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歴史と共になんてただの腐れ縁だろうがそれでも切っても切り離されない縁は確かにある 4
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お昼は賑やかだった。
午前中一生懸命お母さんと草取りを頑張った子供は離れの長火鉢を囲むようにして賑やかにカレーを食べたり、食べ終われば烏骨鶏に餌をあげたりしてお昼を過ごせばそのまま疲れてお昼寝タイムに入ってしまい、寝かしつけていたお母様方も一部巻き込まれる結果となってしまっていた。
「長距離移動に高山地帯なので無理なさらないでください」
森下さんの奥さんにもし頭が痛かったりしたら軽い高山病なので手持ちの頭痛薬を飲んで離れの二階にも布団が用意してあるので横になってくださいと言っておく。
慣れない酸素の薄さと冬並みの寒さに食後の後片付けをした後は大半の人がグロッキーとなってしまっていた。
昨日も遅くまでお付き合いがあったり気疲れもあるのだろう。戦力としては正直期待してなかったし、草刈り機を持っての作業ではないのだ。ここが限度だなと続きは慣れている高校生達に任せ、寝そびれた人たちはハーブ畑のお世話を買って出てくれたのでお土産にお持ち帰りくださいと時間つぶしの遊び場の提供をした。
若さとこの土地に慣れた高校生は「まったく都会者は」「これだから都会者は」とぼやくもその内容がいかに自虐的なのか聞いてる方が涙をそそるので
「皆さんはボランティアだけど給料もらうお前達は休憩時間終わったんだからちゃっちゃと働け」
そう言って刈ってくれた草をかき集めさせたり、とにかく柵周辺を人が通れるように草を刈れと追い立てる。草を運べば烏骨鶏達に何運んでいるのか見せなさいよと絡まれたり、元馬小屋のゴミ捨て場が解放されていて烏骨鶏達がフィーバーしていた。休みの間はみっちりとここで草を刈る予定なので皆さんの戦力と言うより、お休みなのにこちらで仕事をしていただくご家族に充実した一日を過ごしていただくための休日だと思えばどこにも行けない休みにはならないはずと俺は思う事にしている。
一般企業のようなお盆や正月の長期休暇がない銀行員の子供だった事もあるのでこう言った休みが何であるのか理解できなかった子供時代、そして皆様も天気を伺ってのある種休みの予定が立てづらい職種。纏めて受け入れようと思えばできる場所もあるので使ってもらうのは……離れが出来た時に心に決めたのだ。
出来る限りという俺の手が届く狭い範囲だけど手を差し伸べると。そういう人たちの為の場所なのだとどこまでできるかまだ手探りの段階だけど日頃体験できない経験の提供場所と思えば来て頂けただけでも感謝と言う物だろう。
「さて……」
草刈り部隊も出動したのだ。
振り向けばいつの間にか幸治と先生がマンツーマン。
さすが教師と言うか教え方が丁寧で、高校生じゃなくて小学生の先生になればとつっこむも、小学生の方が保護者が怖くて無理と言う先生は奥様受けはそれなりに良さ気な顔はしている。身内びいきだとしてもだ。
「さて、まずは朝のテストの復習。
高校一年までは授業をちゃんと理解しているみたいだから、二年の後半だな。とりあえずそこから今の所まできっちり覚えなおして三年の一学期が終わる所までざっとやるぞ」
「は?」
そんな疑問を無視されて書く事が出来なかった場所を三人纏めて面倒を見ることにした。
そうなると綾人はノンストップだ。
しかも運悪くそれは数学で、綾人は理数系文系問わないマルチな部分のある綾人の中でも一番の得意分野。苦手の芸術系は致命的なまでにとちゃんと偏っている。ある種羨ましいがそれだけに残念な眼差しを向けられる事は多々あった。
そんな綾人がやる気になった。
どうなるかなんて園田や陸斗、もちろん一番てこずらせた宮下は知っている。
下手に口出しちゃダメな奴だ。
先生はそっと幸治を台所側の部屋に移動させ、宮下は陸斗を台所に呼び、園田がそれを見て慌てて着いて来るのだった。
途端に散らばったその様子と憐れむ視線に何が起きるのかと身構える三人は、その四時間後総てを納得し、反発する気持ちも殺されてただ恐ろしいまでに早く過ぎる時間に余計な考えなんて一切ない時間がノンストップで過ぎたところで休憩となるのだった。
学校や塾でさえ休憩時間を挟むのにここではそれすら許されなかった。口を挟めば置いていかれる空気因みにに休みを要求することができなかった。この状況で寝たのは過去には宮下ただ一人。勇者だと先生が言ったのを今も忘れる事はできなかった。
「俺が三人纏めて面倒見ているんだ、お前ら三人で一人相手しているんだから余裕だろ?」
何とも理解しがたい理論で丸め込まれる間も無く怒涛の問題攻めに世の中逆らってはいけない人がいるんだと諦めるのは過去の生徒の中で誰よりも早かった。
三人とも普通に国語や英語は出来る。小さい頃から塾にはちゃんと行ってるのだろう。元理科部にアルファベットから書き方を学ばせた英語を教えるような難しさはなく、聞けば幼稚園から英語でおなじみの教室を通っていたと言う。やっぱり英語に関してはご家族の意識が大切だよなと自力でこのネット時代で英語を学んだ俺は塾に通った事はなく、ネットの向こうの知らない人間とチャットを交えながら独学で覚えたいい加減さに
「まぁ、ネイティブすぎるけどあってればいいんじゃない?」
先生もお前どれだけスラング使いこなすのと呆れられる程度の会話力だった。
学生という枠を超えてしまえば馬鹿丁寧な日本の英語教育は逆に相手を戸惑わせるだけだけどそれは外人が話す謎なまでの丁寧語とのいい勝負だろう。
フランスに十年近くいた飯田さんも会話何て直感で良いので問題ないですよともっと不安になる言葉を貰うのだった。
まぁ、俺の英語力をお披露目する事もないからいいかと学んだ知識は十分に三人には通じて問題集も難なく教える事が出来た。そして俺の怪しげな英会話力もちゃんと学んでいた三人とも問題なく通じ合っていて、ある種の感動を覚える物の、ここまでできるならと英語は問題なしと無視してやっぱりと言うか何と言うか、数学がネックになっていたのだった。
「三人とも文系なのはよく分かったけどねー」
数学が足を引っ張っているのはどうしようもない。
「社会も問題ないし、理科も問題なし。それで何で数学だけが足を引っ張ってる状態って何だかなー」
公式に当て嵌めれば解けるだろ?
というも、やっぱり展開式が足を引っ張っているのはどんなレベルでも同じなようだ。
「何が問題なんだか」
一つ一つ丁寧に時間をかけて解かせればちゃんと出来ると言うのにと眺めるも
「時間がないと解けないのが問題ないのです」
三人とも問題点は判っているようだ。
だけどそこから進めないようで、時間を設定するとすぐ省略しようと言う様に間違いを発生させるのだった。
ふと思って国語や社会からも時間に対する問題の数を多くしてそれを解かせてみれば案の定
「なるほど、お前らの欠点は時間に気を取られて焦って間違いを起こす、自信のなさだな」
無言になる当たり自覚があるのだろう。
「対策は一つ。反復練習で自信をつけるしかない」
それで何とかなるのならとっくにどうにかなってると言いたい顔に俺はメンドクセーとプライドだけが育った三人を放り出したくなった。
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公開設定間違って二話アップです。疑問に思ったら負け私。
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午前中一生懸命お母さんと草取りを頑張った子供は離れの長火鉢を囲むようにして賑やかにカレーを食べたり、食べ終われば烏骨鶏に餌をあげたりしてお昼を過ごせばそのまま疲れてお昼寝タイムに入ってしまい、寝かしつけていたお母様方も一部巻き込まれる結果となってしまっていた。
「長距離移動に高山地帯なので無理なさらないでください」
森下さんの奥さんにもし頭が痛かったりしたら軽い高山病なので手持ちの頭痛薬を飲んで離れの二階にも布団が用意してあるので横になってくださいと言っておく。
慣れない酸素の薄さと冬並みの寒さに食後の後片付けをした後は大半の人がグロッキーとなってしまっていた。
昨日も遅くまでお付き合いがあったり気疲れもあるのだろう。戦力としては正直期待してなかったし、草刈り機を持っての作業ではないのだ。ここが限度だなと続きは慣れている高校生達に任せ、寝そびれた人たちはハーブ畑のお世話を買って出てくれたのでお土産にお持ち帰りくださいと時間つぶしの遊び場の提供をした。
若さとこの土地に慣れた高校生は「まったく都会者は」「これだから都会者は」とぼやくもその内容がいかに自虐的なのか聞いてる方が涙をそそるので
「皆さんはボランティアだけど給料もらうお前達は休憩時間終わったんだからちゃっちゃと働け」
そう言って刈ってくれた草をかき集めさせたり、とにかく柵周辺を人が通れるように草を刈れと追い立てる。草を運べば烏骨鶏達に何運んでいるのか見せなさいよと絡まれたり、元馬小屋のゴミ捨て場が解放されていて烏骨鶏達がフィーバーしていた。休みの間はみっちりとここで草を刈る予定なので皆さんの戦力と言うより、お休みなのにこちらで仕事をしていただくご家族に充実した一日を過ごしていただくための休日だと思えばどこにも行けない休みにはならないはずと俺は思う事にしている。
一般企業のようなお盆や正月の長期休暇がない銀行員の子供だった事もあるのでこう言った休みが何であるのか理解できなかった子供時代、そして皆様も天気を伺ってのある種休みの予定が立てづらい職種。纏めて受け入れようと思えばできる場所もあるので使ってもらうのは……離れが出来た時に心に決めたのだ。
出来る限りという俺の手が届く狭い範囲だけど手を差し伸べると。そういう人たちの為の場所なのだとどこまでできるかまだ手探りの段階だけど日頃体験できない経験の提供場所と思えば来て頂けただけでも感謝と言う物だろう。
「さて……」
草刈り部隊も出動したのだ。
振り向けばいつの間にか幸治と先生がマンツーマン。
さすが教師と言うか教え方が丁寧で、高校生じゃなくて小学生の先生になればとつっこむも、小学生の方が保護者が怖くて無理と言う先生は奥様受けはそれなりに良さ気な顔はしている。身内びいきだとしてもだ。
「さて、まずは朝のテストの復習。
高校一年までは授業をちゃんと理解しているみたいだから、二年の後半だな。とりあえずそこから今の所まできっちり覚えなおして三年の一学期が終わる所までざっとやるぞ」
「は?」
そんな疑問を無視されて書く事が出来なかった場所を三人纏めて面倒を見ることにした。
そうなると綾人はノンストップだ。
しかも運悪くそれは数学で、綾人は理数系文系問わないマルチな部分のある綾人の中でも一番の得意分野。苦手の芸術系は致命的なまでにとちゃんと偏っている。ある種羨ましいがそれだけに残念な眼差しを向けられる事は多々あった。
そんな綾人がやる気になった。
どうなるかなんて園田や陸斗、もちろん一番てこずらせた宮下は知っている。
下手に口出しちゃダメな奴だ。
先生はそっと幸治を台所側の部屋に移動させ、宮下は陸斗を台所に呼び、園田がそれを見て慌てて着いて来るのだった。
途端に散らばったその様子と憐れむ視線に何が起きるのかと身構える三人は、その四時間後総てを納得し、反発する気持ちも殺されてただ恐ろしいまでに早く過ぎる時間に余計な考えなんて一切ない時間がノンストップで過ぎたところで休憩となるのだった。
学校や塾でさえ休憩時間を挟むのにここではそれすら許されなかった。口を挟めば置いていかれる空気因みにに休みを要求することができなかった。この状況で寝たのは過去には宮下ただ一人。勇者だと先生が言ったのを今も忘れる事はできなかった。
「俺が三人纏めて面倒見ているんだ、お前ら三人で一人相手しているんだから余裕だろ?」
何とも理解しがたい理論で丸め込まれる間も無く怒涛の問題攻めに世の中逆らってはいけない人がいるんだと諦めるのは過去の生徒の中で誰よりも早かった。
三人とも普通に国語や英語は出来る。小さい頃から塾にはちゃんと行ってるのだろう。元理科部にアルファベットから書き方を学ばせた英語を教えるような難しさはなく、聞けば幼稚園から英語でおなじみの教室を通っていたと言う。やっぱり英語に関してはご家族の意識が大切だよなと自力でこのネット時代で英語を学んだ俺は塾に通った事はなく、ネットの向こうの知らない人間とチャットを交えながら独学で覚えたいい加減さに
「まぁ、ネイティブすぎるけどあってればいいんじゃない?」
先生もお前どれだけスラング使いこなすのと呆れられる程度の会話力だった。
学生という枠を超えてしまえば馬鹿丁寧な日本の英語教育は逆に相手を戸惑わせるだけだけどそれは外人が話す謎なまでの丁寧語とのいい勝負だろう。
フランスに十年近くいた飯田さんも会話何て直感で良いので問題ないですよともっと不安になる言葉を貰うのだった。
まぁ、俺の英語力をお披露目する事もないからいいかと学んだ知識は十分に三人には通じて問題集も難なく教える事が出来た。そして俺の怪しげな英会話力もちゃんと学んでいた三人とも問題なく通じ合っていて、ある種の感動を覚える物の、ここまでできるならと英語は問題なしと無視してやっぱりと言うか何と言うか、数学がネックになっていたのだった。
「三人とも文系なのはよく分かったけどねー」
数学が足を引っ張っているのはどうしようもない。
「社会も問題ないし、理科も問題なし。それで何で数学だけが足を引っ張ってる状態って何だかなー」
公式に当て嵌めれば解けるだろ?
というも、やっぱり展開式が足を引っ張っているのはどんなレベルでも同じなようだ。
「何が問題なんだか」
一つ一つ丁寧に時間をかけて解かせればちゃんと出来ると言うのにと眺めるも
「時間がないと解けないのが問題ないのです」
三人とも問題点は判っているようだ。
だけどそこから進めないようで、時間を設定するとすぐ省略しようと言う様に間違いを発生させるのだった。
ふと思って国語や社会からも時間に対する問題の数を多くしてそれを解かせてみれば案の定
「なるほど、お前らの欠点は時間に気を取られて焦って間違いを起こす、自信のなさだな」
無言になる当たり自覚があるのだろう。
「対策は一つ。反復練習で自信をつけるしかない」
それで何とかなるのならとっくにどうにかなってると言いたい顔に俺はメンドクセーとプライドだけが育った三人を放り出したくなった。
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公開設定間違って二話アップです。疑問に思ったら負け私。
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