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23.無情な現実
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私はノア君のちょっかいを軽くあしらいつつ、早々に掃除をして部屋を出た。ノア君はまだ一緒にいたいとか悪かったとか謝ってきたけど、これ以上こんな事をされたらいろんな意味で危ない気がしたので問答無用で立ち去った。
こっちはすごく悩んでいるのに、なんだか遊ばれているみたいな感じがしてイラついた。いきなりあんなキスして。人の気も知らないでっ。ノア君の無神経っ。
腹が立つようだけど本当は嬉しくて、好きだなって10年ぶりに気持ちがぶり返していく。幸せなドキドキが怒りを緩和していく。歓喜に鼓動が激しくて体が打ち震えている。
だけど、どんなに好きでも――私と彼は決して結ばれない現実が待っている。
これは言わずもがな決定している事。
初恋の人と再会できて嬉しい。改めて愛を告白されて、強引ながらもキスされて嬉しい。それと同時に、いつか別れが来る事を知っているから不安も同じくらい募る。妙な胸のしこりがあって、胸をざわめかせていく。
その後、掃除なんてほとんど手につかなくて、他の部屋は床掃除とシーツ交換くらいしかできなかった。メイド長に今日は調子が悪そうねと逆に心配されてしまって、仕事の量も減らされてしまった。量が減らされると給料に響くので悲しい。
「カーリィがまさかアラン様と知り合いで、その人がまさかの初恋の人だったなんてびっくりしたよ」
休憩時間、アンがりんごをかじりながら先日の事を話している。アンがあんなに強かった事に私は未だに驚いているよ。いろんな意味で。たとえばアンのあのすごい形相とか。スレッジハンマーで撲殺せんばかりに野郎共をぶっ倒していく様子とか。
「こんなにも近くにいて気づかなかった自分が情けないよ。顔見て気づかないなんて私の目は腐ってんのかも」
「名前違うし、しかもまさかの皇太子だから気づかないのも無理はないよ」
そうは言っても顔を見てピンとこないなんて、まだまだノア君への思いが足りなかったと言わざるを得ない。
「そういえばアラン様って、最近香水つけてないって噂だけど本当みたいだね。カーリィと再会できたからかな」
私が首をかしげる。アンがよくわからない事を言う。
「香水ってどういう事?」
「あ、ごめん。もしかしてカーリィ知らないんだっけ」
「アンが何を話しているかもわからないんだけど」
オリーブ山出身の私が帝都の風習などわかるはずがない。最近の流行ですら何がどうなのかわからないので、同僚の流行に敏感な女子達から笑われているくらいだ。帝都の女の子ってお洒落でいなきゃいけない上に、流行や風習も理解していなきゃいけないなんて大変だなぁ。
「帝都ではね、香水をつける事は伴侶持ちとか恋人持ちだってまわりにアピールする事なんだよ。ようは虫よけみたいな感じのね。その恋人の好きなにおいをつけることで、常にそばにいるって思わせてくれる。それが帝都での風習ってとこ」
「へえ……」
「結構有名な風習なんだけど、遠いオリーブ出なら知らないか」
そういえば、ノア君は最初は香水をつけていたな。金木犀の。さっきキスされた時は香水の匂いはしなかったけど、仮面舞踏会の時は金木犀の香りを漂わせていた。という事は、ノア君にはもうそういう人がいるのだろうか。
私以外の誰かが……?
ずきんと胸が痛む。胸のしこりがまたさらに大きくなった。
翌日の朝、仕事用具を準備している最中に同僚達の話を聞いて、私は現実に引き戻された。ああ、やっぱりって。そういう人がいたんだって事。
「アラン様、もうすぐ婚約しちゃうんだって」
「はあ……麗しのアラン様、あの美しい顔は目の保養だったのについに他人の女のものになっちゃうのか」
「ショックぅー。でも皇太子様だから政略結婚は仕方ないよね。いつまでもみんなの憧れのアラン様ってわけにもいかないだろうし」
しょんぼりしている同僚達の台詞に、私は固まったまま動けないでいる。洗剤を片手にぼうっとしてしまった。
「ヒューズさん。どうしたの」
固まっている私に主任が声をかけた。私はやっと我に返った。
「す、すみません。考え事しちゃってて……あの、皇太子様って婚約されるんですか?」
「あら、知らないの?今朝の新聞に載ってて大ニュースよ。それも超美人の伯爵令嬢様」
「そうなんですね。驚きました」
「今まで伯爵令嬢と婚約内定とは明言されなかったけど、そういう噂はチラホラあったわ。ついにアラン様も身を固める決心がついたのかしら」
「伯爵令嬢……」
残念ながら新聞はとってないのでその話題は全然知らなかった。やっぱり私も新聞くらい一部とっておくべきだよなぁ、今後の情報収集のためにも。……はあ。
ため息が尽きない。思った以上にショックを受けていた。
「あの令嬢って見た目はお淑やかそうだけど性格はわがままで高飛車って噂みたいだけどねー」
「それになんかメンヘラっぽいらしいよ。アラン様に異常に執着してるって噂を貴族女子が話してた」
「メンヘラ令嬢に迫られるアラン様カワイソー」
「それでもアタシら平民じゃ容姿も金回りも勝ち目ないもんね~ハア……ショックぅ」
同僚達がそれぞれ嘆く声はもう耳には入って来ず、私は鬱屈な気分で仕事用具の台車を引く。
皇太子だから婚約者がいてもおかしくはないよな。貴族や身分の高い者は18かそこらで結婚するのが当たり前なこのご時世、ノア君は適齢期なので将来の跡取りのために政略結婚をするのは当然のことだ。
前からわかっていた事。どうせ結ばれないのに一喜一憂していた私。なんて馬鹿なんだろう。
ノア君が私を好きだって告白は伯爵令嬢と結婚するまでの繋ぎ。私との関係を思い出にするために言ったものなのだろうか。だとすれば、やっぱり初恋は実らない。
平民と皇族。天と地の差がある身分差は決して埋まらない。私達は結ばれやしない。
こっちはすごく悩んでいるのに、なんだか遊ばれているみたいな感じがしてイラついた。いきなりあんなキスして。人の気も知らないでっ。ノア君の無神経っ。
腹が立つようだけど本当は嬉しくて、好きだなって10年ぶりに気持ちがぶり返していく。幸せなドキドキが怒りを緩和していく。歓喜に鼓動が激しくて体が打ち震えている。
だけど、どんなに好きでも――私と彼は決して結ばれない現実が待っている。
これは言わずもがな決定している事。
初恋の人と再会できて嬉しい。改めて愛を告白されて、強引ながらもキスされて嬉しい。それと同時に、いつか別れが来る事を知っているから不安も同じくらい募る。妙な胸のしこりがあって、胸をざわめかせていく。
その後、掃除なんてほとんど手につかなくて、他の部屋は床掃除とシーツ交換くらいしかできなかった。メイド長に今日は調子が悪そうねと逆に心配されてしまって、仕事の量も減らされてしまった。量が減らされると給料に響くので悲しい。
「カーリィがまさかアラン様と知り合いで、その人がまさかの初恋の人だったなんてびっくりしたよ」
休憩時間、アンがりんごをかじりながら先日の事を話している。アンがあんなに強かった事に私は未だに驚いているよ。いろんな意味で。たとえばアンのあのすごい形相とか。スレッジハンマーで撲殺せんばかりに野郎共をぶっ倒していく様子とか。
「こんなにも近くにいて気づかなかった自分が情けないよ。顔見て気づかないなんて私の目は腐ってんのかも」
「名前違うし、しかもまさかの皇太子だから気づかないのも無理はないよ」
そうは言っても顔を見てピンとこないなんて、まだまだノア君への思いが足りなかったと言わざるを得ない。
「そういえばアラン様って、最近香水つけてないって噂だけど本当みたいだね。カーリィと再会できたからかな」
私が首をかしげる。アンがよくわからない事を言う。
「香水ってどういう事?」
「あ、ごめん。もしかしてカーリィ知らないんだっけ」
「アンが何を話しているかもわからないんだけど」
オリーブ山出身の私が帝都の風習などわかるはずがない。最近の流行ですら何がどうなのかわからないので、同僚の流行に敏感な女子達から笑われているくらいだ。帝都の女の子ってお洒落でいなきゃいけない上に、流行や風習も理解していなきゃいけないなんて大変だなぁ。
「帝都ではね、香水をつける事は伴侶持ちとか恋人持ちだってまわりにアピールする事なんだよ。ようは虫よけみたいな感じのね。その恋人の好きなにおいをつけることで、常にそばにいるって思わせてくれる。それが帝都での風習ってとこ」
「へえ……」
「結構有名な風習なんだけど、遠いオリーブ出なら知らないか」
そういえば、ノア君は最初は香水をつけていたな。金木犀の。さっきキスされた時は香水の匂いはしなかったけど、仮面舞踏会の時は金木犀の香りを漂わせていた。という事は、ノア君にはもうそういう人がいるのだろうか。
私以外の誰かが……?
ずきんと胸が痛む。胸のしこりがまたさらに大きくなった。
翌日の朝、仕事用具を準備している最中に同僚達の話を聞いて、私は現実に引き戻された。ああ、やっぱりって。そういう人がいたんだって事。
「アラン様、もうすぐ婚約しちゃうんだって」
「はあ……麗しのアラン様、あの美しい顔は目の保養だったのについに他人の女のものになっちゃうのか」
「ショックぅー。でも皇太子様だから政略結婚は仕方ないよね。いつまでもみんなの憧れのアラン様ってわけにもいかないだろうし」
しょんぼりしている同僚達の台詞に、私は固まったまま動けないでいる。洗剤を片手にぼうっとしてしまった。
「ヒューズさん。どうしたの」
固まっている私に主任が声をかけた。私はやっと我に返った。
「す、すみません。考え事しちゃってて……あの、皇太子様って婚約されるんですか?」
「あら、知らないの?今朝の新聞に載ってて大ニュースよ。それも超美人の伯爵令嬢様」
「そうなんですね。驚きました」
「今まで伯爵令嬢と婚約内定とは明言されなかったけど、そういう噂はチラホラあったわ。ついにアラン様も身を固める決心がついたのかしら」
「伯爵令嬢……」
残念ながら新聞はとってないのでその話題は全然知らなかった。やっぱり私も新聞くらい一部とっておくべきだよなぁ、今後の情報収集のためにも。……はあ。
ため息が尽きない。思った以上にショックを受けていた。
「あの令嬢って見た目はお淑やかそうだけど性格はわがままで高飛車って噂みたいだけどねー」
「それになんかメンヘラっぽいらしいよ。アラン様に異常に執着してるって噂を貴族女子が話してた」
「メンヘラ令嬢に迫られるアラン様カワイソー」
「それでもアタシら平民じゃ容姿も金回りも勝ち目ないもんね~ハア……ショックぅ」
同僚達がそれぞれ嘆く声はもう耳には入って来ず、私は鬱屈な気分で仕事用具の台車を引く。
皇太子だから婚約者がいてもおかしくはないよな。貴族や身分の高い者は18かそこらで結婚するのが当たり前なこのご時世、ノア君は適齢期なので将来の跡取りのために政略結婚をするのは当然のことだ。
前からわかっていた事。どうせ結ばれないのに一喜一憂していた私。なんて馬鹿なんだろう。
ノア君が私を好きだって告白は伯爵令嬢と結婚するまでの繋ぎ。私との関係を思い出にするために言ったものなのだろうか。だとすれば、やっぱり初恋は実らない。
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