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メリッサのお仕事
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マダム・クインの店からは手ぶらで帰らされてその道すがらギルド・ルノワールへと足を運ぶ。
「こんにちは」
カウンターにいた受付のジゼルさんが同僚の人とお話をしている所を見て声をかければ
「メリッサちゃんいらっしゃい。今日は……まさか……」
顔を青くするジゼルさんに私は違うと何も話してもない勘違いを多分それは違うと慌ててしまうも
「ええと、今日はこれと言って何もないのですが、何とかベルリオーズ様のお屋敷でやって行けそうですので大丈夫です」
あたふたとしてしまえば奥からマスターのホークさんまでやってきて
「ええと、メリッサだったな。上手くやってるか?」
「上手くやってるかは判りませんが何とか頑張らせていただいてます」
「ああ、あの家は無駄に広いからな。頑張らないといろいろ難しいから、雑念何て小さなものだって吹き飛ぶだろう?」
「はい。さすが侯爵家と申しますか我が実家を上回るお家があるとは、感服です」
「アーヴィン家も相当だと聞いていたから……」
遠い目をするホークの視線とやりがいがありすぎて大変ですと充実した笑みを浮かべる温度差に受付嬢二人は小首かしげる。
何だろう、話がかみ合ってなさそうで進む会話って、と……
「で、今日は何かあったのか?」
「いえ、特にこれと言った事はないのですが……
そうだ。前に来た時薬草の依頼があったと思って覗きに来たのです」
「まぁ、薬草は常時依頼だから適当に持ってきてもらっても大歓迎だが……」
「そちらは私ジゼルが説明します。
同種の物を十本一纏めで一つとしまして、それを十束から受け付けております」
「採取リストみたいなものは……」
「そうですね。こちらの物をギルドカードに登録してきましょう。
図鑑と言う機能があるのですが……」
「はい。それはベルリオーズ様からお聞きしました」
「でしたら話は早いですね。
ギルドカードを薬草に触れさせると自動で検索してくれます」
実際にジゼルさんのギルドカードと側に在った薬草で実演してくれた。
「そうすると薬草として必要な部分が表示されるので、その部分さえ持っていただければ十分です」
「つまり、全部ではなくその部分を持ってこればいいのですね?」
「はい。判らなくって余分な物まで持ってくる手間もこちらで処分する時間も節約できますので」
「でしたらそうします」
言いながら期限は決めてない常時募集の薬草集めのお仕事をいくつかいただいてルノワールを後にして目指せ常連になるべく昨日のパン屋で頂いたパンのお礼をしてお昼と今夜の分と明日の朝の分を購入。
お隣の肉屋でソーセージとベーコンを買って、他にもいくつか店を回って両手で荷物を抱きしめるようにして汚屋敷へと戻ってきた。
通路こそ歩きやすくなって転ぶ心配はないものの……
「ただいま帰りました」
誰の返事のない屋敷にはなれたつもりだったが寂しく思う。
それから食堂で荷物を片付ける間にお昼の鐘がお城から聞こえてきた。
鐘の音を聞いて買って来たばかりのパンを取り出した。
ありがたい事にお惣菜も作ってくれていたのでマッシュポテトを一緒に購入してパンにペーストをして食べる、アーヴィン家の定番メニューを食べるのだった。
そして初日着ていたワンピースに着替えてからエプロンを身に纏う。
箒と今朝メインキッチンで見付けたフライ返しを片手に北棟へと向かうのだった。
睨みつけるは閉ざされた扉。
昨日遭遇した気配はまだこの奥に残っている。
今朝方設置したトラップは効いているのかわからないが、今朝ここでゲットしたアイテムフライ返しを片手にそっと扉を開けた。
ぞぞぞぞぞぞ……
何かが大量に移動する気配を感じ背筋が凍りつく思いをしながらも、それは昨日や今朝ほどではない。
扉を開けてほんの少し中に入れるようになった場所に足を進める。
明かりをつけて見回せば何やらチューチューと小さな声が聞こえる所に目を向ければ床の上に横たわる息絶え絶えのネズミーからのか細い悲鳴を聞いてニヤリと笑う。
「ふふふ……
メリッサ特製の毒団子なんて食べるからよ。
落ちてる物を食べてはいけませんと教えてもらわなかったのが運の尽きね!」
ネズミーにビシリと指を向けて言いながら何かの檻のような物を見付けて来てその中に箒で押し込んで捕獲する。
それは一匹や二匹でなく、すぐにいっぱいになって……
「まぁ、初日の百八匹ほどじゃないからルヴィ様も心配なさらないでしょう」
ぎゅうぎゅうに二十匹ほど詰め込んだ所で水魔法で水を操り……
プシュ、プシュ……
水鉄砲の暢気な音の割には強力過ぎて残酷な光景を見ないようにして一匹ずつ確実に仕留めるのだった。
仕方がない。メリッサが扱える水魔法は水鉄砲しか出来ないのだ。
もしくは多少の強化版。正しい名前は忘れた。
水の扱いがもっと上手ければお風呂の水を入れるのも楽だったのにと気づいた時には強化版でお風呂を欠けさせてしまった後だった……
ありがたい事にアーヴィン家の風呂場はいくつかありそれ以降これ以上壊しても買い替える事が出来ないからとお風呂に向けての水鉄砲禁止となった。
「これでとりあえず大丈夫だから、まだ檻が必要だからとりあえずゴミ置き場の方に捨ててこよう……」
あとはコッコが処理してくれるはずだとうんしょうんしょと気合を入れながら引きずって中身を捨てて放置をし、そしてまたメインキッチンで転がるネズミーを片付けながら水場までの道を確保するのだった。
そして周囲が薄暗くなる頃……
ごぼっ……
排水管から聞こえる水音と共に流しの水が急に排水管へと気持ちよく吸い込まれていった。
溜りに溜まった汚れが解消されようやく水場としての役目を果たせることになった。
「長かった~……
水を出せば錆水しか出ないし、排水管は詰まってるし、何とかつまりを取ってみたけど虫が住み着いてるし気持ち悪かった……」
自分の家ならまだしも随分と放置された排水管は害虫の住処となりどうやって掃除するかを悩ませたものの、ありがたい事に排水管用と勝手に決めたモップのおかげで開通する事が出来たのだ。
「これで明日から洗い物が出来る~」
そうすればそこらへんの食器は洗って戸棚に片づけば少しは作業スペースが広がるだろう。
「一日目としては中々上出来よね!」
うんうんと思えば夕方の鐘が聞こえた。
もうこんな時間になってしまったのかと思えばご飯の用意をしなくちゃと慌てて北棟の明かりを落して扉を閉めるのだった。
「こんにちは」
カウンターにいた受付のジゼルさんが同僚の人とお話をしている所を見て声をかければ
「メリッサちゃんいらっしゃい。今日は……まさか……」
顔を青くするジゼルさんに私は違うと何も話してもない勘違いを多分それは違うと慌ててしまうも
「ええと、今日はこれと言って何もないのですが、何とかベルリオーズ様のお屋敷でやって行けそうですので大丈夫です」
あたふたとしてしまえば奥からマスターのホークさんまでやってきて
「ええと、メリッサだったな。上手くやってるか?」
「上手くやってるかは判りませんが何とか頑張らせていただいてます」
「ああ、あの家は無駄に広いからな。頑張らないといろいろ難しいから、雑念何て小さなものだって吹き飛ぶだろう?」
「はい。さすが侯爵家と申しますか我が実家を上回るお家があるとは、感服です」
「アーヴィン家も相当だと聞いていたから……」
遠い目をするホークの視線とやりがいがありすぎて大変ですと充実した笑みを浮かべる温度差に受付嬢二人は小首かしげる。
何だろう、話がかみ合ってなさそうで進む会話って、と……
「で、今日は何かあったのか?」
「いえ、特にこれと言った事はないのですが……
そうだ。前に来た時薬草の依頼があったと思って覗きに来たのです」
「まぁ、薬草は常時依頼だから適当に持ってきてもらっても大歓迎だが……」
「そちらは私ジゼルが説明します。
同種の物を十本一纏めで一つとしまして、それを十束から受け付けております」
「採取リストみたいなものは……」
「そうですね。こちらの物をギルドカードに登録してきましょう。
図鑑と言う機能があるのですが……」
「はい。それはベルリオーズ様からお聞きしました」
「でしたら話は早いですね。
ギルドカードを薬草に触れさせると自動で検索してくれます」
実際にジゼルさんのギルドカードと側に在った薬草で実演してくれた。
「そうすると薬草として必要な部分が表示されるので、その部分さえ持っていただければ十分です」
「つまり、全部ではなくその部分を持ってこればいいのですね?」
「はい。判らなくって余分な物まで持ってくる手間もこちらで処分する時間も節約できますので」
「でしたらそうします」
言いながら期限は決めてない常時募集の薬草集めのお仕事をいくつかいただいてルノワールを後にして目指せ常連になるべく昨日のパン屋で頂いたパンのお礼をしてお昼と今夜の分と明日の朝の分を購入。
お隣の肉屋でソーセージとベーコンを買って、他にもいくつか店を回って両手で荷物を抱きしめるようにして汚屋敷へと戻ってきた。
通路こそ歩きやすくなって転ぶ心配はないものの……
「ただいま帰りました」
誰の返事のない屋敷にはなれたつもりだったが寂しく思う。
それから食堂で荷物を片付ける間にお昼の鐘がお城から聞こえてきた。
鐘の音を聞いて買って来たばかりのパンを取り出した。
ありがたい事にお惣菜も作ってくれていたのでマッシュポテトを一緒に購入してパンにペーストをして食べる、アーヴィン家の定番メニューを食べるのだった。
そして初日着ていたワンピースに着替えてからエプロンを身に纏う。
箒と今朝メインキッチンで見付けたフライ返しを片手に北棟へと向かうのだった。
睨みつけるは閉ざされた扉。
昨日遭遇した気配はまだこの奥に残っている。
今朝方設置したトラップは効いているのかわからないが、今朝ここでゲットしたアイテムフライ返しを片手にそっと扉を開けた。
ぞぞぞぞぞぞ……
何かが大量に移動する気配を感じ背筋が凍りつく思いをしながらも、それは昨日や今朝ほどではない。
扉を開けてほんの少し中に入れるようになった場所に足を進める。
明かりをつけて見回せば何やらチューチューと小さな声が聞こえる所に目を向ければ床の上に横たわる息絶え絶えのネズミーからのか細い悲鳴を聞いてニヤリと笑う。
「ふふふ……
メリッサ特製の毒団子なんて食べるからよ。
落ちてる物を食べてはいけませんと教えてもらわなかったのが運の尽きね!」
ネズミーにビシリと指を向けて言いながら何かの檻のような物を見付けて来てその中に箒で押し込んで捕獲する。
それは一匹や二匹でなく、すぐにいっぱいになって……
「まぁ、初日の百八匹ほどじゃないからルヴィ様も心配なさらないでしょう」
ぎゅうぎゅうに二十匹ほど詰め込んだ所で水魔法で水を操り……
プシュ、プシュ……
水鉄砲の暢気な音の割には強力過ぎて残酷な光景を見ないようにして一匹ずつ確実に仕留めるのだった。
仕方がない。メリッサが扱える水魔法は水鉄砲しか出来ないのだ。
もしくは多少の強化版。正しい名前は忘れた。
水の扱いがもっと上手ければお風呂の水を入れるのも楽だったのにと気づいた時には強化版でお風呂を欠けさせてしまった後だった……
ありがたい事にアーヴィン家の風呂場はいくつかありそれ以降これ以上壊しても買い替える事が出来ないからとお風呂に向けての水鉄砲禁止となった。
「これでとりあえず大丈夫だから、まだ檻が必要だからとりあえずゴミ置き場の方に捨ててこよう……」
あとはコッコが処理してくれるはずだとうんしょうんしょと気合を入れながら引きずって中身を捨てて放置をし、そしてまたメインキッチンで転がるネズミーを片付けながら水場までの道を確保するのだった。
そして周囲が薄暗くなる頃……
ごぼっ……
排水管から聞こえる水音と共に流しの水が急に排水管へと気持ちよく吸い込まれていった。
溜りに溜まった汚れが解消されようやく水場としての役目を果たせることになった。
「長かった~……
水を出せば錆水しか出ないし、排水管は詰まってるし、何とかつまりを取ってみたけど虫が住み着いてるし気持ち悪かった……」
自分の家ならまだしも随分と放置された排水管は害虫の住処となりどうやって掃除するかを悩ませたものの、ありがたい事に排水管用と勝手に決めたモップのおかげで開通する事が出来たのだ。
「これで明日から洗い物が出来る~」
そうすればそこらへんの食器は洗って戸棚に片づけば少しは作業スペースが広がるだろう。
「一日目としては中々上出来よね!」
うんうんと思えば夕方の鐘が聞こえた。
もうこんな時間になってしまったのかと思えばご飯の用意をしなくちゃと慌てて北棟の明かりを落して扉を閉めるのだった。
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