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第九話
「どうしてくれるのですか!? せっかくあなたとナッシュの家を購入してそこで子供が生まれたら育てて貰うつもりでしたのに! このままだと、私たちの子供はどうなるんですか!?」
ナッシュの子供を授かったという彼の母親、シェムロイ公爵夫人は凄い剣幕で私にまくし立てます。
いえ、知らないですよ。大体、その話を了承した覚えもありませんし。
「そのようなことを言われてもナッシュ様がティアナ様とご結婚なさりたいと仰せになって、婚約破棄をしました。もうナッシュ様と私は他人なんです。そういった類の話はティアナ様に……」
「言えるはずありませんよ! ティアナ様はこの国の第一王女ですよ! ナッシュとの子供を授かったから育てて欲しいなどとお願いすれば大問題になるに決まっています!」
ああ、それくらいの常識はかろうじて持ち合わせているのですね。
ティアナ様にナッシュを押しつけてそれだけでも正解と言えます。
それにしても、ナッシュがあっさりとティアナ様に乗り換えたことから察するに彼は自分の母親が妊娠していることを知らないのでしょうか。
「では、ナッシュ様は知らないのですか? 自分の子供のこと。レイラさんのことも含めて」
「当たり前です! 可愛いあの子にそんな心労かけさせられるものですか! 絶対に安心な状況を作ってから告白するつもりでした。レイラのことは主人との子供ということにしてますし」
うわ~~。それはそれでドン引きですね。
では、残念ですがシェムロイ夫人は詰んでいますね。ご愁傷さまです。
「もう諦めましょう。禁忌を犯したのですから、正直にシェムロイ公爵に話すべきです」
「あなた! そんなこと言うなんて、冷たいじゃありませんか! 本当の娘になると思って家まで買ったのですよ! あなたの子ということにして赤ん坊だけでも受け取ってください!」
「別に頼んでませんし。とにかく私は他人なのですから、これ以上は関わらないで下さい。シェムロイ公爵に私から伝えても良いんですよ?」
「あの人があなたの言うことを真に受けるはずありませんわ。いいですか? 私の実家もそれなりの力があります。もし妙な考えを起こしたりしたら、あなたを許しませんよ。私とナッシュの子供のことは黙っておいてもらいます!」
やはり最終的にはそういう脅し文句を言ってきましたか。ですから、公爵に直接訴えるというやり方は却下したのです。
もう、いい加減に面倒くさくなってきました……。
「おい! エリーゼ! これは一体どういうことだ! お前とナッシュの子供!?」
「シェムロイ公爵……、どうにかしてもらえませんかぁ? うちの姉が困ってて……」
「「――っ!?」」
突然の怒鳴り声に、声がした方向を見るとルミアとシェムロイ公爵が一緒に物陰から出てきました。
あの子、私が前にここでシェムロイ夫人に衝撃の告白をされた話を覚えていて……。
公爵家までわざわざ行ってきてくれたんですね。
「姉さんが夫人と歩いてるところを見たからね。もしかしてって思ったんだよ」
「助かったわ。あなたが妹で本当に」
「じゃ、今度パンナコッタ奢ってね」
こうして、シェムロイ公爵に夫人はお持ち帰りされました。
今後のことは本当に知りませんよ。フリではありませんからね――。
ナッシュの子供を授かったという彼の母親、シェムロイ公爵夫人は凄い剣幕で私にまくし立てます。
いえ、知らないですよ。大体、その話を了承した覚えもありませんし。
「そのようなことを言われてもナッシュ様がティアナ様とご結婚なさりたいと仰せになって、婚約破棄をしました。もうナッシュ様と私は他人なんです。そういった類の話はティアナ様に……」
「言えるはずありませんよ! ティアナ様はこの国の第一王女ですよ! ナッシュとの子供を授かったから育てて欲しいなどとお願いすれば大問題になるに決まっています!」
ああ、それくらいの常識はかろうじて持ち合わせているのですね。
ティアナ様にナッシュを押しつけてそれだけでも正解と言えます。
それにしても、ナッシュがあっさりとティアナ様に乗り換えたことから察するに彼は自分の母親が妊娠していることを知らないのでしょうか。
「では、ナッシュ様は知らないのですか? 自分の子供のこと。レイラさんのことも含めて」
「当たり前です! 可愛いあの子にそんな心労かけさせられるものですか! 絶対に安心な状況を作ってから告白するつもりでした。レイラのことは主人との子供ということにしてますし」
うわ~~。それはそれでドン引きですね。
では、残念ですがシェムロイ夫人は詰んでいますね。ご愁傷さまです。
「もう諦めましょう。禁忌を犯したのですから、正直にシェムロイ公爵に話すべきです」
「あなた! そんなこと言うなんて、冷たいじゃありませんか! 本当の娘になると思って家まで買ったのですよ! あなたの子ということにして赤ん坊だけでも受け取ってください!」
「別に頼んでませんし。とにかく私は他人なのですから、これ以上は関わらないで下さい。シェムロイ公爵に私から伝えても良いんですよ?」
「あの人があなたの言うことを真に受けるはずありませんわ。いいですか? 私の実家もそれなりの力があります。もし妙な考えを起こしたりしたら、あなたを許しませんよ。私とナッシュの子供のことは黙っておいてもらいます!」
やはり最終的にはそういう脅し文句を言ってきましたか。ですから、公爵に直接訴えるというやり方は却下したのです。
もう、いい加減に面倒くさくなってきました……。
「おい! エリーゼ! これは一体どういうことだ! お前とナッシュの子供!?」
「シェムロイ公爵……、どうにかしてもらえませんかぁ? うちの姉が困ってて……」
「「――っ!?」」
突然の怒鳴り声に、声がした方向を見るとルミアとシェムロイ公爵が一緒に物陰から出てきました。
あの子、私が前にここでシェムロイ夫人に衝撃の告白をされた話を覚えていて……。
公爵家までわざわざ行ってきてくれたんですね。
「姉さんが夫人と歩いてるところを見たからね。もしかしてって思ったんだよ」
「助かったわ。あなたが妹で本当に」
「じゃ、今度パンナコッタ奢ってね」
こうして、シェムロイ公爵に夫人はお持ち帰りされました。
今後のことは本当に知りませんよ。フリではありませんからね――。
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