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第二十八話
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アルフレート殿下は話し合いを投げ出して、私を抱えて馬車に乗り、アルビニア王国へと出発させてしまいました。
次から次へと面倒事が押し寄せてきましたので、私も愛想を尽かされるかもしれないと思ってしまった程ですから、無理もないことかもしれません。
「すまない、シャルロット。強引なことをしてしまった。だが、君を一刻も早くあの家から出さなくてはならないと思ったんだ」
アルフレート殿下は申し訳なさそうな顔をされて私に謝罪しました。
その澄んだ瞳は悲しみさえも素直に私に伝播して、いたたまれない気持ちになります。
本当はこのようなことをするつもりではなかった、と強く訴えかけているように見えましたから。
「私は構いません。しかし、アルフレート殿下はよろしいのですか? 私には家の問題もありますし、殿下の妻になる者として相応しくないような気がします」
不安に思っていたことを私は殿下に吐露しました。
私の両親も妹も元婚約者の家庭も問題がありすぎて、アルフレート殿下の負担になるのではないかと思ったのです。
仮に私がアルビニアに嫁いだとしても、何かあって殿下の名誉が傷付くような事があれば申し訳が立ちません。
もうすでに手遅れかもしれませんが、それでも確認せずにはいられなかったのです。
「なんだ、そんなことを考えていたのか。確かに婚姻というものは家同士の繋がりも大事なのかもしれない。だが、それ以上に僕にとっては自分の惚れた人をどれだけ守ることが出来るかの方が大事だ」
私が心配でならなかったこと、不安で押し潰されそうになっていたこと、それを殿下は全て笑って流そうとして下さいました。
家同士のことよりも、私自身が大事だと仰ってくれたのです。
「アルフレート殿下……」
「安心してくれ。君のことを幸せにするって誓いを立てて迎えに来た。その気持ちだけは揺るがないから」
殿下はニコリと笑って、私を安心させようと声をかけてくれました。
ここまで、アルフレート殿下が仰ってくれているのです。
私も覚悟を決めて、殿下の為に生涯を捧げましょう。たとえ、家と縁を切ることになっても――。
◆ ◆ ◆
「ようやく着いたぞ。これがアルビニアとエゼルスタを繋ぐ大橋“レスター大橋”だ。両国間を行き来するにあたって、関所で必ず手続きが必要となっている」
アルビニア王国の国境まで馬車で三日かかりました。
関所を超えるときに私のことで何か揉めるかもしれないと思っていたのですが、殿下が一言、二言、何かを告げるだけで問題なく通過することが出来ました。
そして、ようやくエゼルスタとアルビニアを繋ぐ唯一の橋にたどり着きます。
橋は両国の友好関係の象徴として、陸地と陸地を繋ぎどこか神秘的な雰囲気を感じました。
「初めて見ましたが、すごいですね。この橋が出来るまで二つの国はほとんど交わる事がなかったことが納得できるというか……」
「そうだね。この橋は言うなれば僕と君の仲人だ。これが無ければ僕と君は出会っていないのだから」
「ええ、私もまったく同じことを感じました。そして、アルフレート殿下に出会えた幸運に感謝しています」
馬車から降りて、壮大な景色を目に焼き付けながら私はアルフレート殿下の言葉に同調します。
この橋が私とアルフレート様を繋いだと言っても過言ではありません。
大河で隔てる二つの大地を繋ぐ橋は歴史的な背景も相まって幻想的にも感じられました。
この橋を越えると言葉も文化も違う国に着く――もちろん不安もありましたが、そんなものは希望の大きさに比べると問題にもなりません。
アルフレート殿下に肩を抱かれ、私は彼の温もりを感じながら新たな生活への期待に胸を高鳴らせました。
故郷を背にして、私は未来へと歩みを進めました――。
次から次へと面倒事が押し寄せてきましたので、私も愛想を尽かされるかもしれないと思ってしまった程ですから、無理もないことかもしれません。
「すまない、シャルロット。強引なことをしてしまった。だが、君を一刻も早くあの家から出さなくてはならないと思ったんだ」
アルフレート殿下は申し訳なさそうな顔をされて私に謝罪しました。
その澄んだ瞳は悲しみさえも素直に私に伝播して、いたたまれない気持ちになります。
本当はこのようなことをするつもりではなかった、と強く訴えかけているように見えましたから。
「私は構いません。しかし、アルフレート殿下はよろしいのですか? 私には家の問題もありますし、殿下の妻になる者として相応しくないような気がします」
不安に思っていたことを私は殿下に吐露しました。
私の両親も妹も元婚約者の家庭も問題がありすぎて、アルフレート殿下の負担になるのではないかと思ったのです。
仮に私がアルビニアに嫁いだとしても、何かあって殿下の名誉が傷付くような事があれば申し訳が立ちません。
もうすでに手遅れかもしれませんが、それでも確認せずにはいられなかったのです。
「なんだ、そんなことを考えていたのか。確かに婚姻というものは家同士の繋がりも大事なのかもしれない。だが、それ以上に僕にとっては自分の惚れた人をどれだけ守ることが出来るかの方が大事だ」
私が心配でならなかったこと、不安で押し潰されそうになっていたこと、それを殿下は全て笑って流そうとして下さいました。
家同士のことよりも、私自身が大事だと仰ってくれたのです。
「アルフレート殿下……」
「安心してくれ。君のことを幸せにするって誓いを立てて迎えに来た。その気持ちだけは揺るがないから」
殿下はニコリと笑って、私を安心させようと声をかけてくれました。
ここまで、アルフレート殿下が仰ってくれているのです。
私も覚悟を決めて、殿下の為に生涯を捧げましょう。たとえ、家と縁を切ることになっても――。
◆ ◆ ◆
「ようやく着いたぞ。これがアルビニアとエゼルスタを繋ぐ大橋“レスター大橋”だ。両国間を行き来するにあたって、関所で必ず手続きが必要となっている」
アルビニア王国の国境まで馬車で三日かかりました。
関所を超えるときに私のことで何か揉めるかもしれないと思っていたのですが、殿下が一言、二言、何かを告げるだけで問題なく通過することが出来ました。
そして、ようやくエゼルスタとアルビニアを繋ぐ唯一の橋にたどり着きます。
橋は両国の友好関係の象徴として、陸地と陸地を繋ぎどこか神秘的な雰囲気を感じました。
「初めて見ましたが、すごいですね。この橋が出来るまで二つの国はほとんど交わる事がなかったことが納得できるというか……」
「そうだね。この橋は言うなれば僕と君の仲人だ。これが無ければ僕と君は出会っていないのだから」
「ええ、私もまったく同じことを感じました。そして、アルフレート殿下に出会えた幸運に感謝しています」
馬車から降りて、壮大な景色を目に焼き付けながら私はアルフレート殿下の言葉に同調します。
この橋が私とアルフレート様を繋いだと言っても過言ではありません。
大河で隔てる二つの大地を繋ぐ橋は歴史的な背景も相まって幻想的にも感じられました。
この橋を越えると言葉も文化も違う国に着く――もちろん不安もありましたが、そんなものは希望の大きさに比べると問題にもなりません。
アルフレート殿下に肩を抱かれ、私は彼の温もりを感じながら新たな生活への期待に胸を高鳴らせました。
故郷を背にして、私は未来へと歩みを進めました――。
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