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10話

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 数日後、僕は王城に来ていた。

 王城に着いたあと案内された部屋で待っていてくださいと言われたので待っている。


「僕この服しか持ってないんですけど、着替えたほうがいいですよね?」

「ん?王様は寛大な方だ。そんなことは気にしないさ」

「…だったらなんで団長は新品の鎧を着ているんですか?」

「…はっはっはっ!」

「ちょっと笑って誤魔化さないでください!」

「というか、なんでロイ君もいるんですか?」

「何だ知らないのか?敵の頭をとったのはロイだぜ?」

「ええ!そうなんですか!?」

「あはは…」

 なにかやるだろうなと思っていたがまさか敵の頭を倒していたとは


 結局僕は王城の方に話をして正装といわれる服を借りた。

 トントンとドアをノックした音の後に

「失礼します」

 とメイドの方が入ってきた

「謁見の準備が整いました。ついてきて下さい。」

 メイドの後を着いて行くと1つの大きな扉の前で立ち止まった。

「此処から先は王様がお見えです。失礼のないようにして下さい。」

 メイドが下がると扉が開いた。

 どうしたらいいのか慌てていると団長とロイ君が前に進んだ。

 僕もその後をついて行くと団長たちは冠をかぶっている人の前で止まり膝をついた。

 慌てて僕も真似する。


「リントブルム騎士団団長ギムル、此度の活躍はすでに聞いている。全騎士団の先頭に立ち先陣をきり、押されながらも前線を維持したその功績賞賛にあたいする。よって、名誉勲章を授ける。また、大金貨50枚を与える。」

「は!有りがたき幸せ」


 ここでお金の説明

大金貨=1,000,000円
 金貨=100,000円
大銀貨=10,000円
 銀貨=1,000円
 銅貨=100円



 ということは、50×1,000,000=50,000,000

 5000万!?一気にお金持ちじゃないか!


「リントブルム騎士団 ロイ、今回の西の平原での決戦。帝国の騎士団団長を見事討ち取った。その功績賞賛にあたいする。よって、大金貨40枚を与える」

「有りがたき幸せ」


「そしてキオよ」

「は、はい!」

「今回の活躍、王国騎士団長を含む多くの者達から聞いている。私からも礼をいうぞ。」

「さて、キオよ。褒美もいろいろと考えたのだが何が良い?言うてみよ。何でも良いぞ、私はこう見えても一国の王だ。大抵のものは用意できる。」

「え、う~ん…そうだ包丁…包丁がいいです!」

「包丁とな?包丁とは料理をする際に使うあれか?」

「はい」

「…はっはっはっ!そうか!包丁か!うむ、承知した。最高のものを用意することを誓おう!」

「あ、ありがとうございます。」

「うむ、これにて謁見は終了とする。褒美の方は後で渡そう。」



 僕達は王城を出ていつもの宿に戻った。

「ぷっ、はっはっ!あ~、笑いが止まらねー!なんだよ包丁って、普通もっと良いもん貰うだろう」

「仕方ないじゃないですか!それしか浮かばなかったんですから。それに今使っている包丁は少し使い難かったんですよ」

「まぁ、キオだから仕方ないな!」


 数日後、執事服を着た人が王城から来て包丁を貰った。

 何でもミスリルで作られているらしい。

 そういえば包丁を貰ったとき斬撃がなんとかかんとか言っていた気がするけど気にしない。



 次の日、リントブルム騎士団は一週間の休みを取るらしい。いわゆるリフレッシュ期間みたいなものだと思う。

 そんなわけで僕は一人である森にきていた。

 通称、初心者の森と言われているこの森は魔物の出現も少なく又スライムなどの子供でも討伐できる魔物しか出ない。

 そう、スライムが出現するんだ!

 昔、まだ僕がこの世界に来てばかりの頃スライムに殺されかけた。

 でも、よく考えるとあの時はまだ何も分からない状況だったからだと思う。

 あれからドラゴンとかコカトリスとか倒しているからいけると思った。

 正直に言って、あの見た目ゼリーにしか見えない。絶対食べられると思うんだスライム。


 結果…


 今僕の体は頭から腰の部分までスライムに飲まれている

「ママー、変な人がいるよ?」

「こら!見てはいけません」

「ゴボッガガッ!ゴホボッ!(ちょっとまって!助けて!)」

 子供でも討伐できるスライムに飲まれている大人など普通であるはずが無い。

 むしろ、特殊な性癖を持った人間と思われていた。

 ああ、やばい。これはガチでやばいやつだ。徐々に視界がぼやけてきた。

「ファイヤボール!」

 どこからともなく飛んできた火球がスライムに直撃し消滅した。

「ぶはぁっ!ぜー、ぜー、あ、ありがとうございます」

 助けてくれたのはミキさんだった。

「はぁー、全く何やってんのよ。あんたの相棒が私に知らせに来なかったら死んでいたわよ」

「相棒ですか?」

「ほら、あんたの連れているネズミよ」

「チュー!」

「ね、ネズミ君が知らせてくれたのか?」

「チュウー!」

「ありがとうネズミ君!」

 うん、もうスライムには挑まないと誓いました。
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