33 / 159
五話
劣化か進化か
しおりを挟む
「私はこの後あなたを解体する事になってるんです。レッドは血液を、私は肉体が必要だから…この場にいる人間を全て殺します」
「!」
「でも、死にたくないですよね?」
赤い女が刃物をちらつかせながら首を傾げた。糸の切れた人形のように首の角度がおかしいほど曲がっている。
「あなたが私のタイプなのは本当の事なんです。だから…あなたが私を選んでくれるなら、解体する対象をレッドに変えます。そして奥の学生たちにも危害を加えない事を約束しましょう」
「…どうしてそこまで俺に固執する??何がしたいんだよ??」
「あなたをここに誘い込んだのは私です。あなたとまた会いたかったから。わざと学生を一人逃がして、名刺も忍ばせて…レッドのいるホストクラブに来させた。そうすればあなたを無理矢理にでも巻き込めるから」
「…まさか、店で感じた視線って」
嫌な視線、あれは赤い女のものだったのか。ボンキの帰り道で俺をつけて居場所を突き止めた後、学生を一人だけわざと逃がして俺のいる店へと送り込んだ、と。
(どうして一人だけ逃げてこれたのかと思ったが…)
赤い女の餌に使われたのなら納得だ。
「正解です。全部レッドに内緒にしてやったんですよ」
「なんでそんな…回りくどい事を…」
「私、目力が強い人に憧れるんです。あなたやレッドみたいな鋭い目が大好きなんです。メデューサは眼の力の幻獣だから余計執着するんですかね?ふふ」
「自分の欲望の為なら…人殺ししても良いと思ってんのか」
「そんな怖い顔しないでください。わかってますよ。でも私だってただ好きだから追い回してるわけじゃない…」
刃を指で撫でながら囁く。
「自分の弱い石化の力も…目力のあるあなた達と子供を作れば、もしかしたら次の子は力が増すかもって」
「は…??んなわけねえだろ…」
「やってみないとわからないじゃないですか。力が弱った者同士だと劣化した子供しか生まれない。今の私みたいな…出来損ないのメデューサが次の世代にはもっと増えてしまう。だからチャレンジしなきゃって」
出来損ない、と自嘲するように言う赤い女は酷く痛々しかった。昨日のユウキとの会話を思い出す。幻獣は世代交代していくうちに能力が変化していく。人間との共生を選んだ幻獣はその多くが劣化(人間の血)を受け入れることになる。メデューサもその一つで、種族としての力が弱まってきてるのだろうか。
「もう話はいいでしょう、“お客様"」
頭を掴まれ、無理やり目を合わせられた。
ガチリ
体の芯まで石化した感覚がある。今回は唇も動かすことができなかった。完全な金縛り、石化だ。
「こんな私でも至近距離で見つめれば石化の力が強まるんです。ふふ、この距離なら肺や心臓を止めることだってできるんですよ?」
鼻が擦れるほどの距離で囁いてきた。
「死にたくなければ答えて…私を選ぶと」
「…っ」
「言ってください!早く!」
焦ったように刃をつきつけてくる。俺にではなくユウキにだ。このままではユウキが殺される。俺は歯噛みしながら頷こうとする。その時。
「おいおい!俺の獲物を誑かしてんじゃねぇ!」
そこで荒々しい声が乱入してきた。見なくてもわかる。レッドだ。イライラをぶつけるように近くの柱を蹴りつけながら倉庫の中に戻ってくる。
「レッド王子…」
「てめぇは俺が食った残飯を綺麗に切り分けるのが仕事だろが!出しゃばんな!!」
「き、嫌わないで、王子…ごめんなさい…っ」
赤い女がレッドの方を向く。おかげで石化がとけた。
どさり
前屈みに倒れる。なんとか手をついたがやはりすべての反応が鈍い。自分の体の違和感に戸惑っていると
「!?」
赤い女は何かに気付いたようにハッと息をのんだ。レッドの後方、扉の近くに誰かが立っていた。
(レッドの仲間か…?)
慌てたように赤い女が振り返り、俺の肩を押してくる。
どんっ
「なっ?!」
バランスを崩して後方に倒れる。
バン!バン!
俺が倒れるのと同時に二発の銃声がした。上体は起こさず、視線で確認する。壁に銃弾の痕を見つけた。もしも後ろに倒れてなかったら頭を撃たれていたのかと青ざめる。
ポタタ…
「よかった。そっちは無事ですね」
赤い女が肩をおさえながら言った。その腕からぽたぽたと血が垂れていく。まさか俺を庇ったのか。赤い女は厳しい表情のまま頭を振った。それから前を向く。数十人のスーツの男が並んでいた。
「そこまでだ!“赤い女"め!やっと見つけたぞ!」
男たちの中には何人か見覚えがある者がいた。昨日路地にいた…フィンに殺されかけた奴らだ。流石に火傷をおった者はいなかったがほとんど揃っている。
(やっと見つけた?フィンを追っていたわけじゃないのか?)
戸惑っている間にも状況はどんどん悪化していく。
「手を挙げて横になれ!!妙な動きをすれば今度こそ頭を撃つ!」
「鬱陶しいハエですね。一週間ずっと追いかけまわして…ストーカー行為で通報しますよ」
「無駄口を叩くな!化物が!」
俺達を囲むように回り込んでくる。化物と呼ばれた赤い女は牽制するように銃を握る男へナイフを向けた。
「どうせ大人しく従っても始末されるのでしょう?」
「安心しろ。社長は寛大だ。生きて回収できればお前をコレクションとして追加するだろう。生存の可能性も十分にーー」
パリイン
倉庫に一つしかない電球が割れた。一気に暗闇に包まれる。
「何事だ?!」
「おい化物が消えたぞ!」
「逃げる気だ!捕まえろ!!」
最悪、生死は問わない、男の一人がそう叫んだ時だった。
「ぐああ!」
「いってえっ!」
男たちの悲鳴がそこら中からあがった。右から聞こえたと思ったら今度は反対側。前後からも。距離もかなり遠いのに、何が起きているのか。
「お前ら何やってる!相手は一人だろうっ!うわあ?!」
「うっ動けません!!」
「まさか石化か??だが複数はできないはずじゃ…!!」
混乱してる。一体何が起きてるんだ。立ち上がりかけたところで肩に手を置かれ、ぐいっと押しとどめられた。
「ラ~イ、今動くと巻き込まれるぜぇ」
「!!」
レッドが横に移動して囁いてきた。いつの間にと身構えると、壁側を指さしてくる。そこには鏡がいくつも置かれていた。棚や小物の隙間、天井にまで。様々な角度の鏡たちが倉庫の内側を写していた。暗闇に目が慣れてきた事でよく見える。
「この倉庫はイカレ女の狩場でなぁ。鏡を置いてあらゆる角度に石化能力を反射させてる」
「…!!」
「倉庫に入った奴らは知らず知らずのうちにイカレ女と目が合って石化→ナイフぶっ刺しの繰り返しってわけだぁ」
「乱反射なんてしたら石化が発動しないんじゃ…」
「一瞬は石化するらしいぜ。その一瞬の隙があればイカレ女にとっては十分だろ。ナイフの使い方だけは天才だからなぁ」
話してるうちにも男達はどんどん倒されていく。
「ぐああ!」
「助けてくれえ!」
残った者達も悲鳴をあげながら倒れていった。もう誰も立っていない。苦悶の声が倉庫に木霊する。目の前は地獄絵図だった。
「はあ、はあ…」
息を荒げながら赤い女が近寄ってくる。更に赤く染まった体は化け物そのものだ。何も知らないものが見たら怨霊と思うだろう。
スッ
赤い女が無言で手を差し伸べてくる。真っ赤に染まった手だ。人を殺して生きてきた手。恐ろしく感じるはずなのに、悲しげに手を差し出す彼女から目が離せないのはどうしてだ。どうしてこんなに放っておけない気持ちになるのか。
「こんな私じゃ…ダメですか…?」
絞り出すように「こんな私」と卑下する。その姿を見てやっと気づいた。
(ああ…そうか)
フィンに似てるんだ。自分の能力がコンプレックスで、自分の体が許せなくて…苦しむ姿は少し、いや、かなり重なって見える。痛々しい手を一瞥してから俺は口を開いた。
「……悪いが、俺はあんたを選ばない」
「どうしてっっ…!」
赤い女は泣きそうな顔で縋りついてくる。
「私が弱いから、力がないからですか?!」
「違う。あんたは十分強い。俺なんて足元に及ばない程に、強いよ」
「じゃあなんで…!私が可愛くなればいいんですか?綺麗になれば?大金持ちになればいいんですか?!」
「そうじゃない」
強さも可愛さも金も、あんたは必要ない。
「じゃあ!!」
「あんたは…誰に選ばれる必要もない。あんた自身があんたを選ぶんだ」
「!!」
血だらけの手を握る。薬のせいでほとんど力は入らなかったがぬくもりは感じた。
(ナイフだこがある…)
どんなに恐ろしい姿になっても、血に染まっても、この努力した形跡は嘘をついてない。
「将来、メデューサの石化能力は落ちていくかもしれねえ。でもそれはあんた一人が背負う事じゃない。皆で話して少しずつ進める問題だ」
「…話して、どうにか…なるの」
「ならないかもしれないし、なるかもしれない。そもそもあんた一人が強くなってもメデューサの未来に変化なんて起きねえ。できて、少し遅らせるぐらいだ。だからあんたは…自分を自分で殺しちまう前に、自分を選んでくれ。誰かじゃなくて自分が愛すんだよ」
「!!」
手を振り払われる。赤い女は自分の手を見た後大きく首を振った。
「そんな…っ、こと…できない!だって私は…弱くて、メデューサのお荷物で…汚れた人殺しなんですよ!!」
「人殺しは大罪だ。だからちゃんと罪を償うんだ。被害者の為ってのはもちろんだけど、自分の為にも逃げずに償うんだ。その先で自分を愛せるかもしれないんだから」
「……っ!」
頼むから、と願うように手を握りしめれば、赤い女は膝をついた。それからナイフを落とす。
カララン
ナイフが足元に滑ってきた。それを蹴りつけて遠ざける。赤い女に視線を戻した。もう敵意はないのか項垂れたまま動かない。
「もう、いいのか?」
「…」
「今から俺が警察に電話する。だから、あんたは自首してくれ。できるな?」
「…はい」
ユウキに預かっていたスマホをつける。色々あったが借りておいて良かった。呼び出し音が鳴り始める。
プルルル
「自首したらスーツの奴らも手当てしねえとな」
必死すぎて忘れていたが周囲には男達が倒れたままだ。血だらけで呻く声が四方八方から聞こえてくる。それを見ていると赤い女が「手伝います」と呟いた。
「全員致命傷は避けてるので…助かるはずです」
「!…助ける気で切ったのか?」
「はい」
そんな手加減ができるのにどうして連続殺人犯になってしまったのか。俺の疑問に答えるように赤い女は薄く笑った。
「だって、私に彼らを殺す理由はなー…」
「使えねえ道具は廃棄処分だぜぇ」
ブスリ
嫌な音がした。何かが深く埋まる、鈍くて不快な音。
「ガハッ…!!」
赤い女が吐血した。彼女の胸にはナイフが刀身が見えなくなるほど深く突き刺さっている。フィンの時にも感じた絶望感。凍り付く思考の中、赤い女が倒れ込めるのをなんとか受け止めた。
「なんて顔してんだよラ~イ。こいつは何人も殺した連続殺人犯なんだぜぇ?死んでも誰も困らねえ。いや喜ぶ奴だっているはずだ」
「レッド…!!」
「自首させた所で死刑か無期懲役だし、今殺して何が悪いんだ。なあ?」
ケラケラと馬鹿にするように笑う。
「だとしても…自首して悔い改める権利はある…!!」
「悔い改める?自分の為に人を殺してた女だぜ?そんなイカれ女に悔い改める事なんてできるかよ!」
イカれ女と見下した後、腹を抱えて笑い出した。何がそんなに面白いのかと睨みつければ
「こいつに人殺しの命令してたのは俺だって言ったらどうするよぉ?」
「!!」
「イカレ女は元々死体の解体をしてただけで人は殺してねえ。専門の業者から依頼されてひっそり解体業をやってただけだ。俺はその能力を買って、今回の殺人を計画・指示した。いや、強要した、かぁ??」
「彼女を利用したのか…!」
「ははっ!!なに怒ってんだよぉ。指示したのは俺だが実行したのはこいつだぜぇ?俺は一人だって殺してねえ。俺に愛されたくて仕方ねえコイツがやったんだ!馬鹿だよなあ!!」
馬鹿だと言いながらメイの頭を蹴りつける。庇うように覆いかぶされば舌打ちが降ってきた。
「はあ、シラける。腹減ってイライラも収まんねえし。ったく、なんでこんなことになったんだぁ?ライを痛ぶりながら美味しく食うつもりだったのに…もう奴らに掴まっちまったし時間切れなのも腹立つなぁ」
時間切れだと言って再度舌打ちする。
「せめて腹いっぱい食っとかねえと損すぎるぜ」
そう言ってレッドがちらりと後方を確認した。暗くてもわかる。唯一の扉がある方向だ。
「仕方ねぇ…あっちのガキ共を食いにいくか」
「ま…待て!レッド!」
レッドは俺の静止を無視して倉庫の外へ走っていく。俺も追いかけようと立ち上がった所で
ヒュー…ヒュー…
穴から空気が抜けるような音がする。ハッと下をみればメイがこちらを見ていた。虚ろな瞳とかろうじて目が合う。
「メイ…!」
呼びかけると、メイが目を細めた。少しして笑ってるのだとわかった。
「わた、し、の、名前、うれ、し…」
「喋るなっ!傷が開く!」
「はあ…はっ、彼ら…は、小屋、に、い、ます…多分、まだ、生きてる…」
「!!」
彼ら。メイが視線だけで方向を伝えてくる。扉から少し右にいった方を見ていた。不良学生達の事だとすぐにわかった。
「あそこには、武器、も、あるから…気をつけ、ゴホッゴホッ」
「もういいっ…無茶するなっ…!」
「いい、の…あなた、に、…嬉し、かった、から…」
少しずつ意識が遠退いていってるのか目が合わなくなる。
「私、だけじゃ、ない…皆、変わって、きてる、んだもん、ね」
どこか虚ろな目で天井を見つめている。もう誰に話しかけているのかもわからない。
「これっ、て…劣化、なのかな……それとも…進化…」
問いかけるような呟きだった。
「あなた、に、は…どう、見えて……る……」
そこまでいってメイの目蓋が閉じる。呼吸は浅くなっていたし心臓の音もか細い。
「くそっ…!」
床に落ちていたスマホを拾い上げる。救急車にかけ直した。ここがどこだかわからないがスマホの位置情報を伝えてなんとか手配してもらう。
「よし…」
立ち上がった。助けがくるまで付き添ってやってやりたいが、レッドを逃がすわけにはいかない。せっかく最後の力を振り絞って教えてくれた情報だ。無駄にはできない。
「絶対捕まえるからな、メイも絶対負けんじゃねえぞ」
俺の独り言に応えるようにメイの血塗られた髪が揺れた。
***
タッタッ
倉庫を出ると小さな小屋が見えた。扉が半開きにされている。何かの作業場なのか。嫌な予感がしつつ踏み入る。
「いねえ!いねええ!!どこいったぁ?!!」
レッドが取り乱していた。中心に置かれた四つの椅子を蹴り飛ばしながら半狂乱になって暴れている。
「どこに消えやがった!!ガキ共!!」
「レッド…!!」
「ああ??またお前かよ!ウゼエなぁ!!」
怒り狂った様子でレッドが振り返ってくる。俺の姿を確認した瞬間、表情がガラリと変わった。怒りと興奮…そして喜びを浮かべたような顔だった。とっさに後退る。
「さてはお前がガキ共逃がしたなぁ??ラ~イ!最後の最後まで俺の計画を狂わせやがってぇ!!!」
奴の手には鎌のような道具があった。稲刈りに使うような珍しい形の道具。刃の部分だけで30cmはある。それを容赦なく振り回してきた。当たれば腕の一本、いや首が飛ぶだろう。
(くそっ、こっちは丸腰でまともに力が入んねえのに…!!)
焦る俺をよそに、血走った目のレッドが鎌を振りかぶってくる。
「くっ…!」
すんでのとろで避ける。が、何度目かのところで何かに躓いてしまう。先程レッドが蹴り倒していた椅子の足に引っ掛かったらしい。
ドサッ
後ろ手に倒れ込んだ瞬間、間髪いれずレッドが馬乗りになってきた。
「はあ、はあ、お前も馬鹿だよなあ。自分から食われにくるなんてよぉ??」
鎌を向けながら笑いかけてくる。
「!」
「でも、死にたくないですよね?」
赤い女が刃物をちらつかせながら首を傾げた。糸の切れた人形のように首の角度がおかしいほど曲がっている。
「あなたが私のタイプなのは本当の事なんです。だから…あなたが私を選んでくれるなら、解体する対象をレッドに変えます。そして奥の学生たちにも危害を加えない事を約束しましょう」
「…どうしてそこまで俺に固執する??何がしたいんだよ??」
「あなたをここに誘い込んだのは私です。あなたとまた会いたかったから。わざと学生を一人逃がして、名刺も忍ばせて…レッドのいるホストクラブに来させた。そうすればあなたを無理矢理にでも巻き込めるから」
「…まさか、店で感じた視線って」
嫌な視線、あれは赤い女のものだったのか。ボンキの帰り道で俺をつけて居場所を突き止めた後、学生を一人だけわざと逃がして俺のいる店へと送り込んだ、と。
(どうして一人だけ逃げてこれたのかと思ったが…)
赤い女の餌に使われたのなら納得だ。
「正解です。全部レッドに内緒にしてやったんですよ」
「なんでそんな…回りくどい事を…」
「私、目力が強い人に憧れるんです。あなたやレッドみたいな鋭い目が大好きなんです。メデューサは眼の力の幻獣だから余計執着するんですかね?ふふ」
「自分の欲望の為なら…人殺ししても良いと思ってんのか」
「そんな怖い顔しないでください。わかってますよ。でも私だってただ好きだから追い回してるわけじゃない…」
刃を指で撫でながら囁く。
「自分の弱い石化の力も…目力のあるあなた達と子供を作れば、もしかしたら次の子は力が増すかもって」
「は…??んなわけねえだろ…」
「やってみないとわからないじゃないですか。力が弱った者同士だと劣化した子供しか生まれない。今の私みたいな…出来損ないのメデューサが次の世代にはもっと増えてしまう。だからチャレンジしなきゃって」
出来損ない、と自嘲するように言う赤い女は酷く痛々しかった。昨日のユウキとの会話を思い出す。幻獣は世代交代していくうちに能力が変化していく。人間との共生を選んだ幻獣はその多くが劣化(人間の血)を受け入れることになる。メデューサもその一つで、種族としての力が弱まってきてるのだろうか。
「もう話はいいでしょう、“お客様"」
頭を掴まれ、無理やり目を合わせられた。
ガチリ
体の芯まで石化した感覚がある。今回は唇も動かすことができなかった。完全な金縛り、石化だ。
「こんな私でも至近距離で見つめれば石化の力が強まるんです。ふふ、この距離なら肺や心臓を止めることだってできるんですよ?」
鼻が擦れるほどの距離で囁いてきた。
「死にたくなければ答えて…私を選ぶと」
「…っ」
「言ってください!早く!」
焦ったように刃をつきつけてくる。俺にではなくユウキにだ。このままではユウキが殺される。俺は歯噛みしながら頷こうとする。その時。
「おいおい!俺の獲物を誑かしてんじゃねぇ!」
そこで荒々しい声が乱入してきた。見なくてもわかる。レッドだ。イライラをぶつけるように近くの柱を蹴りつけながら倉庫の中に戻ってくる。
「レッド王子…」
「てめぇは俺が食った残飯を綺麗に切り分けるのが仕事だろが!出しゃばんな!!」
「き、嫌わないで、王子…ごめんなさい…っ」
赤い女がレッドの方を向く。おかげで石化がとけた。
どさり
前屈みに倒れる。なんとか手をついたがやはりすべての反応が鈍い。自分の体の違和感に戸惑っていると
「!?」
赤い女は何かに気付いたようにハッと息をのんだ。レッドの後方、扉の近くに誰かが立っていた。
(レッドの仲間か…?)
慌てたように赤い女が振り返り、俺の肩を押してくる。
どんっ
「なっ?!」
バランスを崩して後方に倒れる。
バン!バン!
俺が倒れるのと同時に二発の銃声がした。上体は起こさず、視線で確認する。壁に銃弾の痕を見つけた。もしも後ろに倒れてなかったら頭を撃たれていたのかと青ざめる。
ポタタ…
「よかった。そっちは無事ですね」
赤い女が肩をおさえながら言った。その腕からぽたぽたと血が垂れていく。まさか俺を庇ったのか。赤い女は厳しい表情のまま頭を振った。それから前を向く。数十人のスーツの男が並んでいた。
「そこまでだ!“赤い女"め!やっと見つけたぞ!」
男たちの中には何人か見覚えがある者がいた。昨日路地にいた…フィンに殺されかけた奴らだ。流石に火傷をおった者はいなかったがほとんど揃っている。
(やっと見つけた?フィンを追っていたわけじゃないのか?)
戸惑っている間にも状況はどんどん悪化していく。
「手を挙げて横になれ!!妙な動きをすれば今度こそ頭を撃つ!」
「鬱陶しいハエですね。一週間ずっと追いかけまわして…ストーカー行為で通報しますよ」
「無駄口を叩くな!化物が!」
俺達を囲むように回り込んでくる。化物と呼ばれた赤い女は牽制するように銃を握る男へナイフを向けた。
「どうせ大人しく従っても始末されるのでしょう?」
「安心しろ。社長は寛大だ。生きて回収できればお前をコレクションとして追加するだろう。生存の可能性も十分にーー」
パリイン
倉庫に一つしかない電球が割れた。一気に暗闇に包まれる。
「何事だ?!」
「おい化物が消えたぞ!」
「逃げる気だ!捕まえろ!!」
最悪、生死は問わない、男の一人がそう叫んだ時だった。
「ぐああ!」
「いってえっ!」
男たちの悲鳴がそこら中からあがった。右から聞こえたと思ったら今度は反対側。前後からも。距離もかなり遠いのに、何が起きているのか。
「お前ら何やってる!相手は一人だろうっ!うわあ?!」
「うっ動けません!!」
「まさか石化か??だが複数はできないはずじゃ…!!」
混乱してる。一体何が起きてるんだ。立ち上がりかけたところで肩に手を置かれ、ぐいっと押しとどめられた。
「ラ~イ、今動くと巻き込まれるぜぇ」
「!!」
レッドが横に移動して囁いてきた。いつの間にと身構えると、壁側を指さしてくる。そこには鏡がいくつも置かれていた。棚や小物の隙間、天井にまで。様々な角度の鏡たちが倉庫の内側を写していた。暗闇に目が慣れてきた事でよく見える。
「この倉庫はイカレ女の狩場でなぁ。鏡を置いてあらゆる角度に石化能力を反射させてる」
「…!!」
「倉庫に入った奴らは知らず知らずのうちにイカレ女と目が合って石化→ナイフぶっ刺しの繰り返しってわけだぁ」
「乱反射なんてしたら石化が発動しないんじゃ…」
「一瞬は石化するらしいぜ。その一瞬の隙があればイカレ女にとっては十分だろ。ナイフの使い方だけは天才だからなぁ」
話してるうちにも男達はどんどん倒されていく。
「ぐああ!」
「助けてくれえ!」
残った者達も悲鳴をあげながら倒れていった。もう誰も立っていない。苦悶の声が倉庫に木霊する。目の前は地獄絵図だった。
「はあ、はあ…」
息を荒げながら赤い女が近寄ってくる。更に赤く染まった体は化け物そのものだ。何も知らないものが見たら怨霊と思うだろう。
スッ
赤い女が無言で手を差し伸べてくる。真っ赤に染まった手だ。人を殺して生きてきた手。恐ろしく感じるはずなのに、悲しげに手を差し出す彼女から目が離せないのはどうしてだ。どうしてこんなに放っておけない気持ちになるのか。
「こんな私じゃ…ダメですか…?」
絞り出すように「こんな私」と卑下する。その姿を見てやっと気づいた。
(ああ…そうか)
フィンに似てるんだ。自分の能力がコンプレックスで、自分の体が許せなくて…苦しむ姿は少し、いや、かなり重なって見える。痛々しい手を一瞥してから俺は口を開いた。
「……悪いが、俺はあんたを選ばない」
「どうしてっっ…!」
赤い女は泣きそうな顔で縋りついてくる。
「私が弱いから、力がないからですか?!」
「違う。あんたは十分強い。俺なんて足元に及ばない程に、強いよ」
「じゃあなんで…!私が可愛くなればいいんですか?綺麗になれば?大金持ちになればいいんですか?!」
「そうじゃない」
強さも可愛さも金も、あんたは必要ない。
「じゃあ!!」
「あんたは…誰に選ばれる必要もない。あんた自身があんたを選ぶんだ」
「!!」
血だらけの手を握る。薬のせいでほとんど力は入らなかったがぬくもりは感じた。
(ナイフだこがある…)
どんなに恐ろしい姿になっても、血に染まっても、この努力した形跡は嘘をついてない。
「将来、メデューサの石化能力は落ちていくかもしれねえ。でもそれはあんた一人が背負う事じゃない。皆で話して少しずつ進める問題だ」
「…話して、どうにか…なるの」
「ならないかもしれないし、なるかもしれない。そもそもあんた一人が強くなってもメデューサの未来に変化なんて起きねえ。できて、少し遅らせるぐらいだ。だからあんたは…自分を自分で殺しちまう前に、自分を選んでくれ。誰かじゃなくて自分が愛すんだよ」
「!!」
手を振り払われる。赤い女は自分の手を見た後大きく首を振った。
「そんな…っ、こと…できない!だって私は…弱くて、メデューサのお荷物で…汚れた人殺しなんですよ!!」
「人殺しは大罪だ。だからちゃんと罪を償うんだ。被害者の為ってのはもちろんだけど、自分の為にも逃げずに償うんだ。その先で自分を愛せるかもしれないんだから」
「……っ!」
頼むから、と願うように手を握りしめれば、赤い女は膝をついた。それからナイフを落とす。
カララン
ナイフが足元に滑ってきた。それを蹴りつけて遠ざける。赤い女に視線を戻した。もう敵意はないのか項垂れたまま動かない。
「もう、いいのか?」
「…」
「今から俺が警察に電話する。だから、あんたは自首してくれ。できるな?」
「…はい」
ユウキに預かっていたスマホをつける。色々あったが借りておいて良かった。呼び出し音が鳴り始める。
プルルル
「自首したらスーツの奴らも手当てしねえとな」
必死すぎて忘れていたが周囲には男達が倒れたままだ。血だらけで呻く声が四方八方から聞こえてくる。それを見ていると赤い女が「手伝います」と呟いた。
「全員致命傷は避けてるので…助かるはずです」
「!…助ける気で切ったのか?」
「はい」
そんな手加減ができるのにどうして連続殺人犯になってしまったのか。俺の疑問に答えるように赤い女は薄く笑った。
「だって、私に彼らを殺す理由はなー…」
「使えねえ道具は廃棄処分だぜぇ」
ブスリ
嫌な音がした。何かが深く埋まる、鈍くて不快な音。
「ガハッ…!!」
赤い女が吐血した。彼女の胸にはナイフが刀身が見えなくなるほど深く突き刺さっている。フィンの時にも感じた絶望感。凍り付く思考の中、赤い女が倒れ込めるのをなんとか受け止めた。
「なんて顔してんだよラ~イ。こいつは何人も殺した連続殺人犯なんだぜぇ?死んでも誰も困らねえ。いや喜ぶ奴だっているはずだ」
「レッド…!!」
「自首させた所で死刑か無期懲役だし、今殺して何が悪いんだ。なあ?」
ケラケラと馬鹿にするように笑う。
「だとしても…自首して悔い改める権利はある…!!」
「悔い改める?自分の為に人を殺してた女だぜ?そんなイカれ女に悔い改める事なんてできるかよ!」
イカれ女と見下した後、腹を抱えて笑い出した。何がそんなに面白いのかと睨みつければ
「こいつに人殺しの命令してたのは俺だって言ったらどうするよぉ?」
「!!」
「イカレ女は元々死体の解体をしてただけで人は殺してねえ。専門の業者から依頼されてひっそり解体業をやってただけだ。俺はその能力を買って、今回の殺人を計画・指示した。いや、強要した、かぁ??」
「彼女を利用したのか…!」
「ははっ!!なに怒ってんだよぉ。指示したのは俺だが実行したのはこいつだぜぇ?俺は一人だって殺してねえ。俺に愛されたくて仕方ねえコイツがやったんだ!馬鹿だよなあ!!」
馬鹿だと言いながらメイの頭を蹴りつける。庇うように覆いかぶされば舌打ちが降ってきた。
「はあ、シラける。腹減ってイライラも収まんねえし。ったく、なんでこんなことになったんだぁ?ライを痛ぶりながら美味しく食うつもりだったのに…もう奴らに掴まっちまったし時間切れなのも腹立つなぁ」
時間切れだと言って再度舌打ちする。
「せめて腹いっぱい食っとかねえと損すぎるぜ」
そう言ってレッドがちらりと後方を確認した。暗くてもわかる。唯一の扉がある方向だ。
「仕方ねぇ…あっちのガキ共を食いにいくか」
「ま…待て!レッド!」
レッドは俺の静止を無視して倉庫の外へ走っていく。俺も追いかけようと立ち上がった所で
ヒュー…ヒュー…
穴から空気が抜けるような音がする。ハッと下をみればメイがこちらを見ていた。虚ろな瞳とかろうじて目が合う。
「メイ…!」
呼びかけると、メイが目を細めた。少しして笑ってるのだとわかった。
「わた、し、の、名前、うれ、し…」
「喋るなっ!傷が開く!」
「はあ…はっ、彼ら…は、小屋、に、い、ます…多分、まだ、生きてる…」
「!!」
彼ら。メイが視線だけで方向を伝えてくる。扉から少し右にいった方を見ていた。不良学生達の事だとすぐにわかった。
「あそこには、武器、も、あるから…気をつけ、ゴホッゴホッ」
「もういいっ…無茶するなっ…!」
「いい、の…あなた、に、…嬉し、かった、から…」
少しずつ意識が遠退いていってるのか目が合わなくなる。
「私、だけじゃ、ない…皆、変わって、きてる、んだもん、ね」
どこか虚ろな目で天井を見つめている。もう誰に話しかけているのかもわからない。
「これっ、て…劣化、なのかな……それとも…進化…」
問いかけるような呟きだった。
「あなた、に、は…どう、見えて……る……」
そこまでいってメイの目蓋が閉じる。呼吸は浅くなっていたし心臓の音もか細い。
「くそっ…!」
床に落ちていたスマホを拾い上げる。救急車にかけ直した。ここがどこだかわからないがスマホの位置情報を伝えてなんとか手配してもらう。
「よし…」
立ち上がった。助けがくるまで付き添ってやってやりたいが、レッドを逃がすわけにはいかない。せっかく最後の力を振り絞って教えてくれた情報だ。無駄にはできない。
「絶対捕まえるからな、メイも絶対負けんじゃねえぞ」
俺の独り言に応えるようにメイの血塗られた髪が揺れた。
***
タッタッ
倉庫を出ると小さな小屋が見えた。扉が半開きにされている。何かの作業場なのか。嫌な予感がしつつ踏み入る。
「いねえ!いねええ!!どこいったぁ?!!」
レッドが取り乱していた。中心に置かれた四つの椅子を蹴り飛ばしながら半狂乱になって暴れている。
「どこに消えやがった!!ガキ共!!」
「レッド…!!」
「ああ??またお前かよ!ウゼエなぁ!!」
怒り狂った様子でレッドが振り返ってくる。俺の姿を確認した瞬間、表情がガラリと変わった。怒りと興奮…そして喜びを浮かべたような顔だった。とっさに後退る。
「さてはお前がガキ共逃がしたなぁ??ラ~イ!最後の最後まで俺の計画を狂わせやがってぇ!!!」
奴の手には鎌のような道具があった。稲刈りに使うような珍しい形の道具。刃の部分だけで30cmはある。それを容赦なく振り回してきた。当たれば腕の一本、いや首が飛ぶだろう。
(くそっ、こっちは丸腰でまともに力が入んねえのに…!!)
焦る俺をよそに、血走った目のレッドが鎌を振りかぶってくる。
「くっ…!」
すんでのとろで避ける。が、何度目かのところで何かに躓いてしまう。先程レッドが蹴り倒していた椅子の足に引っ掛かったらしい。
ドサッ
後ろ手に倒れ込んだ瞬間、間髪いれずレッドが馬乗りになってきた。
「はあ、はあ、お前も馬鹿だよなあ。自分から食われにくるなんてよぉ??」
鎌を向けながら笑いかけてくる。
10
あなたにおすすめの小説
陥落 ー おじさま達に病愛されて ー
ななな
BL
眉目秀麗、才ある青年が二人のおじさま達から変態的かつ病的に愛されるお話。全九話。
国一番の璃伴士(将棋士)であるリンユゥは、義父に温かい愛情を注がれ、平凡ながらも幸せな日々を過ごしていた。
そんなある日、一人の紳士とリンユゥは対局することになり…。
人気俳優に拾われてペットにされた件
米山のら
BL
地味で平凡な社畜、オレ――三池豆太郎。
そんなオレを拾ったのは、超絶人気俳優・白瀬洸だった。
「ミケ」って呼ばれて、なぜか猫扱いされて、執着されて。
「ミケにはそろそろ“躾”が必要かな」――洸の優しい笑顔の裏には、底なしの狂気が潜んでいた。
これは、オレが洸の変態的な愛情と執着に、容赦なく絡め取られて、逃げ道を失っていく話。
ヤリチン伯爵令息は年下わんこに囚われ首輪をつけられる
桃瀬さら
BL
「僕のモノになってください」
首輪を持った少年はレオンに首輪をつけた。
レオンは人に誇れるような人生を送ってはこなかった。だからといって、誰かに狙われるようないわれもない。
ストーカーに悩まされていたレある日、ローブを着た不審な人物に出会う。
逃げるローブの人物を追いかけていると、レオンは気絶させられ誘拐されてしまう。
マルセルと名乗った少年はレオンを閉じ込め、痛めつけるでもなくただ日々を過ごすだけ。
そんな毎日にいつしかレオンは安らぎを覚え、純粋なマルセルに毒されていく。
近づいては離れる猫のようなマルセル×囚われるレオン
従僕に溺愛されて逃げられない
大の字だい
BL
〈従僕攻め×強気受け〉のラブコメ主従BL!
俺様気質で傲慢、まるで王様のような大学生・煌。
その傍らには、当然のようにリンがいる。
荷物を持ち、帰り道を誘導し、誰より自然に世話を焼く姿は、周囲から「犬みたい」と呼ばれるほど。
高校卒業間近に受けた突然の告白を、煌は「犬として立派になれば考える」とはぐらかした。
けれど大学に進学しても、リンは変わらず隣にいる。
当たり前の存在だったはずなのに、最近どうも心臓がおかしい。
居なくなると落ち着かない自分が、どうしても許せない。
さらに現れた上級生の熱烈なアプローチに、リンの嫉妬は抑えきれず――。
主従なのか、恋人なのか。
境界を越えたその先で、煌は思い知らされる。
従僕の溺愛からは、絶対に逃げられない。
こわがりオメガは溺愛アルファ様と毎日おいかけっこ♡
なお
BL
政略結婚(?)したアルファの旦那様をこわがってるオメガ。
あまり近付かないようにしようと逃げ回っている。発情期も結婚してから来ないし、番になってない。このままじゃ離婚になるかもしれない…。
♡♡♡
恐いけど、きっと旦那様のことは好いてるのかな?なオメガ受けちゃん。ちゃんとアルファ旦那攻め様に甘々どろどろに溺愛されて、たまに垣間見えるアルファの執着も楽しめるように書きたいところだけ書くみたいになるかもしれないのでストーリーは面白くないかもです!!!ごめんなさい!!!
相性最高な最悪の男 ~ラブホで会った大嫌いな同僚に執着されて逃げられない~
柊 千鶴
BL
【執着攻め×強気受け】
人付き合いを好まず、常に周囲と一定の距離を置いてきた篠崎には、唯一激しく口論を交わす男がいた。
その仲の悪さから「天敵」と称される同期の男だ。
完璧人間と名高い男とは性格も意見も合わず、顔を合わせればいがみ合う日々を送っていた。
ところがある日。
篠崎が人肌恋しさを慰めるため、出会い系サイトで男を見繕いホテルに向かうと、部屋の中では件の「天敵」月島亮介が待っていた。
「ど、どうしてお前がここにいる⁉」「それはこちらの台詞だ…!」
一夜の過ちとして終わるかと思われた関係は、徐々にふたりの間に変化をもたらし、月島の秘められた執着心が明らかになっていく。
いつも嫌味を言い合っているライバルとマッチングしてしまい、一晩だけの関係で終わるには惜しいほど身体の相性は良く、抜け出せないまま囲われ執着され溺愛されていく話。小説家になろうに投稿した小説の改訂版です。
合わせて漫画もよろしくお願いします。(https://www.alphapolis.co.jp/manga/763604729/304424900)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる