、彼は被災地で再びスフィアと出会う。
地位も捨て、娘を抱えて生きる彼女の姿に、ロキアの胸に去来するのは、悔恨と赦しを乞う想い──。
⚠️本作はAIの生成した文章を一部に使用しています。
私と子供より、夫は幼馴染とその子供のほうが大切でした。
小野 まい
恋愛
結婚記念日のディナーに夫のオスカーは現れない。
「マリアが熱を出したらしい」
駆けつけた先で、オスカーがマリアと息子カイルと楽しげに食事をする姿を妻のエリザが目撃する。
「また裏切られた……」
いつも幼馴染を優先するオスカーに、エリザの不満は限界に達していた。
「あなたは家族よりも幼馴染のほうが大事なのね」
離婚する気持ちが固まっていく。
五年後、元夫の後悔が遅すぎる。~娘が「パパ」と呼びそうで困ってます~
放浪人
恋愛
「君との婚姻は無効だ。実家へ帰るがいい」
大聖堂の冷たい石畳の上で、辺境伯ロルフから突然「婚姻は最初から無かった」と宣告された子爵家次女のエリシア。実家にも見放され、身重の体で王都の旧市街へ追放された彼女は、絶望のどん底で愛娘クララを出産する。
生き抜くために針と糸を握ったエリシアは、持ち前の技術で不思議な力を持つ「祝布(しゅくふ)」を織り上げる職人として立ち上がる。施しではなく「仕事」として正当な対価を払い、決して土足で踏み込んでこない救恤院の監督官リュシアンの温かい優しさに触れエリシアは少しずつ人間らしい心と笑顔を取り戻していった。
しかし五年後。辺境を襲った疫病を救うための緊急要請を通じ、エリシアは冷酷だった元夫ロルフと再会してしまう。しかも隣にいる娘の青い瞳は彼と瓜二つだった。
「すまない。私は父としての責任を果たす」
かつての合理主義の塊だった元夫は、自らの過ちを深く悔い、家の権益を捨ててでも母子を守る「強固な盾」になろうとする。娘のクララもまた、危機から救ってくれた彼を「パパ」と呼び始めてしまい……。
だが、どんなに後悔されても、どんなに身を挺して守られても、一度完全に壊された関係が元に戻ることは絶対にない。エリシアが真の伴侶として選ぶのは、凍えた心を溶かし、温かい日常を共に歩んでくれたリュシアンただ一人だった。
これは、全てを奪われた一人の女性が母として力強く成長し誰にも脅かされることのない「本物の家族」と「静かで確かな幸福」を自分の手で選び取るまでの物語。
転生幼子は生きのびたい
えぞぎんぎつね
ファンタジー
大貴族の次男として生まれたノエルは、生後八か月で誘拐されて、凶悪な魔物が跋扈する死の山に捨てられてしまった。
だが、ノエルには前世の記憶がある。それに優れた魔法の才能も。
神獣の猫シルヴァに拾われたノエルは、親を亡くした赤ちゃんの聖獣犬と一緒に、神獣のお乳を飲んで大きくなる。
たくましく育ったノエルはでかい赤ちゃん犬と一緒に、元気に楽しく暮らしていくのだった。
一方、ノエルの生存を信じている両親はノエルを救出するために様々な手段を講じていくのだった。
※ネオページ、カクヨムにも掲載しています
ネグレクトされていた四歳の末娘は、前世の経理知識で実家の横領を見抜き追放されました。これからはもふもふ聖獣と美食巡りの旅に出ます。
旅する書斎(☆ほしい)
ファンタジー
アークライト子爵家の四歳の末娘リリアは、家族から存在しないものとして扱われていた。食事は厨房の残飯、衣服は兄姉のお下がりを更に継ぎ接ぎしたもの。冷たい床で眠る日々の中、彼女は高熱を出したことをきっかけに前世の記憶を取り戻す。
前世の彼女は、ブラック企業で過労死した経理担当のOLだった。
ある日、父の書斎に忍び込んだリリアは、ずさんな管理の家計簿を発見する。前世の知識でそれを読み解くと、父による悪質な横領と、家の財産がすでに破綻寸前であることが判明した。
「この家は、もうすぐ潰れます」
家族会議の場で、リリアはたった四歳とは思えぬ明瞭な口調で破産の事実を突きつける。激昂した父に「疫病神め!」と罵られ家を追い出されたリリアだったが、それは彼女の望むところだった。
手切れ金代わりの銅貨数枚を握りしめ、自由を手に入れたリリア。これからは誰にも縛られず、前世で夢見た美味しいものをたくさん食べる生活を目指す。
ダンジョンを拾ったので、スキル〈ホームセンター〉で好き勝手リフォームします
ランド犬
ファンタジー
異世界に転移した佐々木悠人は、召喚でも勇者でもなかった。ただ迷い込んだ先で見つけたのは、王都を望む郊外にひっそりと口を開けるダンジョン。足を踏み入れた瞬間、発動したスキルは
――〈ホームセンター〉
壁を張り替え、部屋を増やし、畑や牧場、カフェまで作れる不可思議な力だった。
気ままに始めたリフォームは、もふもふなネコミミ獣人の少女との出会いをきっかけに、思わぬ変化を呼び始める。
拡張され続けるダンジョンの先で、悠人が作り上げる“住める迷宮”とは――?
精霊に愛された錬金術師、チートすぎてもはや無敵!?
あーもんど
ファンタジー
精霊の愛し子で、帝国唯一の錬金術師である公爵令嬢プリシラ。
彼女は今日もマイペースに、精霊達と楽しくモノ作りに励む。
ときどき、悪人を断罪したり人々を救ったりしながら。
◆小説家になろう様にて、先行公開中◆
◆三人称視点で本格的に書くのは初めてなので、温かい目で見守っていただけますと幸いです◆
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる