4 / 35
集まれ緑風荘 4
しおりを挟む
当面の生活道具と着替えをもって車に詰め込んだ。
「もう行くのか?」
流石に社長とは言え母親を亡くしたために仕事を休んで色々な書類仕事に没頭すると言っている。
まあ、年金を止めたりと言った行政手続きから香典返し、あいさつ回りなどやる事はいっぱいだ。弔問客もいっぱいだしね。
だけど一番もめるだろう遺産の相続手続きは生前に弁護士を混ぜてきっちり話を決めていたからこんなにもスムーズに話しが進んだことがこの忙しいさなかの救いだろう。
ここで揉めてみろ。
やらないといけない事が全然進まないあげくに周囲から軽蔑の視線を集める始末。
会社経営をしている我が家としてはいろんな意味で大ダメージとなる。
だから最低限のけじめはつけてくれたのだろうけど……
「親父もあまり無理するなよ。
お婆ちゃんが亡くなってからまともに寝てないだろ。
とりあえず食べて寝る、お婆ちゃんの教え。
俺も手伝えることがあったら手伝うから。遠慮なく言ってよ」
「だったらまずは……
あちらの家の世話を頼むな」
なんて親父は苦笑交じりの顔。油断ならないとまゆを顰めれば
「パソコンは持っていくんだろ?」
「今時ネット環境がない生活あり得ないから」
「だったらそっちに連絡を入れる。悪いが頼りにするぞ」
なんて言う理由は俺が家でぐうたらしている間に暇なら手伝えといろいろ会社の仕事を手伝わされたのが理由。
家に居続ける気まずさに手伝った為に調子づきやがって。
だけどどこか一気に老けた気のする親父に少しぐらい優しくしないとなと思ったとたんに容赦ない約束をとりつけようとしてきた。
「まあ、いいけど」
「けど?」
「あー、久しぶりに英語の勉強をしようと思ってね」
「だったら英語の仕事もたくさんくれてやる。しっかり勉強しろ」
たぶん俺の夢は知っていたと思う。
そして現実的ではないくらい、俺にはセンスがないという事も知っている、と思う。
いや、あまりに壊滅過ぎる俺のセンスだからこそ親父も知る始末。
子供だった俺が無邪気にお袋にこういう事したいと話して作品を見せた純粋さは今では闇歴史だ。
まあ、こういったネタにして笑ってもらえるぐらいに昇華したけどね。
「とりあえず荷物取りにちょくちょく戻るから」
そう言って車に乗り込んで走り出した。
我が家が言う旧家は大げさに言っているだけで単なる前住んでいた家だけど実は今の家からそれほど遠くない。
今の家の方が会社に近く、交通網が良いという事で引っ越したらしい。
ここは坂の上だし、お風呂もない。
後から作った離れの家にはお風呂があるから問題ないけど。
だったらそれまでどうしていたか?
答えは単純。
今日は道路が空いていて十数分で実家から俺の職場でもあり、住み家となる旧家へと無事着いた所で荷物を家の中に放り込んだ後お袋から頼まれていた香典返しをもって坂を下りる。
町の方に向かって歩けばちょうど町と住宅地の間に一本の長い煙突が聳える古式ゆかしき銭湯があった。
駐輪場はあっても駐車場のない銭湯は今時の複合施設何て備えていない。
まだ銭湯は開いてないけど俺は手慣れたように店の裏に回ってドアを開けて
「おはようございます!」
大きな声をかければ遠くから聞こえる軽快な足音は近づいてきて、やがて見えた姿が止まった所で深呼吸をして
「瀬奈。お婆ちゃん大変だったね」
髪を束ねてたジャージ姿が飛び出してきた。
「まあ、93歳、大往生って所だろ」
「93歳…… まったく見えなかったのに」
「最後までお婆ちゃんらしく仕事をしてたよ」
言えばそうかと少し涙ぐむのはお婆ちゃんから紹介されて知り合ったのが野田玲。
あまりに色気がなくてもこの野田銭湯の看板娘だ。
そんな話をしていれば
「瀬奈さん、この度はお悔やみを申し上げます」
「ありがとうございます」
続いて顔を出したのはこの野田銭湯の親父さんで玲の父親。名前はうろ覚えだ。
「豪勢な葬式だと聞きましたよ」
「会社がらみの弔問客が多かったのでそう見えただけでしょう」
俺はほとんど受付に縛られていたから中の様子はあまり判らなかったけど、家族葬が多いこの世の中でこれほどの訪問客の多さはめったにないと斎場の人が言っていた。
それすらよくわからない経験値の少ない俺だけど。
俺は香典返しを渡しながら
「それとお婆ちゃんからあのアパートを引き継いだので、よろしければこれからもお願いします」
家庭的な事情を抱えた学生さんに紹介するバイトはこの銭湯。
閉店後に風呂掃除をしてその後お風呂に入るそんなバイト。
もちろん受付や脱衣所の掃除もするし、何年か経験した学生さん達はボイラーの手伝いもさせてもらっている。
ここの銭湯はうちのアパートの学生さんで成り立っていると言ってもいい共存関係になっている。
「正直アパートが残ってくれて助かった。
今時アルバイトを雇うのもこういう所だと信頼できる人と言うのは結構難しいから」
どこかホッとした顔の親父さんの言いたいこともわかる。
誰もがスマホを持つ時代。
銭湯で盗撮なんて最悪な事件と言うしかない。
今も昔も窃盗と盗撮が銭湯で話題は尽きない悪だけど、生活に必死なうちのアパートの学生さん達がそんな危ない橋を渡るような真似をしないそんな性善説。
だからこそ信用してくれる、そんな関係だ。
「とりあえず今住んでいる学生さん達が無事卒業するまではアパート経営続ける予定ですけど」
「そうか。昔からアパートの学生さんには世話になったから、寂しいな」
そんな人材の喪失に悲しそうな顔をするも
「まあ、その分玲が頑張るって言ってるから心配ないですね」
「なにを言ってる! 浮いた話が一つもないのに安心してられるか!」
「えー、なんかいきなり酷くない?」
「それも親孝行だよ」
言えば
「そう言う瀬奈は?」
「親を満足させる相手がいないだけだ」
なんだかどさくさに紛れて会社を継がせ、それにふさわしい相手を連れてこなければこっちで見繕うぞと言ういつの時代だよと突っ込みたいけど、お婆ちゃんの葬式を経て見た財産分与された金額にいろいろな事が脳裏をよぎって親父たちの言葉は本音だという事は理解したけど。
「当面はアパートの学生さん達の親代わりだから。
新しい仕事が恋人で学生さん達が我が子だな」
「それー、余計結婚から遠ざかるワードw」
なんて玲は楽しそうに笑うのを見て
「では、朝から突然お邪魔してすみませんでした」
「こちらこそ忙しい時にありがとうございます」
そんな挨拶を終えて俺はふらりと今日のお昼を買いにここに来るたびにお婆ちゃんと一緒に買い物に向かったスーパーへと足を向けた。
「もう行くのか?」
流石に社長とは言え母親を亡くしたために仕事を休んで色々な書類仕事に没頭すると言っている。
まあ、年金を止めたりと言った行政手続きから香典返し、あいさつ回りなどやる事はいっぱいだ。弔問客もいっぱいだしね。
だけど一番もめるだろう遺産の相続手続きは生前に弁護士を混ぜてきっちり話を決めていたからこんなにもスムーズに話しが進んだことがこの忙しいさなかの救いだろう。
ここで揉めてみろ。
やらないといけない事が全然進まないあげくに周囲から軽蔑の視線を集める始末。
会社経営をしている我が家としてはいろんな意味で大ダメージとなる。
だから最低限のけじめはつけてくれたのだろうけど……
「親父もあまり無理するなよ。
お婆ちゃんが亡くなってからまともに寝てないだろ。
とりあえず食べて寝る、お婆ちゃんの教え。
俺も手伝えることがあったら手伝うから。遠慮なく言ってよ」
「だったらまずは……
あちらの家の世話を頼むな」
なんて親父は苦笑交じりの顔。油断ならないとまゆを顰めれば
「パソコンは持っていくんだろ?」
「今時ネット環境がない生活あり得ないから」
「だったらそっちに連絡を入れる。悪いが頼りにするぞ」
なんて言う理由は俺が家でぐうたらしている間に暇なら手伝えといろいろ会社の仕事を手伝わされたのが理由。
家に居続ける気まずさに手伝った為に調子づきやがって。
だけどどこか一気に老けた気のする親父に少しぐらい優しくしないとなと思ったとたんに容赦ない約束をとりつけようとしてきた。
「まあ、いいけど」
「けど?」
「あー、久しぶりに英語の勉強をしようと思ってね」
「だったら英語の仕事もたくさんくれてやる。しっかり勉強しろ」
たぶん俺の夢は知っていたと思う。
そして現実的ではないくらい、俺にはセンスがないという事も知っている、と思う。
いや、あまりに壊滅過ぎる俺のセンスだからこそ親父も知る始末。
子供だった俺が無邪気にお袋にこういう事したいと話して作品を見せた純粋さは今では闇歴史だ。
まあ、こういったネタにして笑ってもらえるぐらいに昇華したけどね。
「とりあえず荷物取りにちょくちょく戻るから」
そう言って車に乗り込んで走り出した。
我が家が言う旧家は大げさに言っているだけで単なる前住んでいた家だけど実は今の家からそれほど遠くない。
今の家の方が会社に近く、交通網が良いという事で引っ越したらしい。
ここは坂の上だし、お風呂もない。
後から作った離れの家にはお風呂があるから問題ないけど。
だったらそれまでどうしていたか?
答えは単純。
今日は道路が空いていて十数分で実家から俺の職場でもあり、住み家となる旧家へと無事着いた所で荷物を家の中に放り込んだ後お袋から頼まれていた香典返しをもって坂を下りる。
町の方に向かって歩けばちょうど町と住宅地の間に一本の長い煙突が聳える古式ゆかしき銭湯があった。
駐輪場はあっても駐車場のない銭湯は今時の複合施設何て備えていない。
まだ銭湯は開いてないけど俺は手慣れたように店の裏に回ってドアを開けて
「おはようございます!」
大きな声をかければ遠くから聞こえる軽快な足音は近づいてきて、やがて見えた姿が止まった所で深呼吸をして
「瀬奈。お婆ちゃん大変だったね」
髪を束ねてたジャージ姿が飛び出してきた。
「まあ、93歳、大往生って所だろ」
「93歳…… まったく見えなかったのに」
「最後までお婆ちゃんらしく仕事をしてたよ」
言えばそうかと少し涙ぐむのはお婆ちゃんから紹介されて知り合ったのが野田玲。
あまりに色気がなくてもこの野田銭湯の看板娘だ。
そんな話をしていれば
「瀬奈さん、この度はお悔やみを申し上げます」
「ありがとうございます」
続いて顔を出したのはこの野田銭湯の親父さんで玲の父親。名前はうろ覚えだ。
「豪勢な葬式だと聞きましたよ」
「会社がらみの弔問客が多かったのでそう見えただけでしょう」
俺はほとんど受付に縛られていたから中の様子はあまり判らなかったけど、家族葬が多いこの世の中でこれほどの訪問客の多さはめったにないと斎場の人が言っていた。
それすらよくわからない経験値の少ない俺だけど。
俺は香典返しを渡しながら
「それとお婆ちゃんからあのアパートを引き継いだので、よろしければこれからもお願いします」
家庭的な事情を抱えた学生さんに紹介するバイトはこの銭湯。
閉店後に風呂掃除をしてその後お風呂に入るそんなバイト。
もちろん受付や脱衣所の掃除もするし、何年か経験した学生さん達はボイラーの手伝いもさせてもらっている。
ここの銭湯はうちのアパートの学生さんで成り立っていると言ってもいい共存関係になっている。
「正直アパートが残ってくれて助かった。
今時アルバイトを雇うのもこういう所だと信頼できる人と言うのは結構難しいから」
どこかホッとした顔の親父さんの言いたいこともわかる。
誰もがスマホを持つ時代。
銭湯で盗撮なんて最悪な事件と言うしかない。
今も昔も窃盗と盗撮が銭湯で話題は尽きない悪だけど、生活に必死なうちのアパートの学生さん達がそんな危ない橋を渡るような真似をしないそんな性善説。
だからこそ信用してくれる、そんな関係だ。
「とりあえず今住んでいる学生さん達が無事卒業するまではアパート経営続ける予定ですけど」
「そうか。昔からアパートの学生さんには世話になったから、寂しいな」
そんな人材の喪失に悲しそうな顔をするも
「まあ、その分玲が頑張るって言ってるから心配ないですね」
「なにを言ってる! 浮いた話が一つもないのに安心してられるか!」
「えー、なんかいきなり酷くない?」
「それも親孝行だよ」
言えば
「そう言う瀬奈は?」
「親を満足させる相手がいないだけだ」
なんだかどさくさに紛れて会社を継がせ、それにふさわしい相手を連れてこなければこっちで見繕うぞと言ういつの時代だよと突っ込みたいけど、お婆ちゃんの葬式を経て見た財産分与された金額にいろいろな事が脳裏をよぎって親父たちの言葉は本音だという事は理解したけど。
「当面はアパートの学生さん達の親代わりだから。
新しい仕事が恋人で学生さん達が我が子だな」
「それー、余計結婚から遠ざかるワードw」
なんて玲は楽しそうに笑うのを見て
「では、朝から突然お邪魔してすみませんでした」
「こちらこそ忙しい時にありがとうございます」
そんな挨拶を終えて俺はふらりと今日のお昼を買いにここに来るたびにお婆ちゃんと一緒に買い物に向かったスーパーへと足を向けた。
335
あなたにおすすめの小説
初夜に暴言を吐いた夫は後悔し続ける──10年後の償い【完結保証】
星森 永羽
恋愛
王命により、辺境伯ロキアのもとへ嫁いだのは、金髪翠眼の美しき公爵令嬢スフィア。
だが、初夜に彼が告げたのは、愛も権限も与えないという冷酷な宣言だった。噂に踊らされ、彼女を「穢れた花嫁」と罵ったロキア。
しかし、わずか一日でスフィアは姿を消し、教会から届いたのは婚姻無効と慰謝料請求の書状──。
王と公爵の怒りを買ったロキアは、爵位も領地も名誉も奪われ、ただの補佐官として生きることに。
そして十年後、運命のいたずらか、彼は被災地で再びスフィアと出会う。
地位も捨て、娘を抱えて生きる彼女の姿に、ロキアの胸に去来するのは、悔恨と赦しを乞う想い──。
⚠️本作はAIの生成した文章を一部に使用しています。
五年後、元夫の後悔が遅すぎる。~娘が「パパ」と呼びそうで困ってます~
放浪人
恋愛
「君との婚姻は無効だ。実家へ帰るがいい」
大聖堂の冷たい石畳の上で、辺境伯ロルフから突然「婚姻は最初から無かった」と宣告された子爵家次女のエリシア。実家にも見放され、身重の体で王都の旧市街へ追放された彼女は、絶望のどん底で愛娘クララを出産する。
生き抜くために針と糸を握ったエリシアは、持ち前の技術で不思議な力を持つ「祝布(しゅくふ)」を織り上げる職人として立ち上がる。施しではなく「仕事」として正当な対価を払い、決して土足で踏み込んでこない救恤院の監督官リュシアンの温かい優しさに触れエリシアは少しずつ人間らしい心と笑顔を取り戻していった。
しかし五年後。辺境を襲った疫病を救うための緊急要請を通じ、エリシアは冷酷だった元夫ロルフと再会してしまう。しかも隣にいる娘の青い瞳は彼と瓜二つだった。
「すまない。私は父としての責任を果たす」
かつての合理主義の塊だった元夫は、自らの過ちを深く悔い、家の権益を捨ててでも母子を守る「強固な盾」になろうとする。娘のクララもまた、危機から救ってくれた彼を「パパ」と呼び始めてしまい……。
だが、どんなに後悔されても、どんなに身を挺して守られても、一度完全に壊された関係が元に戻ることは絶対にない。エリシアが真の伴侶として選ぶのは、凍えた心を溶かし、温かい日常を共に歩んでくれたリュシアンただ一人だった。
これは、全てを奪われた一人の女性が母として力強く成長し誰にも脅かされることのない「本物の家族」と「静かで確かな幸福」を自分の手で選び取るまでの物語。
愛していました。待っていました。でもさようなら。
彩柚月
ファンタジー
魔の森を挟んだ先の大きい街に出稼ぎに行った夫。待てども待てども帰らない夫を探しに妻は魔の森に脚を踏み入れた。
やっと辿り着いた先で見たあなたは、幸せそうでした。
私はいけにえ
七辻ゆゆ
ファンタジー
「ねえ姉さん、どうせ生贄になって死ぬのに、どうしてご飯なんて食べるの? そんな良いものを食べたってどうせ無駄じゃない。ねえ、どうして食べてるの?」
ねっとりと息苦しくなるような声で妹が言う。
私はそうして、一緒に泣いてくれた妹がもう存在しないことを知ったのだ。
****リハビリに書いたのですがダークすぎる感じになってしまって、暗いのが好きな方いらっしゃったらどうぞ。
婚約破棄され、平民落ちしましたが、学校追放はまた別問題らしいです
かぜかおる
ファンタジー
とある乙女ゲームのノベライズ版悪役令嬢に転生いたしました。
強制力込みの人生を歩み、冤罪ですが断罪・婚約破棄・勘当・平民落ちのクアドラプルコンボを食らったのが昨日のこと。
これからどうしようかと途方に暮れていた私に話しかけてきたのは、学校で歴史を教えてるおじいちゃん先生!?
【完結】兄の事を皆が期待していたので僕は離れます
まりぃべる
ファンタジー
一つ年上の兄は、国の為にと言われて意気揚々と村を離れた。お伽話にある、奇跡の聖人だと幼き頃より誰からも言われていた為、それは必然だと。
貧しい村で育った弟は、小さな頃より家の事を兄の分までせねばならず、兄は素晴らしい人物で対して自分は凡人であると思い込まされ、自分は必要ないのだからと弟は村を離れる事にした。
そんな弟が、自分を必要としてくれる人に会い、幸せを掴むお話。
☆まりぃべるの世界観です。緩い設定で、現実世界とは違う部分も多々ありますがそこをあえて楽しんでいただけると幸いです。
☆現実世界にも同じような名前、地名、言葉などがありますが、関係ありません。
私と子供より、夫は幼馴染とその子供のほうが大切でした。
小野 まい
恋愛
結婚記念日のディナーに夫のオスカーは現れない。
「マリアが熱を出したらしい」
駆けつけた先で、オスカーがマリアと息子カイルと楽しげに食事をする姿を妻のエリザが目撃する。
「また裏切られた……」
いつも幼馴染を優先するオスカーに、エリザの不満は限界に達していた。
「あなたは家族よりも幼馴染のほうが大事なのね」
離婚する気持ちが固まっていく。
新緑の光と約束~精霊の愛し子と守護者~
依羽
ファンタジー
「……うちに来るかい?」
森で拾われた赤ん坊は、ルカと名付けられ、家族に愛されて育った。
だが8歳のある日、重傷の兄を救うため、ルカから緑の光が――
「ルカは精霊の愛し子。お前は守護者だ」
それは、偶然の出会い、のはずだった。
だけど、結ばれていた"運命"。
精霊の愛し子である愛くるしい弟と、守護者であり弟を溺愛する兄の、温かな家族の物語。
他の投稿サイト様でも公開しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる