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踏み出す為の 6
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「アヤト!君が来る日を首を長くして待ってたぞ!」
「オリオールも元気そうで!
店の評判も聞いてるし、動画の再生回数も想像以上だ!オリオールの評価は世界中の人が認めてくれている証拠だ!」
いかにすごいんだと言う様に褒め称えれば既にお気に入り登録してる人は二十万人をゆうに超えている。凄い勢いだがコメントの大半が本職の人達による手さば きの評価などなど。
だけど今はそんな事を無視する事態に直面している。
ハグっと抱きしめられた俺はオリオールの脂肪に無防備にも顔を埋めてしまい窒息寸前。
なぜにおんにゃのこのおぱーいではなくじーさんの皮下脂肪でカウントダウンを数えなくてはいけないのかと遠くなりかけた意識に
「オリオール、綾人さんが命の危機に……」
「ああ、大丈夫。まだまだ問題ないさ」
飯田に狩猟を教えた狩りの師匠は綾人の命はまだ苦しんでいるだけで問題ないとえげつない事を言う。
飯田は片手を顔にぺたりとおいて「あなたと言う人は」と呻いて
「こんな光景を見たらオリヴィエが悲しみます」
「まったく、私の弟子はなんでこんなにも可愛げがなくなったのだろうな」
「貴方の弟子になった瞬間です。
それよりもお茶の準備をしますね。綾人さん直伝のレモンドリズルケーキです」
「くうっ、時間があればアビーに同じレシピで同じ作り方なのにこんなにも別物になるレモンドリズルケーキを食べさせてあげたい!」
「アヤト止めておきなさい。
イギリス人ならこんなの違うと言うに決まっているから。
こんなぼやけたどっちつかずのケーキなんて食べれたもんじゃないって言うに決まってるから」
思わぬ言葉。
そう言えばフランス人がコーヒーを飲むのはイギリス人が紅茶を飲むからという理由からだと言う本を読んだ覚えがある。
日本人からしたらそれだけ?!
その一言で終わるような驚きだけど、想像もおぼつかない歴史があるのだろうと、学校の教科書にはない歴史に俺はそっと蓋をするのだった、
「それよりも喉乾いたから何か飲みたいー。
この季節ならヴァンショーがいいんだけど明るいからショコラショーで良いよ」
言えば呑み助の二人の目がきらりと光って
「そう言えば今日のランチの果物が残ってましたね」
「ああ、確かオラスの飲みかけのワインがあったな」
ランチの残りはほぼオリヴィエの為のおやつなので問題はないだろうが、オラスのワインは良いのだろうかと思うも二人は果物を一口サイズにどんどん切って行き、オリオールはワインを温めながら砂糖とシナモンを入れて、飯田さんに果物を投入させて温めて行く。
何か言うべきなのだろうが、あまりの良い香りと室内に広がるアルコールに酔ったと言わんばかりに忘れる事にして
「いただきまーす!」
レモンドリズルケーキとヴァンショー。
そこらの店では食べる事の出来ない組み合わせを満足げに食べながら
「そういや昔チョコレートケーキにたっぷりとブランデーの沁み込んだケーキ美味しかった」
お酒とケーキと言う魅惑な組み合わせに小学生の頃バアちゃんからもらいものだと言って食べさせてもらったケーキは恐ろしいほどのアルコールの匂いを孕んでいたが、それ以上に美味しいと思った異国のケーキを思い出して言ってはならない二人の前でポツリとつぶやいた結果は
「どのような形で?」
「丸いケーキだよ。缶に入っていて、どこだったか外国のケーキだった」
「ザッハトルテな感じですか?」
「チョコレートはかかって無かったよ。ただずっしりと重くて子供に食べさせるもんじゃないって言うのは判ったぐらい」
「すみません。
俺では思い出のお味に添えないです」
「べつにいいよ。賞味期限も切れてたし」
バアちゃんの物持ちの良さあるあるは当時小学生の俺ですら諦めてたぐらい。
せめてと言う様にお酒臭くていやだと言う従弟たちが残したケーキを美味しいのにと文句言いながらその日の夕食が食べれなくなるくらい食べていた俺と言う所までが思い出。あの頃の俺は優しかったなと思い出に浸っていれば
「綾人さん!絶対思い出の味を超えて見せます!」
「ええと、飯田さんなら問題なく超えてくれるでしょうから、今日の夕食楽しみにしているのでほどほどでお願いします」
今から作れば明日にはしっかりと良い感じだろうと言うも
「ここはひとつ今夜のデザートからチョコレートケーキを堪能できるようにしますのでお楽しみください!」
「ブラウニーもよろしくお願いします!!!」
とはいうもののこれは何と言う嫌がらせだろうか。
言葉が必至そうに一見聞こえるけど、目は全く必死さはなく、それは料理への情熱よりも俺を心配して真っ先に行動した先生によって強制的にフランス出張させられたための意趣返しと俺は判断した。
相変わらずめんどくさい二人だ。
とは言え計画としては俺が帰国して次に先生に会った時、きっと腹いせに先生に感謝とこの人の仕事のペースを容赦なく狂わせる意味不明な嫌がらせに対する思いをぶつけるまでが飯田さんの思惑。
うん。
乗ってやるよ。
渡仏前の俺のブルー加減に心配してくれたまでは良いけど飯田さんを巻きこんで、かなりの金額で自分の懐を痛めたと言う心配からの優しさと言う攻撃に方向違いだと言う為の俺の反撃。
決してふたりとそれに関る人達の優しさに涙が出そうなのを誤魔化す為の甘えと言うのを気づかないように、感動とかではなくただ普通に素直に喜ぶ事にした。
「オリオールも元気そうで!
店の評判も聞いてるし、動画の再生回数も想像以上だ!オリオールの評価は世界中の人が認めてくれている証拠だ!」
いかにすごいんだと言う様に褒め称えれば既にお気に入り登録してる人は二十万人をゆうに超えている。凄い勢いだがコメントの大半が本職の人達による手さば きの評価などなど。
だけど今はそんな事を無視する事態に直面している。
ハグっと抱きしめられた俺はオリオールの脂肪に無防備にも顔を埋めてしまい窒息寸前。
なぜにおんにゃのこのおぱーいではなくじーさんの皮下脂肪でカウントダウンを数えなくてはいけないのかと遠くなりかけた意識に
「オリオール、綾人さんが命の危機に……」
「ああ、大丈夫。まだまだ問題ないさ」
飯田に狩猟を教えた狩りの師匠は綾人の命はまだ苦しんでいるだけで問題ないとえげつない事を言う。
飯田は片手を顔にぺたりとおいて「あなたと言う人は」と呻いて
「こんな光景を見たらオリヴィエが悲しみます」
「まったく、私の弟子はなんでこんなにも可愛げがなくなったのだろうな」
「貴方の弟子になった瞬間です。
それよりもお茶の準備をしますね。綾人さん直伝のレモンドリズルケーキです」
「くうっ、時間があればアビーに同じレシピで同じ作り方なのにこんなにも別物になるレモンドリズルケーキを食べさせてあげたい!」
「アヤト止めておきなさい。
イギリス人ならこんなの違うと言うに決まっているから。
こんなぼやけたどっちつかずのケーキなんて食べれたもんじゃないって言うに決まってるから」
思わぬ言葉。
そう言えばフランス人がコーヒーを飲むのはイギリス人が紅茶を飲むからという理由からだと言う本を読んだ覚えがある。
日本人からしたらそれだけ?!
その一言で終わるような驚きだけど、想像もおぼつかない歴史があるのだろうと、学校の教科書にはない歴史に俺はそっと蓋をするのだった、
「それよりも喉乾いたから何か飲みたいー。
この季節ならヴァンショーがいいんだけど明るいからショコラショーで良いよ」
言えば呑み助の二人の目がきらりと光って
「そう言えば今日のランチの果物が残ってましたね」
「ああ、確かオラスの飲みかけのワインがあったな」
ランチの残りはほぼオリヴィエの為のおやつなので問題はないだろうが、オラスのワインは良いのだろうかと思うも二人は果物を一口サイズにどんどん切って行き、オリオールはワインを温めながら砂糖とシナモンを入れて、飯田さんに果物を投入させて温めて行く。
何か言うべきなのだろうが、あまりの良い香りと室内に広がるアルコールに酔ったと言わんばかりに忘れる事にして
「いただきまーす!」
レモンドリズルケーキとヴァンショー。
そこらの店では食べる事の出来ない組み合わせを満足げに食べながら
「そういや昔チョコレートケーキにたっぷりとブランデーの沁み込んだケーキ美味しかった」
お酒とケーキと言う魅惑な組み合わせに小学生の頃バアちゃんからもらいものだと言って食べさせてもらったケーキは恐ろしいほどのアルコールの匂いを孕んでいたが、それ以上に美味しいと思った異国のケーキを思い出して言ってはならない二人の前でポツリとつぶやいた結果は
「どのような形で?」
「丸いケーキだよ。缶に入っていて、どこだったか外国のケーキだった」
「ザッハトルテな感じですか?」
「チョコレートはかかって無かったよ。ただずっしりと重くて子供に食べさせるもんじゃないって言うのは判ったぐらい」
「すみません。
俺では思い出のお味に添えないです」
「べつにいいよ。賞味期限も切れてたし」
バアちゃんの物持ちの良さあるあるは当時小学生の俺ですら諦めてたぐらい。
せめてと言う様にお酒臭くていやだと言う従弟たちが残したケーキを美味しいのにと文句言いながらその日の夕食が食べれなくなるくらい食べていた俺と言う所までが思い出。あの頃の俺は優しかったなと思い出に浸っていれば
「綾人さん!絶対思い出の味を超えて見せます!」
「ええと、飯田さんなら問題なく超えてくれるでしょうから、今日の夕食楽しみにしているのでほどほどでお願いします」
今から作れば明日にはしっかりと良い感じだろうと言うも
「ここはひとつ今夜のデザートからチョコレートケーキを堪能できるようにしますのでお楽しみください!」
「ブラウニーもよろしくお願いします!!!」
とはいうもののこれは何と言う嫌がらせだろうか。
言葉が必至そうに一見聞こえるけど、目は全く必死さはなく、それは料理への情熱よりも俺を心配して真っ先に行動した先生によって強制的にフランス出張させられたための意趣返しと俺は判断した。
相変わらずめんどくさい二人だ。
とは言え計画としては俺が帰国して次に先生に会った時、きっと腹いせに先生に感謝とこの人の仕事のペースを容赦なく狂わせる意味不明な嫌がらせに対する思いをぶつけるまでが飯田さんの思惑。
うん。
乗ってやるよ。
渡仏前の俺のブルー加減に心配してくれたまでは良いけど飯田さんを巻きこんで、かなりの金額で自分の懐を痛めたと言う心配からの優しさと言う攻撃に方向違いだと言う為の俺の反撃。
決してふたりとそれに関る人達の優しさに涙が出そうなのを誤魔化す為の甘えと言うのを気づかないように、感動とかではなくただ普通に素直に喜ぶ事にした。
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