The World ~魔王が生まれた世界~

Lilly

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序章

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 爽やかな風が、開いた窓からそよそよと室内を漂う。隣家の朝食の匂い、洗濯物の石鹸の香り……鳥の鳴き声と、街に活気が生まれる瞬間。朝は苦手な方ではあるが、清々しい朝の風景は気持ちが良いもので、すっきりと目覚めた朝ならばそれも悪くない。
 わらのベッドはロイドが動くとギシギシと音を立ててきしむ。そろそろ替え時かもしれないな、とは思うものの不思議なもので、調度品にせよ衣類にせよ同じことなのだが、そろそろ替え時だろうかと思う頃合いというのは、いつだって自分にとってとても使いやすく感じる頃なのだ。買ったばかりのシャツはパリッとしていて、わくわくとした気分にもなるが、それとはまた違う何かだ。へたれ具合が肌に馴染むというか、なんというか。ボロボロなものは当然使っていて不愉快だ、だが新品でもボロでもなく、少し傷んできたくらいが丁度いい。ロイドの藁のベッドが丁度そうであるように……だが、やはり軋む音は耳に触るしそろそろ替え時なのだ。
 窓から入ってきた隣家の朝食の香りが―イーストの香りと、チーズだ……それにベーコンもある―ロイドの鼻腔びこうをくすぐり空腹と食欲を呼んだ。腹の虫が、ぐるると音を立ててロイドに朝食を食べることを促す。キッチンへいき、網籠の中にあるチャバタを取り出す。皿に入れたオリーブオイルとソルト、そしてチャバタ……。贅沢にチーズとベーコンと卵でおいしく頂きたい所ではあったが、生憎あいにくロイドの家にはチーズもベーコンも卵もなかった。オリーブオイルにソルトを加え、それにチャバタを付けて食べる。質素で控えめな食事だが、聖騎士軍の遠征合宿の時よりはマシだとロイドは思っている。別に貧しいという訳でもないのに、いかなる環境でも耐えられる様にとロゼッタ(花の形をした小麦粉とイースト、ソルトと水のみで作れるパンの事を指すらしい)だけで食事を済ませたものだ。ロゼッタは中に空洞ができやすいパンだから焼き立ては軽い食感だし軽いから持ち運びも楽だ、だがいかんせん圧倒的に物量が足りないのだ。成人男性の朝食、昼食までならまだしも夕食までもがロゼッタと炙った干し肉だけだと思うと本当に地獄だ。常にお腹がすいていて訓練どころじゃない。何度家に帰ってピロシキが食べたいと思ったことやら。それに比べれば質素とはいえ、十分物量があるチャバタは優秀だ。
 ロイドの故郷メーデル村では、朝になるとピロシキを焼く匂いがそこら中からしていた。どの家庭でもピロシキ、そしてマオンネーズだ。どんな食べ物もマオンネーズさえあれば、なんだって食べられる。少なくともロイドの家ではマオンネーズは常に食卓にあった。メーデル村での暮らしは、苦労も少なくはなかったが楽しくもあった。口に含んだ塩気のあるオリーブオイルとチャバタの食感をかみしめながら、昔の事へと思いをせる。
 ドンドンドン。
「ファニー補佐官、お手紙です」
 メーデル村の、のどかな風景を思い描いていたロイドは、家の扉を叩く音で我に返る。
「やあメンデル、僕は補佐官やめたって知ってる?」
「はい、そりゃあ街の人みんな知ってますよ、だってファニー補佐官は人気者ですし」
「知ってて補佐官なんだ」
「今更、なんて呼べっていうんですか? はいお手紙です」
「ありがとう」
 郵便配達の少年から受け取った手紙をひっくり返すと、そこには懐かしい名前が記されている。少年にお礼を言って、扉を閉めてからロイドは、サイドテーブルの引き出しからレターナイフを取り出して封を剥がす。手紙を開いた瞬間、ふわりとどこか懐かしい香りが漂った様な気がして先ほどまで浸っていた思い出が鮮明によみがえる。
 あれは、冬の日の出来事だ。ロイドの実家には母がおらず、居たのは父だけだった。父は母が出て行ってからおかしくなってしまって、ロイドの幼少期といえばロイドに母の面影を見て母を望む父の姿と隙間風の入る家……メーデル村は確かに村そのものは他の地域と比べれば豊ではあったが、ロイドの家はそのメーデルの村の中でも、貧しい方に分類される。父は頭をおかしくしてはいたが、仕事はあったので幸い飢えることはなかったが、女手のない手入れのされない家は傷むのも早い。そんなロイドの家よりもはるかに貧しい、おそらく村で一番貧しい家の子がいた。幼馴染のジャクリーン・ハボットはそばかす顔だったし、とてもお世辞には美人とは言えない子だったがいつも笑顔で愛嬌のある女の子だった。ニンジン色の髪の毛をからかう他の子たちもいたが、ロイドはその燃える様な赤色が好きだったし、小さいころから一緒にいたので気づかなかったが彼女こそ初恋の相手だった……。幼少期はあまり体が丈夫ではないことから虐められていたロイドにもジャクリーンは優しく、そしてどんな時も味方で、彼女を思うと今でもあの柔らかな手の平を思い出す。ジャクリーンとの日々は毎日が楽しかった、彼女のあの香り、体の柔らかさ……男の自分とは違うそのすべてにロイドは夢中だった。だがそんな美しい思い出も別れというものは突然だ。ロイドが十歳、ジャクリーンが十二歳の時にそれは訪れた。
 ハボット家は貧しさのあまりに娘を遠い村の商家へ奉公にやってしまった。奉公とは言うが、娘の意思も何もなくただ親が食う為に娘を売ったのだ。ロイドは幼いながらにそう感じたが、大人のすることは、子供にどうこうすることはできない。唐突の別れ以来、ジャクリーンとは一切連絡はとっていなかった。ロイドが村を出て旧王都へとやってきたのは十五の時の話だ。村を出てすぐ風の噂でハボット家は奉公へ出たジャクリーン以外みな流行り病で死んでしまったらしい事を聞いた。ジャクリーンは元気なんだろうか? と考えることもなくなって今、ようやくジャクリーンの名が記された手紙が自分の手元に届いたのだ。

 ロイド・ローシ・ファニー様

 突然のお手紙、申し訳ありません。
 私はジャクリーン・ハボットの奉公先の者です。
 本来ならジャクリーンの身に何かあった際は、ハボット家の者にお手紙を出すべきなのでしょうが、メーデル村に手紙を出したところ、どうやらハボット家は流行り病でなくなってしまったとかで……。
 そこで、幼少期から縁のある、というロイド様にご連絡させていただいた限りです。
 今、ジャクリーンの身に危機が迫っています!
 どうか、貴方様のお力を借りられないでしょうか?
 つきましては、大変申し訳ないのですが、旧王都より南部にあります“ハーシェル街“までお越しいただくようお願いします。
 手紙では詳細を書ききれませんので。
 お待ちしております。
 ジャクリーン・ハボット改めコルネリウス・エドモンド

 手紙を読み終えた後、ロイドは手紙を畳んだ。面倒ごとはあまり好きではない、だがかつての想い人ジャクリーンの事となればそれはまた別の話だ。手紙を懐へと仕舞しまい、身支度を整える。顔を洗って、洋服を新しいものへ替え、遠出用のカバンに寝泊り用の衣服と、寝袋、それからロープや日持ちする食料等を入れた。道すがらの大半は荷馬車だろうから、ふかふかなチェアピローも忘れずに詰めて、やや荷物が多い気もするが旧王都からハーシェルまではそう遠くはない。ハーシェル行きの貨物馬車に載せてもらえれば三日、普通の荷馬車でも五日もあれば着くだろう。問題は、その道中で出くわすかもしれないモンスターだ。やつらは非常に危険で、獰猛どうもうで、そして厄介だ。
 魔王が王都を崩御させてから現れ始めた異形の形の動物……モンスター。その大半は普通の動物よりは強いだけだが中には毒をもったものもいる。解毒剤はあるが、その感染力は凄まじく一つの町を殆ど崩壊に追い込んだという話もある。貨物馬車や荷馬車が襲われる場合も決して少なくはない。念には念を入れるべきだとロイドは思い、しばらく埃をかぶっていた聖騎士時代の剣と、盾を持って家を後にした。
 清々しい朝から一変、ロイドが出発を決め準備を終えて外に出た頃には、夏のカラッとした暑さはどこへいってしまったのやら暗雲が空を占めていた。出発を急いだ方がいいだろう、だが婚約者のマルチェッラにだけは自分の不在を伝えねばならない。
 荷馬車乗り場へと向かう道中、ロイドは先に酒場【D 328】の裏口へと回った。扉をノックすると中でゴソゴソと音が聞こえる。
「あら、ロイドどうしたの?」
 扉が開き、マルチェッラの顔がのぞく。いつもは結んである金色の髪の毛が、肩にかかり青い瞳がロイドを捉えた。
「あぁマルチェッラ、起きていたみたいでよかった」
「あら、店じまいのあとでこれから寝るのよ」
「それはごめん、今日も繁盛だった?」
「それなりにね、ところでこんな時間にどうしたの?」
「それが、同郷の幼馴染が危険な身の上らしい、今朝手紙が届いたんだ」
「大変じゃない」
「そうなんだ、だからちょっと僕はハーシェルまで状況を聞きにいってくるよ」
 そうなの、とマルチェッラがロイドを見つめる。
「気を付けてね」
「まあ三日か五日か、長くかかっても一週間で帰ってくるよ」
 何もなければそのくらいで帰ってこれると、ロイドはマルチェッラに言う。マルチェッラはしばらく何かを考えこんだみたいだが、わかったわ、とそっとロイドの頬に口づけた。
「あまり無茶はしないこと、いいわね?」
「わかってるよ」
 別れは惜しいが、すぐにでも向かわなければならない。雨が降れば道がぬかるみ下手をすれば出発が遅れてしまう。急なことではあったが待っている人がいる以上急がねばならない。ロイドはマルチェッラの顔をじっくりと見て、手をふって酒場を後にした。
 荷馬車乗り場では天候を気にする運搬車と市場の人間がざわざわとしていた。その中でハーシェル行の荷馬車を探す。できれば、足の速い馬を使っている貨物馬車の方が良いのだが、なんと運の悪いことで貨物馬車はすべて出払い済みだった。仕方がないので荷馬車を探すしかない。
「おや、ロイドさん……こんな所でどうしたんだ?」
 魚市場の店主が荷馬車乗り場で見かけるには珍しいロイドの姿を見て言う。ロイドは軽く会釈をして、事の成り行きを簡単に店主に話した。
「あーそりゃぁツイてねぇな、今日はこんなお天気だろ? 貨物はもう出ちまってるし荷馬車は足が遅いから見送りって感じなんだよ」
「それは困ったな、すぐにでも行かなきゃいけないんだけど」
「悪いなぁ、力になってやりたい所だが……あ、いや待てよ……?」
「何か策でも?」
「馬車……はねぇけど、おーい! おやっさん、ちょっとこの人も一緒に連れてってくれねぇか?」
 そう店主が叫ぶと、高齢のじい様が出てきて目をぱちくりさせる。
「ハーシェル行だろ? あんたんとこ」
「そりゃぁ、そうだが……藁を運ぶ為のロバじゃけんども……ええんかのう?」
 ロバ、と聞いてロイドはがっくりうなだれる。足早馬もダメ、馬もダメときたらロバか……だが徒歩で向かうよりも断然良い。ツイてない己を恨むしかないとロイドは腹をくくる。
「ロバだとどのくらいでつくんだい、おやっさん」
「そうさの、大体は四日か五日じゃ、荷馬車と違って止まらんし……じゃがケツは痛くてならん」
「四日か五日、それなら出直さなくても済むな、おやっさん、よければ僕を一緒に連れてってくれませんか」
「まあまあ、ロイドさんの頼みってことなら良いが、本当に大丈夫なんかい、こんな若いモンが……」
「なあに、仮にも元軍人ですよおやっさん」
「ロイドさん、おやっさん気をつけろよ? ここ最近じゃぁモンスターが動きが活発だって話を聞く、この間も一つ馬車がやられたばっかだ……おやっさんのロバじゃ一たまりもないだろう」
「なんじゃと、うちのマルガレーテにケチをつけるかいお前さん!」
「ちげぇって、とにかく達者でな」
「言われんでも大丈夫じゃ、わしは何年このマルガレーテでハーシェルまで行っとるとおもっとんじゃい」
 はいはい、と店主がおやっさんにこたえる。ぶつくさと言い始めたおやっさんの文句は止まらないがロイドはなんとか足を用意することができたらしい。藁を積み上げた箱と、人が一人座れて眠れる程度のスペースしかないが、それでもまったく何も足がないよりはマシだろう。ロイドは店主に礼を言って、おやっさんと共にようやく旧王都を出発した。
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