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第1章 神奮励~チョコランタ王国編~
第8話 獣の街ザルク②
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「なんだぁ~? このチビは」
「ラビの奴いっちょ前に彼女いんのかよ」
「しかも人間のガキだ!さすが半獣様だなぁ?」
「「「ギャハハハハ!」」」
3人組のガラの悪い獣人を見て少し怯む。今まで見たのは人の姿に近い獣人だったから。2本足で立ち、手も人のように自由に物を掴んだり出来そうだけど、大きく違うのは顔が獣の顔で全身が毛で覆われている事。
顔立ちからして狼かな? 立ち位置的に真ん中にいて1番偉そうに見える黒毛の狼の獣人と、茶色い毛の狼の獣人がその左右に立ち、ジロジロと私を眺めてくる。
「……この子は……そんなんじゃない……」
微かに私の背後から声が聞こえた。
ラビくん、痛みで意識が朦朧としてるのかも! 早く治してあげたいけど、まずはこの人達を何とかしなくちゃ!
「やっぱり半獣は人間にも相手にされねぇのか!」
「「「ギャハハハハ!」」」
獣人はやっぱり耳がいいんだね……ラビくんの微かな声すら聞こえたみたい……。私は手をグッと握り、苛立ちを隠せずプルプルと震える。
「うるしゃいの! らびくんをわりゃうのゆるしゃないの!」
「ほう? どう許さないんだ? そんなに震えてよく言うぜ!」
「「ギャハハハハ!」」
「これは、おこってふりゅえてりゅの!」
黒毛の狼の獣人を睨むと少し鋭い目つきが和らいだような――
「……いくら人間は嫌いでも女のガキに手を上げるほど落ちぶれてねぇんだ……どいとけ」
あ……なんだ! 話せばわかってくれそうな所もあるんじゃない! それなら、まだ子供のラビくん殴るのおかしいよ!
黒毛の狼の獣人は、私をどかす為に恐らくほんとに軽く私の頭を横に押したつもりなんだろうけど、私には強すぎて――
「っわぁっ!」
倒れるのがスローモーションな感覚になり、ふと思う。
――あ……れ? そういえば、私の心の声聞こえてないみたい? 獣人はみんな聞こえるんだと思ってたけど違うのかな?――
そんな事をぼんやり考えながら、ゆっくり地面が迫りドサッと転んだ。咄嗟に先に手をついたから顔面強打は免れたけど、両掌と膝を擦りむき地味に痛い。
中身大人なんだから、こんな事で泣いちゃ恥ずかしいと頭でわかってるのに――転ぶとこんなに痛かったっけ? 痛みを我慢する事も出来ず、どんどん視界が涙でぼやけていき――幼児の本能的習性の前に逆らえず大声で泣き出してしまった。
「うわぁぁぁーーん」
「はぁ!? おい! 勝手に転んで泣くなよ!」
「あーあ、泣かせたー」
「泣ーかせた♪ 泣ーかせた♪」
「違ぇーし! うるせぇから泣き止ませろ!」
あれ? さっきまで悪い人達っぽさがどこへやら……もしかしてこれが素なのかな?
すると、指示されたふたりの茶色い毛の狼の獣人が私の前に来て「「ベロベロバァー♪」」と、舌を出して顔を横に振る。
こ、この人達……そんなに悪い人達じゃないのかもしれない。
そんな事を思いつつも――
「……うわぁぁぁん!」
そんな上から見下ろすように鋭い目つきのままやられたら怖いよ!
私の感覚は幼児の感覚に引っ張られているようで、大人ならば怖くない、我慢出来る事すら我慢出来ない――この世界で長く暮らしていく内に、段々以前の私の感覚がわからない。
――以前と今が混ざってごちゃごちゃだ――
「バカ! 余計泣かせてどーすんだよ!」
「だって人間のガキの泣き止ませ方なんて知らねーもん」
「同じく!」
そんな獣人達のやり取りをよそに、私の泣き声にハッと私を見たラビくんと目が合い、私が泣いてて膝と掌から血が出てる状況を確認し、ラビくんの怒った表情はまさにプッツンとブチ切れている。
「……僕だけ痛い思いするなら我慢できる……だけど!」
ラビくんの叫びでラビくんの方を向いた獣人達もハッと目を見張る。
「この子まで巻き込むな!」
さすがうさぎと言うべきか、ラビくんはひと踏みで身長差を諸共せずに黒毛の狼の獣人の顔面にパンチを叩き込んだ。腕輪の効果もあって黒毛の狼の獣人は壁まで吹っ飛ばされた。これには他のふたりの獣人も、そして私も目が点になり泣き止む。
ラビくんが残りふたりの獣人の方を睨むと、ふたりの獣人はビクッと怯む。
「ラビ……やれば出来んじゃねぇか」
壁まで吹っ飛ばされた黒毛の狼の獣人は、殴られて出た血を舐めてニヤリと笑った。その顔は兄弟を思う兄のような誇らしそうな優しい顔に見えた。
ラビくんは、その顔を見て戸惑ったように立ち尽くす。
「ラビいいか? 獣人は強き者にだけ従う誇り高き一族だ。男よりどうしたって力の弱ぇ女子供を守るのは俺達野郎の役目だ。ましてや、お前は異端の半獣だ。よく思わねぇ奴は残念ながらいる。だから、お前がしっかりして強ぇって認められなきゃなんねぇんだ」
やっぱり……この人達は、悪い人達じゃなかった。ラビくんに暴力を奮ったのも、酷い言葉で責めたのも、ラビくんに反撃出来るぐらい強くなって欲しかったんだね。不器用な優しさで言葉が足りなすぎて誤解されて損をするような……あったかい人達だ。
ラビくんを見ると大粒の涙をこぼしていた。それに釣られるように他のふたりの獣人も、私も良かったねと涙が溢れた。
「今度はラビが父ちゃんと母ちゃん守ってやれよな」
黒毛の狼の獣人はそう言い残して、獣人達はカッコよく去る――はずだった。
突然入口の岩壁がせり上がって、みんなでビックリして視線を岩壁へ移すと、しーちゃんが持ち上げてる事に更にみんな驚愕で、開いた口が塞がらないとはまさにこの事!
視界に入った私やラビくんが怪我して泣いてるのを見たしーちゃんは、冷たい目で狼の獣人達を睨んだ。あの時のサンセ並にゾワッとする殺気を感じて、私は慌てて事情を説明して止めに入る。途中からラビくんも説得に加わり、しーちゃんはなんとか怒りを抑えてくれた。
――その後、しーちゃんは狼の獣人達に入口外に放置した狩ってきた獲物を先に持って行くよう頼んでいた。
私はその間にラビくんを隅へ呼んで、内緒話をするようにしゃがみ込み、こっそり傷を癒しの力で治してあげた。
癒しの力を初めて自分に使った時、白い光に暖かい温もりを感じて、なんだか懐かしい何かを思い出して――例の警告のような頭痛が起こり何かはまた消えていった……。
ラビくんは痛みで歪んだ私の顔を見てオロオロと戸惑う中、私の頭痛の痛みと、消えていく事の心の痛みを感じ取ってくれたのか、頼み終えたしーちゃんが心配そうな顔でそばに来て、黙って抱き寄せ痛みが引くまで頭を撫でてくれた――
――痛みが治まり街に向かう際、しーちゃんは私をまだ心配しておんぶしてくれた。そして、その場にいた黒毛の狼の獣人ロウさんと名乗りあった。茶色い毛の狼の獣人さん達は先に獲物を持って行ったみたい。
ロウさんと、儀式があるとかでラビくんも共に4人でトンネル内を進むと、緩やかな下り坂になっていて、獣の街ザルクは地下にあるとわかる。進んでも進んでも人気がなく、ロウさんに聞いたら、儀式の為にみんな広場に行ったんだろうと教えてくれた。
――その後、儀式の謎がわかった。
街の中央の広場に着くとたくさんの獣人達がいて、広場の中央の高くなった祭壇にしーちゃんが狩ってきた森に住む野生の大きな猪が供えられていた。
あの大きな猪の命をしーちゃんが……狩るとはそういう事だとわかっていたのに、なんだか悲しい複雑な気持ちになる。今までしーちゃんが狩りの事を言わなかったのは、私がこう思うとわかってたからなんだと……しーちゃんの優しさを知る。
ロウさんが前に出て行き叫ぶ――
「今日の飯はシアが狩ってきた猪だ!」
「「「「ウォオオオオオオ!!」」」」
その大きな歓声にびっくりする。
「狩ってきたシアに感謝を!!」
「「「「シアに感謝を!!」」」」
「この猪の命に感謝と敬意を!!」
「「「「命に感謝と敬意を!!」」」」
すると、一斉にみんな土下座するように頭を地面につけ猪に感謝と敬意を捧げた。私も慌てて真似をする。
生きていればどうしてもお腹は減る……生きる為に奪わなければならない命に感謝と敬意を――これは獣人達流の『いただきます』だとわかった時に、私はその言葉の重みを改めて実感して泣きながら頭を下げ続けた――
――感謝と敬意を捧げ獣人達が頭をあげると、ロウさんは自分に注目するよう手を叩いた。
「みんな聞いてくれ! この顔の傷が見えるか!?」
ロウさんはラビくんに殴られた傷を集まっている獣人達に見せた。獣人達は静かに傷に注目してる。
「この傷をつけたのは……ラビだ! ラビ! こっち来い!」
ロウさんの言葉に獣人達は一斉にザワつく。
ラビくんも戸惑いつつロウさんの元へ向かい隣りに立った。
「これでラビも誇り高き獣人の仲間だ!」
「「「「ウォオオオオオオ!!」」」」
ロウさんは、半獣と差別されたラビくんがみんなに馴染めるように……ほんとにロウさんは優しい良い人だね! ラビくんは、歓声に戸惑ってるけど、なんだか嬉しそうに見えて、私も嬉しい。
しーちゃんの方を見ると、ラビくん達を見たまま優しく微笑んでいた。しーちゃんもラビくんが認められたのが嬉しそう。ほんとによかった――
「ラビの奴いっちょ前に彼女いんのかよ」
「しかも人間のガキだ!さすが半獣様だなぁ?」
「「「ギャハハハハ!」」」
3人組のガラの悪い獣人を見て少し怯む。今まで見たのは人の姿に近い獣人だったから。2本足で立ち、手も人のように自由に物を掴んだり出来そうだけど、大きく違うのは顔が獣の顔で全身が毛で覆われている事。
顔立ちからして狼かな? 立ち位置的に真ん中にいて1番偉そうに見える黒毛の狼の獣人と、茶色い毛の狼の獣人がその左右に立ち、ジロジロと私を眺めてくる。
「……この子は……そんなんじゃない……」
微かに私の背後から声が聞こえた。
ラビくん、痛みで意識が朦朧としてるのかも! 早く治してあげたいけど、まずはこの人達を何とかしなくちゃ!
「やっぱり半獣は人間にも相手にされねぇのか!」
「「「ギャハハハハ!」」」
獣人はやっぱり耳がいいんだね……ラビくんの微かな声すら聞こえたみたい……。私は手をグッと握り、苛立ちを隠せずプルプルと震える。
「うるしゃいの! らびくんをわりゃうのゆるしゃないの!」
「ほう? どう許さないんだ? そんなに震えてよく言うぜ!」
「「ギャハハハハ!」」
「これは、おこってふりゅえてりゅの!」
黒毛の狼の獣人を睨むと少し鋭い目つきが和らいだような――
「……いくら人間は嫌いでも女のガキに手を上げるほど落ちぶれてねぇんだ……どいとけ」
あ……なんだ! 話せばわかってくれそうな所もあるんじゃない! それなら、まだ子供のラビくん殴るのおかしいよ!
黒毛の狼の獣人は、私をどかす為に恐らくほんとに軽く私の頭を横に押したつもりなんだろうけど、私には強すぎて――
「っわぁっ!」
倒れるのがスローモーションな感覚になり、ふと思う。
――あ……れ? そういえば、私の心の声聞こえてないみたい? 獣人はみんな聞こえるんだと思ってたけど違うのかな?――
そんな事をぼんやり考えながら、ゆっくり地面が迫りドサッと転んだ。咄嗟に先に手をついたから顔面強打は免れたけど、両掌と膝を擦りむき地味に痛い。
中身大人なんだから、こんな事で泣いちゃ恥ずかしいと頭でわかってるのに――転ぶとこんなに痛かったっけ? 痛みを我慢する事も出来ず、どんどん視界が涙でぼやけていき――幼児の本能的習性の前に逆らえず大声で泣き出してしまった。
「うわぁぁぁーーん」
「はぁ!? おい! 勝手に転んで泣くなよ!」
「あーあ、泣かせたー」
「泣ーかせた♪ 泣ーかせた♪」
「違ぇーし! うるせぇから泣き止ませろ!」
あれ? さっきまで悪い人達っぽさがどこへやら……もしかしてこれが素なのかな?
すると、指示されたふたりの茶色い毛の狼の獣人が私の前に来て「「ベロベロバァー♪」」と、舌を出して顔を横に振る。
こ、この人達……そんなに悪い人達じゃないのかもしれない。
そんな事を思いつつも――
「……うわぁぁぁん!」
そんな上から見下ろすように鋭い目つきのままやられたら怖いよ!
私の感覚は幼児の感覚に引っ張られているようで、大人ならば怖くない、我慢出来る事すら我慢出来ない――この世界で長く暮らしていく内に、段々以前の私の感覚がわからない。
――以前と今が混ざってごちゃごちゃだ――
「バカ! 余計泣かせてどーすんだよ!」
「だって人間のガキの泣き止ませ方なんて知らねーもん」
「同じく!」
そんな獣人達のやり取りをよそに、私の泣き声にハッと私を見たラビくんと目が合い、私が泣いてて膝と掌から血が出てる状況を確認し、ラビくんの怒った表情はまさにプッツンとブチ切れている。
「……僕だけ痛い思いするなら我慢できる……だけど!」
ラビくんの叫びでラビくんの方を向いた獣人達もハッと目を見張る。
「この子まで巻き込むな!」
さすがうさぎと言うべきか、ラビくんはひと踏みで身長差を諸共せずに黒毛の狼の獣人の顔面にパンチを叩き込んだ。腕輪の効果もあって黒毛の狼の獣人は壁まで吹っ飛ばされた。これには他のふたりの獣人も、そして私も目が点になり泣き止む。
ラビくんが残りふたりの獣人の方を睨むと、ふたりの獣人はビクッと怯む。
「ラビ……やれば出来んじゃねぇか」
壁まで吹っ飛ばされた黒毛の狼の獣人は、殴られて出た血を舐めてニヤリと笑った。その顔は兄弟を思う兄のような誇らしそうな優しい顔に見えた。
ラビくんは、その顔を見て戸惑ったように立ち尽くす。
「ラビいいか? 獣人は強き者にだけ従う誇り高き一族だ。男よりどうしたって力の弱ぇ女子供を守るのは俺達野郎の役目だ。ましてや、お前は異端の半獣だ。よく思わねぇ奴は残念ながらいる。だから、お前がしっかりして強ぇって認められなきゃなんねぇんだ」
やっぱり……この人達は、悪い人達じゃなかった。ラビくんに暴力を奮ったのも、酷い言葉で責めたのも、ラビくんに反撃出来るぐらい強くなって欲しかったんだね。不器用な優しさで言葉が足りなすぎて誤解されて損をするような……あったかい人達だ。
ラビくんを見ると大粒の涙をこぼしていた。それに釣られるように他のふたりの獣人も、私も良かったねと涙が溢れた。
「今度はラビが父ちゃんと母ちゃん守ってやれよな」
黒毛の狼の獣人はそう言い残して、獣人達はカッコよく去る――はずだった。
突然入口の岩壁がせり上がって、みんなでビックリして視線を岩壁へ移すと、しーちゃんが持ち上げてる事に更にみんな驚愕で、開いた口が塞がらないとはまさにこの事!
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――その後、しーちゃんは狼の獣人達に入口外に放置した狩ってきた獲物を先に持って行くよう頼んでいた。
私はその間にラビくんを隅へ呼んで、内緒話をするようにしゃがみ込み、こっそり傷を癒しの力で治してあげた。
癒しの力を初めて自分に使った時、白い光に暖かい温もりを感じて、なんだか懐かしい何かを思い出して――例の警告のような頭痛が起こり何かはまた消えていった……。
ラビくんは痛みで歪んだ私の顔を見てオロオロと戸惑う中、私の頭痛の痛みと、消えていく事の心の痛みを感じ取ってくれたのか、頼み終えたしーちゃんが心配そうな顔でそばに来て、黙って抱き寄せ痛みが引くまで頭を撫でてくれた――
――痛みが治まり街に向かう際、しーちゃんは私をまだ心配しておんぶしてくれた。そして、その場にいた黒毛の狼の獣人ロウさんと名乗りあった。茶色い毛の狼の獣人さん達は先に獲物を持って行ったみたい。
ロウさんと、儀式があるとかでラビくんも共に4人でトンネル内を進むと、緩やかな下り坂になっていて、獣の街ザルクは地下にあるとわかる。進んでも進んでも人気がなく、ロウさんに聞いたら、儀式の為にみんな広場に行ったんだろうと教えてくれた。
――その後、儀式の謎がわかった。
街の中央の広場に着くとたくさんの獣人達がいて、広場の中央の高くなった祭壇にしーちゃんが狩ってきた森に住む野生の大きな猪が供えられていた。
あの大きな猪の命をしーちゃんが……狩るとはそういう事だとわかっていたのに、なんだか悲しい複雑な気持ちになる。今までしーちゃんが狩りの事を言わなかったのは、私がこう思うとわかってたからなんだと……しーちゃんの優しさを知る。
ロウさんが前に出て行き叫ぶ――
「今日の飯はシアが狩ってきた猪だ!」
「「「「ウォオオオオオオ!!」」」」
その大きな歓声にびっくりする。
「狩ってきたシアに感謝を!!」
「「「「シアに感謝を!!」」」」
「この猪の命に感謝と敬意を!!」
「「「「命に感謝と敬意を!!」」」」
すると、一斉にみんな土下座するように頭を地面につけ猪に感謝と敬意を捧げた。私も慌てて真似をする。
生きていればどうしてもお腹は減る……生きる為に奪わなければならない命に感謝と敬意を――これは獣人達流の『いただきます』だとわかった時に、私はその言葉の重みを改めて実感して泣きながら頭を下げ続けた――
――感謝と敬意を捧げ獣人達が頭をあげると、ロウさんは自分に注目するよう手を叩いた。
「みんな聞いてくれ! この顔の傷が見えるか!?」
ロウさんはラビくんに殴られた傷を集まっている獣人達に見せた。獣人達は静かに傷に注目してる。
「この傷をつけたのは……ラビだ! ラビ! こっち来い!」
ロウさんの言葉に獣人達は一斉にザワつく。
ラビくんも戸惑いつつロウさんの元へ向かい隣りに立った。
「これでラビも誇り高き獣人の仲間だ!」
「「「「ウォオオオオオオ!!」」」」
ロウさんは、半獣と差別されたラビくんがみんなに馴染めるように……ほんとにロウさんは優しい良い人だね! ラビくんは、歓声に戸惑ってるけど、なんだか嬉しそうに見えて、私も嬉しい。
しーちゃんの方を見ると、ラビくん達を見たまま優しく微笑んでいた。しーちゃんもラビくんが認められたのが嬉しそう。ほんとによかった――
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