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第七話
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兄と姉、そして義姉と義兄になる予定の人……、つまり身内に全部ニッグとジーナの事について話してしまった私は、しばらく放心状態になりました。
一番激怒したのは意外にも兄のルークでした。
いつも冷静沈着で争いごとはあまり好まないルークは妻であり第二王女のイリーナ様に振り回されているイメージだったのですが、ニッグたちを絶対に許さないと殺気を醸し出していて、逆にイリーナ様に嗜められます。
『まったく、あなたが熱くなったらまとまらないでしょう。エルザちゃんが馬鹿にされて怒っているのは分かるけど』
『私がいけなかったんだ! 父上に全部任せていたから! エルザ、今度は私がお前にとびきりの良い男を……!』
『兄様、脱線しています。今重要なのは、どうやってお二人を十分に恐怖を味合わせた後に社会的に抹殺するかです』
『アマンダ、やる気じゃないか。じゃあ、ジーナについては良い考えがあるよ。僕の国の知り合いにさ――』
ここまで聞いたところで、私は精神的な衛生上良くないと、部屋に戻されてしまいました。
兄のルークに言われたのは、「しばらく辛いかもしれないが普段どおり過ごせ」という事と、侯爵様と友人関係にある父には念のためにこの事は黙っているようにということです。
父もこの件について聞けば激怒するのは間違いないのですが、短気な性格なので一気にことを荒立ててしまうことが不都合なのだとか。
『お義父様が動いたら、ニッグたちは浮気未遂を責められて終わりになるはずよ。うちのパパが怒ってもそうでしょうね。まぁ、失うものは多いだろうけど、結局、あの二人がくっつくのも腹が立つのよね』
イリーナはニッグたちが怒られて終わりというのには納得していないみたいです。
何やら凄い計画を立てそうなのですが、それは分からないままでした。
何日か無気力な日々を過ごした私は、兼ねてから予定していた舞踏会へ参加することになります。
パートナーは当たり前ですがニッグです。
いつもどおり過ごせということなので、会いに行かなくてはならないのでしょうが――。
「ご心配されるな」
「我ら、エルザ様の護衛」
「そして、エルザ様の影」
「イリーナ様の命により」
「陰ながらこっそりと守らせてもらう」
「王族親衛隊の力をとくとご覧あれ!」
王族親衛隊の方々が目にも止まらぬスピードで私の目の前に現れました。
えっと、さっきまでどこに居たのでしょうか……。
イリーナ様、私のために自分たちの護衛まで――。
確かに安心感はありますが――。
こうして私は護衛の方々の力に頼ることにして、自分を奮い立たせて、ニッグいるの屋敷に向かったのです。
「ひぃぃぃぃ! ぼ、僕は外に出たくない! 狙われている~、誰かが僕を殺そうとしているんだ!」
出てきたニッグは人が変わったようでした。
目に隈ができてきて、寝不足だったということを示しています。
そして、その怯えきった表情――まさか兄たちがもう動いて――。
「え、エルザ。お、お前じゃあないよな?」
「えっ? 何のことですか?」
絞り出すように声を出すニッグはかつてはあの格好いい紳士だった面影はありません。
こんな私を怖がるなんて……本当に何があったのですか――。
一番激怒したのは意外にも兄のルークでした。
いつも冷静沈着で争いごとはあまり好まないルークは妻であり第二王女のイリーナ様に振り回されているイメージだったのですが、ニッグたちを絶対に許さないと殺気を醸し出していて、逆にイリーナ様に嗜められます。
『まったく、あなたが熱くなったらまとまらないでしょう。エルザちゃんが馬鹿にされて怒っているのは分かるけど』
『私がいけなかったんだ! 父上に全部任せていたから! エルザ、今度は私がお前にとびきりの良い男を……!』
『兄様、脱線しています。今重要なのは、どうやってお二人を十分に恐怖を味合わせた後に社会的に抹殺するかです』
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ここまで聞いたところで、私は精神的な衛生上良くないと、部屋に戻されてしまいました。
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父もこの件について聞けば激怒するのは間違いないのですが、短気な性格なので一気にことを荒立ててしまうことが不都合なのだとか。
『お義父様が動いたら、ニッグたちは浮気未遂を責められて終わりになるはずよ。うちのパパが怒ってもそうでしょうね。まぁ、失うものは多いだろうけど、結局、あの二人がくっつくのも腹が立つのよね』
イリーナはニッグたちが怒られて終わりというのには納得していないみたいです。
何やら凄い計画を立てそうなのですが、それは分からないままでした。
何日か無気力な日々を過ごした私は、兼ねてから予定していた舞踏会へ参加することになります。
パートナーは当たり前ですがニッグです。
いつもどおり過ごせということなので、会いに行かなくてはならないのでしょうが――。
「ご心配されるな」
「我ら、エルザ様の護衛」
「そして、エルザ様の影」
「イリーナ様の命により」
「陰ながらこっそりと守らせてもらう」
「王族親衛隊の力をとくとご覧あれ!」
王族親衛隊の方々が目にも止まらぬスピードで私の目の前に現れました。
えっと、さっきまでどこに居たのでしょうか……。
イリーナ様、私のために自分たちの護衛まで――。
確かに安心感はありますが――。
こうして私は護衛の方々の力に頼ることにして、自分を奮い立たせて、ニッグいるの屋敷に向かったのです。
「ひぃぃぃぃ! ぼ、僕は外に出たくない! 狙われている~、誰かが僕を殺そうとしているんだ!」
出てきたニッグは人が変わったようでした。
目に隈ができてきて、寝不足だったということを示しています。
そして、その怯えきった表情――まさか兄たちがもう動いて――。
「え、エルザ。お、お前じゃあないよな?」
「えっ? 何のことですか?」
絞り出すように声を出すニッグはかつてはあの格好いい紳士だった面影はありません。
こんな私を怖がるなんて……本当に何があったのですか――。
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