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山にお帰り 11
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東京の街並みを見下ろす風呂に浸りながら側に置いていたキンと冷えたラガーを口に運ぶ。
湯船から足先をチョンと出して籠る熱を逃がして行く。
一人まったりと星のない夜空を見上げてここが山の家でない事を改めて実感する。
あれから沢村さんに会って帰国の挨拶をして来た。
その際に色々フランスで起きた事の連絡がエドガーから来てるだろう帳簿合わせをして事務所の所長さんとも挨拶を重ねて夕食を食べてきた。
ガッツリと和食。
刺身、天ぷら、美味しい和食を食べれる所を青山さんに紹介してもらって予約まで取ってもらって……
やはり東京在住なので紹介してくれたお店は下々が訪れるには敷居の高いお店らしく尻込みしてる二人とそんなこと知らない田舎者の俺は
「綺麗な和室!坪庭素敵!さすが青山さんセンスさいこー!」
なんてテンション高く掛け軸や生け花を見せてもらっていた。
写真をぱちりととって実桜さんにこのお花なーに?なんてメッセージ。
仏壇に飾ったら映えるよななんて思ってた事は黙っておいて自給自足の生産者ならこそ買うより作れの精神で安く上げようとする程度の根性で聞けば
「多分桔梗だと思います。トルコ桔梗ではないので八重咲きの桔梗でしょう。
綾人さんの所では難しいかもしれませんが麓なら冬は越えれますよ」
八重咲き綺麗ですねーなんて言うので
「育てれますか?」
「季節的には終わりになりますが、冬場は根っこだけになるので全然行けると思います。
ですが、この子一株千円前後とお高いですよ?」
「桔梗でも青果売り場の切り花の方が安いとはこれいかに?」
「根っこがあれば毎年お花を咲かして二度咲してくれるコスパの良い子なので」
「でも千円前後?」
「二重はわりとよくあるけど狙って三重になるわけでもないので」
「なるほど。とりあえず実験で試しておいて。あと色もいろいろあったらよろしく」
「はい、では越冬の失敗も念頭に試しに一種類ずつ購入しておきますね」
なんてLIMEからいつの間にか通話に変ってのやり取りを沢村さんと所長さんが苦笑していた。
「相変わらず行動力早いですね」
「実行するのは俺じゃないし、実桜さんもノリノリだったし?」
お花の生産は実桜さんも嬉しい所。
どこかの生け花の流派で習っていたそうだが今となっては結婚を期に辞めてしまったけど、それなりに楽しんでいたのでここにきて生産者となった以上生け花を楽しんでいると言う。
運よくその腕を披露できる場所も見つけたし、使われていなかった花器も使いたい放題使えるので毎日楽しんでいると言う。
良いおもちゃが手に入った物だとそれがやる気につながるのならいくらでも投資はするべきだと思っている。
うちの仏壇の分だけキープしてもらって後は農協で売ってもらえばいいお小遣いにはなるだろう。
大体が自分の家の庭先で花を育てているからどれだけ需要があるか判らないが、楽しんでもらえるのなら楽しんでもらおう。楽しくなくても癒されるだろうし、最悪仕事として割り切ってもらおう。
なんて思いながら生け花の隣にある達筆すぎて何が書いてあるかわからない掛け軸も眺めていれば
「ふふふ、熱心にご覧になっていらっしゃいますね」
いつの間にか女将さんが挨拶に来てくれた。
気付かなかった俺は少し恥ずかしげに急ぎ足で席について
「この度は急なお願いになってしまいましたのにお席をありがとうございます」
俺が丁寧に頭を下げたのに驚いたのはやはり年長者二人がゲストと言う形だからだろう。
だけどここは雲の上のお方も来る場所なので気にせずにコロコロと笑いながら
「青山様のお願いですので」
でなければ断ったと言う所だろう。
湯船から足先をチョンと出して籠る熱を逃がして行く。
一人まったりと星のない夜空を見上げてここが山の家でない事を改めて実感する。
あれから沢村さんに会って帰国の挨拶をして来た。
その際に色々フランスで起きた事の連絡がエドガーから来てるだろう帳簿合わせをして事務所の所長さんとも挨拶を重ねて夕食を食べてきた。
ガッツリと和食。
刺身、天ぷら、美味しい和食を食べれる所を青山さんに紹介してもらって予約まで取ってもらって……
やはり東京在住なので紹介してくれたお店は下々が訪れるには敷居の高いお店らしく尻込みしてる二人とそんなこと知らない田舎者の俺は
「綺麗な和室!坪庭素敵!さすが青山さんセンスさいこー!」
なんてテンション高く掛け軸や生け花を見せてもらっていた。
写真をぱちりととって実桜さんにこのお花なーに?なんてメッセージ。
仏壇に飾ったら映えるよななんて思ってた事は黙っておいて自給自足の生産者ならこそ買うより作れの精神で安く上げようとする程度の根性で聞けば
「多分桔梗だと思います。トルコ桔梗ではないので八重咲きの桔梗でしょう。
綾人さんの所では難しいかもしれませんが麓なら冬は越えれますよ」
八重咲き綺麗ですねーなんて言うので
「育てれますか?」
「季節的には終わりになりますが、冬場は根っこだけになるので全然行けると思います。
ですが、この子一株千円前後とお高いですよ?」
「桔梗でも青果売り場の切り花の方が安いとはこれいかに?」
「根っこがあれば毎年お花を咲かして二度咲してくれるコスパの良い子なので」
「でも千円前後?」
「二重はわりとよくあるけど狙って三重になるわけでもないので」
「なるほど。とりあえず実験で試しておいて。あと色もいろいろあったらよろしく」
「はい、では越冬の失敗も念頭に試しに一種類ずつ購入しておきますね」
なんてLIMEからいつの間にか通話に変ってのやり取りを沢村さんと所長さんが苦笑していた。
「相変わらず行動力早いですね」
「実行するのは俺じゃないし、実桜さんもノリノリだったし?」
お花の生産は実桜さんも嬉しい所。
どこかの生け花の流派で習っていたそうだが今となっては結婚を期に辞めてしまったけど、それなりに楽しんでいたのでここにきて生産者となった以上生け花を楽しんでいると言う。
運よくその腕を披露できる場所も見つけたし、使われていなかった花器も使いたい放題使えるので毎日楽しんでいると言う。
良いおもちゃが手に入った物だとそれがやる気につながるのならいくらでも投資はするべきだと思っている。
うちの仏壇の分だけキープしてもらって後は農協で売ってもらえばいいお小遣いにはなるだろう。
大体が自分の家の庭先で花を育てているからどれだけ需要があるか判らないが、楽しんでもらえるのなら楽しんでもらおう。楽しくなくても癒されるだろうし、最悪仕事として割り切ってもらおう。
なんて思いながら生け花の隣にある達筆すぎて何が書いてあるかわからない掛け軸も眺めていれば
「ふふふ、熱心にご覧になっていらっしゃいますね」
いつの間にか女将さんが挨拶に来てくれた。
気付かなかった俺は少し恥ずかしげに急ぎ足で席について
「この度は急なお願いになってしまいましたのにお席をありがとうございます」
俺が丁寧に頭を下げたのに驚いたのはやはり年長者二人がゲストと言う形だからだろう。
だけどここは雲の上のお方も来る場所なので気にせずにコロコロと笑いながら
「青山様のお願いですので」
でなければ断ったと言う所だろう。
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