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第10章 営・業・再・開
第246話 逮捕と殺害
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『逮捕されたのは武装集団の指導者で、カストル氏族の長を自称する「ビスマ・カストル」容疑者、ルクバト氏族の長を自称する「ルミア・ルクバト」容疑者、ポラリス氏族の長を自称する「ウラヌ・ポラリス」容疑者の3名です』
映像ではアメリカもしくはカナダ軍が撮影したであろうエルフの男女が映し出されていた。
読み上げられる指導者の名前、リンを見ると……どこか安堵の表情を浮かべていた。
「よかった……やっと内戦が終わる……」
リンは、安心した口調で、そんなことを呟いた。
『また、アメリカ、カナダ両軍は、複数の街や集落を占領し、民間人に危害を加え、両軍の投降命令に従わなかったとして自称ラサル氏族の指導者、「ルテニ・ラサル」容疑者と自称アルタイル氏族の指導者、「ネオジ・アルタイル」容疑者両名を殺害したと報告しました』
なんと……私は思わず言葉を失ってしまった。
ここまでやるなんて……。
映像には遠くから撮影したであろう、金髪のエルフの女性と銀髪のエルフの男性が映し出されていた。
「……お母様」
……突然、リンがそんなことを呟き、私は耳を疑ってしまった。
……お母様? ま、まさか……。
「この女性……リンのお母さん?」
「うん……」
そ、そんな……リンのお母さんが殺されたなんて……。
「でも、これで良かったよ」
「えぇ!? 良くないでしょ! だってリンのお母さん……」
「いいんだよ……あんなの、もう母親なんかじゃない……くだらない思想に取りつかれて、『私の友達』を殺した……殺人鬼だよ」
「……」
リンの表情はどこか清々しく見え、口調も、どこか真剣だった。
『両軍は、この2名が民間人虐殺などを命令したとして、捜査を進めている模様です』
民間人虐殺……リンの友人とその家族を殺害して、地球に来てからはそんなことをして……最後には殺される、因果応報ってやつだろう。
テレビの中では、一般人がスマホで撮影したであろう映像が流れていた。
エルフと思われる人物たちが、ボウガンを片手に民家の玄関を蹴破る様子、目の前でエルフに叱責されている様子などがバッチリ映っていた。
他にも、学校やスーパーと思われる場所の監視カメラの映像が流れた。
その中では、エルフと思われる人物が子どもや女性を連れ去る様子、それを阻止しようとしている現地の男性を暴行する様子、拳銃で応戦しようとした男性に向かって何やら魔法を使い拳銃を使用不能にしている様子が映し出されていた。
映像が流れるたびに左上に閲覧注意の警告表示が出され、この戦争の悲惨さを物語っていた。
そんな映像が流れる中、突然スタジオの画面に映り替わった。
『さて、ここで速報が入ってまいりました、北米に現れた自称エルフ族なのですが、エルフの代表を自称する人物らが、先程米国国防省で会見を開いた模様です! 現在中継がつながっております……』
司会がそんなことを言うと、映像が複数のエルフ族が壇上で何かを語る場面に切り替わった。
英語で話している様子で、同時通訳が行われていた。
すると……。
「……え?」
リンが突然、テレビにしがみついた。
「リンはん? どないしたんや!?」
「離れて……目……悪くするよ」
ラピスとキセノンがリンを宥め、テレビから離れさせた。
リンは……驚愕の表情で静かに呟いた。
「これ……まさか……お姉様?」
映像ではアメリカもしくはカナダ軍が撮影したであろうエルフの男女が映し出されていた。
読み上げられる指導者の名前、リンを見ると……どこか安堵の表情を浮かべていた。
「よかった……やっと内戦が終わる……」
リンは、安心した口調で、そんなことを呟いた。
『また、アメリカ、カナダ両軍は、複数の街や集落を占領し、民間人に危害を加え、両軍の投降命令に従わなかったとして自称ラサル氏族の指導者、「ルテニ・ラサル」容疑者と自称アルタイル氏族の指導者、「ネオジ・アルタイル」容疑者両名を殺害したと報告しました』
なんと……私は思わず言葉を失ってしまった。
ここまでやるなんて……。
映像には遠くから撮影したであろう、金髪のエルフの女性と銀髪のエルフの男性が映し出されていた。
「……お母様」
……突然、リンがそんなことを呟き、私は耳を疑ってしまった。
……お母様? ま、まさか……。
「この女性……リンのお母さん?」
「うん……」
そ、そんな……リンのお母さんが殺されたなんて……。
「でも、これで良かったよ」
「えぇ!? 良くないでしょ! だってリンのお母さん……」
「いいんだよ……あんなの、もう母親なんかじゃない……くだらない思想に取りつかれて、『私の友達』を殺した……殺人鬼だよ」
「……」
リンの表情はどこか清々しく見え、口調も、どこか真剣だった。
『両軍は、この2名が民間人虐殺などを命令したとして、捜査を進めている模様です』
民間人虐殺……リンの友人とその家族を殺害して、地球に来てからはそんなことをして……最後には殺される、因果応報ってやつだろう。
テレビの中では、一般人がスマホで撮影したであろう映像が流れていた。
エルフと思われる人物たちが、ボウガンを片手に民家の玄関を蹴破る様子、目の前でエルフに叱責されている様子などがバッチリ映っていた。
他にも、学校やスーパーと思われる場所の監視カメラの映像が流れた。
その中では、エルフと思われる人物が子どもや女性を連れ去る様子、それを阻止しようとしている現地の男性を暴行する様子、拳銃で応戦しようとした男性に向かって何やら魔法を使い拳銃を使用不能にしている様子が映し出されていた。
映像が流れるたびに左上に閲覧注意の警告表示が出され、この戦争の悲惨さを物語っていた。
そんな映像が流れる中、突然スタジオの画面に映り替わった。
『さて、ここで速報が入ってまいりました、北米に現れた自称エルフ族なのですが、エルフの代表を自称する人物らが、先程米国国防省で会見を開いた模様です! 現在中継がつながっております……』
司会がそんなことを言うと、映像が複数のエルフ族が壇上で何かを語る場面に切り替わった。
英語で話している様子で、同時通訳が行われていた。
すると……。
「……え?」
リンが突然、テレビにしがみついた。
「リンはん? どないしたんや!?」
「離れて……目……悪くするよ」
ラピスとキセノンがリンを宥め、テレビから離れさせた。
リンは……驚愕の表情で静かに呟いた。
「これ……まさか……お姉様?」
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