名探偵に憧れた私はついうっかり異世界に探偵事務所を構えてしまった

冬月光輝

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第49話:監獄と幽閉と録画機能

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「父の居場所がわかったって本当ですか立花さん」
 あたしは驚きすぎて唇が少し震える。

「まあ色々と調べてみてね。カズヤ=アマミヤさんは、かなりこの国では有名人だ。元王族親衛隊の副隊長だったのだから」
 立花は、あたしの顔を見ながら話した。

「やっぱり……」
 あたしはポツリと呟いた。

「なんだ知っていたのかい?」
 立花は意外そうな顔をした。

「いいえ、全然知りませんでした。でも夢で見た内容が――」
 あたしは昨日の夢の話をした。

「――なるほど。君以外の記憶が現れるとは……。ルーシーさんは君の母親で間違い無かった」
 立花は腕を組みながら話した。

「やっぱり、そうなのですか?」
 あたしは立花に尋ねる。

「つまり涼子くんは本来こっちの世界の人間だ」
 立花のひと言はあたしにとって重かった。
 そして、こちらの世界に来て色々な出来事に妙に順応出来たことも納得した。

「それは結構キツイなあ。あたしの中の色んなものが崩れそうです」
 あたしは苦笑いした。

「そんなに深く考えないようにしなさい。涼子くんであるという事実は変わらないのだから」
 立花はあたしの目をじっと見つめてそう言った。

「そうですね。はは、確かに考えても意味ないですから受け入れます。それと父は今、どこに居るのですか?」
 あたしは最初の話に戻した。

「これは、とても言いにくいのだけど、君のお父さんは今この国の監獄に幽閉されている」
 立花は静かに言った。

「幽閉? 監獄? ――父は閉じ込められているのですか?」
 あたしは、立花に詰め寄った。

「落ち着いてと言っても無理だろうね。この国の過激派に【国家転覆罪】の汚名を着せられ投獄されたそうだ。私は、レオンくんの力を借りて何とか君のお父さんとコンタクトを取れた」
 立花は静かにゆっくりと話していた。

「えっ父と会ったのですか?」
 あたしはまた、驚いてしまう。

「流石にそれは無理だったけど、これを使ったんだ」
 立花はポケットから、小さな虫のおもちゃを出した。

「これは、最先端技術を駆使した道具でね。これだけ小型で遠隔操作や会話ができる便利なものなんだけど。君のお父さんがいる監獄の中まで、これを潜入させることに成功した」
 立花はいつもと調子が違って淡々と話している。

「これには更に録画機能も付いていてね。君に見せようと思うのだが‥覚悟をして見てほしい」
 立花は今までに無い悲しそうな表情をしていた。

 あたしは立花の目を見て黙って頷いた。

――監獄の中の映像が見える。

 奥の方の牢に段々近づいて行き中に入った。中には両手両足が拘束された、あたしの父がいた。

「雨宮和也さんですね」
 立花の声がした。

「ん? 君は誰だなんだ? その呼び方はこの国の者ではないな」
 和也は怪訝な顔をしていた。

「このような形でコンタクトをとる無礼をお許しください。私はエジシアで探偵をしております、立花仁と申します」
 立花は自己紹介した。

「立花……、日本人の名前か? じゃあ君も……」
 和也は少し驚いた顔をした。

「ええ、お察しのように私も転移者です」
 立花は答えた。

「驚いたな、いや俺以外にもこっちの世界に転移したり、転生したりする者がいるのは知っていたが‥。会うのは初めてだ。それで探偵とやらがこんな状態の俺に何の用事かな」
 和也は依然として警戒していた。

「依頼により、あなたを探してました。依頼人はあなたのお嬢様、涼子さんです」
 立花は和也にそう伝えた。

「何だと! 涼子が、涼子がこっちに来ているのか? そんな馬鹿な……」
 和也は狼狽していた。

「涼子さんもこちらの世界に転移してきたのです。そしてあなたの捜索を私に依頼し、ここまで来ました」
 立花は和也に説明をする。

「お前は、とんでもないことをしてくれたな。このままだと涼子の身が危ない。早くここから離れろ」
 和也は怒りの表情を見せていた。
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