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第十七章「死を告げる者」
★不気味
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(ああもう…)
このタイミングで遠征。命令してるのは教会本部、白服。そして遠征先にはナイトメアの噂。
(絶対黒だろ、これ)
俺が突っ伏してると心配するような声が降ってくる。
「大丈夫ですか?ルト君」
「え、あ、…うん、平気」
まさか俺が今からシャール地区に行かされるとは思いもしないはず。このままここにいても心配させてしまうだけだろう。それにどったにしろ早く帰って遠征の準備をしなければいけない。
カタン
椅子から立ち上がり「じゃ、俺いくんで」とカフェを出ようとすると…背中に声がかかった。
「ルト君、最後に一言いわせてください!」
「?」
「クアドルカの近くの街で原因不明の雪崩が起きたようです。もしかしたら山に雪男や雪の魔物が現れたのかもしれません」
「雪の魔物…」
「ええ、そのせいで異変が起きただけなのかもかもしれません」
「…」
「とりあえず、今回の事件が必ずしもナイトメアのせいだという証拠はありませんから、あまり考えすぎないでくださいね!」
「ん…わかった、教えてくれてありがとう」
雪崩のことは知っていたけど、とりあえず頷いておいた。それから俺はボーっといろんなことを考えながら教会に戻るのだった。
***
「ーっ…ああ、っ、あ…っ」
夜になり、遠征の準備も落ち着いたところでザクに背後から襲われた。俺としても、今は少しでも誰かといたい気分だったから抵抗せずザクを受け入れた。
「ハア、ハア、ん、…ザク、ベッド、そこだか、ら」
半分ほどザク自身を埋められ、床の上での行為なのに、どうしようもなく震えた。与えられる快感と息苦しさのせいで、俺も前から透明の液体を吐き出している。もうここまでくると、自分では身動きが取れない。
「はこ、んで…」
縋るようにして呟くと、ザクは少し考えたあと自身を引き抜き、俺の体を軽々と抱きかかえて運んでくれた。ベッドにぽふんとバウンドするように着地して振り返ると赤い目とぶつかった。ドキリと心臓が跳ねる。
「ほら…、他に何かあるかよ、ルト」
「ん、ない…、ザク…」
そういって甘えるようにザクの胸に頭をこすり付ける。
(よかった…)
帰ってきてからずっとザクは静かだった。黙って真剣な顔をしているなんて珍しすぎて調子が狂ってしまう。
(静か過ぎて…不気味というか)
だからこうやってザクが何かのアクションを起こしてくれたのは、すごく安心した。
「あっ…う、そこ…ザクっ!んんっ」
「ルト…、ルト…っ!」
焦ったように、ザクが奥まで入ってくる。突かれる度に、腹を埋めるザクをありありと感じさせられ、喉から、自分の声じゃないみたいな、甘えたような声が出て恥ずかしかった。
「んんっ、ハア、あ、あああっ…!」
だけど、声を止めることは叶わず、ただ顔を赤く染め、ザクを受け入れた。徐々に、体の奥から甘い感覚がじわじわと溢れてくる。待っていたかのように、ザクが熱くて硬くなった自身で俺の感じる部分を突いてきて、もっと大きな声が出た。
「ーっあああ!、や、もっ、あんんっ」
「けけ、イク、か…?俺様も、一回、だしとく、かな…!」
囁くように掠れた声で呟かれゾクゾクと体が震える。その時、かなりきつく締め付けてしまったようでザクが小さく呻いた。
「ーっ…っ、くっ…!」
「ぁあっ!!」
中にびゅっと、熱いものがあたる。
(あつい……)
すぐにそれはお腹の中で広がり、その熱さと奥を抉られる刺激でつられて達してしまう。
「っ、あ、ザク…!、い、あああぁっ!」
「っく…締めすぎ、だって…」
食いちぎる気か、と嬉しそうに笑うザク。俺がイッてる間も長々と出し続け、しかも最後の方はゆるゆると腰を使って揺すってきた。おかげで俺は敏感な中をずっと刺激され、耐えることのない絶頂感を味わうことになり、早くもHPが0に近くなる。ぜえぜえと肩で息をし、ザクを見上げた。
「ハァッ、ザクの…ハア、ハア…、馬鹿っ!!」
「けけ、いやーちょっとムシャクシャしてな、悪い、次は優しくすっから」
…だからもう一度やろうぜ?
と、事後独特の、色気100%越え最高級イケメンスマイルで微笑まれ…俺は頷くことしかできなかった。
***
「うう…遠征まで6時間ないし…これじゃ寝れないじゃん…」
腰の鈍痛に耐えつつ、指一本動かせない倦怠感に押しつぶされていると、横からシャワーに入ってきたザクにキスされた。
「けけ、馬車で寝ればいいって~」
「はあ…」
「あ、そうだ、遠征についてだが、もちろん俺様もついていくからな」
「…うん」
是非とも来てほしい。自分から言うのは照れるから言わないけど。それをわかってるからか、ザクが切り出してくれた。いつもは厄介事を起こしてばかりのザクだが用心棒としてはかなり優秀だ。一緒に来てくれるなら心強い。
「どんなことが起きようと、俺様がいりゃなんとかするし」
「…ん」
「俺様に任せとけ、ルト牧師」
「その呼び方やめろ…」
再びちゅっと口付けされる。最中とは違う啄ばむような甘いキスだ。これならもっとしていたい、と手をザクの頭の後ろに伸ばす。俺の意思に気付いたのか、少しの間、俺たちは甘いキスを繰り返した。
「ん…ルト…」
「…っ」
盛り上がってきたところで、俺は顔を背け深いキスを避けた。不服そうな顔をしたザクに睨まれる。
「なんだよ、こっからだってのに」
「もう無理。明日から遠征なんだぞ」
「っち」
「あと今のうちに言っておくけど、遠征先では一切やらないから、よろしく」
「ええええええええ」
頭を抱え叫ぶザク。それを横目で見て(半分笑いながら)俺はベッドに入りなおした。体はザクがシャワーに入る前に洗ったからもうこのまま寝れるのだ。眠るだけ、と思うと一気に睡魔が襲ってくる。
(あれ…そういえば)
ザクと体を触れ合っただけなのに、先ほどまで抱えていた不安が、おかしいぐらい消えていた。今じゃもう遠征のことを鬱々と考えていた自分はいなくて、横に寝るザクのことしか考えられなくなってる。
(…ありがと)
ザクの広い背中に寄り添い、そう囁く。そうだよな、何を恐れていたんだ俺は。
(ザクがいれば大丈夫)
きっと何が起きてもザクがなんとかしてくれる。そう思えば何もかも気にならなくなった。
「…おやすみ、ザク」
「んぁ?おやすみぃ」
雑な手付きでわしゃわしゃと頭を撫でてきたと思えば、すぐに寝入ってしまう。その寝息につられ俺も目を瞑る。その夜はほとんど夢を見ることなくぐっすりと眠ることができたのだった。
このタイミングで遠征。命令してるのは教会本部、白服。そして遠征先にはナイトメアの噂。
(絶対黒だろ、これ)
俺が突っ伏してると心配するような声が降ってくる。
「大丈夫ですか?ルト君」
「え、あ、…うん、平気」
まさか俺が今からシャール地区に行かされるとは思いもしないはず。このままここにいても心配させてしまうだけだろう。それにどったにしろ早く帰って遠征の準備をしなければいけない。
カタン
椅子から立ち上がり「じゃ、俺いくんで」とカフェを出ようとすると…背中に声がかかった。
「ルト君、最後に一言いわせてください!」
「?」
「クアドルカの近くの街で原因不明の雪崩が起きたようです。もしかしたら山に雪男や雪の魔物が現れたのかもしれません」
「雪の魔物…」
「ええ、そのせいで異変が起きただけなのかもかもしれません」
「…」
「とりあえず、今回の事件が必ずしもナイトメアのせいだという証拠はありませんから、あまり考えすぎないでくださいね!」
「ん…わかった、教えてくれてありがとう」
雪崩のことは知っていたけど、とりあえず頷いておいた。それから俺はボーっといろんなことを考えながら教会に戻るのだった。
***
「ーっ…ああ、っ、あ…っ」
夜になり、遠征の準備も落ち着いたところでザクに背後から襲われた。俺としても、今は少しでも誰かといたい気分だったから抵抗せずザクを受け入れた。
「ハア、ハア、ん、…ザク、ベッド、そこだか、ら」
半分ほどザク自身を埋められ、床の上での行為なのに、どうしようもなく震えた。与えられる快感と息苦しさのせいで、俺も前から透明の液体を吐き出している。もうここまでくると、自分では身動きが取れない。
「はこ、んで…」
縋るようにして呟くと、ザクは少し考えたあと自身を引き抜き、俺の体を軽々と抱きかかえて運んでくれた。ベッドにぽふんとバウンドするように着地して振り返ると赤い目とぶつかった。ドキリと心臓が跳ねる。
「ほら…、他に何かあるかよ、ルト」
「ん、ない…、ザク…」
そういって甘えるようにザクの胸に頭をこすり付ける。
(よかった…)
帰ってきてからずっとザクは静かだった。黙って真剣な顔をしているなんて珍しすぎて調子が狂ってしまう。
(静か過ぎて…不気味というか)
だからこうやってザクが何かのアクションを起こしてくれたのは、すごく安心した。
「あっ…う、そこ…ザクっ!んんっ」
「ルト…、ルト…っ!」
焦ったように、ザクが奥まで入ってくる。突かれる度に、腹を埋めるザクをありありと感じさせられ、喉から、自分の声じゃないみたいな、甘えたような声が出て恥ずかしかった。
「んんっ、ハア、あ、あああっ…!」
だけど、声を止めることは叶わず、ただ顔を赤く染め、ザクを受け入れた。徐々に、体の奥から甘い感覚がじわじわと溢れてくる。待っていたかのように、ザクが熱くて硬くなった自身で俺の感じる部分を突いてきて、もっと大きな声が出た。
「ーっあああ!、や、もっ、あんんっ」
「けけ、イク、か…?俺様も、一回、だしとく、かな…!」
囁くように掠れた声で呟かれゾクゾクと体が震える。その時、かなりきつく締め付けてしまったようでザクが小さく呻いた。
「ーっ…っ、くっ…!」
「ぁあっ!!」
中にびゅっと、熱いものがあたる。
(あつい……)
すぐにそれはお腹の中で広がり、その熱さと奥を抉られる刺激でつられて達してしまう。
「っ、あ、ザク…!、い、あああぁっ!」
「っく…締めすぎ、だって…」
食いちぎる気か、と嬉しそうに笑うザク。俺がイッてる間も長々と出し続け、しかも最後の方はゆるゆると腰を使って揺すってきた。おかげで俺は敏感な中をずっと刺激され、耐えることのない絶頂感を味わうことになり、早くもHPが0に近くなる。ぜえぜえと肩で息をし、ザクを見上げた。
「ハァッ、ザクの…ハア、ハア…、馬鹿っ!!」
「けけ、いやーちょっとムシャクシャしてな、悪い、次は優しくすっから」
…だからもう一度やろうぜ?
と、事後独特の、色気100%越え最高級イケメンスマイルで微笑まれ…俺は頷くことしかできなかった。
***
「うう…遠征まで6時間ないし…これじゃ寝れないじゃん…」
腰の鈍痛に耐えつつ、指一本動かせない倦怠感に押しつぶされていると、横からシャワーに入ってきたザクにキスされた。
「けけ、馬車で寝ればいいって~」
「はあ…」
「あ、そうだ、遠征についてだが、もちろん俺様もついていくからな」
「…うん」
是非とも来てほしい。自分から言うのは照れるから言わないけど。それをわかってるからか、ザクが切り出してくれた。いつもは厄介事を起こしてばかりのザクだが用心棒としてはかなり優秀だ。一緒に来てくれるなら心強い。
「どんなことが起きようと、俺様がいりゃなんとかするし」
「…ん」
「俺様に任せとけ、ルト牧師」
「その呼び方やめろ…」
再びちゅっと口付けされる。最中とは違う啄ばむような甘いキスだ。これならもっとしていたい、と手をザクの頭の後ろに伸ばす。俺の意思に気付いたのか、少しの間、俺たちは甘いキスを繰り返した。
「ん…ルト…」
「…っ」
盛り上がってきたところで、俺は顔を背け深いキスを避けた。不服そうな顔をしたザクに睨まれる。
「なんだよ、こっからだってのに」
「もう無理。明日から遠征なんだぞ」
「っち」
「あと今のうちに言っておくけど、遠征先では一切やらないから、よろしく」
「ええええええええ」
頭を抱え叫ぶザク。それを横目で見て(半分笑いながら)俺はベッドに入りなおした。体はザクがシャワーに入る前に洗ったからもうこのまま寝れるのだ。眠るだけ、と思うと一気に睡魔が襲ってくる。
(あれ…そういえば)
ザクと体を触れ合っただけなのに、先ほどまで抱えていた不安が、おかしいぐらい消えていた。今じゃもう遠征のことを鬱々と考えていた自分はいなくて、横に寝るザクのことしか考えられなくなってる。
(…ありがと)
ザクの広い背中に寄り添い、そう囁く。そうだよな、何を恐れていたんだ俺は。
(ザクがいれば大丈夫)
きっと何が起きてもザクがなんとかしてくれる。そう思えば何もかも気にならなくなった。
「…おやすみ、ザク」
「んぁ?おやすみぃ」
雑な手付きでわしゃわしゃと頭を撫でてきたと思えば、すぐに寝入ってしまう。その寝息につられ俺も目を瞑る。その夜はほとんど夢を見ることなくぐっすりと眠ることができたのだった。
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