311 / 319
そわそわタイム? 2
しおりを挟む
緑青たちの初日は概ね
「岩さんが鳥にさらわれたー!」
「真白がネズミに囲まれてるよ!」
「朱華は、朱華は二階からの景色が見たいのです!なんで階段を登れないのでしょう!!!」
「緑青の秘密の基地に入っちゃダメー!」
「雑草がいっぱいでおうちは何処かなー?あ……」
相変わらず山の上と変わらない日常だった。ただ……
「主ー!助けてー!」
「主ー!どこー?」
「主ー、抱っこしえー?」
「主ー、おうちに入れて!」
「主ー!ごはんはー?」
主がお迎えに来ない事を理解していない緑青たちは夜になって電気もつかないおうちの前で主の帰りを待って
「朱華が猫さんにさらわれたー!」
「主、怖いよー!」
「主、助けてー!」
そんな絶叫の一日、山の上と変わりのない一日だった。
それから何日か過ぎて……
「岩さん!そっちにネズミさんが行ったよ!」
「岩がおとりになるから真白頼んだよ!」
「真白!今日こそネズミさんを仕留めるチャンス!」
「真白頑張れー!」
「真白のご飯逃げるなー!」
迎えに来ない主に期待することはやめ、箱入りで甘えんぼの性格はいつの間にかサバイバルで生き残る事を覚えた付喪神に昇華していた。
食事は必要ないと言われた付喪神とはいえ一度食事を覚えた以上食事と言う欲は捨てきれず、こうやって主を見習って狩りができるまでになった。
「みんなありがとう!
久しぶりにお肉が食べれるよ!」
何とかして倒した小さなネズミを真白は前足で抑えながら腹を鳴らせていた。
「ずーっと雑草で我慢してたからね」
「真白ちょっと細くなっちゃったね」
「前に緑青が小さな鳥さんを持ってきてくれた以来だね」
「真白ごめんね。緑青が弱いから鳥さんの赤ちゃんも持って来れなくて」
「大丈夫、ありがとう!緑青も気にしないで!
一番悪いのは真白の狩りが下手なのが悪いんだから……」
しょぼんと耳と尻尾を垂らしてしまうけど
「それより早くご飯食べておいで!やっぱりご飯は温かいのに限るからね!」
そんな岩さんの言葉に真白がぱくりとネズミの背中を咥えて
「ご飯食べてくるね!」
そういって茂みの中に隠れて……
ばりっ、ぼりっ……
骨の砕ける音が響く草むらを緑青たちは聞きながら少しだけ背筋に寒さを覚えるものの
「冷蔵庫があったら真白にもっと美味しいもの食べさせてあげるのにね」
「ソーセージとかハムとか」
「お魚さんもいた!」
「あまーい果物もあったね」
思い出しておなかをぐーっと鳴らす。
「いつになったら主はお迎えに来てくれるんだろうね」
「主来てくれるのかな?」
「美味しいご飯持ってきてくれるかな?」
「温かいお部屋に入れてくれるかな?」
いつまでたっても迎えに来ない主を思い出せば恋しくなってしょぼんとしてしまう。
ばりばり骨のかみ砕く音を聞きながら主を思えばめそめそと涙が出てくるけど
「ごちそうさまー! 真白おなかいっぱいだよ!」
口の周りをべったりと汚して戻って来た真白の姿。思わずみんな涙も引っ込んでしまったけど久しぶりの満足げな真白の姿に主を思っていたことも吹っ飛んでしまえば
「真白お水飲んでくるね!」
家の横を流れる川に喉を潤すように駆けて行ったことでちょっと安心するのだった。
そんなサバイバルな日常にも慣れたある日、家の前の駐車場に一台の車が停まった。
「誰か来たよ?」
「主の車じゃないよ?」
「見た事ある車だ!」
「あ、実桜さんだ。何かご用事かな?」
「主はお留守なのに何のご用事かな?」
知らない人が来たことで少しだけ警戒してみたもののよくよく見れば主の家にも来る人だった。
雪が深い時は居なかったけど暁達が帰ってから時々お庭の手入れに来るようになった人。美味しい山菜を見つけては主に献上していたことを思い出した。
献上なんて語弊はある物の、雪の下に芽を出したばかりの山菜を見つけては綾人の分を置いて行っただけの話。山菜取りは宮下の母親に教えてもらって覚えた実桜の楽しみの一つ。とってきてもらった代わりに綾人が烏骨鶏の卵を持たせるというのもお約束だった。
「このお庭に山菜なんてないのにね?」
「ウコ達ももういないのにね?」
そしてやっと自分たちがウコ達を全滅させたことを思い出してばつの悪い顔をするものの
「実桜さん大きなはさみ持って来たね?」
「のこぎりも持って来たよ?」
「なにをやるのかな?」
「なにをするんだろうね?」
「ついていこうよ!」
「「「「そうしよう!」」」」
好奇心には勝てずという様に車からいろんな荷物を下ろす姿についていけばまず取り出したのは……
ウィーン!!!
「やだー!怖い音!」
「真白この音苦手!」
「やー!怖いよ!」
「主助けて!」
「みんな逃げよう!」
そういって家の裏側まで逃げて建物の影か伺えば
「草を刈ってるね?」
「だけど真白あの音苦手!」
小さな前足で耳を抑えているものの休みなく草刈り機は止まる事のない音に
「真白おうちの中にいるね!」
なんて逃げ込む始末。
「朱華もおうちの中に居ます!」
「緑青もおうちに行く!」
なんて残されたのは玄さんと岩さんで……
「岩さん、玄は刈り取ってる草ちょっと食べてくるね?」
「だったら岩もついていくよ!」
大きな音が嫌でも玄さんに何かあったらどうしようとついてこようとする岩と普段は食べたくても食べれない高い位置の葉っぱややっと芽吹いた柔らかそうな葉っぱが食べられるチャンス。
玄さんの期待に応えないわけがない岩さんは実桜が通って綺麗に刈られた庭にそーっと近づきながら玄さんが目当てだった葉っぱの実食を見守る。そして視界の縁には草を刈られたことで慌てて出てきた虫たちを発見して思わず
「ぱくん!」
「岩さん良かったね!虫さんこんなにもいっぱいいたね!」
「美味しいね!」
主が見たら絶叫しそうな光景だけど、この味を覚えさせたのも主なのだから文句は言わないだろうなんてことは考えない玄さんと岩さん。
だけど作業している人のそばに近づいてはいけません。
そんな注意を教えてくれる人もいないので夢中になって虫を追いかけたり普段食べられないお花に夢中になっていればいつの間にか聞こえなくなった草刈り機の音にも気が付かずにいて
「玄さん、岩さん危ない!」
「玄さん、岩さん逃げて!」
「緑青の梅の木を切っちゃダメー!」
そんな叫び声に首を傾げればバサッ……
玄さんと岩さんは意識をなくしたけど緑青たちは切り落とされた梅の木の枝に潰されるという様子を見る事となり……
「あー、びっくりした」
「木の枝の下敷きになっちゃったんだね」
すっかり本体に戻ることに慣れてしまった精神は本体に戻される原因をちゃんと分析できるくらいに逞しくなっていたのだった……
「岩さんが鳥にさらわれたー!」
「真白がネズミに囲まれてるよ!」
「朱華は、朱華は二階からの景色が見たいのです!なんで階段を登れないのでしょう!!!」
「緑青の秘密の基地に入っちゃダメー!」
「雑草がいっぱいでおうちは何処かなー?あ……」
相変わらず山の上と変わらない日常だった。ただ……
「主ー!助けてー!」
「主ー!どこー?」
「主ー、抱っこしえー?」
「主ー、おうちに入れて!」
「主ー!ごはんはー?」
主がお迎えに来ない事を理解していない緑青たちは夜になって電気もつかないおうちの前で主の帰りを待って
「朱華が猫さんにさらわれたー!」
「主、怖いよー!」
「主、助けてー!」
そんな絶叫の一日、山の上と変わりのない一日だった。
それから何日か過ぎて……
「岩さん!そっちにネズミさんが行ったよ!」
「岩がおとりになるから真白頼んだよ!」
「真白!今日こそネズミさんを仕留めるチャンス!」
「真白頑張れー!」
「真白のご飯逃げるなー!」
迎えに来ない主に期待することはやめ、箱入りで甘えんぼの性格はいつの間にかサバイバルで生き残る事を覚えた付喪神に昇華していた。
食事は必要ないと言われた付喪神とはいえ一度食事を覚えた以上食事と言う欲は捨てきれず、こうやって主を見習って狩りができるまでになった。
「みんなありがとう!
久しぶりにお肉が食べれるよ!」
何とかして倒した小さなネズミを真白は前足で抑えながら腹を鳴らせていた。
「ずーっと雑草で我慢してたからね」
「真白ちょっと細くなっちゃったね」
「前に緑青が小さな鳥さんを持ってきてくれた以来だね」
「真白ごめんね。緑青が弱いから鳥さんの赤ちゃんも持って来れなくて」
「大丈夫、ありがとう!緑青も気にしないで!
一番悪いのは真白の狩りが下手なのが悪いんだから……」
しょぼんと耳と尻尾を垂らしてしまうけど
「それより早くご飯食べておいで!やっぱりご飯は温かいのに限るからね!」
そんな岩さんの言葉に真白がぱくりとネズミの背中を咥えて
「ご飯食べてくるね!」
そういって茂みの中に隠れて……
ばりっ、ぼりっ……
骨の砕ける音が響く草むらを緑青たちは聞きながら少しだけ背筋に寒さを覚えるものの
「冷蔵庫があったら真白にもっと美味しいもの食べさせてあげるのにね」
「ソーセージとかハムとか」
「お魚さんもいた!」
「あまーい果物もあったね」
思い出しておなかをぐーっと鳴らす。
「いつになったら主はお迎えに来てくれるんだろうね」
「主来てくれるのかな?」
「美味しいご飯持ってきてくれるかな?」
「温かいお部屋に入れてくれるかな?」
いつまでたっても迎えに来ない主を思い出せば恋しくなってしょぼんとしてしまう。
ばりばり骨のかみ砕く音を聞きながら主を思えばめそめそと涙が出てくるけど
「ごちそうさまー! 真白おなかいっぱいだよ!」
口の周りをべったりと汚して戻って来た真白の姿。思わずみんな涙も引っ込んでしまったけど久しぶりの満足げな真白の姿に主を思っていたことも吹っ飛んでしまえば
「真白お水飲んでくるね!」
家の横を流れる川に喉を潤すように駆けて行ったことでちょっと安心するのだった。
そんなサバイバルな日常にも慣れたある日、家の前の駐車場に一台の車が停まった。
「誰か来たよ?」
「主の車じゃないよ?」
「見た事ある車だ!」
「あ、実桜さんだ。何かご用事かな?」
「主はお留守なのに何のご用事かな?」
知らない人が来たことで少しだけ警戒してみたもののよくよく見れば主の家にも来る人だった。
雪が深い時は居なかったけど暁達が帰ってから時々お庭の手入れに来るようになった人。美味しい山菜を見つけては主に献上していたことを思い出した。
献上なんて語弊はある物の、雪の下に芽を出したばかりの山菜を見つけては綾人の分を置いて行っただけの話。山菜取りは宮下の母親に教えてもらって覚えた実桜の楽しみの一つ。とってきてもらった代わりに綾人が烏骨鶏の卵を持たせるというのもお約束だった。
「このお庭に山菜なんてないのにね?」
「ウコ達ももういないのにね?」
そしてやっと自分たちがウコ達を全滅させたことを思い出してばつの悪い顔をするものの
「実桜さん大きなはさみ持って来たね?」
「のこぎりも持って来たよ?」
「なにをやるのかな?」
「なにをするんだろうね?」
「ついていこうよ!」
「「「「そうしよう!」」」」
好奇心には勝てずという様に車からいろんな荷物を下ろす姿についていけばまず取り出したのは……
ウィーン!!!
「やだー!怖い音!」
「真白この音苦手!」
「やー!怖いよ!」
「主助けて!」
「みんな逃げよう!」
そういって家の裏側まで逃げて建物の影か伺えば
「草を刈ってるね?」
「だけど真白あの音苦手!」
小さな前足で耳を抑えているものの休みなく草刈り機は止まる事のない音に
「真白おうちの中にいるね!」
なんて逃げ込む始末。
「朱華もおうちの中に居ます!」
「緑青もおうちに行く!」
なんて残されたのは玄さんと岩さんで……
「岩さん、玄は刈り取ってる草ちょっと食べてくるね?」
「だったら岩もついていくよ!」
大きな音が嫌でも玄さんに何かあったらどうしようとついてこようとする岩と普段は食べたくても食べれない高い位置の葉っぱややっと芽吹いた柔らかそうな葉っぱが食べられるチャンス。
玄さんの期待に応えないわけがない岩さんは実桜が通って綺麗に刈られた庭にそーっと近づきながら玄さんが目当てだった葉っぱの実食を見守る。そして視界の縁には草を刈られたことで慌てて出てきた虫たちを発見して思わず
「ぱくん!」
「岩さん良かったね!虫さんこんなにもいっぱいいたね!」
「美味しいね!」
主が見たら絶叫しそうな光景だけど、この味を覚えさせたのも主なのだから文句は言わないだろうなんてことは考えない玄さんと岩さん。
だけど作業している人のそばに近づいてはいけません。
そんな注意を教えてくれる人もいないので夢中になって虫を追いかけたり普段食べられないお花に夢中になっていればいつの間にか聞こえなくなった草刈り機の音にも気が付かずにいて
「玄さん、岩さん危ない!」
「玄さん、岩さん逃げて!」
「緑青の梅の木を切っちゃダメー!」
そんな叫び声に首を傾げればバサッ……
玄さんと岩さんは意識をなくしたけど緑青たちは切り落とされた梅の木の枝に潰されるという様子を見る事となり……
「あー、びっくりした」
「木の枝の下敷きになっちゃったんだね」
すっかり本体に戻ることに慣れてしまった精神は本体に戻される原因をちゃんと分析できるくらいに逞しくなっていたのだった……
437
あなたにおすすめの小説
人質5歳の生存戦略! ―悪役王子はなんとか死ぬ気で生き延びたい!冤罪処刑はほんとムリぃ!―
ほしみ
ファンタジー
「え! ぼく、死ぬの!?」
前世、15歳で人生を終えたぼく。
目が覚めたら異世界の、5歳の王子様!
けど、人質として大国に送られた危ない身分。
そして、夢で思い出してしまった最悪な事実。
「ぼく、このお話知ってる!!」
生まれ変わった先は、小説の中の悪役王子様!?
このままだと、10年後に無実の罪であっさり処刑されちゃう!!
「むりむりむりむり、ぜったいにムリ!!」
生き延びるには、なんとか好感度を稼ぐしかない。
とにかく周りに気を使いまくって!
王子様たちは全力尊重!
侍女さんたちには迷惑かけない!
ひたすら頑張れ、ぼく!
――猶予は後10年。
原作のお話は知ってる――でも、5歳の頭と体じゃうまくいかない!
お菓子に惑わされて、勘違いで空回りして、毎回ドタバタのアタフタのアワアワ。
それでも、ぼくは諦めない。
だって、絶対の絶対に死にたくないからっ!
原作とはちょっと違う王子様たち、なんかびっくりな王様。
健気に奮闘する(ポンコツ)王子と、見守る人たち。
どうにか生き延びたい5才の、ほのぼのコミカル可愛いふわふわ物語。
(全年齢/ほのぼの/男性キャラ中心/嫌なキャラなし/1エピソード完結型/ほぼ毎日更新中)
神スキル【絶対育成】で追放令嬢を餌付けしたら国ができた
黒崎隼人
ファンタジー
過労死した植物研究者が転生したのは、貧しい開拓村の少年アランだった。彼に与えられたのは、あらゆる植物を意のままに操る神スキル【絶対育成】だった。
そんな彼の元に、ある日、王都から追放されてきた「悪役令嬢」セラフィーナがやってくる。
「私があなたの知識となり、盾となりましょう。その代わり、この村を豊かにする力を貸してください」
前世の知識とチートスキルを持つ少年と、気高く理知的な元公爵令嬢。
二人が手を取り合った時、飢えた辺境の村は、やがて世界が羨む豊かで平和な楽園へと姿を変えていく。
辺境から始まる、農業革命ファンタジー&国家創成譚が、ここに開幕する。
無魔力の令嬢、婚約者に裏切られた瞬間、契約竜が激怒して王宮を吹き飛ばしたんですが……
タマ マコト
ファンタジー
王宮の祝賀会で、無魔力と蔑まれてきた伯爵令嬢エリーナは、王太子アレクシオンから突然「婚約破棄」を宣告される。侍女上がりの聖女セレスが“新たな妃”として選ばれ、貴族たちの嘲笑がエリーナを包む。絶望に胸が沈んだ瞬間、彼女の奥底で眠っていた“竜との契約”が目を覚まし、空から白銀竜アークヴァンが降臨。彼はエリーナの涙に激怒し、王宮を半壊させるほどの力で彼女を守る。王国は震え、エリーナは自分が竜の真の主であるという運命に巻き込まれていく。
隣の古道具屋さん
雪那 由多
ライト文芸
祖父から受け継いだ喫茶店・渡り鳥の隣には佐倉古道具店がある。
幼馴染の香月は日々古道具の修復に励み、俺、渡瀬朔夜は従妹であり、この喫茶店のオーナーでもある七緒と一緒に古くからの常連しか立ち寄らない喫茶店を切り盛りしている。
そんな隣の古道具店では時々不思議な古道具が舞い込んでくる。
修行の身の香月と共にそんな不思議を目の当たりにしながらも一つ一つ壊れた古道具を修復するように不思議と向き合う少し不思議な日常の出来事。
ここは異世界一丁目
雪那 由多
ライト文芸
ある日ふと気づいてしまった虚しい日々に思い浮かぶは楽しかったあの青春。
思い出にもう一度触れたくて飛び込むも待っているのはいつもの日常。
なんてぼやく友人の想像つかない行動に頭を抱えるも気持ちは分からないでもない謎の行動力に仕方がないと付き合うのが親友としての役目。
悪魔に魂を売るのも当然な俺達のそんな友情にみんな巻き込まれてくれ!
※この作品は人生負け組のスローライフの811話・山の日常、これぞ日常あたりの頃の話になります。
人生負け組を読んでなくても問題ないように、そして読んでいただければより一層楽しめるようになってます。たぶん。
************************************
第8回ライト文芸大賞・読者賞をいただきました!
投票をしていただいた皆様、そして立ち止まっていただきました皆様ありがとうございました!
【完結】辺境に飛ばされた子爵令嬢、前世の経営知識で大商会を作ったら王都がひれ伏したし、隣国のハイスペ王子とも結婚できました
いっぺいちゃん
ファンタジー
婚約破棄、そして辺境送り――。
子爵令嬢マリエールの運命は、結婚式直前に無惨にも断ち切られた。
「辺境の館で余生を送れ。もうお前は必要ない」
冷酷に告げた婚約者により、社交界から追放された彼女。
しかし、マリエールには秘密があった。
――前世の彼女は、一流企業で辣腕を振るった経営コンサルタント。
未開拓の農産物、眠る鉱山資源、誠実で働き者の人々。
「必要ない」と切り捨てられた辺境には、未来を切り拓く力があった。
物流網を整え、作物をブランド化し、やがて「大商会」を設立!
数年で辺境は“商業帝国”と呼ばれるまでに発展していく。
さらに隣国の完璧王子から熱烈な求婚を受け、愛も手に入れるマリエール。
一方で、税収激減に苦しむ王都は彼女に救いを求めて――
「必要ないとおっしゃったのは、そちらでしょう?」
これは、追放令嬢が“経営知識”で国を動かし、
ざまぁと恋と繁栄を手に入れる逆転サクセスストーリー!
※表紙のイラストは画像生成AIによって作られたものです。
不倫されて離婚した社畜OLが幼女転生して聖女になりましたが、王国が揉めてて大事にしてもらえないので好きに生きます
天田れおぽん
ファンタジー
ブラック企業に勤める社畜OL沙羅(サラ)は、結婚したものの不倫されて離婚した。スッキリした気分で明るい未来に期待を馳せるも、公園から飛び出てきた子どもを助けたことで、弱っていた心臓が止まってしまい死亡。同情した女神が、黒髪黒目中肉中背バツイチの沙羅を、銀髪碧眼3歳児の聖女として異世界へと転生させてくれた。
ところが王国内で聖女の処遇で揉めていて、転生先は草原だった。
サラは女神がくれた山盛りてんこ盛りのスキルを使い、異世界で知り合ったモフモフたちと暮らし始める――――
※第16話 あつまれ聖獣の森 6 が抜けていましたので2025/07/30に追加しました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる