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パーティー開催
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「戻りました」
アイザックとアキュール、ユキ、トールが戻ってきた。
「おぅ、お疲れ」
ユース卿はリックの横から顔を出して小さく片手を上げる。
「お疲れさまで、あれ?リク!どうしたんだ?こんなところで」
「パパ!」
アイザックがリックの上を見て驚いていた。
アイザックの子供だったのか。
「あれ?ママは?」
「ママはおしごとおわったら、むかてにいくって」
「パーティーが始まる15分前に玄関の方で待ち合わせしましたよ」
リックは彼女と約束した事をアイザックに伝える。
「そうか、リク悪かったな。俺も今終わったところだから、支度し直したらママを迎えに行こうか」
「うん!」
やったー!あのね、ぼくのママきれいなんだよ!と彼に教えていた。そっかぁと彼はニコニコしながらリクの方を向く。
「リックありがとう、助かったよ。リク、お礼言ったかい?」
「んーん、まだ。おじちゃん、ありがとう」
「おー、どういたしまして。よかったな」
「うん!」
アイザックはリックからリクを降ろしてもらい、アイザックの腕の中に収まった。
俺は依然、リックの腕の中のままだ。そろそろ降ろしてほしい。
「じゃあ、そろそろ解散としますか。皆それぞれ準備もあるだろうし」
タイミングよく、「終わりました」と作業していた騎士達がユース卿の元に集まる。
「では、王妃様のパーティーに間に合うように準備すること。それでは、解散!」
「「「「「「 お疲れさまでした!」」」」」」
休憩所からぞろぞろと各々の部屋に向かう。
「お前正装あるのか?」
「ん」
リックの隣でアキュールとユキが話をしている。
「俺はあまり着ないから、うまく着れるか不安だな」
「手伝う」
「おー、助かるわー。なんか後ろにチャックあるやつなんだけど… ユキ?」
ドシャッとユキが膝から落ち、地面に手をついて片手で鼻を抑えている。地面には数滴赤い液体が落ちている。
「おい?ユキ大丈夫か?どうした?また鼻血か?」
またってなに。あいつそんな頻繁に鼻血出してんの?
「…………へいき」
「そうか?とりあえず布で抑えて、部屋で冷やそう」
「……ん」
アキュール手慣れてんなー。ということは、アキュールの前で何度か鼻血出してるってことか?ユキの奴、……出血多量で死ぬとかやめてくれよ。
呆れた目で見ていると、ユキと目が合う。
「…………」
ユキは鼻を抑えながら首を少し傾げる。
訳 : 何で副団長そこにいるの。
「…………」
俺は目を閉じてふるふると小さく頭を振ってため息をつく。
訳 : 俺だって出たくなかったよ。
部屋が同室のため、アキュールとユキは一緒に先に離れた。
"また後で"とユキと目で話した後で。
各々の散った後、リックは自身の部屋の前でやっと俺を降ろし、「今支度して妻を呼ぶから、5分ほどここで待っててほしい」と言い、扉を閉めた。
よし!今だ!
俺とずっと付いてきてくれていた彼女は、忍び足でリックの部屋を早足で離れた。
歩幅が合わず、途中で彼女に抱っこされてしまったが。
『つかれたわ…』
ずっとフードの中にいたラナンが声を出す。
「ごめんな」
リックの部屋は1階の奥の部屋だ。やっと玄関に着き、彼女に申し訳ないので降ろしてもらい、自力で階段を上がっていると、「あ、ここにいたんだ。探したよ」
俺もラナンも歌を歌っている彼女も同時に顔を上げると、第一王子のリード様だった。
俺と彼女は慌てて礼をしようとしたが、「あっ、そのままでいいからさ、一緒に食堂に行こうよ」と王子に中断され、俺を再び抱えた彼女は、王子と手を繋いで大食堂に向かったというか戻ってきてしまった。
「うぁー…」
頭を抱えて小声で唸る。
部屋に帰れると思ったのに、何でまたこんなことに…。
彼女にずっと抱っこされっぱなしで、なんか、なんだろう。俺の何かにちょっとヒビが…。
立ち直れるだろうか、と落ち込んでいると出入り口からぞろぞろと騎士やメイド達が次々と入ってきた。皆普段よりもちゃんとした服で入場をしている。
あの男の子と夫婦も入ってきた。
リックとその奥さんも。
あ、アキュールとユキも。ん?ユキ、なんか鼻に詰め物してるな。詰め物に地味に赤いシミが見えているが、まさかあいつまた鼻血出したのか。やれやれ…。
大食堂に収まりきれないほどの人が入り、大食堂の外にまで人が溢れていた。
「開催する前に、王妃様から皆様に一言お言葉があります」
リード様が拡張器の魔法具を使ってみんなに知らせる。
拡張器を受け取った王妃様が一歩前に出て、笑顔で挨拶をした。
「お集まりの皆様。本日は私の誕生日パーティーにお越しくださり、ありがとうございます。このような素敵な装飾やお料理など心のこもった催し、私はとても幸せ者ですね。心から感謝申し上げます。本当にありがとうございます!」
王妃様からの挨拶に皆一斉に拍手をした。
「王妃様!おめでとうございます!」という声と共に。
「短い時間ではありますが、皆様心行くまでお楽しみください」
リード様の声でパーティーが開催された。
アイザックとアキュール、ユキ、トールが戻ってきた。
「おぅ、お疲れ」
ユース卿はリックの横から顔を出して小さく片手を上げる。
「お疲れさまで、あれ?リク!どうしたんだ?こんなところで」
「パパ!」
アイザックがリックの上を見て驚いていた。
アイザックの子供だったのか。
「あれ?ママは?」
「ママはおしごとおわったら、むかてにいくって」
「パーティーが始まる15分前に玄関の方で待ち合わせしましたよ」
リックは彼女と約束した事をアイザックに伝える。
「そうか、リク悪かったな。俺も今終わったところだから、支度し直したらママを迎えに行こうか」
「うん!」
やったー!あのね、ぼくのママきれいなんだよ!と彼に教えていた。そっかぁと彼はニコニコしながらリクの方を向く。
「リックありがとう、助かったよ。リク、お礼言ったかい?」
「んーん、まだ。おじちゃん、ありがとう」
「おー、どういたしまして。よかったな」
「うん!」
アイザックはリックからリクを降ろしてもらい、アイザックの腕の中に収まった。
俺は依然、リックの腕の中のままだ。そろそろ降ろしてほしい。
「じゃあ、そろそろ解散としますか。皆それぞれ準備もあるだろうし」
タイミングよく、「終わりました」と作業していた騎士達がユース卿の元に集まる。
「では、王妃様のパーティーに間に合うように準備すること。それでは、解散!」
「「「「「「 お疲れさまでした!」」」」」」
休憩所からぞろぞろと各々の部屋に向かう。
「お前正装あるのか?」
「ん」
リックの隣でアキュールとユキが話をしている。
「俺はあまり着ないから、うまく着れるか不安だな」
「手伝う」
「おー、助かるわー。なんか後ろにチャックあるやつなんだけど… ユキ?」
ドシャッとユキが膝から落ち、地面に手をついて片手で鼻を抑えている。地面には数滴赤い液体が落ちている。
「おい?ユキ大丈夫か?どうした?また鼻血か?」
またってなに。あいつそんな頻繁に鼻血出してんの?
「…………へいき」
「そうか?とりあえず布で抑えて、部屋で冷やそう」
「……ん」
アキュール手慣れてんなー。ということは、アキュールの前で何度か鼻血出してるってことか?ユキの奴、……出血多量で死ぬとかやめてくれよ。
呆れた目で見ていると、ユキと目が合う。
「…………」
ユキは鼻を抑えながら首を少し傾げる。
訳 : 何で副団長そこにいるの。
「…………」
俺は目を閉じてふるふると小さく頭を振ってため息をつく。
訳 : 俺だって出たくなかったよ。
部屋が同室のため、アキュールとユキは一緒に先に離れた。
"また後で"とユキと目で話した後で。
各々の散った後、リックは自身の部屋の前でやっと俺を降ろし、「今支度して妻を呼ぶから、5分ほどここで待っててほしい」と言い、扉を閉めた。
よし!今だ!
俺とずっと付いてきてくれていた彼女は、忍び足でリックの部屋を早足で離れた。
歩幅が合わず、途中で彼女に抱っこされてしまったが。
『つかれたわ…』
ずっとフードの中にいたラナンが声を出す。
「ごめんな」
リックの部屋は1階の奥の部屋だ。やっと玄関に着き、彼女に申し訳ないので降ろしてもらい、自力で階段を上がっていると、「あ、ここにいたんだ。探したよ」
俺もラナンも歌を歌っている彼女も同時に顔を上げると、第一王子のリード様だった。
俺と彼女は慌てて礼をしようとしたが、「あっ、そのままでいいからさ、一緒に食堂に行こうよ」と王子に中断され、俺を再び抱えた彼女は、王子と手を繋いで大食堂に向かったというか戻ってきてしまった。
「うぁー…」
頭を抱えて小声で唸る。
部屋に帰れると思ったのに、何でまたこんなことに…。
彼女にずっと抱っこされっぱなしで、なんか、なんだろう。俺の何かにちょっとヒビが…。
立ち直れるだろうか、と落ち込んでいると出入り口からぞろぞろと騎士やメイド達が次々と入ってきた。皆普段よりもちゃんとした服で入場をしている。
あの男の子と夫婦も入ってきた。
リックとその奥さんも。
あ、アキュールとユキも。ん?ユキ、なんか鼻に詰め物してるな。詰め物に地味に赤いシミが見えているが、まさかあいつまた鼻血出したのか。やれやれ…。
大食堂に収まりきれないほどの人が入り、大食堂の外にまで人が溢れていた。
「開催する前に、王妃様から皆様に一言お言葉があります」
リード様が拡張器の魔法具を使ってみんなに知らせる。
拡張器を受け取った王妃様が一歩前に出て、笑顔で挨拶をした。
「お集まりの皆様。本日は私の誕生日パーティーにお越しくださり、ありがとうございます。このような素敵な装飾やお料理など心のこもった催し、私はとても幸せ者ですね。心から感謝申し上げます。本当にありがとうございます!」
王妃様からの挨拶に皆一斉に拍手をした。
「王妃様!おめでとうございます!」という声と共に。
「短い時間ではありますが、皆様心行くまでお楽しみください」
リード様の声でパーティーが開催された。
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