異世界召喚に巻きこまれたらスマホがバグって騎士団団長の妻になるそうです

雪那 由多

文字の大きさ
20 / 90

爽やかな朝はどこにある

しおりを挟む
 ここでもふは許されたと理解して、甘えるようにすり寄って来た。
 
「ふふっ、もふ、お前の毛がくすぐったいよ」

 意外と固いと思っていた物のふわふわの綿毛は胸元を擽って笑い声を立ててしまう。

「こら、わざと擽らない」

 俺が笑ったのが嬉しかったのか胸元で小さな羽でふわふわと擽られてしまうもこれは怒るまでもないコミュニケーションの一環。
 俺のあまり怒っている感じのない叱り方も悪いがもふはひたすら甘えてきて

 ぺろり

 生暖かい物が胸元に触れた。
 なんだ?なんて思っていたらまたぺろり。
 何を思ってか俺の乳首を舐めだしていた。
 一応寝る前にシャワー浴びててよかった。ではなく
 
「俺はお前のかーちゃんじゃねーよ」

 何のふくらみも栄養も出さない乳首に懸命に吸い付いていて……

 ちょっとヤバいかも……

 明け方まで散々クラエスに可愛がられたこの身体。クラエスにも散々吸い付かれた乳首はすぐに立ち上がり、なんとなく臍の下あたりがムズムズとする。

「こら、止めな…… あっ!」

 不本意な事に乳首を吸われて半勃ちになり出したものをぎゅっと掴まれた。

「朝から楽しい光景だな」
「うわっ」

 寝起きの微かにかすれた声が耳元に囁かれてダイレクトに腰に来た。
 うなじに唇を這わされて、腹の奥が物欲しげにきゅっと締まる。

「ク、クラエス、おはよ……」
「まさか朝から妻と息子の仲睦まじい光景が見れるとは、いやはや」

 しゅっしゅっと手が動き出して、朝っぱらから昨日の晩のような声が溢れだしそうなのを思わず手で口を覆いながら耐えてしまう。もふにこんな声聞かせるわけにはいかない!
 
「もふおはよう。もふは早起きだな」

 クラエスの声にもふは乳首を舐めるのを止めてきゅ~と細長い首を傾ける。
 
「あはは、もふは可愛いな」

 褒められてご機嫌となったもふはそのままベットから這い出て来て楽しげに部屋の中を飛び回っていた。
 だけどそんな俺の背後を取る男は昨日の夜散々俺の永遠の処女を奪った凶器を太ももの隙間にねじ込んできて

「ああ、何て素敵な朝何だろう。愛しい妻と向える朝は何てすがすがしい」
「俺としてはヘビーすぎてもう一度眠りたい気分だって、こら何やってる……」

 やわやわと尻をもみだしたクラエスの指が谷間を行ったり来たりと滑り出して何かを探る様に蠢く感触を思い出す。一気に昨日の夜何があったかも躰が思い出してしまう。クラエスの鍛え抜いた躰に抑え込まれて貫かれて、前から後ろから蹂躙され支配された優しくも甘い囁きに羞恥と歓喜を学んだ時間。いつの間にか俺も気持ちよい場所を探る様に合わせる様に体を揺らめかせて深く咥えこんで……

「あ、ああ、クラエス……」
「ふふっ、アトリは朝から淫らで可愛いなぁ」

 たった一夜で教えられた快感につぷりと指を飲み込んでしまえば期待するかのように前立腺からの狂いそうな感覚を求めてしまうのだろう俺はなけなしの理性と力を全部使って

「朝からはダメだー!!!」

 全力の声でクラエスを押しのけるよりも俺はベットから転げ落ち、その時見事奪えたシーツを頭からすっぽりとかぶって

「風呂入って来るから。邪魔したらちょん切る!
 お前も着替えて待ってろ!」

 ベットの上でキョトンとしているクラエスを睨みつけて

「もふ!俺が風呂から上がってくるまでクラエスを見ていろ!
 出て来る前にこっちの部屋に入って来そうになったら食べてもいいぞ!」
「きゅ~?」

 案の定キラキラしたシャンデリアにぶら下がって遊ぶもふにふんすと鼻息荒く宣言した俺は力いっぱい扉を閉めるのだった。



しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

【完結】国に売られた僕は変態皇帝に育てられ寵妃になった

cyan
BL
陛下が町娘に手を出して生まれたのが僕。後宮で虐げられて生活していた僕は、とうとう他国に売られることになった。 一途なシオンと、皇帝のお話。 ※どんどん変態度が増すので苦手な方はお気を付けください。

【完結】愛されたかった僕の人生

Kanade
BL
✯オメガバース 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 お見合いから一年半の交際を経て、結婚(番婚)をして3年。 今日も《夫》は帰らない。 《夫》には僕以外の『番』がいる。 ねぇ、どうしてなの? 一目惚れだって言ったじゃない。 愛してるって言ってくれたじゃないか。 ねぇ、僕はもう要らないの…? 独りで過ごす『発情期』は辛いよ…。

性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました

まりも13
BL
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。 性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。 (ムーンライトノベルにも掲載しています)

鎖に繋がれた騎士は、敵国で皇帝の愛に囚われる

結衣可
BL
戦場で捕らえられた若き騎士エリアスは、牢に繋がれながらも誇りを折らず、帝国の皇帝オルフェンの瞳を惹きつける。 冷酷と畏怖で人を遠ざけてきた皇帝は、彼を望み、夜ごと逢瀬を重ねていく。 憎しみと抗いのはずが、いつしか芽生える心の揺らぎ。 誇り高き騎士が囚われたのは、冷徹な皇帝の愛。 鎖に繋がれた誇りと、独占欲に満ちた溺愛の行方は――。

美貌の騎士候補生は、愛する人を快楽漬けにして飼い慣らす〜僕から逃げないで愛させて〜

飛鷹
BL
騎士養成学校に在席しているパスティには秘密がある。 でも、それを誰かに言うつもりはなく、目的を達成したら静かに自国に戻るつもりだった。 しかし美貌の騎士候補生に捕まり、快楽漬けにされ、甘く喘がされてしまう。 秘密を抱えたまま、パスティは幸せになれるのか。 美貌の騎士候補生のカーディアスは何を考えてパスティに付きまとうのか……。 秘密を抱えた二人が幸せになるまでのお話。

異世界転移して美形になったら危険な男とハジメテしちゃいました

ノルジャン
BL
俺はおっさん神に異世界に転移させてもらった。異世界で「イケメンでモテて勝ち組の人生」が送りたい!という願いを叶えてもらったはずなのだけれど……。これってちゃんと叶えて貰えてるのか?美形になったけど男にしかモテないし、勝ち組人生って結局どんなん?めちゃくちゃ危険な香りのする男にバーでナンパされて、ついていっちゃってころっと惚れちゃう俺の話。危険な男×美形(元平凡)※ムーンライトノベルズにも掲載

【完結】異世界に転移しましたら、四人の夫に溺愛されることになりました(笑)

かのん
恋愛
 気が付けば、喧騒など全く聞こえない、鳥のさえずりが穏やかに聞こえる森にいました。  わぁ、こんな静かなところ初めて~なんて、のんびりしていたら、目の前に麗しの美形達が現れて・・・  これは、女性が少ない世界に転移した二十九歳独身女性が、あれよあれよという間に精霊の愛し子として囲われ、いつのまにか四人の男性と結婚し、あれよあれよという間に溺愛される物語。 あっさりめのお話です。それでもよろしければどうぞ! 本日だけ、二話更新。毎日朝10時に更新します。 完結しておりますので、安心してお読みください。

処理中です...