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今年もありがたい事にスケジュールがいっぱいになりそうです 5
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とりあえず大和さんに店の前の吉野の農地とされている場所でバラを育てたいからと整地してもらって植えてみるも中々思ったようには育ってくれず先はまだまだ長いようだ。
「鹿が花芽食べるとか、絶滅させたい」
「綾人よ、何を思って物騒な事を言ってる……」
先生に白い目を向けられるもやっと蕾を付けて咲きそうになった花芽を全滅させられたあの悔しさは理解してもらいたい。
「やっぱり柵は必須なんだよな」
「当然でしょ?うちだって蕎麦畑をぐるりと電気柵でくるんでるんだから。バラの棘ぐらいで鹿の奴らが食べないわけないじゃん。花粉だらけの百合だって気にせず食べて行くぜ?」
俺のあの悲しみを知る宮下の呆れた声は確かにそうだけどねと言いたいが
「あずき達だけじゃ鹿はもう警戒しなくなったんだよ。諦めて景観重視は諦めよう?」
「何のために鹿肉食わせてきたんだか……」
決して古くなりかけた奴をジャーキーにして処理してもらったわけじゃないと主張しておく。
「だけど実桜さんの花畑結構いい感じじゃないですか」
山の上の花畑。今年は昨年の枝打ちが良かったのか品よく咲く桜達を生花市場に卸せばシーズンではないだけにそこそこ需要があったらしい。
普通なら先取りを意識する物だが、やはり人気ある物はシーズン以外でもその希少性に需要はあるらしい。
あとネットで少なからずつぼみの状態を予告しながら直接の小口で予約を受け付ければそれなりに常連さんが着いてくれた。どこかの華道教室の人らしいが交配種が氾濫し、目新しい物が増える今となれば今時の華々しい交配種より原種や昔のレトロな交配種を喜んでくれて侘び寂の世界ではそちらを求めてもらう様に購入してもらっている。さすがに見学したいと言われた時はオーナー不在の為にとお断りしたらしいが、それからも何度と無く連絡が来たのでしっかり者の実桜さんは俺に回して来て俺の方から土地柄見学には不向きな地形なのでと断らせてもらった。
与えられた状況でベストを尽くしていたかつての実桜さんではなく、今は人を頼り信頼して任せる事を覚え逞しく育ち、ご近所の奥様を捕まえて出荷作業の手伝いをさせる逞しい奥様になっていた。
最もお寺に集まる奥様達と懇意となりその話題の中からお願いすると言う流れだが……
忘れてはいけない。
その寺に集まる奥様方は檀家さんの奥様と言う名前の元吉野の使用人の奥様方と言う、働き者の集団だと言う事を。
吉野の下の畑を面倒見ていた一団はかつてとった杵柄ではない物の同じ出荷作業をしていただけに手慣れた物で
「この年になってお小遣いが貰えるなんて贅沢だわぁ」
それなりに手伝ってもらえるのでしっかりと収入と支出のバランスが取れるまでになった実桜さんの農園は今の所ベテランの奥様達の支えによって成功している。
たとえ平均年齢七十代後半の職場でも、実桜さんの逞しき作業に姐さんと呼ぶ園芸部はパチンコをきっぱりと止めてしっかりと尊敬と畏怖を持って仕事に打ち込んでいた。
もちろんこの頃には岡野家のリフォームは完成していた。
動画で総てを上げて今は庭の改造に手を入れている。
もちろんメインは何故かビニールハウス生活。
温室なんて立派な物は作れないのでハウスの中でお弁当を食べたり凛ちゃんの三輪車の練習をしたり、おばちゃん達の団欒の場となったりと色々な使い方があってハウス生活楽しそうと謎の好評をいただいている。
とりあえず視聴者も十万近くなり、そこそこの再生回数も上げて十分な収入となって現実の仕事より儲かっていると言っても良い状態はキープできている。
とは言え最近はリフォームがメインとは言えそこそこ仕事の依頼が来るようになって忙しくしているようでなかなか顔を合わす機会もなくなっている。
寂しいとは思うも俺が手を出さなくても何とかなっている様子にホッとしているのは俺よりも社長となった圭斗だろう。
俺が留学を打ち明けた日、宮下と圭斗は先生に呼び出しをくらって俺からの援助が当たり前になっていた状況だった事を説明した。二人と言うより圭斗は唇をかんで悔しそうな顔をしていたらしいが、それは思い違いだと先生が一蹴して甘ったれるのもいい加減にしろと叱ってくれたらしい。
よく考えれば圭斗はいつもお金に関して追い詰められる生活をして来たのだ。それをフォローする俺に警戒しつつもいつの間にか当り前のように享受し、それが普通となっていた事を陸斗が書き残した家計簿で知ってすぐに俺の所に来て例の体を綺麗に三つ折りにする土下座で侘びてくれるのだった。
そうさせたいわけじゃないのにと思うも、圭斗はどうしても自分が許せない。これではあいつらとおんなじだと泣いて謝るから俺は隣に座って
「お互い親に振り回されて大変だよな」
泣き顔で俺を見上げる瞳に
「お前の兄貴捕まったんだってな。聞いたよ。
いつの間にか結婚していた奥さんへの虐待だってな。
あと産みの親達もついでに捕まって、婆さんいつの間にか亡くなってたんだってな。葬式所か連絡もなくって辛かったな」
同じ村に住みながら全く耳に入ってこなかった出来事は集落を中心に村ぐるみで俺達の耳に入らないように隠ぺいされていた出来事だったらしい。
篠田と同じ集落の人は篠田の横暴さに我慢が出来ず、逃げ出そうとした圭斗の兄貴の嫁さんを捕まえて実家に送り届けたと言う。
そこから体中に残る暴力の後から病院で診断書を作ってもらい、火傷の痕や折れた骨の治療、叩かれて耳が聞こえ辛くなったなどなど弁護士を立てての告発。
もちろん乗り込んできた旦那さんに暴力を振られた所で即逮捕。
無事離婚もしたし、慰謝料もがっぽり頂く金額は家を売らなければならないほど。村を出て一時圭斗の所に来たらしいが、当人不在の合間の時に沢村さんに待機してもらっての防衛は警察を召喚して即逮捕という華麗な逮捕劇で幕を下ろすのだった。
まあ、こう言う事になるとは事前に予想していたのでいくつかのシナリオを作って噂を聞いたら沢村さんに動いてもらう様に準備してもらっていたのだが
「ここまで綾人君の予測が嵌ると気持ちが良いですね」
感情を殺した顔で言うのはやめてくださいと目を反らす俺が悪いのかと考えてしまう。この事件が起きて兄貴の元嫁はも度旦那に兄弟がいる事を初めて知り驚く元嫁に沢村さんは篠田に帰る場所を与えないようにと元嫁さんに普通より沢山もぎ取った慰謝料の一部を使ってあの忌々しい篠田の家を更地に戻してもらうのだった。勿論思い出したくもない場所。すぐに行動に出てくれたそうだ。
帰る家も土地もなく、その土地は沢村さんに指示していた通り俺の名義で買い取り圭斗の親父さん達が帰って来る場所を消し去った事までは圭斗にまだ言えてない。
あの土地に未練もない圭斗と陸斗と香奈は一切興味を持たず、俺はその土地を同じ集落の人に無料で貸し与えて農地として使ってもらうのだった。
「綾人よ、そこまでやる必要があったのか?」
先生は難しい顔をして聞くも
「ジイちゃんがの足に対してまだ安いもんだよ」
冬になると痛む足をさする姿、そして昔の傷とは言え何時も足を引きずる歩き方。たまに案内される山を好き勝手に歩けない足に歩け、歩けと命令する様に握り拳を当てる様を綾人は忘れる事が出来なくて、その原因にはどこまでもまだまだ追いつめたいと思う昏い思いは口にしない。
「圭斗に黙ってやったのは悪いとは思うけど、もしあの土地が恋しく思うのならいつだって圭斗の名義に変えるつもりだ」
当然この事はばれて圭斗に問いただされるも、総て包み隠すことなく伝えれば
「あんな嫌な思い出しかない土地なんていらねーよ。俺は今の家があれば十分だ。綾人に借金を早く返して陸斗と香奈と一緒に仕事をする日まで今二人が帰って来る家を守るのが俺の当面の使命だ」
確かにその通りだと逆にあいつらが二度と帰って来れないようにしてくれてありがとうと感謝されるのだった。
「鹿が花芽食べるとか、絶滅させたい」
「綾人よ、何を思って物騒な事を言ってる……」
先生に白い目を向けられるもやっと蕾を付けて咲きそうになった花芽を全滅させられたあの悔しさは理解してもらいたい。
「やっぱり柵は必須なんだよな」
「当然でしょ?うちだって蕎麦畑をぐるりと電気柵でくるんでるんだから。バラの棘ぐらいで鹿の奴らが食べないわけないじゃん。花粉だらけの百合だって気にせず食べて行くぜ?」
俺のあの悲しみを知る宮下の呆れた声は確かにそうだけどねと言いたいが
「あずき達だけじゃ鹿はもう警戒しなくなったんだよ。諦めて景観重視は諦めよう?」
「何のために鹿肉食わせてきたんだか……」
決して古くなりかけた奴をジャーキーにして処理してもらったわけじゃないと主張しておく。
「だけど実桜さんの花畑結構いい感じじゃないですか」
山の上の花畑。今年は昨年の枝打ちが良かったのか品よく咲く桜達を生花市場に卸せばシーズンではないだけにそこそこ需要があったらしい。
普通なら先取りを意識する物だが、やはり人気ある物はシーズン以外でもその希少性に需要はあるらしい。
あとネットで少なからずつぼみの状態を予告しながら直接の小口で予約を受け付ければそれなりに常連さんが着いてくれた。どこかの華道教室の人らしいが交配種が氾濫し、目新しい物が増える今となれば今時の華々しい交配種より原種や昔のレトロな交配種を喜んでくれて侘び寂の世界ではそちらを求めてもらう様に購入してもらっている。さすがに見学したいと言われた時はオーナー不在の為にとお断りしたらしいが、それからも何度と無く連絡が来たのでしっかり者の実桜さんは俺に回して来て俺の方から土地柄見学には不向きな地形なのでと断らせてもらった。
与えられた状況でベストを尽くしていたかつての実桜さんではなく、今は人を頼り信頼して任せる事を覚え逞しく育ち、ご近所の奥様を捕まえて出荷作業の手伝いをさせる逞しい奥様になっていた。
最もお寺に集まる奥様達と懇意となりその話題の中からお願いすると言う流れだが……
忘れてはいけない。
その寺に集まる奥様方は檀家さんの奥様と言う名前の元吉野の使用人の奥様方と言う、働き者の集団だと言う事を。
吉野の下の畑を面倒見ていた一団はかつてとった杵柄ではない物の同じ出荷作業をしていただけに手慣れた物で
「この年になってお小遣いが貰えるなんて贅沢だわぁ」
それなりに手伝ってもらえるのでしっかりと収入と支出のバランスが取れるまでになった実桜さんの農園は今の所ベテランの奥様達の支えによって成功している。
たとえ平均年齢七十代後半の職場でも、実桜さんの逞しき作業に姐さんと呼ぶ園芸部はパチンコをきっぱりと止めてしっかりと尊敬と畏怖を持って仕事に打ち込んでいた。
もちろんこの頃には岡野家のリフォームは完成していた。
動画で総てを上げて今は庭の改造に手を入れている。
もちろんメインは何故かビニールハウス生活。
温室なんて立派な物は作れないのでハウスの中でお弁当を食べたり凛ちゃんの三輪車の練習をしたり、おばちゃん達の団欒の場となったりと色々な使い方があってハウス生活楽しそうと謎の好評をいただいている。
とりあえず視聴者も十万近くなり、そこそこの再生回数も上げて十分な収入となって現実の仕事より儲かっていると言っても良い状態はキープできている。
とは言え最近はリフォームがメインとは言えそこそこ仕事の依頼が来るようになって忙しくしているようでなかなか顔を合わす機会もなくなっている。
寂しいとは思うも俺が手を出さなくても何とかなっている様子にホッとしているのは俺よりも社長となった圭斗だろう。
俺が留学を打ち明けた日、宮下と圭斗は先生に呼び出しをくらって俺からの援助が当たり前になっていた状況だった事を説明した。二人と言うより圭斗は唇をかんで悔しそうな顔をしていたらしいが、それは思い違いだと先生が一蹴して甘ったれるのもいい加減にしろと叱ってくれたらしい。
よく考えれば圭斗はいつもお金に関して追い詰められる生活をして来たのだ。それをフォローする俺に警戒しつつもいつの間にか当り前のように享受し、それが普通となっていた事を陸斗が書き残した家計簿で知ってすぐに俺の所に来て例の体を綺麗に三つ折りにする土下座で侘びてくれるのだった。
そうさせたいわけじゃないのにと思うも、圭斗はどうしても自分が許せない。これではあいつらとおんなじだと泣いて謝るから俺は隣に座って
「お互い親に振り回されて大変だよな」
泣き顔で俺を見上げる瞳に
「お前の兄貴捕まったんだってな。聞いたよ。
いつの間にか結婚していた奥さんへの虐待だってな。
あと産みの親達もついでに捕まって、婆さんいつの間にか亡くなってたんだってな。葬式所か連絡もなくって辛かったな」
同じ村に住みながら全く耳に入ってこなかった出来事は集落を中心に村ぐるみで俺達の耳に入らないように隠ぺいされていた出来事だったらしい。
篠田と同じ集落の人は篠田の横暴さに我慢が出来ず、逃げ出そうとした圭斗の兄貴の嫁さんを捕まえて実家に送り届けたと言う。
そこから体中に残る暴力の後から病院で診断書を作ってもらい、火傷の痕や折れた骨の治療、叩かれて耳が聞こえ辛くなったなどなど弁護士を立てての告発。
もちろん乗り込んできた旦那さんに暴力を振られた所で即逮捕。
無事離婚もしたし、慰謝料もがっぽり頂く金額は家を売らなければならないほど。村を出て一時圭斗の所に来たらしいが、当人不在の合間の時に沢村さんに待機してもらっての防衛は警察を召喚して即逮捕という華麗な逮捕劇で幕を下ろすのだった。
まあ、こう言う事になるとは事前に予想していたのでいくつかのシナリオを作って噂を聞いたら沢村さんに動いてもらう様に準備してもらっていたのだが
「ここまで綾人君の予測が嵌ると気持ちが良いですね」
感情を殺した顔で言うのはやめてくださいと目を反らす俺が悪いのかと考えてしまう。この事件が起きて兄貴の元嫁はも度旦那に兄弟がいる事を初めて知り驚く元嫁に沢村さんは篠田に帰る場所を与えないようにと元嫁さんに普通より沢山もぎ取った慰謝料の一部を使ってあの忌々しい篠田の家を更地に戻してもらうのだった。勿論思い出したくもない場所。すぐに行動に出てくれたそうだ。
帰る家も土地もなく、その土地は沢村さんに指示していた通り俺の名義で買い取り圭斗の親父さん達が帰って来る場所を消し去った事までは圭斗にまだ言えてない。
あの土地に未練もない圭斗と陸斗と香奈は一切興味を持たず、俺はその土地を同じ集落の人に無料で貸し与えて農地として使ってもらうのだった。
「綾人よ、そこまでやる必要があったのか?」
先生は難しい顔をして聞くも
「ジイちゃんがの足に対してまだ安いもんだよ」
冬になると痛む足をさする姿、そして昔の傷とは言え何時も足を引きずる歩き方。たまに案内される山を好き勝手に歩けない足に歩け、歩けと命令する様に握り拳を当てる様を綾人は忘れる事が出来なくて、その原因にはどこまでもまだまだ追いつめたいと思う昏い思いは口にしない。
「圭斗に黙ってやったのは悪いとは思うけど、もしあの土地が恋しく思うのならいつだって圭斗の名義に変えるつもりだ」
当然この事はばれて圭斗に問いただされるも、総て包み隠すことなく伝えれば
「あんな嫌な思い出しかない土地なんていらねーよ。俺は今の家があれば十分だ。綾人に借金を早く返して陸斗と香奈と一緒に仕事をする日まで今二人が帰って来る家を守るのが俺の当面の使命だ」
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