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第4章 Open Your Eyes For The Elf's Past

第88話 キス

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「まぁ結局、何が言いたいのかっていうと……とりあえず、ここから先、色んなことがあるけど……一緒に頑張ろうよ、自分に嫌になることなんて沢山あると思うけどさ……だからと言って、自分や自分の同族に幻滅するのは……違うじゃないかな?」

 ……そうだ、私が言いたかったのを総括するとこんな感じだ……リンに届いたかな?
 そう考えながらリンを見ると……笑っていた。

「……そっか……そうだよね」

 リンの涙はすっかり治まり、元の笑顔を見せてくる。
 やっぱりリンは笑顔が似合う。

「……ごめんね、ルリルリ。『アタシ』、自分を見失ってた」
「いいよ、元のリンに戻って嬉しいよ」

リンの笑顔を見て、私も自然と笑みを浮かべた

「……ありがとう」
「……リン?」

 リンは私の腕にツタのように絡んできて……ほぼゼロ距離の位置に顔を持ってきた。

「ルリルリ……貴方のおかげで、自分に自信を持てたよ」
「……リン? 大丈夫?」
「これから一緒に頑張ろうね……」

 そう言うとリンは……私の唇に、自身の唇をくっつけた!?
 こ、これは……。

「え、ちょっと……リン?」
「おやすみ……ルリルリ」

 リンはおやすみの挨拶を言って……目を閉じてしまった。
 どどどど、どういうこと? 私……キスされた?
 どうしよう……女同士なのに……キスしちゃった?
 いや、風呂とかベッドが一緒な時点で……あぁもう!

 ……心臓バクバクだ……ね、寝られるかな?
 と、とりあえず……め、目を閉じよう……うん。



「……2人とも、寝たようやなぁ」
「うん……リンちゃん……自分から……話せた……みたいだね」

 ラピスとキセノンは、瑠璃とリンが寝たのを確認し、小声で会話を始める。
 ……2人は、瑠璃とリンの一部始終を見守っていたのだった。

「幸せそうに寝ているようやなぁ……」
「うん……リンちゃん……吹っ切れた……感じ……する」

 ラピスは静かに体を上げ、2人の寝顔を観察していた。
 リンの寝顔を見て……ラピスは、少々納得のいかない表情を浮かべていた。

「……それにしても、ウチ、『先越されて』もうたわ……ほんま悔しい……」
「ラピスちゃん……リンちゃんのこと……大好き……だもんね」
「……ひとりぼっちだったウチを受け入れてくれたのは、リンはんや……リンはんがおらんかったら、みんなとも会えんかったし……」

 ……ラピスはリンに、静かに思いを寄せていた。
 風呂や添い寝も躊躇しなかったのは……「リンと一緒だから」であった。

「リンちゃん……ラピスちゃんの事……仲間としか……見てないみたい……」
「……ま、ウチはリンはんが幸せそうならそれでええけどな」

 ……リンは悔しさを醸しつつ……どこか納得しているような様子で、再び横になった。
 そんな様子を見て、キセノンは翼をラピスに被せる。

「リンちゃんは……その前に……ゴルドちゃん以外の……男性と……話せるように……なろう」
「む、無理や……ウチ、『男が大の苦手』なんの知っとるやろ……」
「でも……そろそろ……前に……進まないと……」
「む、無理やって……と、とりあえずウチは寝るで、おやすみ」

 ラピスは顔を赤らめつつ、目を閉じた。
 キセノンはしばらくの間3人を見つめていた……寝たことを確認すると、キセノンは笑みを浮かべた。
 そして……3人を包み込むように翼を広げた。

「ふふ……私は……みんなのこと……大好きだよ……おやすみ……」

 キセノンは……目を閉じた。
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