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第9章 サンルートの王、参上!

第214話 変身とキラーシャーク

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「よし、君たちは余が安全地帯へ誘導してあげよう!」
「……いえ、その必要はありませんよ」
「……なんだと?」

 私とリンはカードを取り出し、腕輪のアプリを起動させた。

『『イッツ転生タイム!』』
「「転生!」」
『転生! 天下御免の探索者! ヒューマンシーカー!!』
『転生! よっしゃ射抜いてラッキー! エルフシーカー!』

 変身音声が流れ、私は赤き鎧武者に、リンはピンクの弓使いに変身した。

「おぉ……君たちは……」
「私たち……」
「ダンジョン探索隊アナザーワールズです!」
「な、なんだって?」

 陛下は困惑しているようだった、まぁ……それもそうか。

「陛下! アタシたちはここ、日本に現れたダンジョンを対処しているパーティを組んでいるのです!」
「私たち以外にも、3人の仲間と……応援してくれている人たちがいます」
「なるほど……それはとても心強いな! では、一緒に参ろう!」
「……っと、行く前に3人に連絡を……」

 3人に連絡しようとした……その時だった。

「ルリルリ! 敵が来てるよ!」
「え!?」

 リンが指を差した先……海面上に、何やら、刃物のようなものが出てきた。
 まるで巨大な肉切り包丁のような……そんなものが、こちらに向かって近づいてきていた。

「諸君! 武器を構えるんだ!」
「は、はい! ルリルリも! 早く態勢整えて!」
「う、うん!」

 私は咄嗟に刀を構えた。
 そうこうしている間に刃物のようなものはどんどん上がっていき……やがて、海面上に水しぶきが起き、その姿が露わになった。
 それを例えるなら……牙の生えた半魚人だった。
 そして、全身が刃物上になっていて、二足歩行をし、両足には泳ぐためなのか、ヒレが着いていた。
 そんな全身刃物の怪物が地面に足を置き、こちらに向かっている……や、やばいかも。

「あ、あのモンスターは……」
「……ルリルリ、アレは『キラーシャーク』だよ」
「な、なるほど……それはヤバそうな名前だね!」
「来てるよ!」

 リンはボウガンを放つのと同時に、私は刀を構え、奴目掛けて斬撃を繰り出す。
 私が攻撃を繰り出す前にリンの矢が奴に命中した……のだが、奴はそれを片腕の刃物で弾き返してしまった。
 つ、強い……でも、近距離攻撃なら……。

「え、えぇ!?」

 奴に向かって斬撃を繰り出した……その時、それを呼んでいたかのように、足についていた刃物で私の刀を抑えてしまった。

「や、やるじゃない……」

 一触即発、私と奴は、お互いに動きを読まれまいと、刃を重ねたまま、力ませていた。
 どうする……このままでいても何も進まない……どうすれば……。
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